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- 01 / Aug / 2005 Whitehorse, Canada.
気が付けば8月に突入。
ダーさん、ジージョーさん等のパドラーが出発するので川まで見送る。考えてみると自身、あまり人を見送るという機会がなく、何となく取り残されたような思いがする。人を送り出すのは気分的に何となく面白くない。これまで何かにつけて先陣を切って飛び出すことばかりしてきた。
旅立つ人を笑顔で見送る事が出来るようになりたいと思う。
見送る立場になる、それはきっとこれから自分が進む次のステージのようなものに立つということなのかも知れない。
荒ぶる魂よ、荒野を目指せ!見果てぬ夢を追いかけろ!(自己陶酔レベルMAX)
- 02 / Aug / 2005 Whitehorse, Canada.
再び湖に行く。今日は毛ばりで勝負。何度となく投げ込むが反応なし。今日もだめかぁと思い始めた頃いきなりウキが沈み込んだ!来た!慎重にあげると小さなトラウトだった。
「よっしぁ〜!」小さくても成果は成果だ。
気分を良くして更に毛ばりを投げ込むとまたもやフィッシュオン!
今度は引きが強い。勢いよく魚が跳ねる。で、でかいぞ!
お、落ち着け、俺!
じわじわとリールを巻き、引き上げる。30センチオーバーの見事なトラウトだ。
ニンマリ顔が緩んで締まらない。
うひゃひゃ!こいつは楽しくなってきたぞ。
大きなトラウトをビニール袋に投げ込んで、再び毛ばりを投げ込むと、あろうことか、そのまま引っ張られる。
ひゃ〜、ひゃっひゃっ!笑いが止まらん。
今度も30センチオーバーのトラウト。
いや、しかし、このままだと湖の全ての魚を釣ってしまうかもしれんなぁ、いかんなぁ、まずいなぁ、困ったなぁ、くっくく!!
しかし、そんなバカな心配も必要なかったらしく、その後パタリと釣れなくなってしまった。
まあ、良いさ。明日の明後日も釣りするんだから。
宿に帰ってみんなに自慢した後、グリルで塩焼きにする。かぁ〜っ、うっめぇ〜!
釣った魚は全て食う。明日からスーパー行かなくても良いかも・・・。
- 03 - 06/ Aug / 2005 Whitehorse, Canada.
天気が良くないのに関わらず、日課のように湖に行く。しかし、全然成果なし。 不貞寝の日々だったが、金曜日の夕方、マシューさんがニコニコしながら宿に遊びに来た。
手には新聞。見ると見開き2ページにデカデカと俺の記事が!思っていたよりもデカイ扱いだ。新聞に刷られた自分の写真が不思議だった。同時に「この町は平和なんだなぁ」と思ってしまった。
しかしまあ、気分が良い。マシューが、「キョウカラ、キミハ、ユウメイジンダヨ」と笑う。
そうか、じゃあ、これからスーパーで期限切れ寸前の安いバナナとかパンとか買うのは気を付けないとな。寝癖のまま釣りに行くなんて以ての外だ。
プチセレブとして振る舞いには気を付けねば。
マシューがくれたのは2部なので、近くの雑貨屋で大量購入する。
- 07 / Aug / 2005 Whitehorse, Canada.
良い天気になったので、マシューとキャサリンと温泉に行く。車はやっぱり快適だなぁ。マシューが
「ココモイイケド、ヤッパリ、ニホンノオンセンノホウガイイヨネ」という。インチキ牧師だけあって旨い日本語を話す。キャサリンは意外とナイスバディで驚いた。
しかし、
まあ、
なんと言おうか、
そのさ、
つまりさ、
あれだよ、
つーかさ、
処理しようぜ、ワキ毛・・・。
夕方、びっくりする人がホステルに来ていた。フェアバンクスであったキム先生だ。
わざわざ、訪ねてきてくれるなんて嬉しい限りだ。明日からキム先生も釣りに参戦する事になった。
二人でがっつり釣りましょう!
- 08 , 09 / Aug / 2005 Whitehorse, Canada.
キム先生と朝から竿を振るも全然釣れない。二日目にキム先生の方にデカイトラウトがかかったが、残念ながらばらしてしまった。くぅ、惜しい!
夜、爆睡していると同部屋のジジイに起こされる。
「イビキがウルサイから横を向いて寝ろ」
寝ぼけて意味が判らなかったが、ジジイの言った意味を理解した所で怒りが込上げてきた。ココはホステルで様々な人が同じ部屋で寝る。イビキをかくのは人間、仕方のないことだ。それを自分が気になって寝られないからと言って他の人間を起こすのはどう考えても納得がいかない考えれば考えるほど腹が立ったのでやっつける事にする。寝ているところを蹴り殺してやろうか、枕で窒息させてやろうか、本気で殺意を覚えるが、寝ている人間をやっつけるのはフェアじゃない。しばらく方法を思案しているとジジイがパンツ一丁でトイレに立った。
機は熟せり。
あんまり驚かして失禁させては宿に迷惑がかかるので、便所から出てきた所を待ってまだ暗く寒い外に引きずり出す。
「黙って外に出ろ、騒ぐならユーコン川に蹴り落とすぞ」
「テメー、なんだって俺を起こすんだ?」
ジジイはビックリしながらもやれやれといった顔で、
「君がイビキをかいているからだよ」
と平然と言う。そして文句があるなら宿のマネージャーに言えと抜かしやがる。
ユー、アー、ギルティ。
コイツは生きる価値なし。ぶった切ってやる!
