- 05 / Jan / 2005 Iguazu, Argentina.

夕方18:30のバスに乗るため、17時に宿を出る。
ほとんどの荷物はバイクに括り付けて倉庫に置いていく。0泊3日のプチ観光旅行。ヒップバックとナップザックでいざ出発。

バスに乗って暫くすると渋滞が始まった。しまった!こんな時は地下鉄にするべきだった。レッティロに着いたのが18:15。ギリギリだ。チケットにはバスのターミナルは37-47の間とアバウトな記載があったが、出発便の表示にイグアス行きがない。かなり焦って探すが見つからない。そうこうしているうちに、30分になってしまった。ヤベー!しかしバスは見つからず、辺りを見渡すと待ちくたびれた人々がウンザリ顔で地べたに座り込んでいる。やっぱり南米。どうやら時間になってもバスは来ていないらしい。

落ち着いて、一服していると、10分も過ぎた頃、漸くバス登場。預ける荷物も無いので、ジュースを買いに行き、ゆっくりとバスに乗り込む。バスは2階建てで、俺の席は1階の一番後ろ。横は3列前後に4列。噂通り、超ユッタリシートだ。出発して暫くするとドリンクサービスがやってきた。良い感じじゃねーか。コーラを頼んで悦に浸っていると、やがて食事が出てきた。味はまあまあ。十分に腹を満たして、更なる悦に入り、ウトウトしていると、一人が席を立ちトイレに入った。なんだ、トイレは俺の後ろだったのか。トイレの開け閉めをすると消毒液の匂いが臭い。昔のJRの夜行列車と同じ匂いだ。まあ、仕方ないと思っていたのもつかの間、次から次へと人が入れ替わり立ち代りトイレにやってくる。なんてこった!どうやらトイレは一階にしかないようだ。どれくらい人がいるのか、2階席を除くと横は同じく3列だが、縦に10列位ある。勘弁してくれよ。

その後もウトウトしていると誰かがトイレに入りに来る。その度にバタンと大きな音がして、プーンと消毒液の匂いがモロに来る。それでも我慢して眠りについていると隣りにいるオッサンがもう一つ後方のオネ−ちゃんと話し始めた。

オッサン声デケーよ、おまけに声が高いので妙に耳に着く。こっちが咳払いをしても、話しに夢中で気が付かない。俺はこういうシチュエーションを我慢してしまうシャイな日本人ではないので、おっさんの肩を叩き気付かせ、唇に人差し指を当てて大きな声で「シーッ」とやってあげる。オッサン怪訝な顔をしながらもこっちの意図は理解したようだ。
今度は小声で話し始める。完全なる沈黙を期待したが、アルゼンチーノに沈黙を求めるのは紳士的にやっても無理なようだ。小声で話すオッサンもオネ−ちゃんを口説くので必死なのか再び声がデカくなってきた。時計を見ると夜中の2時半で、俺の我慢も限界。

ゆっくりと立ち上がり、オッサンの椅子を蹴飛ばす。ビビッて振り向いたオッサンを上から見下ろし「だまんねーとぶっ殺すぞ!」と日本語で怒鳴る。オッサン何かを言うも、俺は端から解できず。再び「ダ・マ・レ!」と左手でジェスチャーしつつ、右手でコブシを振り上げた。日亜戦争勃発か?と思いきや、話し相手になっていた黒人のオネ−ちゃんが懸命に詫びている気配。オッサンも顔が引きつっているので、そこで勘弁してやることにした。アジアンなめたら怪我しますよ。
流石に、トイレに来る他の乗客に対してまで怒っている訳ではないので、トイレの匂いにはひたすら我慢しつつ、再び眠りにつく。



- 06 / Jan / 2005 Iguazu, Argentina.

オッサンは、朝になって出た朝食を俺が食い終わるまで、ずっと沈黙を守っていた。
ちょっとやり過ぎたかなぁと思いつつも、昼前にバスはイグアスへ到着。予定より1時間も早く着いた。やれば出来るじゃないか。着いたショボいバス停でローカルバスのチケットを買うついでに夕方のバスで再びブエノに戻る俺は効率的に観光が出来るよう、適当なツアーに参加。
70ペソ。良い値段とるじゃねーか。

ローカルバスに乗り、小一時間ほどで国立公園に到着入場料30ペソを払い、いざ観光。ツアー会社の前で暫く待ち適当な人数が集ったところで出発。
先ずはジャングルをトラックに乗るのだが、乗る際に英語のガイドで大丈夫かと失礼な質問をされる。なんなら日本語で喋りやがれ!

ガイドがスペイン語と英語でガイドを始めるが、これがまたショボイ。この木は何とかと言って食えるとか、この周辺にはピューマがいるとか、超適当なガイドが始まる。
15分ほどでトラックツアーは終わり、今度はボートに乗る。うーん!これは気持ちいい。ボートは滝へとドンドン近づき、カメラをビニール袋へ入れるよう指示があった。滝壷に近づくんだな。よーし準備OK!と思った刹那ボートは滝壷をかすめるように鋭いターンを決める。ざばーっと水を被る。
びしょ濡れじゃネーか!みんな水着着てるから多少心配はしていたが、まさかここまでびっしょりになるとは思わなかった。「水しぶきに注意」どころの騒ぎじゃないぞ!おい。

ボートから降りてしばし呆然。ツアーはその後『悪魔の喉笛』を見に公園内の鉄道に乗るのだが、びしょびしょに濡れたジーンズが重い。完全防水ブーツも上から水が入ったのでは乾燥しにくいただの重い靴になってしまった。幸いな事に電子辞書とカメラは無事だった。もう写真を撮る気力も無くなり、そのまま帰ることにした。バス停近くのレストランで暑いのを我慢して日向の席に座り、ビールをガブガブと飲みながら服が乾くのを待つ。ジーンズの裾は乾いたもののパンツや靴は乾かないまま再び夜行バスへ乗り込む。
2階席の最前列だ。昨日とは雲泥の差。
パンツが乾いていれば快適なバスの旅だったのに。


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