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- 10 / Mar / 2005 Tocopilla - Iquique, Chile.

今日はトコピージャからイキケまで海岸沿いに走る1号線に乗る250キロの行程。高地のパワーダウンに苦しむことなく軽快にスラロームを走る。ただ右手は急な崖で時折石が転がっていて、左手は断崖絶壁だったりするので、止まってゆっくりする場所も中々見つからない緊張が続く。暫く走ると綺麗な砂浜が始まり、しばし休憩。波の音以外全くの静寂。海岸線には小さな漁村が点々とある。この村はどうやって飲料水を確保しているのだろうか?

3時頃にイキケの町に着く。かなりの大都市。宿探しに苦労するだろうと覚悟してセントロに向かう途中、ふとYHの看板を発見。ここにYHなんてあったっけ?庭で卓球をやっている奴が俺を見て驚きながら門を開けてくれる。

今年の2月にオープンしたばかりの新しいYHで一泊5000だと言うので庭にコルデーロ号を格納させてもらい宿を確保。こんなにあっさり宿を見つける事ができて何だか拍子抜けだ。EUから来ているサーファーが多いようだ。みんな英語を話すのでコミュニケーションが取れて楽しい。栄えある日本人第一号宿泊者となった。

一泊の予定だったが、明日は金曜日でBBQがあると言うので、この時点で延泊決定!みんな代わる代わる「バイクで旅行してんの?ワーオ!」と俺の行程を聞いて驚く。彼らにとってはウシュアイアからここまで来ただけでも信じられないらしい。わっはは!気分良いぞ!チェキカマタからの峠道で時速10キロしか出なかった話しで一同大爆笑!「オー!ユーアークレイジーメン!」すっかり受け入れられたようだ。

暫く昼寝をしてからセントロまで歩いてみる。セントロは猥雑としているがビーチがとても綺麗だ。スーパーで夕飯の惣菜と日本に送るピスコを買ってYHに戻る。飯を食っていると突然の停電。バックパックから懐中電灯を取り出し悠然と飯を食う。停電なんぞ気にしない。みんなからビールやらピスコーラ(ピスコのコーラ割)を貰い、いい感じに酔ってくる。勢い余って明日のBBQにはみんなに炒飯を振舞ってやると約束してしまった。
酔っ払ってベッドに倒れこむ瞬間が一番幸せかもしれない。



- 11 / Mar / 2005 Iquique, Chile.

8時に起きて朝食用のバナナを食っているとトーストとコーヒーが出てきた。ここのYHは朝食つきらしい。長期滞在の予感...。
飯を食ってから昨日買ったピスコをダンボールで梱包し、途中文房具屋でクリアテープと包装紙を買い、店の人にも手伝ってもらいながら、その場で梱包作業。ビニールテープでぐるぐる巻きにする。

郵便局に行き日本に送る旨を話すと税関職員が「中身をチェックするので開けろ」という。勘弁してくれ!中身はただのピスコだと言っても聞いてくれない。カッターを渡されたので泣く泣く開封する。税関職員が中身を確認していると今度は郵便局員がこのダンボールの梱包ではビンが割れるからダメだという。何重にもダンボールで包んだ中身の入ったビンはそう簡単には割れない自信があったが、やはり駄目だと言う。くっそー!昨日ダンボール貰うのに苦労したんだぞ!ぶち切れそうになりながらも問題ないことを説明する。そうこうしているうちに昼休みになり、午後は3時からだという。その場でピスコ投げ捨ててやろうかと思ったが、ぐっと堪え、不貞腐れながら郵便局を後にする。ちくしょう、こうなったら幾ら金がかかっても絶対にピスコを送ってやる。