お前は、なんてわがままでバカなんだ?静かな所で寝たいなら、普通のホテルに泊まればいいじゃネーか、ホステルってのは相部屋で、ある程度は我慢も必要だから安いんだ。大体、いい年こいてホテルに泊まる金もネーのか?俺だって静なところで寝たいときはホテルに泊まる。これまで20カ国以上、多分100箇所以上ホステルに泊まったが、うるさくて寝られなかったり、大いびきをかく奴をみんなで翌日からかったりすることはあっても、自分が起こされたり、起こしたりなんて事は一度もなかった。そんな理不尽な話は聞いたこともない。お前は絶対に間違っている。そうは思わないのか?
寒さで震えるジジイ。
こっちは腹が立って寝られないのでフリースを着込んでいる。
そのまま2時間程ジジイを追い込む。
徐々に虚ろな目になるジジイ。寒さと口撃で参ってきたな。
「お前は小説家らしいが、どこの誰がお前みたいなバカの書く本を買うんだ?あんまり売れねーだろ?違うか?常識あるベストセラー作家がホステルで自分が寝るために人を起こしたりはしねーだろうしな。」と心臓を仰角38度でえぐる一発を放つとジジイは放心状態となった。
「私が間違っていたんだ、私はホステルに泊まるべきではなかった。申し訳なかった」
最期にそう呟いたので後は放置プレー。
人の心は結構、簡単に壊れる。
偉そうに語るジジイには、ぶん殴るより精神的に攻めたほうがダメージがある。下手にぶん殴れば今度はこっちが悪くなるし。
自分が正しいと思ったら勝負をかけてこそ、日本男児。
気分すっきり、明け方、再び爆睡する。
人の眠りと食事とセックスは邪魔してはいけない。
きっと痛い目にあう。
- 10 / Aug / 2005 Whitehorse, Canada.
そろそろ出発の準備をしなければならない。買い漁った新聞を友人に送る。
カナダではロクなお土産がないのでこれで勘弁してもらおう。
夕刻、ヒデ君がユーコンから帰ってきた。出発前とは明らかに違う顔つき。ユーコン川の荒々しい大自然に相当揉まれたようで、良い面構えの男になって帰ってきた。
冒険は男を変える。
興奮気味に川旅のエピソードを話すヒデ君を少し羨ましく思った。
宿のペアレントにノリはいつ日本に帰るのかと聞かれる。
「あと一月位したら帰る」
と答えたら、良い時期だと思う、と言われた。
日本を出て7ヶ月を過ぎる。
ペアレントが言うには、「そろそろ帰るか、もう帰らないか、その時期に差し掛かっている」
のだという。「日本に帰ったら暫く辛いよ」とも言う。
自分の変化には自覚がなくても、帰ったらきっと出発前の俺ではないという。そして周りの人間が出発前と全然変らかったりすると、酷く退屈な気分になるんだそうだ。
世界を見てきた後、退屈な世界に身をおかなければならないと言う事に耐えられるかどうか?耐えられない人間はもう一度世界を目指し、旅に出る。
そして帰るべき場所を失う。
人間はチョイスをしなければならないのだ。
- 11 / Aug / 2005 Whitehorse, Canada.
ホワイトホース滞在も最終日を迎える。
ほぼ同時期にやって来て、一緒にゴロゴロしているスイス人チャリダー、ユーリの兄貴が来ると言うので、俺も今日が最後だし、今夜は盛大にBBQでもやろうと音頭をとる。
マシューとその彼女候補の女の子もいれて総勢11人のBBQ大会だ。
ユーリ兄弟はサラダを作るというので、俺はコルデーロ号に大量の肉とビールを積む。
手すきの人たちがアツシさんの指揮下おにぎりを大量生産する。
こういうBBQは、参加者が旅人だけあって、最初だけ仕切ってしまえば、後は各自が仕事を探して勝手にやるので楽だ。
本日も老獪に、企画・総指揮のポジションをキープ。
日本でBBQをやると指示待ちのウロウロ型人間が多く、気疲れしてしまうことがある。
自発型人間は付き合っていて疲れないので良し。
じゃんじゃん肉を焼く。
ガブガブ飲む。
マシューの日本語ギャグも決まりまくり、楽しい一時を過した。
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