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- 14 / Mar / 2005 Arica - Moquegua, Chile - Peru.

7時に起きるも外は真っ暗。2度寝をして8時半に起きる。いよいよペルー入国の日。これまでの様にボンヤリしていると一発でやられそうだ。心してかからねば!

10時に出発。町外れのGSで余ったチリペソの小銭でお菓子とホットドックを買う。コペック[GS]のホットドックは殆ど主食と化していたな。たっぷりとアボガドソースをかけて食う。
4万ペソ程余ったのでこれは国境で両替する事にする。5号線を国境まで走る。「チリを訪れてくれてありがとう」という看板がある。こちらこそありがとう!とても楽しかったよ。

国境に到着。国境は空いていてすんなりと出国スタンプを押される。税関に行ってカルネをキャンセルしようと思ったら何だか必要用紙が必要らしい。再びパスポートコントロールへ戻る。自家用車等はチリ出国とペルー入国の4枚綴りの用紙が必要になるらしい。アントファガスタで越境の際必要になるだろうと思われるスペイン語を整理しておいて良かった。ごろごろとダメ人間ばかりやっていた訳ではないのだ。

用紙を記入していると係官が、「日本人か?日本は素晴らしいよな!『ラストサムライ』見たか?サムライのマインド・スピリットは、本当に美しいよな〜!」としきりに話し掛けてくる。サムライを語りだすと最低一晩は話す自信があるが、今は先を急がなければならない。「サムライは余計なことは話さず仕事に集中するのだ!」と言ったら、係官少し反省したようで、俺の書き終わった書類を真剣に見つめ、真顔で「OK!ボンビアヘ(良い旅を)」と言った後、ニコリと笑って、「これはペルー側で必要になる」と書類を返してた。
チリ国境にサムライ誕生!

暫く走るとペルー側に到着。20台程のバイクが溜まっている。ライダー達に挨拶した後、手続きの手順を聞く。入国カードを書いて、何やら2個程スタンプを貰い、税関でバイク持込の必要書類を書き込む。書類を書いて税関のおばちゃんに渡すと、「あら、あんた日本人なの?」とニコニコしながら手続きをしてくれる。書類を待っている間、他のライダー達と話しをする。ドイツから来たライダー達だ。彼らが荷物も積んでいないので「サポートカーでもあるのかい?」と聞くと、「そうさ、僕らは5週間のツーリングツアーで南米を廻っているのさ」という。サポートカーに荷物全てを積み、到着地点のホテルで荷物を受け取るのだと言う。純粋にライディングを楽しむツアーらしい。楽チンそうだが、きっと俺は3日で飽きると思う。

みんな俺がブエノからウシュアイアを通って来た事に一様に驚いている。これまでの一日最長距離を聞かれたので570キロだと言ったが、みんな鼻で笑って信じていないようだった。大きなバイクに乗っている彼らには信じられないだろう。まあ、いいさ。

税関のおばちゃんはどうやら俺もグループの一員だと思っているらしく、一向に作業が終らないので、念のため、通じるかどうか分からんが、「ソイ・ノー・グルーパ」と言ってみた。おばちゃんは何だ!と言う顔をしてサクッとパスポートその他書類を渡してくれる。「あなた、ペルーから何処に行くの?」というような事を聞くので、エクアドルと答えると、ニコニコしながら「トゥンベスの国境までこの書類をしっかり持っていなさい」と言うようなことを言われ、通関書類を渡される。
ドイツ人達に ”See You on the road!”と言って出発する。
みんなして俺の写真を撮っている。悪い気分じゃない。

暫く走るとタクナの街中に入る。人、車、チャリが道を行き交い、クラクションの音が絶えない。そこらじゅうで、ププっとやられるとイライラする。銀行で両替したかったが、バイクを置いておくとどうなってしまうのか分からないので、とにかく目標の町モゲグアまで走ることにする。国が違うとここまで雰囲気が変わるものか?物凄い人の群れの中を走る。小さな小屋が軒を並べるメルカドのようだ。混沌とした世界に言葉が出ない。俺はこんな国を無事に走れるだろうか?

