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- 21 / Jan / 2005 Rio Gallegos - Rio Grande, Argentina.

6時半に目が覚めるもウダウダしているうちに8時半出発となってしまった。
今日はいよいよチリを通過してフエゴ島のリオグランデまで行く。ここまで南下してくると10時近くまで明るいので気持ちには余裕がある。

新品のタイヤのせいか、時折後輪が滑る。スピードを抑えて国境まで走る。国境手前数キロは舗装工事中でオフロードを走る。デカイ水溜りがあり、昨日の雨のせいか道がぬかるんでいる。ブロックタイヤにして良かった。ノーマルタイヤだったら倍の時間どころか走れなかったかもしれない。

国境を15分で越える。楽勝だ。しばらく走るとチリの国旗が見えてきた。あっけなく入国。ここの越境は楽勝と聞いていたがホントに楽勝だった。レートが悪そうだが、念のため40ドル分チリペソに両替しておく。

チリに入ってからも舗装道路が続く。モルタルの結構新しい道路だ。このまま楽勝で、フェリー乗り場までいけるかと思ったが途中で舗装道路が終ってしまった。ガタピシとダートを走る。こんな道を走ってたら、カブも逝ってしまうだろうと心配になる。ようやくフェリー乗り場に着いた。手前数キロで連続して多くの対向車を見つけたのでちょうどフェリーが着いたのだろう。頑張って走ってそのフェリーに乗りたい。

船着場には10台位の車が待っていた。フェリー乗船を待つ間、他の乗客が珍しいバイクを興味深そうに眺めている。ひとりのオッサンが何処から走ってきたのだ?と聞くのでブエノスアイレスからだ、と答えると目を真ん丸くして驚いて家族を呼びに行った。
何日で走ったのかと聞かれたので、12日間で走ってきたと答えると、「うーん、結構早いなぁ」と感心していた。早いのは毎日、ケツの痛みに耐えながら10時間近くも走っているからだ!といってやりたかったが、言えないのが残念だ。

20分くらいでフエゴ島に上陸!直ぐにダートが始まる。ここから再びアルゼンチン国境まではダートだ。140キロのダート。歩き方には「車なら100キロ位で走れる程度には整備されてる」と書かれていたが、冗談じゃない。車だって5,60キロ位しか出ていないぞ。歯を食いしばり、「カニ飯!、カニ鍋!、カニ雑炊!!」と呪文のように唱えながら、ダートを走る。140キロのダートを走るのに7時間も掛かってしまった。

7時半に国境到着。今日2度目の越境だが、ここからは80キロ程の舗装道路だと思うと気が楽だ。長いダートを終え、国境超えを果たし、一服しているガソリンを入れていたBMWが俺のところにやってきた。豪快なアメリカ人で「なんたってお前はこんなに小さなバイクで走るんだ?おい!」と怒鳴るように俺に聞く。
「コイツはチープでタフだからだ」と答えるとオヤジはニヤリと笑い
「違うな、タフなのはお前だぜ、明日ウシュアイアでまた会おう!タフガイ!ガハハ」
と笑ってウシュアイアに向けて走っていった。タフガイなんて呼ばれるのは始めてだ。それもアメリカ人に言われると何とも気分が良い。ニヤケた顔をバイザーで隠しながら、ゆるい上り坂も70キロ近くのスピードで走る。風がなければこれ位の速度で走れるのだ。ガソリンも十分にあるので、ガス欠の心配も無いので快調に走る。1時間ちょっとで リオガジェゴスに到着。明るいうちにホテルに到着することが出来た。事前に目処をつけておくと、町に入ってから楽だ。

ホテルのガレージでドロドロになったカブの点検をして愕然とした。リアホイールのアジャストナットがぶっ飛んでいて、シャフトのナットもあともう少しで外れてしまうところだった。恐ろしい。慌てて宿の女主人に「プロブレマー!ワタシ・ナット・ナイ・カウ」と単語を並べるとガレージにある棚からネジ類が入ったビンを出してきて、合うのがあれば使って構わないと言ってくれた。ありがたい。早速ナットを探す。手頃なヤツを見つけて、チェーンのテンション調整をする。再び脱落しないように針金で補強する。

作業中、オランダから来たおっさんライダーとイタリアから来たおっさんライダーがホテルにやってきた。オランダからきたライダーはスペイン語はダメだが、英語が喋れた。イタリアから来たほうはスペイン語は話せるが英語がダメだ。この二人途中で出会い、ウシュアイアまで一緒に走ることになったらしいが、どうやってコミュニケーションをとっているのか不思議でしょうがなかった。

オランダライダーが俺に「まさか、お前はこのスクーターで旅しているなんて言うんじゃないだろうな?」と笑うので「そうだよ、これでウシュアイアからアラスカまで行くんだ。」と答えると「なんてこった!お前はクレイジーかも知れないがそれこそホントの旅だ。アドベンチャーだ。俺はお前を尊敬するよ。」と握手を求めてきた。
自分じゃそんなに大それた事をしているつもりはなんだけどね。

明日はダート70キロを含む南下最後の200キロだ。
ここまで来たんだ。安全運転で最後の南下を楽しもうと思う。


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