民生委員のなり手を増やす究極策の提言
民生委員のなり手不足の現状
5 「参考にされたい資料」
1 「新たな人材発掘のための資料『民生委員とは?その活動は?』」
水質ランキング日本一に何度も輝いている猪苗代湖、千円札の「顔」でも有名な野口英世博士の生誕の町などで知られる福島県猪苗代町の山間部で、経験11年余りを有する76歳の男子の民生委員が、@民生委員とはどういう活動をしているのか、Aどういう人が民生委員になっているのか、Bやりがいは何か、C容易でないことは何か、などを実情に即して率直に記述します。
@ 民生委員の「身分」と「仕事」
民生委員は、名誉職ではなく、非常勤の特別職の地方公務員に位置づけられ、一人で暮らしている高齢の方、心や体に障がいのある方、及び生活に困っている方などに、いろいろな情報を提供したり、相談に乗ったりして日々の生活を支援しています。
また、不登校などの児童を抱える家庭や片親家庭などに対して、学校などと連携しながら見守り活動を行ったりして、児童・母子福祉の推進に取り組んでいます。
A 民生委員の資格
民生委員については、住んでいる市区町村の首長や議員の選挙権を持っていること、及びおおむね65歳以下(初任者の場合)であることが求められますが、これ以外に必要とされる「資格」のようなものはありません。
- 人の役に立とうとする強い気持ちと奉仕の精神
- 活動や研修に充てることのできるある程度の時間
- 職務上知り得た秘密を厳守できる鉄の意志
これらがあれば、もちろん、性を問わず誰でも手を挙げることができます。ただし、挙手することが直ちに民生委員を委嘱されるということではありません。
B 民生委員の配置
民生委員は、厚生労働省が示す基準により、一定地域に一定の人数が配置されていますが、おおむね都市部の民生委員は担当世帯数が多く、郡部の民生委員は少なくなっています。具体的な数字は次のとおりです。
C 委嘱に至るまでの過程
市区町村には、「民生委員推薦会」が置かれていて地域単位に民生委員の適任、適格者、つまり民生委員として推薦する候補者を選び出します。
選び出された候補者は都道府県知事等の推薦を受けて厚生労働省に送られ、最終的に厚生労働大臣から委嘱されることとなります。
なお、民生委員は、3年ごとの12月1日に一斉に改選されます。次回の改選は2019年12月で、約23万の民生委員が改選の対象となります。最近の傾向としては、おおむね3分の1の約7万人が新任で占めれれています。
D 民生委員活動の実際
民生委員は、月初めの定例会議への出席に始まり、月末の「活動記録」の作成に終わる1か月を結構忙しく過ごします。
年間の主な活動は次のとおりです(福島県猪苗代町の山間地域を受け持っている場合)。
- 月初めの定例会議「地区民生児童委員会」への出席(通常月1会)
- 「活動記録」の作成(月末)、提出(月初めの定例会議)
- 一人暮らし高齢者宅への近況伺いの訪問(通常月1回)
- 要支援者の実態を把握する「福祉実態調査」の実施と「福祉票」の作成(年1回)
- 要支援者に「災害福祉マップ」作成の承諾を得ることとそのマップの作成(年1回)
- 町民生児童委員協議会等主催の研修会への出席(月1回程度)
- 「就学援助申請」「生活保護申請」等に係る証明(年3・4件程度)
- 町社会福祉協議会主催「一人暮らし高齢者会食会」の参加者取りまとめと当日の支援活動(年1回)
- 町社会福祉協議会主催「歳末たすけあい配分事業」配布物品希望調査並びにその配布(年1回)
- 町役場等への「つなぎ活動」及び連絡調整(年5・6件程度)
- その他(交通安全街頭活動、学校等の入学式等への参列:分担制につき年1回)
ちなみに、平成29年度における筆者の活動日数は168日、活動件数は403件、月当たりの活動件数は33.6です。(平成25年度の全国平均の活動日数は130.7日、活動件数は376.3件、月当たりの活動件数は31.4件です。全民児連「数字で見る民生委員・児童委員活動」から)。
E 民生委員としてのやりがい
一人で暮らしている高齢の方やその親族の方などから「・・・ありがとう、お陰で元気が出たよ」「ご厄介かけました」などと、お礼や感謝の言葉を言われる度に民生委員としてのやりがいを感じます。使命感の更なる深まりも覚えます。要支援者に喜んでいたくこと、これに勝るやりがいはありません
