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- 25 / May / 2005 Mazatlan, Mexico.

起きたら10時前だった。昨日の昼寝で中々寝付けなかったからか。
マサトランまでは約300キロ。遅くまで明るい事が分かったので焦る事も無い。

海岸線まで山道を下るのでスピードも出る。途中、やはり心配なので燃料ボトルに予備のガスを入れる。何処まで行っても俺の心配性は治りそうも無い。標高を下げるに連れて、段々と暑くなってくる。途中、点々とある村でコーラを飲みながら休憩する。しかし南部の熱風は吹いてこない。この間が異常だったのか?考えてみればここもまだ春の筈だからなあ。

桜のようなピンク色の花を咲かせた木々に見惚れる。遅ればせながらココで花見だ。休憩しながらちょこっとだけ小瓶のテキーラを飲む。正直、ここまで暫くは花を愛でる精神的余裕なんてなかったな。折角の旅だ、もう少し感性を研がなければ。気分が良くなってきた。飲酒運転はマズイので木陰で昼寝する。風が心地よい。

暫く休憩して走り出す。道が二車線になり、やがてマサトランの町に入った。
何となく江ノ島に雰囲気が似ている。海岸線に洒落たホテルが並び、猥雑としたセントロを走る。坂を登りきると綺麗な海岸線が広がる。この水平線の先にカルフォルニア半島がある。久しぶりの海路だ。フェリーは夜行だと言うのでゆっくり出来そうだ。セントロ近くに宿をとる。英語を話す爺さんがいたのでフェリーの事を聞く。
明日電話で聞いてやると言うのでお願いして荷を解く。



- 26 / May / 2005 Mazatlan, Mexico.

9時に爺さんに電話で叩き起される。
「ノリ、今電話で聞いたんだが、今日はフェリーが無いそうだ。詳しく話すから降りて来い!」良い爺さんだが、もう少し寝ていたい。物凄い寝癖のまま、とりあえずメモ帳持ってロビーに下りる。「おはよう、ノリ!良く寝られたか?、フェリーだが、今日は無い。明日は船があるらしいので、フェリー乗り場の事務所に行って詳しく聞いて来い!まだシーズンではないが、週末になるので早く行って予約した方がいいぞ!」朝から怒鳴るような大声で喋る元気な憎めない爺さんだ。

隣りのネット屋のアンちゃんが車を停めに来た。コルデーロ号を眺めて「スゲー、コイツで旅してんの?と聞いてくる。爺さんがまるで自分が誉められたように自慢顔で「そうさ、ブラブラ・・・」とスペイン語で説明を始める。「俺も250ccのバイクを持ってるけど、その辺しか走った事無いんだよねぇ。後で一緒に写真取らせてくれる?」とアンちゃん。「ノリはこれからフェリーのチケットを買いに行くけど、その後、明日のフェリーまで時間はたっぷりあるよな?」と爺さん。マネージャーみたいだ。

まあ、お陰で目も覚めた事だし、空荷のコルデーロ号でフェリー乗り場まで行く。
バイクの分も含めて1900ペソ。
ちと高いが、リッチな船旅も悪くないので良しとする。

宿に帰ると爺さんは他の客と話し込んでいた。「お帰りノリ。チケットは買えたか?丁度今、君の話をしていたところだよ。まったくどいつもこいつも、君の話を信じないんだよ、ほら、彼がアルゼンチンから旅している日本人だ!」と勝手に紹介される。俺ってそんなに特異なの?暇なので爺さんと話し込む。

爺さんの話しではメキシコ人はアメリカに行くのが物凄く大変らしい。何でもビザを取る為の手続きを指南する専門業者までいるらしい。例え観光であっても、預金証明、所有不動産の金額、会社の就労証明、学歴、仕事の経歴書の他、無犯罪証明書やらを用意して申請手続きに90ドルを払い、40人ほど集ったところで大型バスに乗り込み領事館に行く。そして領事館で面接して60%位の人達がビザを手にするとか。 日本人の感覚ではそこまで書類を準備したら、ほぼ100%ビザをもらえそうなものだが。

またなんと、毎日平均3500人がアメリカに密入国を試み、75%が掴まり強制送還されるらしい。アメリカ入国が心配になってきた。
以下、爺さんの話。

「 みんな、若いモンはアメリカに行きたがるが、アメリカ人って馬鹿が多いよな。昔、このホテルを始める前、ビーチの5星ホテルのマネージャーをやっていたんだが、変な客は殆どアメリカ人だったよ。

レストランで何でハンバーガーが無いんだ!って怒り出す奴がいて、聞いたらメキシコにきて一週間以上、ハンバーガーだけ食ってきたらしい。ここはメキシコ料理レストランなのでハンバーガーはありませんって言ったんだけど、普通外国に一週間もいれば一回位その国の料理を食ってみるだろ?

飛行機でロストバッケジになったババアが切れながらやって来たんだ。悪い事に彼女が泊まった部屋のトイレットペーパーが切れていたんだ。彼女は金切り声でメイドにトイレットペーパーを持ってくるように言いつけたんだが、メイドは英語が判らない。メイドは「OK,OK、セニョーラ、落ち着いて。英語の判る者を呼びますから」と言ったんだが、彼女は言うだけ言って部屋に戻ってしまった。
すぐにフロントに電話が掛かってきた。何で、トイレットペーパーを持ってこないんだ?メイドはOKと三回も言ったのに!ってね。

英語が分かる位ならメイドなんかやらずにフロントで働くかどっかの会社で秘書でもやってるだろ。相手が自分の言葉を理解するかどうかなんてあいつ等何にも考えてないんだよ、何か伝えたい事があれば相手が理解するように話をするのが普通だろ、君のように辞書をもったりはしないよ。そういう奴等だ、アメリカに行っても気をつけろよ!」

面白い話しを聞かせてもらった。


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