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- 09 / Mar / 2005 Calama - Chuquicamata - Tocopilla, Chile.

夜明け前、ツアーに出かけるフランス人どものフォン・クシュ・フォン・クシュと鼻抜けの良過ぎの会話がうるさくて目が覚める。まだ6時じゃないか、ムッシュ共、勘弁してくれ!彼らが出払った後、再び眠りにつくも今度はチリ人一家が朝からラテン気質全開で元気良く飯を食っている。まだ7時じゃないか、セニョール共勘弁してくれ!

結局8時半に起きる。気の良いドイツ人夫婦に見送られ9時半に出発。とりあえずカラマまでの105キロを走る。行きに超えた峠を再び時速30キロで走る。走行メーターが9990キロをさす頃、砂漠の一本道に怪しげな物体を発見。何だと思って近づくと、うおー!戦車じゃねーか!迷彩が効いてて直前まで分からなかった!

ビックリしながらも戦車の前で止まり、写真を撮っても良いか?と尋ねると、「上って来い!」と言ってくれた。喜んで戦車に登りチリ陸軍機甲部隊の皆さんと記念撮影!戦車カッコ良過ぎだ!感動していると今度は「中に入っても良いぞ」という。
まさか南米までツーリングに来て戦車に乗るとは思わなかった。
昨日の退屈なツアー帳消し!
中は噂どおり結構狭い。俺の脛ほどある砲弾の薬莢がきちんと並べられている。俺が入った場所は機関銃を撃つ所で隣りの席が砲手のようで、スコープが付いている。真中の一段高いところにも座席があるのでこの戦車は恐らく三人乗りなのだろう。
兵士達は俺のコルデーロ号に跨り大はしゃぎ!兵士達もコルデーロ号の前で記念撮影をしているのが笑える。「水は持ってるか?、食いモンあるか?」とみんな優しい。十分あるので遠慮する。「基地は何処だ?」と聞くと遠くの山を指差して「あの裏だ」と言う。何にも無い砂漠だと思っていたが、元はボリビアからかっぱらった鉱物資源豊富な土地で戦車基地を隠しているなんて。チリ結構面白い。

戦車にすっかり感動して気がついたら走行距離が1万キロを超えていた。
1万キロおめでとう、俺!

暫く走り、カラマの町に到着。エンジン音がおかしい。ガソリンを給油しながら点検すると、なんとエンジンから出ているマフラー(エキマニ?)のナット2個が脱落しているではないか!街中で発見してよかった。道端で発見していたらパニックになっていただろう。
冷静を装いGSで「メ・モト・ポコ・プロブレマー」とナットの脱落した部分を見せる。
GSのオヤジは暫く考えて、向かいにある自動車修理工場にバイクを持って行けと俺を先導してくれる。あり難い!

修理工場でオヤジにボルトの件を説明すると奥でゴソゴソ合いそうなナットを探して取り付けてくれた。幾らだ?と聞くと1ドルでいいというので1000ペソ渡してお礼を言ってGSに
戻る。共産国でもない限りネジの一本や二本無くす事はたいしたことではない。
しかし、さすがに1万キロ走るとガタが来るものか?

GSでホットドックを食って15キロ程離れたチェキカマタに向かう。チェキカマタには世界最大の露天掘り銅山がある。コマツのCMで見たことあるやつだ。タイミング悪くツアーが無ければ、カラマに戻って一泊する事にして、とりあえず現場に向かう。カラマからは再び登りで2速30キロが限界。トロトロと走るうちに、観光バスがいっぱい並んでいるところにたどり着く。ここが入り口かなと思って何だかチケットを配っているオバサンに入れるか聞くと、ツアーはここじゃないよとツアー発着場所まで車に乗せてくれる。U字ロックをしてこなかったのでバイクが少し心配だが、まあ、大丈夫だろう。

ツアー発着所に着くと先日サンペドロであった杉本サンに再会する。サンペドロで合った時は怪しいサングラスをしていたので、俺が誰だか分からなかったようだ。もう一人日本人の青年がいて三人とも横浜出身だと言うことで驚く。ツアーは予約制で俺はキャンセル待ちになってしまった。せっかくなら三人で一緒に行きたいところだ。

出発の時間になり、キャンセルがあったのでサクッと参加OKになる。寄付と言う形で小額のお金を徴収するというので2000ペソ払う。これで旨いモンでも食ってくれ!とバスに乗り込む。
暫く走るといよいよ掘り出し地点に到着。うおー!でけー!人間って凄いことやるな!
コマツ製のダンプの尋常なデカさではない。来て良かった!これで心置きなくペルーに入れる。二人とメールアドレスを交換して別れる。お互い良い旅を。

時間は3時。予定のトコピージャの町までは多分150キロ位。前進あるのみ!
チェキカマタからマイナーな25号線に入る。ここで既に2700m位あるのにそこからさらに道は上り坂となる。ドンドン出力が落ちる。2速20キロでも今にも止まってしまいそう。

空気がドンドン冷たくなる。まあ、ずっと上り坂が延々つづくわけが無いと自分に言い聞かせながらS字の登りを終えると目の前には直壁のような直線の上り坂。1速10キロが限界。頑張れコルデーロ号!じわじわと登る。ここを超えて更に上り坂が続くようなら、引き返そうかなぁと半分諦めながら頂上にたどり着く。やった!下りだ!安心してアクセルを緩めた途端、エンジンストップ。ここが限界点だ。

スターターでもエンジンが掛からないので坂道を下りながらエンジンをかける。今度は一気に70キロでスラローム。最高の気分だ。S字を抜けると地平線まで一直線の下り坂。エンジンも結構元気になったので、ニュートラル80キロ巡航。幸せ!
5時頃、やっと5号線との交差に着く。ここから町までは約80キロ。夕暮れまでにはつく筈だ。町まであと15キロと言うところから再びS字の凄い下り坂。5号線は多分標高1000m位の所を走っているのだろう。30分延々と坂道を下ると夕日に照らされた太平洋が見えてきた。いくつか宿を廻り、1泊3000ペソのチリ最安値の宿に落ち着く。


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