ほとんどパニックになりながらクラクションの鳴り響く道を縫うように進む。こんな所ではカブの本領発揮!用心しながら車の間をすリ抜ける。念のため「モケグアはこっちか?」と隣りの車の運ちゃんに確認すると、そうだという。ペルーの地図は持っていない。まあ、パンナム走っている分には当面必要ないだろう。やっとの思いで町を抜け出し、道は再び砂漠になる。

一服しているとツアーグループが抜いていった。ピースサインを返す。
あいつら早すぎるな、きっとバイパスがあったんだろう。ペルーに入ると、これまでの砂漠の様子も変わってくる。荒々しさが増し、砂が風で流され、蛇のように路面を這う。視界は
砂でぼんやりと黄色く霞む。決して悪くない光景だが、フルフェイスは結構砂が入ってくるので目が痛い。

2時間程走るとオアシスに入った。ペルーのオアシスは緑が濃い。一面に畑が広がり、麦藁帽子を被った人々がせっせと畑を耕しているその脇で牛が悠々と草を食っている。牧歌的な光景に先程の緊張がほぐれ心休まる。

道を歩く少年がじっと俺を見ているので手を上げて挨拶する。
と、そのガキがいきなり石を投げてきやがった。幸いギリギリで避けるも怒り心頭!
オジサンはこういう歓迎のされ方好きじゃないなぁ!頭に来たのでUターンしてガキに迫る。轢き殺してやろうと思ったが、普通に無理なので、我慢してガキの脇にバイクを止め、鼻っ柱に教育的鉄拳指導!ニヤケた顔が一気に歪んで泣きべそかいてやがる。殴られて泣くなら石なぞ投げるな!クソガキャ!!インカの末裔、ロクなもんじゃない。ジャブで済んだのだから有り難く思え。俺様がバイクを降りてストレート打ち抜いたら、お前死んでるぞ。あのガキ、多分ライダー嫌いになるだろうが、もう決して石を投げることは無いように思う。ペルー入国初日、先が思いやられる。
オアシスはそのまま10キロ程モケグアの町に続いていた。仕返しされそうで嫌だったが、まあ、仕方ない。仕返ししてきたら返り討ちにするまで。

モケグアの町に入る。町の周りの斜面は一面スラムのような建物が広がる。セントロらしき所に到着すると、ドイツ人ライダー達がたむろしていた。何処に泊まっているのか聞くと、このメルカドだ。という。早速宿を探す。一軒目に入るとバイクを押し込めそうだが、部屋を見てビビる。思いっきり汚い。埃っぽく、ちぎれたシーツがベットに被さっている。10ソルだというが、ここはダメだ。他をあたるもバイクを置ける宿が無い。この周辺以外に宿はなさそうだ。仕方が無いので一軒目に戻る。バイクを安全に置けるのなら一泊位我慢だ。

部屋に全ての荷物を入れ、チェーンの調整をする。一仕事終えたので夕飯を食いにメルカドを歩くが殆ど店仕舞をしている。もう、7時なのにおかしいなぁと思ったが、とりあえず水を買い、屋台でばあさんが焼いている肉の串焼きを一本食う。付け合せのジャガイモは黒く薄汚れていてあまり暖かくない、ヤバそうなので廃棄処分。これまでの経験上、食い物も徐々に慣れないと痛いカウンターを食らう。

宿に戻り、ふと思いつき、アニキに時間を聞くと5時だという。そうか、時差があったのか、2時間も時差があれば、朝は暗くて当然だし、昼飯を出す店は終わりだ。納得して埃臭い部屋に戻るベットに座るとブワっと埃が舞い上がる。昔、小学校の校庭に放置されていた体育用マット臭全開!いくらなんでもこれは酷い、と思いながらも食い物屋が開くまでの間と、ウトウトとしてしまう。

爆睡してしまい、気が付けば時間は時差修正後の11時。シマッタ!こんな時間に食い物屋を探す気にもなれない。おまけに到着した時よりも体が埃っぽい。シャワーでも浴びるかと思ったが、気温がかなり下がった上に水シャワーなので諦める。

再びベットに横たわるのを躊躇う。くっそぅ〜!臭すぎるぞ!暫く考えて、ベットの上にテントを全開に敷き、ジャケットを羽織って寝ることにする。これで寝返りしても臭くて目が覚めることも無い。既に数箇所虫に食われて痒いが仕方ない。ある意味、キャンプの方が良かったかも。それとも駐車場代と割り切って他の宿に寝れば良かったかなぁと考えながら再び眠りにつく。明日は町一番の宿に泊まってやる!



