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cactus
 


- 21 / May / 2005 Mexico City, Mexico.

宿のオヤジに良いテキーラを樽で買いたいと相談するとセントロの酒屋を教えてくれた。

飯を食ってから酒屋に出かける。なるほど、良い土産になりそうな樽が並んでいる。樽を指差し、このテキーラは旨いか?と聞くと、「樽の中身は水だ、テキーラは別売りだ」という。道理で安いわけだ。

中身のテキーラを探す。5Lのプラスチックボトルに入っているテキーラ2種類は一方が甘ったるく、もう一方は水っぽい。利き酒が出来るほど酒豪ではないが、旨くない事だけは判る。どうやらしっかりしたビンに入った奴を買うしか無さそうだ。

「最高級のテキーラはどれだ?」と聞くと500mlで120ドル程する。樽に詰めて送るにはちょっとキツイ値段だ。店には試飲用か、ヤクルト程の小瓶が売っているので数種買って飲んでみる。くうぅ〜!生で飲むと効く。一番パンチの効いたテキーラに決める。大瓶で二本と樽を買う。

少しでも輸送費を抑えたいので、樽に詰めてくれと頼むと、輸送中にこぼれる可能性があるので止めた方が良いと言う。随分嵩張るが仕方ない。とりあえずブツをダンボールに入れてもらい、宿に帰る。
テキーラが効いたか、風邪が酷くなったか、無性に体がだるいのでそのまま寝る。



- 22 / May / 2005 Mexico City, Mexico.

やっぱり風邪みたいだ。スーパーに行って輸送用に化粧箱を買って来る。
飯屋でタコスとオレンジジュースを飲んで寝る。



- 23 / May / 2005 Mexico City, Mexico.

日曜日は殆どの店が閉まっていて化粧箱しか入手できなかったので今日は文房具屋に行く。梱包用のプチプチロールと包装紙ビニールテープを買う。準備万端で郵便局まで化粧箱を抱えていく。フラフラになりながら郵便局で化粧箱を見せる。チリで開封させられた経験で中身を見せられるようにしていた。同じ過ちは犯さないぜ!自身満々だったが、郵便局員はと中を見て「テキーラ?ダメダメ!」と言う。何でやねん!と食い下がる
もDHLに持っていけと言う。仕方なく再び化粧箱を抱えながらDHLの場所を人に聞きながら歩く。確か俺、病人だったはずなんだけど・・・。

ぐったりしながらようやくDHLを発見。「日本に送りたいんだけど」というと「それ、テキーラ?ダメダメ!フェデックスに持っていけ!」と門前払いされる。何がいけないのか良く判ら
ないまま、2ブロック先のフェデックスに行く。腕が痛い・・・。汗びっしょりになってフェデックスの事務所に行くが、ココでも断られる。

なんてこった!仕方が無いので再び酒屋に戻る。一昨日酒屋にいた英語ベラベラのオヤジがいないので不安だったが、「日本に送ろうと郵便局とDHLとフェデックスに行ったが何処もダメだ。どうしたらいい?」と相談する。酒屋のアンちゃんが数所に電話する。電話を変わるので「テキーラを日本に送りたいのだが」と言うと少し待たされた挙句、「ウチでは送れません」と言う。誰だコイツは?と思いながらも「他に送る方法は無いか?」と聞くと、「知りません」と言って電話が切れた。
呆然とする。

酒屋のアンちゃんの片言の英語を纏めると「テキーラを買った店で書類を作り、正規輸出と言う形を取らなければならない」らしい。お前、馬鹿だろう、買ったのはこの店じゃネーか!書類を作れ、というとウチでは出来ないという。一昨日いたオヤジがいればもう少し相談出来るのだが、「唯一の解決法はそのテキーラ全部飲むしかないね、アハハ」とこの馬鹿野郎。何唱ってやがんだ。丁稚のサブちゃん(サザエさん)ふぜいが!
暫く考えて、一本返却を試みる。「返すと言われても金は返せないよ。他の商品になら替えられるけど、アハハ」。馬鹿を相手にしても頭に来るだけなので黙って宿に帰る。

万策尽きて宿で不貞寝する。どうしよう?捨てるにはもったいなさ過ぎる。ストバの皆にはメキシコからテキーラを送ると約束してしまったし、こうなったらアメリカから送るか?試しにコルデーロ号のサイドバックを整理して一本入れてみる。何とか一本は入るので決心する。例えアメリカ入国の際に持ち込み税払っても、ココに捨て置くよりはマシだ。郵便局が閉まる前に樽だけは送る事にする。

問題はもう一本。使用頻度の低い服をサイドバックの隙間に詰め込み大瓶をバックパックに入れることにする。アメリカまではあと2000キロ位だ。暫くはそれ程の高地も無いし、何とかなるだろうと自分に言い聞かせる。

土産如きで何でこんなに苦労してるんだ?試飲のテキーラで自棄酒する。
自問の答えは当然の帰結。例えばアメリカで没収されるのなら仕方が無い。しかしまだ方法はある。約束した事は必ず守る。友との約束を放棄するようなら、そんな旅は続けても意味が無いからだ。
相手は忘れているかも知れない。しかし俺は忘れない。自分自身の最大限の努力を試す、そういう旅にする。自分との約束の旅でもある。


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