F 「容易ではない」こともある民生委員活動等
民生委員活動に実際に取り組んでみて、あらかじめ抱いていたイメージ以上の難しさ、わずらわしさ、意外さなどを感じる活動等があります。
- 活動の範囲や限度の見極めが難しい「相談・支援活動」、とりわけ、日常的な支援活動(ゴミ出し、掃除、買い物の代行、病院の付き添いなど)については、何をどこまで、どのように、いつまで支援するかなどの基準や決まりがないので、骨がおれます。
- 民生委員が作成した「活動記録」が国や県などの社会福祉行政運営のための基礎資料になっていると聞くと、その大切さは十分理解できるのですが、様式が複雑で記入事項も多いので作成に気骨がおれます。
- 民生委員は必ず「民生委員児童委員協議会」に所属し、その運営費の一部を会費として負担します。その会費の年額は、所属する組織の運営の仕方によって異なります。
筆者が所属する組織は、県外研修その他で個人負担が生じることを見越して、その分を会費に上乗せする方式をとっています(こうでない組織もたくさんあります)。
もちろん、民生委員には給与の代わりに活動費用弁償費が支給されますので、その中から会費を払っています。
ちなみに、筆者が平成29年度に支給を受けた額は95,145円で、納入した額は56,000円。従って残額は39,145円となり、ガソリン代や電話代に充てる分は乏しくなってしまいます。要支援者のニーズに十分こたえるためにも、支給額、納入額双方の改善が望まれるところです。
G 「二刀流」に取り組んでいる民生委員
とその名称」
民生委員に委嘱された者は、児童・母子福祉を担う「児童委員」を兼ねることと法律で定められています。
つまり、一人で民生委員と児童委員との二役(二刀流」をこなすこととなっています。従って、この場合の正式名称は「民生委員・児童委員」「民生委員児童委員」などが用いられています。
しかし、一般的、若しくは通称的な名称としては、「民生委員」が用いられています(「民生委員・児童委員」は文字数が多いから敬遠されるのでしょうか。あるいは、「民生委員」の方が簡便だからでしょうか)。そして、この「民生委員」という名称は、「民生委員」と「児童委員」の双方を含む名称として用いられています。あるいは、「民生委員」と「児童委員」を代表する名称として用いられています(この資料の中でもこういう使い方をしてきました)。
本来、「民生委員」と「児童委員」の職の重さは同じですから、通称として用いる場合は「民生委員」ではなく、「民生委員」「児童委員」それぞれの最初の一文字をとった「民児委員」(みんじいいん)がよい、と筆者は考えています
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2「新任通算3年目研修」開催要項(素案)
1 趣 旨
新任として3年目を迎えた民生委員・児童委員に、これまでの実践を総括する機会並びに民生委員・児童委員のなり手不足について考え、かつ議論する場を提供し、委員一人一人の今後の課題等を明らかにするとともに、モチベーションや使命感の一層の高揚を図る。
2 日 時
〇〇〇〇年〇月〇日( ) 13:20 〜 16:30
3 主 催
○○○民生児童委員協議会(「民生委員のなり手不足は、全国の単位民児協の『課題となっていること』のトップに挙げられているので、その解決のために民児協自らがこの種の研修を主催することは、大きな意味を持つものと思われる)
4 内 容
13:20〜13:30(10分)主催者挨拶、日程説明
13:30〜14:45(75分)「活動等を総括するチェック表」の記入
15:00〜16:15(75分)グループ討議「なり手不足の実情とその解決策」各班の発表等
16:15〜16:30(15分)アンケート記入、主催者挨拶
※ 参加人数、会場の広さ、テーブル数等にもよるが各グループの人数は6人以下が望ましい。
「新任通算3年目研修」のレジュメ(素案)
はじめに
「民生委員・児童委員となられて2年数か月の間に、皆さんは職務遂行上必要とされる知識やノウハウなど、実にたくさんのことを身につけてこられたことと思います。本日は、その皆さんに、昨日まで展開されてきた数々の相談・支援活動などを総括する機会を提供したいと思います。
