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- 29 / jun / 2005 Dawson Creek, Canada.
ドーソンクリーク。アラスカンハイウェイの始まりとなるこの町を過ぎると、この先には町らしい町は殆ど無くなる。フェアバンクスは後3000キロ弱。ここで北路、最後のオイル交換をする。SFで交換した後輪を見てビックリする。山が殆ど無くなっている。まだ4000キロ位しか走ってネー筈だが。何だがフニャフニャしてたので多少は心配していたがココまで耐久性が無いとは。まあ、SFから毎日ぶっ飛ばしてきたから仕方ねーのか。このままだと多分アラスカまでもたないので、フロントタイヤとローテーションする。作業途中で雨に降られ、ずぶ濡れになりながら作業をしていると、韓国人の宿のオヤジが「屋根の下でやりなよ」と言ってくれるが、タイヤを外した状態で移動は出来ないので我慢して作業を進める。オイルも交換して部屋で一休みする。
飯を食いに少し離れた食堂まで走っていくと何だが挙動がおかしい。後輪を見ると潰れてる。ありゃ、やっちゃった〜!
これまでタイヤ交換は全部上手くいっていたのに、ここまで来て慢心したか、自爆してしまったようである。飯を食うのを止め、宿まで押して戻る。再び後輪を外しチューブを見るとやっぱりレバーで噛んでしまったようだ。修理は後でやるとして予備チューブと交換する。
気を取り直し、0マイル道標まで走る。写真を撮って防水スプレーを買い、宿に戻ろうとコルデーロに戻ると、なんと、またパンクしてる。気を付け作業したはずなんだが、仕方なく1キロ程宿まで押して行く。途中、ピックアップトラックのおっちゃんに「どうした?」と呼び止められる。「さっきタイヤ交換したんだけど、パンクさせちゃったみたい」と答えると「確か修理剤があったはずだ」とトラックをゴソゴソと探してくれる。「ありがたいけど、まだ先は長いから修理剤で済ませたくないんだ。宿に戻って直すよ」とお礼を言うが「乗せてってやろうか?」と、とても親切にしてくれる。
暫く話をするとこの町の消防士で自分もバイク乗りなのだという。アルゼンチンからアラスカまで旅していると話すと興味深々で色々聞いてくるが、質問がかなり玄人っぽい。詳しいねぇというと、「実は来年3月から世界一周をするつもりなんだ。だから色々調べているのさ」と言う。なるほど。そういう事だったのか。30分ほど話をして宿に戻る。部屋でチューブにパッチをしてバイクに戻ると何故かコルデーロがハーレーに挟まれている。ハーレー軍団のオッサン達がコルデーロを興味深げに眺めている。何となく気恥ずかしい思いをしながら、みんなに囲まれ色々質問されながら交換作業をする。
四苦八苦しながら作業をしていると更に一台のハーレーがやって来た。さっき会ったパトリックだった。そこで旅談義が始まる。3度目なので作業に集中したいが、話し掛けれらるので集中できない。それでも何とか作業を終え、話に混じっているとハーレー軍団の一人が「おい、また空気抜けてるぞ!」という。えー!なんだよ、また失敗かよ!
みんなに囲まれたこの状態で再び作業するのはイヤなので何となく談義が終るまで待っていると、今度は別の一人が「おい、後輪のリムが酷く歪んでるじゃないか!」という。「これはエクアドルかどっかで歪んじまったんだ、まあ、走るから問題ないよ」というも何故か皆でリムを交換すべきかどうか熱い議論が始まってしまった。みんな親切で話をしてくれるのは痛いほど良く感じるが、ここまで来た以上、このまま走りたいのだ。
直せるなら直したいが時間も掛かるだろう。高い宿代を払って部品待ちは結構しんどいのだ。と言いたいが、他のオッサン達からしてみたら安宿に泊まってる感覚だろうから「大丈夫だ」と繰り返すしかない。パトリックが「今日はもう遅いから明日近くのバイク屋までその後輪持っていってみよう」と言ってくれる。本当に良い奴だ。しかし、パンクひとつも自分で直さず、何がライダーだ、と思う。こんなものはトラブルの内には入らないのだ。断っても「まあ、ココから300m位だから、朝行ってみてプロの話を聞いてみよう」というのでまあ、そうする事にする。有難い事に迎えにきてくれるというが、意地でもその前に直してやる。
旅談義が一段落した所で、タイヤを持って部屋に戻る。部屋でチューブにパッチをしてタイヤを嵌め込む。暫く待って空気が抜けていない事を確認して4回目の組み込みをする。最後にネジを締めようとして、タイヤの回転方向を間違えている事に気が付く。あぁぁぁ〜(涙)。疲れてるのかなぁ?再び部屋に戻ってタイヤを外す。段々、手の握力が無くなって来た。
クタクタになってタイヤを嵌める。バイクに組み込もうとすると、なんと、なんと再び空気が抜けている。再び部屋に戻る。もはや、パッチをするのもイヤになってきてもう一本の予備チューブを使う事にする。これで最後だ!と細心の注意を払い作業をする。空気を入れて一服する。さあ、早く終えて風呂でも浴びるか!とタイヤを持つとグニャリとしていて茫然自失。声も出ない。
何でなの?!泣きたくなってきた。
震える手でタイヤを外し、洗面台に水を張りチューブを入れてみると、バルブからプクプクと空気が出る。くっそ〜!バルブ不良かよ!生憎ムシ外しは持っていない。ヘタヘタと床に座り込んでしまった。呆然とタイヤを見つめる。ノリ、ここまで来ておきながら、パンクを直せず旅終了。って終ってたまるか!
昨日のガッツを思い出せ!俺!
歯を食いしばって、最初にパンクしたチューブを紙ヤスリでこする。ゴムノリを塗ってパッチを張り、スプレー缶でゴリゴリと圧着させて空気を入れてみる。穴は塞がったようだ。
ココからは初心に戻ってお湯で石鹸を溶かしタイヤに塗りたくる。細心の注意を払ってタイヤを嵌める。暫く様子を見て最後の力を振り絞って組み込む。出来た。やれやれようやく作業終了だ。
気が付けばあたりは真っ暗。夜の12時を過ぎている。試乗をかねてコンビニに食い物を調達しに行く。今度こそ大丈夫だ!
冷凍食品を部屋のレンジで解凍して食う。風呂も入らずベットに倒れこむ。
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