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- 12 / Aug / 2005 Skagway, Canada - Araska.

さあ、出発だ。
久しぶりに荷物を纏める。
スキャグウェイからのフェリーでは自炊が出来るというので食い残しの食料などもまとめて積む。
トイチ君も同じフェリーだと言うので、ヒデ君に折角なら3人でフェリーに乗ろうよと誘う。退屈な船旅は道連れがいた方が楽しい。ホワイトパスという渓谷の中を走る汽車に乗る二人と一旦別れてコルデーロ号に跨る。長距離を走るのは今日が最後だ。そんな事を思いながら雄大な景色の中を走る。コレまでにない山の美しさに感動する。俺もオッサンになってきたのか、涙腺がいとも簡単に緩む。途中、カークロスという町で休憩していると一台のトラックが止まった。
「オラ、おめーの事しってっぞ!おめーが南米から走ってきた日本人だろ、この辺のやつ等はみんな、お前の事しってるぜ。良い旅してんなぁ!」と前歯の抜けたオッサンが笑う。

うっかりしてたが、俺はセレブだった。
でも、どうせなら若いネーチャンに声を掛けられたいものだ。

アメリカ国境のゲートに着く。係官が開口一番、「君がフエゴ島から走ってきたサイトーか?」というのでびっくりして、思わず後退りしてしまう。
「そうです。」
「やっぱり!君は素晴らしいスピリットを持っている。グレイトアドベンチャーだ。おめでとう!」といきなり握手され、「スキャグウェイには暫くいるのか?」と聞かれる。
明日のフェリーでバンクーバーまで行くと答えると、残念そうに、「僕のワイフはハワイの日本人でね。君の事を新聞で知って、もしスキャグウェイに来る事があれば、食事をご馳走したいと思っていたんだよ。今日の宿は決まっているのか?」今日の寝床は、ホステルか宿かはたまたキャンプかわからない。そう答えると、「良い旅を」と言って記念スタンプを押してくれた。お世話になっても良かったが、明日のフェリーは早朝で、5時には船着場に行かなければならない。迷惑を掛けるから遠慮すべきだ。

俺の噂は国境を越え、南アラスカまで広がっているらしい。誰もが俺の旅を祝福してくれる。これ以上の喜びはないと思う。

2時頃、スキャグウェイに到着する。こじんまりした町だ。フェリー乗り場で予約しておいたチケットを貰う。明日の乗船は5時半だという。起きられるだろうか?
ホステルに行ってみるも満室なので港近くのキャンプ場に行く。キャンプ場のジジイは何だか偏屈モンのようだが、別に害は無さそうなのでとっととテントを張ってヒデ君達と待ち合わせている5時まで昼寝する。木陰に張ったテントでとる昼寝ってなんでこんなに気持ち良いんだろう。

時間になったので、待ち合わせ場所のビジターインフォに行ってみる。ヒデ君とトイチ君の他、トイチ君の友人鈴木君が居た。トイチ君と鈴木君は同じ大学なのだそうだ。キャンプ場に行くもサイトは一杯で泊まれないという。俺以外テントを張っている奴は誰一人居ないのに、やっぱ偏屈ジジイの嫌がらせだろう。何故か、アラスカはメチャメチャ良いオッサンとメチャメチャ嫌味なオッサンと両極端なのが多い気がする。

宿をキープしているトイチ君と俺はいいとしてヒデ君と鈴木君の二人は思いザックを担いで宿探しも気の毒なのでコルデーロ号に二人のザックを積んで他のキャンプ場に行く。二人がテントを張ったところで旨いものでも食おう!という事になったのだが、町がショボすぎてロクなレストランがない。
仕方がないのでバーで4種類のピザとチキンなど適当食う。まあ、腹は膨れたので良しとする。キャンプ場に戻るがやっぱりテントは俺のしかない。
管理人は底意地の悪い男だ。
こんな所に金を払ってしまったのが悔やまれる。


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