こうすることにより、皆さんお一人一人に、民生委員・児童委員としての今後の課題をより明確にしていただきたいと思います。明確になった課題を解決するための明日からの取り組みは必ずや皆さんの力量を高めてくれると確信しています。
なお、本日の研修で民生委員・児童委員としての意欲や使命感を一層高めていただきたいとも考えています。」
1 「活動等を総括するチェック表」の記入
「別紙の『活動等を総括するチェック表』の記述と皆さんの活動や考えとが一致する場合、若しくはそれに近い場合は順番の番号を丸で囲んでください。囲んだ項目を精査することにより、お一人お一人の今後の課題、あるいは民児協の課題、はたまた、国、都道府県、市区町村等の課題が浮き彫りになることと思います。
なお、この『活動等を総括するチェック表』は、一致する項目がいくつあるかということだけでなく、これら55項目は民生委員・児童委員として承知しておきたいこと、活動を進める上で覚えておかなければならない、あるいは、覚えていかなければならないことと捉えてください。
更に、各項目ごとの総括に当たっては、「理解度」「実践度」「達成度」の3点を意識されつつ行ってみてください。」
「活動等を総括するチェック表」
- 厚生労働大臣名による委嘱を受けた後、民生委員制度の由来、つまり、大正5(1916)年、大正天皇の岡山県知事に対する下問から民生委員制度の源と言われる「済世顧問制度」が大正6年5月につくられたこと、並びに、平成29年には民生委員制度が創設100周年を迎えたことなどを知り、その「すごさ」にびっくりした。
- 民生委員としての適格要件、つまり、社会奉仕の精神、高い人格識見、社会福祉活動への理解と熱意等を、委嘱を受けた後に知ったとき、身の引き締まる思いとその堅持の容易ならざることを感じた。
- 民生委員として地域の人々、とりわけ要支援者の生活状況を把握することに意を注いでいる。
- 民生委員として一人暮らし高齢者等を訪問するに当たっては、前もって本人に合うと思われる話題を用意していくので、会話は何とかかみ合っている。
- 児童委員として地域の児童及び妊産婦の生活状況や環境を把握することに苦慮している。
- 相談に応じる日時を高齢の要支援者と話し合って決めたが、忘れられてしまい、相談に至らないことがあった。このことから高齢者などには直前の確認が必要なことを知った。
- 民生委員として地域の人々に提供すべき情報を収集、かつ提供することはほぼ出来ている。
- 児童委員として地域の児童や妊産婦が利用できるサービスの情報の収集並びにその提供活動については、十分できているとは言い難い。とりわけ、男子の児童委員としては活動しにくい領域である妊産婦に係ることについてはほとんど出来ていない。
- 要保護に係る児童虐待には、身体的・性的・心理的虐待及びネグレクトがあることを承知している。
- 民生委員・児童委員の指導的立場にある都道府県及び市区町村等の職員にどのような姿勢で臨むべきか、戸惑うことがある(戸惑ったことがある)。
- 要支援者や地域住民からの話をどの機関・団体等に持ち込むべきかよく分からないで困っている(困ったことがあった)。
- 地域住民などからの話の持ち込み先としてわが町役場(市役所などと読み替えてください)には、高齢者福祉、障がい者福祉、児童福祉、健康増進、生活保護担当(組織、名称等は市区町村によって様々)などがあることを承知している。
- 市区町村行政が行っている事業と社会福祉協議会が行っている事業との区別がよく分からないことがある。
- 社会福祉協議会が実施主体となっている国の事業「生活福祉資金貸付制度」の種類及び条件等がよく分かっていない。
- 介護老人福祉施設(通称「特養」)と介護老人保健施設(通称「老健」)については、その名称が似ていることもあって、サービスの種類、利用形態の違いなどがよく分かっていない。
- 「地域包括支援センター」という名称やその存在、役割、機能などがよく分かっていない。
- ゴミ出しなどの日常的な支援活動において、その活動範囲、限度などがよく分からないので困ることがある。
- 民生委員・児童委員でなければ招待されない小中学校等の行事に参加・参列し、児童生徒等のひたむきな演技、発表、態度等に接することができるのは、民生委員・児童委員みようり尽きると思った。
- 赤い羽根共同募金配分金を活用した社会福祉協議会の主催事業「一人暮らし高齢者会食会」に参画・参加し、企画・運営全般に携わったことは、民生委員・児童委員としてのやりがいにもつながっている。
