- 13 / Feb / 2005 Los Angeles - Santiago, Chile.

7時に目覚める。今日は500キロ離れたサンチャゴまで爆走する。サンチャゴまで行けば、住商の事務所はあるし、阿部さんの同期の人はいるし、日本人宿もあるし、この間会ったチリ人のおっさんもいる。今日の夜は旨い寿司でも食うぞ!と気合を込めて出発。

昨日荷解きもしなかったので寝起き15分で出発。相変わらず退屈な高速道路を走る。100キロ毎位に料金所があり、500ペソ払う。高速で走っていないので何だか損だ。GSでガソリンを入れ、コーラを飲んで、ただひたすら走る。昼過ぎに暑くなったので、フリースとジャケットを脱ぐ。サンチャゴまであと50キロの料金所の先にトンネルがあるのを発見。慌てて止まる。ここ数日なんの変化もなく、写真も撮っていないので、あまり面白くないが、写真をとる。

初めてのトンネル通過に興奮しながら「イヤッホー!」とトンネルに飛び込むが、あまりの暗さにビビる。そうだ、スモークバイザーだったんだ。ガンガンにクルマが飛ばし、煽られるのでバイザーを上げることも出来ず、ヒヤヒヤでトンネルを抜ける。もう、少しで8000キ
ロを超えるとじっと待っていたが、メーターがちょうど8000キロをさす時にまた意地の悪いバスに幅寄せされて、ビビッテいるうちに8001キロになってしまった。チクショウ。サンチャゴに近づくにつれて、左右にブドウ畑が広がる。良い眺めだが、どんどん交通量が増えるので写真を撮ることも出来ない。少し上り坂になった橋を登ると、左前方に夕日に照らされた高層ビルの立ち並ぶサンチャゴの市街が見えた。
ひゃ〜!スゲー大都会じゃん。まあ、先進国の首都なので当たり前だが。

これはうっかり高速道路の出口を間違えるととんでもないことになるぞ。慎重に出口を探す。うっかり俺の持っている地図に載っていないような場所に下りたら、宿を探すにも、渋谷辺りで「すいません、天丼いもやは何処ですか?」なんて神田周辺の事を聞いてしまうようなものだ。

セントロと書かれた出口を降りる.現在地を確認し、レストランハポンを探すが、全く見つからない。近所の住民に住所を見せても分からないという。シマッタ。地図の落とし込みを間違えたらしい。歩き方は持ってないし、ロンプラには載ってないし、うーん、困った。日曜の夜なので交通量が少ないのが幸いだ。噂通りにバスの運転が激しく悪い。バス同士で先を争いバス停に突っ込み、ぶつかる直前に止まる。あんなバスには乗りたくないなと思いながら、交通量も少ないので右折禁止も無視して走る。洒落た石畳の路地に迷い込む。デカイホテルがあり、シングル25ドル。という看板に惹かれるも、隣りにネットカフェを発見。

バイクを止めてヘルメットを被ったまま、インターネットを開始。日本語の打ち込みが出来ないものの、検索なら日本語が読める。適当に検索して、サンチャゴの日本食レストランを探す。レストランハポン、発見!住所と地図をプリントアウトしてもらう。全く便利な時代だ。店のアニキが気の良い奴で英語を話す。今日は10時間もバイクに乗っていてサンドイッチとコーラを飲んでここまで走ってきて、今日本人宿を探しているというと、バナナをくれた。ありがたいが、今日はカツ丼と特上寿司、味噌汁、おしんこ、シメにラーメンで腹を満たしたいのだ。

地図を頼りに走るがもう、すっかり暗くなってしまったので、中々見つからない。バイクを止めて地図と睨めっこをしていると、道行く人たちが親切に教えてくれる。昨日までのチリ人に対する印象が大きく変わった。良い奴らだ。この町なら、アジア人も珍しくないのだろう。ニコニコしながら俺を見送ってくれる。良い町だ。暫く走って漸く、ホテルハポンを発見。ここなのか?とフロントに入り、部屋代を聞くと60ドル、という。ココじゃない〜!レストランは何処だ?と聞くと残念そうに今日は休みだという。そうじゃなくて、俺はレストランハポンの隣りのペンションに泊まりたいのだ。というと、「おー!ペンションか。ちょっと待ってろ」と電話をしてくれた。「レストランハポンの隣りのドアベルを鳴らせばいいよ。」と親切に教えてくれる。

