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東京集団精神療法研究所

Institute of Tokyo Group and Individual Psychotherapy


設立趣意書

日本における集団精神療法は、今や創成期を過ぎ、グループサイコセラピストの学会資格認定制度の確立とともに、新たな発展段階を迎えようとしています。

1970年代半ばより、鈴木純一先生とのグループ体験から集団力動の見方やグループへのかかわり方を学んできた私たちは、日本集団精神療法学会での発表や理事活動など、積極的に学会運営にかかわってきています。また、学会の教育研修システムにおいても、研修会運営にたずさわり、事例検討のスーパーバイザーや体験グループのコンダクターを引き受けるなど、教育研修システムの中心的役割を担ってきています。研修システムが始まったことによって、各地の研究組織も活発に活動を始めていますが、そこにも共に学んできた多くの人たちがかかわっています。

こういった流れのなかで、集団精神療法の裾野を学会活動の中でさらに広げていくと同時に、これまで培ってきた私たち自身の実践や理論をより深め発展させていくための「場」の必要性を強く感じるようになりました。

大グループ、病院臨床、地域援助、治療共同体、グループアナリシス、ソーシャルグループワークなどの実践に関連する集団精神療法の「知を集める」こと、そしてその「知を広める」こと、さらには、さまざまな臨床の場でグループにかかわっている人たちを相互にサポートし、実践の場を提供することを目的とした、実践コミュニティ(=研究所 community of practice*)の設立を考えました。

私たちは、この実践コミュニティを拠点として、より多くの人たちが集団精神療法について考え、新たな試みにチャレンジしていく豊かな機会を作り出すことを目指していきます。

以上の趣旨をご理解いただき、東京集団精神療法研究所設立にご参加下さいますようお願い申し上げます。

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*community of practiceとは
あるテーマに関する関心や問題、熱意などを共有し、その分野の知識や技能を、持続的な相互交流を通じて深めていく人々の集団
Etienne Wenger