- 18 / Jan / 2005 Comodoro Rivadavia - Puerto San Julian, Argentina.

今日もロングランだ。目指すは400キロ離れたプエルトサンジュリアン。
7時30分に出発。ここから先は、寒いと聞いていたのでタイツを穿く。
アンダーアマーの薄い奴だが、暖かい。
80キロ程走った街のGSでガス補給をしていると地元テレビ局の車がやって来て、インタビューさせてくれという。

なんてこった!こんな事なら髭も剃っておいたのに〜!英語ならOKだというと、何処からきたのか?何処へ行くのか?この小さなバイクでの旅は辛くないか?アルゼンチンの印象は?等、レポーターのネーちゃんの英語レベル程度の質問をされて終った。あっけないなぁと思いながら、町を出る。

海岸線を快適に走る。
今日は素敵な追い風だ。何処までも続いてくれ。そして帰ってくる時は思いっきり南風になってくれ!祈りながら走っているとさっきのTV局の車が手を振りながら俺を追い越していった。海岸線の下りカーブで車は止まり、カメラマンが飛び出してきた。
俺の走行シーンを撮りたかったようだ。カメラの手前から手を振り、親指を突き立ててカメラの前を走り去った。カッコよく撮れたかなぁ?スモークシールドで良かった。初めてのTVデビューにニンマリと顔がしまらない。旅は色々な事が起きる。
北上する時は、コモドーロじゃなくてこの町に泊まれば、町のみんなが暖かく出迎えてくれるかも、と妙な期待をしてしまう。ひょっとして、俺って南米で有名人になっちゃうんじゃねーの?

200キロ程快適に走るが、徐々に風が冷たくなってくる。これまで使ってきたグローブでは手が冷たい。おまけに小雨も降ってきた。この旅初めての雨。この寒さで体が濡れてしまっては危ないので、マウンテンパンツにジャケットを着る。グローブもスキー用に交換。完全装備だが、雨はどんどんひどくなり、メチャメチャ寒い。
ムーチョフリート!極寒の中、意識も朦朧としてくる。
危険だ。時折バイクから降りて体を動かす。エンジンに手を当てて手を温める。途中、ポリタンからガスを補充していると対向してきたバイクが一台引き返してきた。俺がトラぶっていると思って引き返してくれたらしい。ウシュアイアまで行くと言ったら
「こんな小さなバイクで君はクレイジーだよ。でも覚えておけ、リオガジェゴスから240キロは何にも無いからしっかりガソリン積んでいけ。それからここパタゴニアを走るライダーはみんな友達なんだ。だから、困ったら必ず助けを求めろ。みんな助けてくれるからね。」といってくれた。アルゼンチンのライダーはみんな良い奴だなぁと感動して、またこの旅の辛さに少し涙が出てきてしまった。
もっとでかいバイクだったらもう少し・・・。

その後もガチガチと震えながら漸くサンジュリアンの町に到着。
町の入り口のツーリストインフォメーションでホテルを聞く。ホテルに向かう途中、でかいシェパード犬がバイクを見て吼えながら追いかけてくる。スゲー怖かった。ホテルに着くもシングルの空は無いという。トリプル50ペソ。俺が値段にひるんだ瞬間に、外は大雨になった。タイミング良過ぎだぞ、おい!雨を見て他のホテルを探す気力もなくなり、50ペソで手を打つ。バイクを部屋に入れても良いという。ありがたいというか、3人部屋に一人で泊まるのはもったいない。今日も元気に走ってくれたカブも泊めて当然だ。びしょ濡れになったカブを眺めながら、本当に感謝した。このバイクが走ってくれなくなったら俺は厳しい環境の荒野でどうなっていたか分からない。部屋でしばらく温まろうとぼんやりしていると猛烈な睡魔に襲われ、夕飯も食わずに寝てしまった。

起きたら11時で少し風邪っぽい。
激しい雨の音もするので、ビタミン剤と風邪薬を飲んで寝ることにする。
明日起きて雨ならこの町にもう一泊しよう。


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