- 担当地域内に「高齢者福祉サロン」を設けることの意義等は理解しているが、継続することに不安があり実施に踏み切れないでいる。
- 民児協活動でふれあう仲間は高齢者が多く、優しく寛容性豊かなので、安心して交わることができる。
- 高齢者の多い民児協集団が醸し出す物憂い雰囲気には違和感や抵抗感を覚える。
- 温かく和やかな雰囲気に包まれている民児協の単位組織では、誰もが自由に意見を述べることができる。
- 民児協の定期総会や全体研修会の折、改正案を提案したり改革を提言したりしたことは、自分自身の力量アップにもつながっている。
- 委嘱を受けて2か月目に行われた新任委員研修会では、230ページに及ぶ新任委員研修会資料の説明が行われたが、一度に吸収することはできなかった。
- 新任委員研修会の内容は、基本的、理論的なことがほとんどで、実践活動に役立つことは少なかった(委員経験者の講義も受けたかった)。
- 研修会等で配布されたレジュメや資料は折にふれて読み返したいと思っているが、実際は「積ん読」だけになっている。
- 全社協発行の『ひろば』『民生委員・児童委員必携』及び『はあとふるふくしま』(福島県社協発行。各県等発行のものと読み替えてください)などは有意義な情報が掲載されているが、しっかり目を通せていないのが実情である。
- 「民生委員手帳」の後半に収録されている「民生委員・児童委員関係資料」欄は、実践に役立つ情報が多いので、折にふれ開いて見ている。
- 県外研修の参加に当たっては、前もって研修テーマについて情報を収集しておいたので、有意義な懇談、情報交換ができた。
- 「児童母子部会」(所属する部会名と読み替えてください)の県内研修への参加に当たっては、聞きたいことを整理しておいたので、スムーズに質問できた。
- 介護保険制度については、何回かの研修を経てその概要並びに要支援・要介護等の大方を理解することができた。
- 児童虐待や高齢者虐待などについては、数回の研修を受けたことにより、ある程度の自信を持つことができている。
- 患者数が増えていると言われる「うつ病」についての研修を続けて受講したことにより、うつ病の特徴的な症状や対応上の留意点などを理解することができた。
- 成年後見制度における「成年後見」「保佐」「補助」などの意味がよく分からないので、今後しっかり学んでいきたい。
- 障害年金制度の概要並びに身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳及び障害基礎年金額については、よく分からないので配布された資料で学んでいきたい。
- 民生委員にとっても大きな課題である「認知症」に関する番組がテレビで放映されたので、これを視聴するとともに、関係の本を購入して調べた結果、認知症には、アルツハイマー型・脳血管性・レビー小体型の3つに代表されるタイプがあること、並びに中核症状と周辺症状があることなどが分かった。
- 生活保護の申請に係る「民生委員意見書」の作成の仕方並びに関係機関への協力の仕方がよく分からなかった。
- 要保護及び準要保護児童生徒援助制度に係る世帯表の「民生児童委員の意見」欄の記載、捺印の仕方がよく分からなかった。
- 活動記録の作成に当たって「記入例」を見たりベテラン委員に聞いたりして理解に努めたが、容易には理解できなかった。
- 活動記録の分野別(高齢者、障がい者、子ども、その他)相談・支援件数の記入に当たって、「相談者の属性ではなく、支援を必要としている人の属性で分類すること」を理解するまでにかなりの時間がかかった。
- 要支援者の支援活動等に多くの時間を割くのは当然であるが、活動記録の作成に相当の時間がかかるのは嬉しいことではない(活動記録様式の簡易化が望まれる)。
- 委嘱を受けたばかりのころ、民生児童委員活動の範囲の広さや多様さに驚き、何を重点に、どのように、どこまで取り組むかなどが分からず戸惑うことが多かった。
- 委嘱を受けたばかりのころは、行政などから活動に必要な個人情報の提供を受けるのは当然のことと思っていたが、それには、相互信頼が必要であること、また、個人情報の管理には細心の注意を払わなければならないことが分かってきた。
- 東日本大震災を契機に、要支援者個人情報を書いた福祉票などを非常持ち出しリュックに入れ、万一の場合散逸しにくいようにしている。
