- 19 / Jan / 2005 Puerto San Julian - Rio Gallegos, Argentina.

8時に目が覚めた。
今日走らないで済む何か理由を探している自分に気付く。表に出ると薄曇。相変わらす風が冷たい。休むなら、次の町リオガジェゴスだ。大きな町だし、ダートに備えてタイヤも交換しなければいけない。

寒さに耐えて出発。小雨もぱらつくが、我慢して走る。120キロ程走った所で小さな町があった。朝飯も食わずにヤケクソで出発したので、何か暖かい物が食いたかった。ガソリンスタンドでサンドイッチとピザをコーヒーを買って食う。
どうにか寒さを防ぐ方法は無いものか考えて持ってきた服全てを頭の中にリストアップする。ひらめいた!昨日まで来ていたウィンドブレーカーも着てしまおう。

着る順番としては、タイツの上、ユニクロの薄いフリース、そしてウィンドブレーカー。その上に厚手のフリースを着て最後にマウンテンジャケットを着る。空気の層を2つ作ることで断熱効果が高まるのではないか?早速ガソリンスタンドで着替えを開始。飯を食っている家族が不思議そうに俺を見ている。物凄い着膨れてまるでダルマのようだが、スタイルを気にしているような寒さでないのだ。

早速走り始める。よっしゃー、寒くないぞ!カブのパワー不足と俺の準備不足は、知恵と気合と根性で乗り切ってやる。次第に雲が晴れ、日差しが当たると暖かくなってきた。道はアップダウンの繰り返し。寒くないので今のうちに走れるだけ走ろうと頑張る。カブに頑張って走ってもらう。リオガジェゴスまで100キロを切った頃、ふとメーターに目をやるとガス欠寸前。慌てて風の弱そうな場所を探すと遥か先に丘を切り通した場所があった。切り通しは風が弱い。

そこまで走ると対向車線に止まる二人のチャリダーがいた。先ずは握手。ポーランドから来た夫婦だ。彼らはチリからウシュアイアに入りブエノスアイレスに向かう途中だという。こんな小さなバイクじゃ大変だねと笑うから、君らはもっと大変だろうと、3人で大笑いした。お互いに写真を撮って別れる。この先7、8キロ行くと小さな村があったよと教えると喜んで走っていった。
彼らは一日80キロ位走るらしい。ヒロさんもそうだが、チャリダーは本当にスゴイ。自分の力だけで頑張っているのだ。一日80キロ走ってはキャンプをし、次の町まで延々走る。彼らに比べたら俺は寒い寒いと泣きそうになりながら、それでも一日400キロも走り、ちゃんと屋根のあるところに泊まっているんだ。
彼らと会って自分の軟弱さ、臆病さがおかしく思えてきた。
前に進もうとする気持ちさえあれば、旅は続けられるのだ。

ヒロさんがカブに書いたメッセージを見つめる。 「意志あるところに道はある」



- 20 / Jan / 2005 Rio Gallegos, Argentina.

今日は休みだ。
昨日のうちに頑張って走ったのでここで予定通り、タイヤ交換。下手にパンクさせないようにゆっくり慎重に作業を進める。ペットボトルをぶった切り、熱いお湯と石鹸を入れる。スムーズにタイヤが入るようタイヤにたっぷりと塗りたくる。マルトミオートで教わったように、力技で作業しないように、これまで無事に走ってくれたのにタイヤ交換でパンクさせてはバカらしい。ゆっくり、落ち着いて作業するれば、必ずうまく行く、そう自分を信じて集中。日本での練習の甲斐があって2時間で作業終了。うまく行った。
なんかカブがワイルドな感じに変身した。

タイヤ交換の後、洗濯をしてからネットを繋げに行く。
OFFの日も結構やること盛りだくさんだ。ホテルの近くのネット屋も設定不要で繋げられた。ムイビエン!メールの返信やら日記の送信などで3時間も夢中でやってしまった。

店から出ると雨が降っていた。オーファック!せっかく洗濯したのにびっしょりになってしまった。こりゃもう一泊か?と、また走らないで済む言い訳を考える。イカンイカン。居心地のいいホテルなので帰ってくる時はまた泊まろう。
荷造りもせずに爆睡する。


© 2004 - 2005 wildbandits. all rights reserved.