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- 11 / May / 2005 Comitan, Guatemala - Mexico.
いよいよ、メキシコに入る。最後のラテン国だ。メキシコまで中米のような気がするが、メキシコは立派に北米の国なのである。さらば笑顔の中米諸国よ。色々遭ったがそれなりに楽しかったぞ。多分、カリブ海を除いて、もう、来ないと思うけど・・・。
ウエウエナテンゴの町から道は渓谷の中を延々と下りて行く。
深い谷底に流れる川が雄大だ。両側の崖には所々、焼畑をしているのか白い煙が昇っている。そして生えている木々は植林された杉だ。大量の木材を積んだトラックを抜きながら走る。
日本ではそろそろ花粉の時期は終っただろうか、この国も近い将来、花粉に悩む人が増えるような気がする。日本の花粉症は戦後の林業政策の失敗のように思えてならない。成長が早いというだけで全国各地に杉ばかり植えた結果、毎春数百万人という人がアレルギーに苦しんでいる。しかも杉は材木としての価値が下がり、あまり有効活用されていないと聞く。集団訴訟でもされたらどうなるんだろう。
ぼんやり下らない事を考えながら走っていると一台のバスが物凄い勢いで抜いていった。あぶねー!暫く走り、もう直ぐ国境だろうと走っていると小さな町に入った。そのまま通過するつもりだったが前方に人だかりだ出来ている。何だ?と思いながらも先に進むとそこには衝撃的な光景があった。
人が死んでいる。
頭がぐちゃりと潰れた人が道の真中にうつ伏せで倒れている。
首があり得ない方向に曲っている。どうしていいのか判らなくなって、死体の前に止まってしまった。俺の頭が必死に「あれは人間ではない!見るんじゃない!」と叫んでいる。
しかし、目の前に横たわる死体は紛れも無く人間のものである。
ドンドン人が集ってくるところを見ると事故直後のようだ。バスが一台先に止まっていて、運転手らしき男が頭を抱え泣きながら携帯で何処かに電話している。さっき俺を物凄い勢いで抜いていったバスか?
背中に冷えた不快な汗が流れるのを感じる。
対向車が数台死体を避けながら通過する時間がとても長い。
自分の旅がほんの少しの幸運を繋ぎ合わせた細い綱の上を渡っているだげようなものだと感じ、恐怖と心細さを覚える。時折、死体の顔を覗き込む子供達の姿が残酷だ。
対向車の通過を待って俺も死体の脇を通り走り去る。こんな死に方は絶対にしたくない。
仰向けじゃないのがせめてもの救いのような気がした・・・。一気にテンションが下がる。
下がりっぱなしのまま国境に到着。中米最後に見た壮絶な光景はこの先の油断を戒めるものだと思い直してグアテマラを出る。
出国手続きは簡単に終了し、メキシコ側に入る。メキシコの入管では久しぶりに制服を着て尊大に振舞う小役人に出くわす。こういう輩がいる国は要注意だ。ペルミソ作成料に30ドルの他、バイクのデポジットとして400ドル掛かるというのでクレジットカードを出す。両面コピーが必要だというので向かいの雑貨屋でコピーを取る。一枚に纏めようと繰り返しコピーを取る。4枚目で成功する。失敗した紙も全部回収する。2枚しか遣さないので、「もう一枚あるはずだ!」とコピー機を開けさせ、引き出しに残った一枚も全て回収する。こんな所にクレジットカードのコピーなんか残して置けるか!再び税関に戻る。PCの調子が悪いらしく小一時間待たされるも、無事終了。
今日はこの先80キロ程行ったコミタンという町まで走ることにする。何やら色々あったが、
無事メキシコ入国だ。何となくホッとする。途中の雑貨屋でコーラを飲んで休憩する。コミタンの町に銀行あるか?と聞いた親父の顔を見てギョッとする。両頬から鼻に掛けて真一文字に切り傷がある。そう、ここは『デスペラード』の世界のなのである。みんなニコニコして愛想が良いが、バリバリ『アウトロー』の世界に入ってしまったのだ。うっかり下手な酒場に入らないように気を付けねば!
国境付近は大分標高が下がったせいか、大分暑くなった。暫く走ると道路脇で野焼きをしているので、先ほどのミスコピーを焼却処分する。こんなものは宿のゴミ箱にも捨てられないのでちょうど良かった。完全に灰になるまでじっと待つ。
更に先に進むとコミタンの町に入った。金が無いので先ずは銀行を探す。セントロ近くの銀行で1,500ペソ下ろす。1万5千円位のはずだ。近くにいくつか安宿があったので値段を聞いて廻ると一番安い所で100ペソだったのでそこに決める。
南米なら5ドルくらいで泊まれそうな宿だが、やはり物価が違うようだ。本屋を探し、適当な地図を買う。イマイチアバウトな地図だがまあ、良いだろう。セントロに面した食堂で本場タコスを食ってみる。中々旨い。粉モノはあまり得意ではないが、中米のトルティーヤよりは遥かに旨い。一緒にファンタを飲んで3ドル。やっぱ中南米よりはちょっと高い気がする。地図を睨んでルートを研究する。
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