- 世間のどこでも行われている世間話などにおいて、民生児童委員として実際に守秘義務を遵守するには相当の努力と覚悟が要ることが分かってきた。
- 民生児童委員活動を進める上で「報・連・相」(ホウレンソウ)には十分心しなければならないのに、欠席届を忘れ関係者に迷惑をかけたことがあった。
- 要支援者や地域住民から民生児童委員に対し嫌味に類する言葉が投げかけられたことを経験し、民生児童委員へのリスペクトの念はまだまだ高まっていないことを知った。
- 所属民児協等に納める年会費が少なくないこと、並びに支給される活動費用弁償費が少ないことに、奉仕的精神をもってしても違和感を感じた。
- 民生委員の勧誘を受けたとき、「月1回の会議に出ればよい」とだけ言われ、職務や活動についての説明はなかった。このことは今でも残念に思っている。
- 民生委員の委嘱を受けた後に児童委員にも充てられることを知らされ、違和感を覚えるとともに「容易ではない」という気持ちが一層高まった。
- 民生委員・児童委員及びその活動にはやりがいや魅力を見いだせないので、今期限りで職を辞したいと思っている。
- 要支援者への支援活動が「行き届いている」と地域住民から言われたときなど、大きなやりがいを感じられるので、民生児童委員を続けたいと思っている。
- 民生児童委員を受けて以来、様々な経験をしたり、多岐にわたる研修を受けたりしたことにより、一定の力量は身につけられたと思うので、今後はさらに「一人前」の民生児童委員を目指して頑張りたい。
- 民生児童委員界にはさまざまな課題が山積しているが、活動にやりがいや達成感も感じられ、民児協の仲間にも恵まれているので、これからも民生児童委員としての職責を全うし、地域福祉の向上や諸課題の解決に最善を尽くしていきたい。
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「新任通算3年目研修」受講者へのアンケート
1 設問についてどう思いましたか。ご自身の思い などに一番近い項目の番号をまるで囲んでください (複数回答可)。
- 項目数が多かったのでチェックするのがたいへんだった。
- こういうことをチェックするのが初めてだったので新鮮に感じられた。
- 各項目に記述されていることがユニークで面白かった。
- 各項目に記述されていることが個別的だったので(私には)該当しないことが多かった。
- 各項目をチェックすることにより、記述されていることを意識又は自覚することができた。
- チェックを進めるにつれて活動のたいへんさが感じられ、活動意欲が薄れるような気がした。
- チェックを進めるにつれ身につけていることなどの確認ができ、活動意欲や使命感が高まった。
- その他( )
2 今回の研修を通して民生児童委員職に対する思いや意欲などは、変わりましたか。
- これまで以上に「容易ではない」と思うようになった。
- これまでと変わらない。従前から職に対する高い意識は持っていない。
- これまでと変わらない。従前から職に対する意識は高く持っていた。
- ある程度高まった(次期委嘱を受けるか否かはまったく白紙である)。
- ある程度高まった(次期委嘱を受けるか否かについては、前向きに考えたい)。
- 相当高まった(なり手不足の今日、次期もお役に立ちたい)。
- 大いに高まった(要支援者のため、また、多くの課題解決のために次期も大いに頑張りたい)。
- その他( )
3 今回の研修で何かお気づきのことがありましたらご自由にご記入ください。
ご協力、ありがとうございました。
2 グループによる話し合い
《話し合いの進め方》
- グループの人数は6人以下が望ましい
- 進行役を決める(例:研修日以降で最も研修日に
近い誕生日の者が担当する)
- 「活動等を総括するチェック表」に記載されている順に話し合う(変更可。時間も自由)
- 次の項目は、受講者に気に留めてほしいことであり、ぜひ触れていただきたい
- 創立100周年などに天皇陛下のご臨席を賜ることの意義について(チェック表1番)
- 生活状況の把握等で人々の生活に立ち入るときの留意点について(チェック表3番)
- 事案にマッチした機関などに話をつなぐために日ごろ取り組んでいること(チェック表11番)
- 生活支援活動で行っているその内容、範囲、限度並びに戸惑いについて(チェック表17番)