- 15 / Mar / 2005 Moquegua - Arequipa - Camana, Peru.

7時に目が覚める。辺りはまだ薄暗いが、二度寝をする気はしないのでさっさと出発準備をする。荷物を積み込みメルカドでバナナを買って食う。フルーツジュースが旨そうだったが、弱っている今日は止めておく。8時に出発。今日はアレキパまで行く。もっと行けそうなら、もう一つ先のCamanaという町まで行く。アレキパまでは200キロ程度だ。標識を良く見なかったがそんなもんだ。荒々しい山間の道を走る。アップダウンを繰り返し、昼頃、岐路にあたり、アレキパと書かれた道を進む。

20キロ程走り、最後に大きな峠を越えると巨大な町が現れた。セントロに向かう手前のGSでガソリンを入れる。
併設されている食堂を除くと旨そうなパンケーキがあるので2個食う。更に回りのオッサンがぶっかけ飯みたいなものを食っているので幾らか聞くと2ソルだというのでそれを頼む。かなり旨い。昨日の朝、ホットドックを食って以来ろくなものを食っていない今の俺には、多分何でも旨いがペルー飯、かなり期待できそうだ。

時間は1時半。距離はそれ程なかったがアップダウンで結構時間が掛かった。セントロまで行って両替をしようと思ったが、この巨大な町を抜け出すのにまた随分時間がかかりそうなので、次の町まで走ることにする。どうせアレキパはクスコ-プーノとバックパッカーやる時にまた来る町だ。腹が満たされたので冷静に考え、岐路まで戻る。→リマと書かれた道を走る。風景は変わらないが風が強くなり目が痛い。目に砂が入り、結構辛い。

途中、大きな峠を登ると一本道になる。そこに警官がいたので、カマーニャまでの距離を聞く。後90キロらしい。フジモリは金盗んで日本に逃げちまった。日本に帰ったらアイツをぶっ殺してくれと言うようなことを身振り手振りを交え言われる。ハイハイ、そうでござんすか。と適当に相槌を打って先を急ぐ。フジモリの話しは良く分からんが、決して悪い大統領ではなかったと言うのが今まで聞いてきた話し。少なくとも今までよりはずっと安全な良い国になったんじゃないの?まあ、議論するつもりはない。

90キロなら一時間半の距離。頑張って走る。日が傾き始める。今日は早めに出発したはずだが、思ったより距離が稼げない。山道を走っているから仕方が無いのか。
後30キロ位の所から一気に山道を下る。ひたすらS字のカーブを下ると海が見えてきた。町は近いぞ。海岸線に出る。夕日に照らされたビーチが美しいが人の気配が無いスラムチックな建物が続く。今日もこんな所かい!とウンザリしながらも予定距離まではもう10キロ程あるのでとりあえず走ってみる。やがて多くの人が行き交う本物の町に着く。

セントロらしき所でバイクを止め、宿を探す。何処もシケタ所ばかりだ。がっかりしながらバイクに戻ろうと歩いていると長く伸びる横の壁がホテルの壁だということに気付いた。てっきり庁舎かと思っていたが、三ツ星ホテルらしい。中に入るとプールが2つにバー・レストラン・小さいがスロットマシンのあるカジノまである。恐る恐る値段を聞くと67ソルだという。良く分からんが2000円位か?カード払い可なので速攻で決める。大きな駐車場にコルデーロ号を格納し、2階の部屋に上がる。大きなベットが二つに昨日まで泊まっていた宿の部屋程はあるバスルーム。テラスに出るとセントロを見下ろす最高の眺め。
うわっはは!天下取ったぞ!思わず叫ぶ。昨日の借りは返してやったぞ!
たっぷりとお湯の出るシャワーを溺れるほど浴びる。部屋でのんびりするも、気が付けば部屋の3分の1程度しか使っていない自分がいる。
人間慣れるとこんなものか...。


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