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- 26 / Apr / 2005 Panama City, Panama.

食い飽きた朝飯を食って、8時に空港に向かう。
チェックインカウンターに並ぶ。前には3人しか並んでいないのに、何故40分も待たされる。南米は何処で何をするにも時間が掛かる。この辺の国には日本の援助で様々なものが導入されているが、そろそろハードは止めて、トヨタの「改善」システムとかソフトウェアを援助してあげた方が、よっぽどこの辺の国の発展に繋がるんじゃないかと思う。

チェックインを済ませ、外で一服してから出国手続きをする。スタンプ一つ押せば済む事をわざわざ、パスポートをプリンタに挟み込んで日時を打ち込む。全然効率が良いと思わん。

出発ロビーで待つが、やはりフライトが遅れる。今度は一時間の遅れだ。待ち席で寝る。変更された出発時間になっても動きがないので、ボゴタからパナマに乗り継ぎなのだが、大丈夫か?と一応無駄な質問をしてみる。「全然大丈夫!」と笑顔で答えられると「どうせボゴタ発も遅れるんだろ」と突っ込みを入れたくなる。案の定、ボゴタ発も遅れる。南米で計4回飛行機に乗ったが、全て時間どおりには出発することがなかった。遅れの原因は『テクニカルトラブル』だというが、『マシントラブル』でないことを祈りたい。
遅延時間は飛行時間を遥かに超える・・・。

6時頃、ようやく中米の出発地、パナマシティに着く。
ねっとりと熱気が体に絡みつく。ここから暫くは熱帯地域を走ることになる。明らかにボッタクリのタクシーに乗り、安宿に向かう。道路状態はそれ程悪くないようだ。ココも運転は荒いが、ペルーほどではないようだ。
明日、無事バイクを受け取れるだろうか?



- 27 / Apr / 2005 Panama City, Panama.

早起きをしてバスターミナルに向かう。ターミナルまでタクシーで2ドル。コロンに行くというと、コロンまで25ドルで行くぞ、と運ちゃんが言うので、予定を変更しこのままタクシー
でコロンまで行く。美しいジャングルを抜けてボロタクシーが爆走する。かなりスリリングだ。2時間程掛かってコロンに着く。港付近は話通り、やばそうな雰囲気全開。

運ちゃんは度々道を聞き、漸く運送会社に着いた。運送会社で「バイクを受け取りに来た。」というと何やらバタバタしている。事務所内に連れて行かれ、英語を話すスタッフが「君のバイクは何処にあるんだ?」と聞いてくる。お前、バカだろう。それは400%俺の台詞だろ!。暫くして数人の英語を話すスタッフが現れ、「きみのバイクは確かにパナマに到着している。しかしココではなく、パナマシティだ。」という。

「・・・。」

手元に日本刀が無いのが悔やまれる。機関銃があれば、ランボー並に事務所を破壊してやるのに。「俺は何度もエクアドルのフランシスというスタッフに場所を確認した。あいつもお前等と同じ会社のスタッフだ!奴はコロンに届いていると繰り返すので、俺は25ドルもこの運ちゃんに払って、2時間もかけてパナマシティから来たのだ!つべこべ言わずに俺のバイクを返せ!」と机を叩いて怒鳴る。

それまで俺を『ユー』と呼んでいた奴等だったが、途端に『ミスター』と呼ぶようになった。全員顔が青ざめている。多分、日本人は怒らないだろうと思っていたに違いない。「ミスター、海外運送には複雑な手続きがあって、色々トラブルことがあるんです。」と言い訳にならない言い訳をするので、更に頭に来る。「お前等プロだろ、俺が幾らお前の会社に払ったか、その書類の金額を読んでみろ!それともお前等プロじゃないのか?」と怒鳴る。

何人かのスタッフがさりげなく事務所を出て行く。都合が悪くなって逃げ出すような人間は最低だ。「エクアドルの馬鹿野郎に電話するから電話を貸せ」というと、ここから国際電話は掛けられないと、言う前から判るようなウソをつく。暴れ出したい怒りを抑えるのに精一杯だ。「この会社はクソだな、お前等の会社のエクアドル支店のスタッフは嘘つきの能無しだぞ。何でこんなクソ会社が存続しているか、俺には不思議だよ。」と思いつく限りの悪態をつく。

無駄だと思ったが「ココに無いんじゃ仕方ねー。パナマシティに戻るからタクシー代よこせ!」というと「それは出来ません。」という。怒りを通り越して笑うしかなかった。帰る前に「パナマシティの支店に必ず連絡しておけ!」と言付けてタクシーで再びパナマに戻る。
町外れの事務所に殴り込みを掛ける。デンゼルワシントンに似た黒人のスタッフが出迎えた。「エクアドルのスタッフがミスターにコロンに行けといったそうで、大変申し訳ない」開口一番そういったので、多少、腹の虫も収まる。
言い訳の前にそう素直に謝れば、こっちだってもう少し紳士的に話が出来るものだ。

ここでも、通関費用を請求される。150ドル。キトで「パナマでは税金を払うだけだ」と聞いていたので納得がいかないが、仕方が無い。昼過ぎに他のスタッフの車で税関に行く。車両の持込手続きをしてパスポートに車輌持込のスタンプを押される。事務所に戻ると3時過ぎで、「保税倉庫は3時半までしかやってないので今日は引取り出来ない。」と言われ、怒る気力も無くなって悲しくなってきた。「明日は直ぐにバイクを引き取れるのか?」と聞く。「明日は問題ないです。15分で引き取れます」という。何かウソ臭せー話だ。
宿に戻って不貞寝する。
なんでこんな面倒な旅を始めてしまったんだろう。
もう、止めて日本に帰ろうかと寝ながら本気で考えてしまう。



- 28 / Apr / 2005 Panama City, Panama.