- 私たちが所属する民児協が私たちの唯一の拠り所であって、私たちを守り、励まし、活動条件を整え、レベルの高い民生児童委員サービスを地域に提供するのが民児協の役割と考えられることについて(チェック表22、23、24番)
- 適格要件を満たしているから委嘱されたとしても、福祉分野における初任者の力量は一般的に決して高くはない。その初任者をして地域福祉の専門的な担い手とするのが研修であり、それは自発的な取り組みによってのみ成果があがると考えられる、について(チェック表25番から37番)
- 容易ではない活動記録等の事務処理並びにその処理能力の向上方策について(チェック表40、41、42番)
- 「済世顧問制度」創設当時、これに加わった医師たちは世間から大いにリスペクトされたことと思われる。現職委員が世間から一層の尊敬を得るにはどうすべきかについて(チェック表48番)
- 人材確保の観点から現行の活動費用弁償費額をどう捉えるかについて(チェック表49番)
- 2期目を固辞したいとひそかに考えている委員にあっては、要支援者や地域社会等のマイナスにしかならない1期だけでの退任を翻意してほしい、ということについて(チェック表52番から55番)
3 グループによる話し合いの結果発表
※ 特異な意見等を拾い上げ全体への周知を図る
4 全体での話し合い(1)
2期目、3期目を固辞する委員(なり手不足の起因と考えられる)が多い現状について考える
- 2期目、3期目へ進むとき何割くらいの委員が固辞したかを示す全国的な数字は見当たらない。
- 2期目、3期目を固辞する者が多いという直接的な裏付けにはならないが、期別それぞれの全体に占める割合を示した数字はある。
全国民生委員児童委員連合会が平成18年度に行った調査(主任児童委員を含む)によれば、1期以下35.5パーセント、2期26.4パーセント、3期15.9パーセント、4期9.7パーセント、5期以上12.6パーセントとなっている(詳しくは、全国社会福祉協議会発行の『ひろば』2008年2月号参照)。
なお、全体に占める新任の割合を示す数値については、直近の平成28年12月改選時のものがある。その数値は、31.6パーセント(平成29年1月16日、厚生労働省公表の「平成28年度の一斉改選結果」から)。
- 2期目、3期目を固辞する者が多い原因はどこにあるか
- 「活動等を総括するチェック表」の中に、固辞につながると考えられるものはないか
5 全体での話し合い(2)
「新たな担い手」不足を招いている現状について考える
- 委嘱に至るまでの経路・ケース
- 「新たな担い手」不足を招いている原因
- 「活動等を総括するチェック表」の項目で、「新たな担い手」不足を招いている原因と考えられること
6 全体での話し合い(3)
次期固辞者の縮減と「新たな担い手」発掘の方策について考える
※ 受講者による解決方策の発表をベースに話をまとめる
7 アンケートの記入をお願いする(講義終了後)
民生委員のなり手を増やす究極策の提言
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3「活動記録記入の研修要項」
1 研修のねらい
活動記録の記入の手順(約束、慣例、手本などを含む)にのっとった記入の仕方の研修を通して、活動記録の記入に自信が持て、かつ、効率的に記入できる方法を身につける。
2 研修の進め方
「活動概要」欄に記載した活動記録記入の研修に適していると思われる活動事例16日分により次のように研修を進めていく。
なお、「活動事例16日分」とは、一般の民児委員が普段記入しているA3サイズの『活動記録』に、筆者がえりすぐった事例を手書きしたもの。この手書き資料は、ご希望のある方に差し上げますので、次のメールアドレスにご連絡ください。 kaneko@muse.dti.ne.jp
- 12/1から4/6までの6事例については、受講者と講師が一体となって1題ずつ記入の手順等を話し合ったりしながら、「相談・支援件数」欄並びに「その他の活動件数」「訪問回数」「連絡調整回数」「活動日数」欄(以下、「記入欄」という)に記入していく。
- 5/9と5/11の2事例については、出題者によって既に記入されていることに「間違い」があるか無いかを受講者がチェックし、ある場合にはその箇所を訂正する。