目を三角にしながらセントロを歩く。何か梱包に適当な箱は無いか?久々に怒りオーラを発しているせいか、道行く人々が俺を避けて歩いているようで真っ直ぐ歩ける。
町を探索すること2時間。プラスチック製品を売る雑貨屋を発見。
手頃な大きさのタッパーを見つけ出し、その場でピスコを入れてみる。よし、ちょうど良い。叩きつけるように1000ペソを払い、3時になるのを待って郵便局に殴りこみをかける。
郵便局員にタッパーを見せるとビエン!ビエン!というので郵便局の前の出店で包装紙を購入。税関職員が見守る中再度梱包する。怒涛の勢いでビニールテープでぐるぐる巻きにしていると税関職員が慌てて確認済みのスタンプを押す。送料はピスコの数倍になってしまったが金の問題ではない。

10日で着くと言うので、無事に到着することを祈り、郵便局を後にする。
いつも俺を気に掛けてくれているストバのみんな、ありがとう!
南米に想いを馳せながら楽しく飲んでくれ。

ビーチサンダルで数時間も歩きつづけたので足が痛い。しかし今日のBBQには炒飯を作る約束をしてしまったのでスーパーに買い物に行く。食材合わせて5ドル。食料はチリでも安い。

部屋で一休みしてから調理開始。みんなに食わせる物なので手抜きは出来ない。真剣に作る。9時半に山盛り二皿の炒飯完成。味見をしたが我ながら悪くない。欧米人の舌にこの繊細な味、香りが何処まで理解されるだろうか?

BBQパーティは10時からの予定だったが、11時過ぎのスタートとなった。俺の作った炒飯は大好評だ。あっという間に売り切れてしまった。予定より多くの人数が参加しているので十分行き渡らなかったのが残念。ブラジル人がカイピリーニャを作って振舞ってくれる。俺にとっては懐かしい思い出の味だ。

みんな「今日のBBQで一番旨かった。明日も作ってくれないか?」と言うので酔った振りして誤魔化す。料理は嫌いじゃないが人に振舞うのは緊張するし面倒くさいので勘弁だ。下手なものを作ってアジアの食を勘違いされたくない。アジアの食は世界一であるべきなのだ。その後もビール、カイピリーニャ、ワイン、ピスコーラがドンドン廻ってくる。楽しいパーティだ。4時頃いい加減に酔っ払ってしまったので寝る。くわぁ〜っ、飲んだ〜!

「酔って砂上に臥すとも君笑う事なかれ。」誰の漢詩か忘れたが、とても良い気分だ。



- 12 / Mar / 2005 Iquique, Chile.

昨日の酒が効き過ぎて11時に起きるも、生命反応ゼロ。下手に歩いて、つまずいたら多分、ショックで死ぬ。お手伝いのおばちゃんがニコニコしながら、「昨日はみんな沢山飲んだんでしょ?しっかり朝ご飯を食べなさい!」というような事を言い、パンとコーヒーを出してくれる。うぅ、うっかりパンが喉に詰まったら、多分死ぬ。
機械的にパンをコーヒーで流し込み、庭で一服していると、のっそり、ぬらり、と廃人共が起きてくる。このユース、ただ今バイオハザード発令中!

2時頃、ようやく生命反応が現れ始める。昨夜、深酒せずにサクッと寝た女の子に「あなたはビーチに行かないの?」と聞かれる。「ビーチに行っても水は冷たくて泳げないんだろ?」と切り返すも、女の子の眼は「このダメ人間め!」と口ほどに物を言っているので、すごすごと部屋に戻り、昼寝する。俺が悪いんじゃない、この波の音が俺を夢の世界に誘うのだ。

7時頃まで爆睡。昨日、使い残した米を炊き、玉ねぎと卵でスープを作って夕食にする。食い終わってまたまた一服していると、どうやらみんなも正気に戻ったらしい。
「今夜はカミカゼバーに行くぞ!」と誘われるも明日出発するからと断る。ゾンビのままではきっとコルデーロに嫌われ、良くないことが起きる。
カナダから来た女の子が昨夜の炒飯のレシピを教えてくれと言うので、周冨徳直伝(TV経由)の技を惜しげも無く懇切丁寧に教えてあげる。うーん、材料さえあればまた作って見せるのに。

パッキングをして宿帳に日本人第一号の証を残す。
いい宿、そしてみんな良い奴だったな。


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