隣りの宿に駐車場があるのを見つけたので、宿を移る。昼前に空港の事務所に向かう。もう、無事にバイクが着いていてさえくれているなら、いいよ。ぶっ壊れていたりしないだろうなぁ。

空港のはずれにある保税倉庫に着く。英語を話すねーちゃんがいたので、手続きをしてもらおうと書類を渡すと、椅子に座ったまま、書類をつき返し、先ずは税関に行ってスタンプを貰って来いという。再び苛つく。クソ熱い中、汗だくになって税関でスタンプを貰い、事務所に戻ると、書類にサインだけして、今度は裏のギラグに行けという。お前、何にもしてねーじゃんか、俺は昨日、何の手数料を払ったんだ?呆れながら、ギラグの倉庫に行くと倉庫の奥に俺の相棒、コルデーロ号が適当な梱包をされて置かれている。

書類にサインをして表に出してもらう。ここでばらしたいと伝えると、ハンマーを手渡される。汗だくになって、梱包をばらす。外見上は問題無さそうだ。タイヤのキャップが前後無くなっているが、多少ガソリンも残っていそうなので、ミラーをセットし、さっさと保税倉庫を出る。

全く、色々面白くない事があったが、ひとまず一段落だ。気持ちを落ち着けて、ツーリング再開だ。倉庫近くのガソリンスタンドでガスを入れようとタンクにキーを差し込む。
が、入らない。
「?」
鍵穴を覗くと何やら金属片が詰まっているようだ。
「???」
ちっくしょー!!!!ガスを抜くのに鍵をこじ開け、ぶっ壊しやがったな。
おいっ!チャカとドス持ってこいっ!無ければ、さっきのハンマーでもいいっ!

「俺も遂に人を殺してしまうかも知れない。」

自分でもそう思ってしまう程に怒りで体が震える。Uターンして事務所に怒鳴り込む。
「お前等、俺のバイクをぶっ壊しやがったな!タンクが開かなくて、ガスをいれられないじゃないか!どうしてくれるんだ?えっ?」
そういうと、奥のほうのに座っていたババアが、「私達に責任はありません!」と英語でしゃーしゃーと戯言をほざく。「そうか、お前等、客の荷物を壊して責任がないと言うのか、なら、タンクは別にして、タイヤのキャップを紛失した責任はどうなるんだ?キャップを2個を今すぐ弁償しろ!」と怒鳴ると、ババアはどっかに消えてしまった。全くどういう神経してんだ?英語を話すネーちゃんも何か言い訳しようと喋りかけたが、ババアの援護射撃が返り討ちにあったので慌てて何処かに電話している。

暫くその辺のスタッフとマイナスドライバーでこじ開けようと苦戦していると、今度は背広を着たジャン・レノ似のマネージャーが現れた。「このタンクが開かないと、俺は何処にも行けない。何とかしてくれないか?」マネージャーが何処かに電話する。どっかの整備工場から、作業着姿のオヤジが現れ、鍵穴を覗き込む。やはり何か詰まっているらしい。グリグリとドライバーを鍵穴に押しこんでキャップをこじ開けてくれた。「もうさ、お前等の言い訳聞くだけで苛つくから、俺は何も言わないよ。ただ、毎回、ドライバーでこじ開けて、ガソリン入れる訳に行かないから、鍵が掛からなくていいから、普通に開閉出来るように出来ない?」と相談する。
皆でキャップを弄繰り回し、ロックの爪を外す事にする。

マネージャーにこれまでの一連のトラブルを溜息混じりに話すと、他人事のように同情してくれる。マネージャーと話をしていると、旅人と思われるアルミボックスを着けたバイクが一台やって来た。「ギラグはここか?」と聞いてくるので、「ギラグは隣りだ。おれはこの会社にエクアドルから運送を頼んで酷い目にあったよ。高いし、遅いし、ウソつくし、おまけにバイクをぶっ壊された。南に行くなら北上するライダーに、このパナルピーナだけは勧められないとアドバイスしてあげくれ。」とマネージャーの前でライダーと話をする。

「何を言われても、事実だからね。セニョールの件は、本社に報告しておくよ」とマネージャーは苦りきった顔で事務所に消えていった。ようやく、一矢報いてやったぞ。これから、ウェブを通じて、反パナルピーナ草の根運動を続けることにしよう。何時の日か、必ずこの会社を潰してやる!
これでホントの中米上陸完了。いざ。


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