- 6/5から11/11までの8事例については、時間的制約などから既に記入済みとなっているが、これらも研修上必須の事例である。よって、これらについては、研修時間外において、記入内容をチェックするとともに、記入の手順や記入の根拠等を『活動記録記入の手引き』(平成29年6月版)並びに『平成29年度版 活動記録』(1ページから15ページ)から確認する。
3 研修時間:50分を目安とする
(90分程度の確保が可能なら、いろいろな展開が考えられる)。
4 記入に係る用語等の共通理解の必要性
〇「『見守り』のための訪問」(『記入の手引き』4ページ参照)
〇「安否確認」(『記入の手引き』11ページ参照)
〇「友愛訪問」(『記入の手引き』11ページ参照)
〇「声かけ」(『記入の手引き』11ページ参照)
〇「見守り」(1/8の事例「外から電灯を確認」
〇「訪問回数」の中の「その他(8)」(『活動記録8ページの上段参照)
〇「連絡調整回数」の中の「その他の関係機関(10)」(『活動記録』9ページの上段参照)
5 その他
(1) 活動記録の記入前の「下準備」について
(2)「活動件数集計報告書の「民児協名」の欄には、町の名称を書く。
(3)9/12の事例については、「民児協運営・研修(4)に「一」を記入する方法もある。
別紙資料「活動概要」
12/1
役場で行われた民生委員・児童委員委嘱状伝達式に出席した。
1/15
近況を伺うため一人暮らし高齢者宅10軒を訪問。うち8軒の安否を確認。2軒の不在者宅を夕方再訪問し、1軒の安否を確認したが、1軒は不在で未確認。
1/18
障がい者で一人暮らしをしているAさん宅の電灯を夕方外から確認した。
3/19
Bさんが就学援助費受給認定申請に係る証明を求めて来訪されたので、家庭状況等を確認した後、「世帯表」に記入、押印した。
4/3
町社協C氏からの電話で、Dさんの生活福祉資金の貸し付けに係る証明についての依頼があった。その後Dさんが来訪され証明を求められたので、聞き取り調査の後これに応じた。
4/6
全国交通安全運動「一戸一名一朝運動」に参加した。
※ 以上の6事例をひとくくりとして、受講者と講師が話し合いながら記入を進める。
5/9
町社協会長から協力方依頼のあった「一人暮らし高齢者会食会」の案内を10軒に配付した。
5/11
登校できない中1の孫と住んでいるEさんから、電話で「どうしたらよいか」と問われた。F主任児童委員に電話で意見を求めたところ「学校に行けない本人の苦しみに寄り添うことが大事」と言われたので、Eさん宅に行き、このことなどを話した。
※ 以上の2事例については、出題者が前もって記入しておいたことの正否を問うものである。
6/5
近況伺いを予定していた一人暮らしのGさんにかかりつけの医院で会ったので、「お変わりありませんか」と尋ねた。
6/7
町民児協を挙げて配付することとなった熱中症予防のチラシを11軒に配付した。この結果、11軒の近況を伺うことができた。
7/6
H中学校長との懇談が組み込まれた地区定例会に出席した。この後行われた懇親会にも出席して委員同士の交流を深めた。
8/7
地区内の委員等とともに「いきいきサロン」の開催、運営に取り組んだ。
9/12
福祉実態調査のため2軒を訪問し、福祉票作成の了解も得られたので、帰宅後2人分の福祉票を作成した。
10/1
防災マップ作成及び使用に係る同意を得るべく2軒を訪問した。1軒は理解が得られたが、1軒は理解が得られなかった。
10/11
町長からのねたきり等老人介護者激励金交付申請に係る証明方依頼が郵送されてきた。後日Iさんが証明を求めて来訪されたので、要件等を確認し証明欄に記入、押印した。
11/11
町社協会長から依頼された歳末たすけあい募金配分対象者調査のため15軒を訪問し、13軒から配分に対する意向が寄せられたが、1軒は不在、もう1軒は転居先が分からなかった。
※ 既に記入がなされている以上の8事例について は、研修時間以外の時間に「記入の根拠等の確 認」をしていただく。
※ 以上の16事例については、活動日数欄を除き、すべての記入結果を以下に記載することとした。
12/1の事例:行事・事業・会議への参加・協力(2)へ「一」を記入
1/15の事例:訪問・連絡活動(7)へ「正」と「正」の字4画分を記入
1/18の事例:「訪問回数」には記入せず、活動日数欄に「〇」のみ記入
