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- 11 / jun / 2005 Lee Vining, United States.

昨夜は日記を付けながら力尽きて寝てしまった。PCを片付け、荷物を纏めて昼過ぎに出発する。

今日は395号線を通りヨセミテ国立公園まで行ってみる。途中ビショップと言う町でスポーツ用品店があったので覗いてみる。ヨーレイカのテントが手頃な値段で売っている。エアマットが欲しかったが無いのでウレタンマットを買う。これでキャンプが出来る。今日はヨセミテでキャンプだ!

GSで停まって休憩しているとハーレーに乗ったパンクなニーチャンが「どこから来た?」と聞いてくるので「アルゼンチンから走ってきた」というと口汚く「お前は病気だよ!」と言われ、かなり凹む。パワーもスピードも出ないバイクで走ってるのは自覚があるだけに、返す言葉が見つからなかった。そうか、俺は病気か・・・。

395号線は山間を抜ける景色の良い道だ。しかし途中、単車線になってしまう。追越車線がないと、後ろに車が溜まってしまって精神的に辛い。時々止まって後ろの車をやり過ごす。病気なりに気を使っているのだが、やはり迷惑だろうか?

リーバイニングと言う町でキャンプ場の場所を聞く。ヨセミテに入る道沿いに良いキャンプ場があるらしい。眼前には雪を多く残した美しい山々が見える。テントのマークを見つけ横道に入ってみる。キャンプ料は14ドルらしい。説明を見ると封筒に金を入れて、名前と日にちを書いてポストに入れるらしい。封筒が無いのでさっき貰った地図を折って金を入れ投げ込む。

綺麗な小川が流れる良いキャンプ場だ。小川の隣りにテントを張る。「俺の家だ〜!」川の流れ以外何も聞こえない静かなキャンプ場で叫ぶ。どうやら焚き火をしても良いらしいので、枯れ枝を集める。焚き火はかなり得意だ。伊達にブエノスアイレスで火付けばかりやっていた訳ではないのだ。落ちていた紙くずに火をつけるとすぐに盛大な焚き火になった。町で買ったスパム缶を開け、焚き火に放り込む。ベーグルは枝に吊るして炙る。グツグツとスパムが熱くなったところでベーグルに挟んで食う。旨い!初めて食ってみるが少々しょっぱいもののスパムは結構旨い。初めてのキャンプという興奮もあるだろうが、暖かい食い物を食うと気分が盛り上がる。キャンプ用の調理道具を一切持っていなくても何とかなるもんだ。こんな時はビールがあれば良かったな。暗くなると小さなマグライト1つしかないので、明るいうちに身の回りの事を済ませておくのはキャンプの鉄則である。テキーラを処分したらお湯を沸かせる道具を揃えよう。
更に薪を探し、暗くなるまで焚き火を眺める。

夜中に寒くて目が覚める。尋常な寒さではない!時計を見ると2時半。まだまだこれからもっと冷える時間だ。小便がしたいが体が冷え切って外に出る気力が無い。暫く我慢していたがどうしようもなくなって、意を決して外に出る。満天の星空を眺めながら用を足す。吐く息も白くなるほど冷える。「ちっきしょー、何でこんなに寒いんだ!」と叫ぶと、タイミングよく、シュっと流れ星が流れた。ずっと眺めていたかったが、寒さに耐えかねてテントに逃げ込む。確か寝袋は0度までは大丈夫なはずだが、今はそれ以下なのか?持っている服を全て着込んで寝袋に入る。ウレタンマットが氷のように冷たい。使えねーマットだ!残った服を敷き詰めて、ザックに寝袋の足を突っ込む。オヤジに教わった寒い時の山での過し方だ。小さい頃から遊園地などは殆ど連れて行ってもらった記憶が無いが、山だけは一人前の一歩手前までしっかりと教えてくれた。今はその知識が俺を救ってくれる。

還暦を過ぎたオヤジに今の俺は何一つしてやれないが、親孝行は帰ってからゲップが出るまでするから、今はもう少しだけ時間を下さい、と地球の裏側のオヤジに頭を下げて再び根性で寝る。


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