ドアベルが何処にあるのか分からず、オロオロしていると、見守っていたオッサンがホテルから走ってきて、ベルを教えてくれる。おじさん、あんた何処まで親切なんだ。中からニーチャンが出てきた。日本人を期待していたが、思いっきりチリ人だ。英語もあまり話せないようだが、綺麗な宿だ。残念ながら今日は日本人が一人も泊まっていない。しかし、6ドルで一番奥のシングルの部屋をあてがってもらう。ラッキー!
ここで牢名主になってしまうかも。
バイクはホテルハポンの駐車場に止めさせてもらう。経営者同じなの?レストランは休みで、待望の日本食が食えない。今日もロクなものを食っていないので大ショックだったが、キッチンを使っても良く、炊飯器もある。リオグランデから密輸してきた大事なコシヒカリ米があるので、明日は新鮮な卵を調達して、卵かけご飯の朝飯が食える。
シャワーを浴びて、宿にある情報ノートに目を通して寝る。幸せだ。



- 14 / Feb / 2005 Santiago, Chile.

10時頃起きて、先ずは洗濯。洗濯機が使えるというのはあり難い。薄汚れたウィンドブレーカーも一緒に洗濯機へぶち込む。情報ノートを読む。イースター情報が多い。明日あたりネットで飛行機の予約しに行こう。近くのメルカドで卵とハムを買い、米を炊いてブランチ。持参の醤油をぶっ掛ける。最高だ!棚にあった植村直己の本を読んで涙する。我が愛すべき明治大学の大先輩。山で遭難という最期でなければ、尊敬に値する大冒険家だ。冒険家は冒険で死んではならない、と思う。

セントロ辺りをぶらつく。スーツを着たビジネスマンが手に一輪の花を持っている。
公園を見るとあっちこっちでカップルがいい感じムードで点々としている。そうか、今日はバレンタインデーか!チョコももらえない寂しい境遇なので夕刻、下のレストランで「スシ・デラックス」とお味噌汁を頂く!旨い。やっぱチョコより寿司だろ。
部屋に戻り再びビックコミックを読みつづける。



- 15 / Feb / 2005 Santiago, Chile.

昼過ぎにネット屋へ。イースター島のフライト予約をしようにも、2週間先までチケットが取れない。困った。ココは居心地が良いが、2週間もブラブラする訳にも行かない。
先にビーニャやバルパライソに行くか?また戻ってくるのも面倒だ。長考に入る。
名案が思いつかないので、結論は先延ばしにする。



- 16 / Feb / 2005 Santiago, Chile.

ダラダラと漫画を読んで過ごす。
疲れたのか、都市に来てホッとして気が緩んでしまったのか、イースター島上陸作戦がうまく行かないからか、何かしようという気力が沸いてこない。これが沈没というやつか?暫くのんびりする事に決定。
まあ、前進する気力が無くなれば帰るまで。
じっくり自分と対話する時間も必要だ。



- 17 / Feb / 2005 Santiago, Chile.

この大都市から脱出しようにも、道が良く分からない。ふっと「ミステリーバスツアー」が頭をよぎる。イヤ、ダメだ。あれは今の俺には刺激が強すぎる。変なことは考えないようにしよう。本屋で地図を探すもあまり良いもんが無い。

ネット屋でトミーにバースデーメールを送る。アルゼンチンのパーティで演奏するそうな。そう言えば、あそこの大使館は重厚な木の扉で、入る時に緊張したけれど、警備員を含めてみんな優しかったなあ。あそこから俺の旅が始まったのだ。大陸縦断の壮大な夢を抱いて。あの時の興奮よ、蘇れ!ココで停滞してしまうのは、スーツ姿のビジネスマンを多く見かけたかもしれない。充実した表情で携帯電話をかけるビジネスマンと小汚いジーンズ履いている坊主頭の俺。
今回の旅では、モアイとは縁が無かったのだ。
明日一日支度を調え、町を観光したら、動き出そう。



- 18 / Feb / 2005 Santiago, Chile.

宿のアニキが明日からビーニャで音楽祭があると言う。腹を決めて明日出ることを伝え、宿代を清算する。町をぶらつき、夕日を見ようと高台の公園に登る。入り口の警備員が「日本人か?」と聞くのでそうだと答えると握手を求めてきた。ここサンチャゴにいる日本人は大変好意をもたれているらしい。素晴らしいことだ。

一面に夕暮れの大都市を見下ろす。デカイ都市だ。スモッグで霞んで遠くまで見渡すことが出来ん。じっくり夕日を待っていたが、あともう少しというところで閉園となってしまった。惜しい。3日連続で宿近くのサンドイッチ屋さんに行く。
清潔感があって旨い。


© 2004 - 2005 wildbandits. all rights reserved.