3/19の事例:その他(8)に「一」、証明事務(5)に「一」を記入
4/3の事例:その他の関係機関(10)に「一」、その他(8)に「一」、証明事務(5)に「一」を記入>
4/6の事例:行事・事業・会議への参加協力(2)へ「一」を記入
5/9の事例:民児協運営・研修(4)に記入されていた「一」を消して、行事・事業・・・(2)に「一」、その他(8)へ「正正」を記入
5/11の事例:その他(8)へ「一」、委員相互(9)に「一」、その他(8)へ「一」、内容に(6)、分野(16)を消して(18)を
6/5の事例:訪問・連絡活動(7)に「一」を記入
6/7の事例:地域福祉活動・自主活動(3)に「一」(入れなくも可)、その他(8)に「正正」と「正」の字の一画分を記入
7/6の事例:民児協運営・研修(4)に「正」の字の二画分を記入
8/7の事例:行事・事業・会議への参加・協力(2)に「一」を記入
9/12の事例:その他(8)に「正」の字の二画分、調査・実態把握(1)に「正」の字の二画分を記入
10/1の事例:その他(8)に「正」の字の二画分、調査・実態把握(1)に「一」を記入
10/11の事例:その他の関係機関(10)に「一」、その他(8)に「一」、証明事務(5)に「一」を記入
11/11の事例:行事・事業・・・(2)に「一」、その他(8)に「正正正」、調査・・・(1)に「正正」と「正」の字の三画分を記入
6 「新たな担い手の登場を!!」
日ごろ見守り活動などをさせていただいている要支援者から、「いつもほんとにありがとう」などと言われると、「手を抜かずに活動していてよかった」と思える。
また、時間をかけて困難な課題を解決できたときは、安ど感や達成感でいっぱいになる。同じ志を持った民児委員仲間との交わりでも、ほかでは得られないものを得ている。民児委員活動に携わって、人間としても大いに成長できたと実感している。
人間としての成長を実感していること、それは、支援させていただいている人々とのふれあいなどにより、とても辛抱強くなれたことである。そのことにより筆者の場合は、HTMLやCSSが書かれた本だけを頼りとして、このホームページを作成することができたのである。
民児委員職が人生の終盤の「収穫期」をより充実させてくれていることに、深い感謝の念も抱いている。
民児委員界には、解決しなければならない課題も山積しているが、大正天皇の御下問を契機として大正6年につくられた済世顧問制度。そして、これを源として創設された現在の民生委員制度、平成29年に創設100周年を迎えた民生委員制度、筆者は、この制度を心から誇りに思っている。
願わくは、このホームページの提言を通して、民児委員界の長所、短所、課題等をご理解、ご承知いただいたうえで、ボランティア精神に富む方々が、新たな担い手として民児委員界に率先飛び込んできてくださることを、筆者は、23万の全国の仲間とともに切に願っている。
民生委員のなり手を増やす究極策の提言
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7 筆者のプロフィール等
金子 一保(かずやす。通称は「いっぽ」&「かずを」)
平成19年12月 民生委員・児童委員を委嘱される(1 期目 64歳)
平成22年12月 民生委員・児童委員を委嘱される(2 期目 67歳)
平成25年12月 民生委員・児童委員を委嘱される(3 期目 70歳)
平成26年10月 『民生委員界のリニューアル 〜23万人の仲間・国などへの提言〜』を出版
拙著は、文芸社が運営する無料のオンライン・ライブラリ『みんなの本町』( http://www.bungeisha.jp/)でお読みいただけます(平成31年3月31日現在)。
平成28年12月 民生委員・児童委員を委嘱される(4 期目 73歳)
昭和18年2月 埼玉県南埼玉郡河合村(当時)に生れる
昭和42年3月 中央大学文学部教育学専攻卒業
平成元年4月 埼玉県公立学校校長
平成4年4月 埼玉県教育局生涯学習課主席社会教育主事
平成9年1月 埼玉県岩槻市(当時)の教育長
平成15年9月 埼玉県から福島県猪苗代町に転居
連絡先メールアドレス kaneko@muse.dti.ne.jp
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