『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』"Once Upon A Time In Hollywood"(2019)

(2022/05/22記) (2022/05/22 at ザ・シネマ録画) そこかしこに出てくる1968-1969がたまらなく愛おしい。 なんて思っていた所にThe Great Escape。 ウィドウメーカーで主人公に挑ませるあたり。 それで「FBI」か。 レオにあそこで子役と絡ませるのがまた。 リックにしてもクリフにしても仕事に対して誇りを持って真摯に 付き合ってるんだよなあ。その上で去りゆく世界変わりゆく世界と関わっていく様は やはりこのタイトルを冠するあの作品を彷彿とさせる。 で、あそこで絡むことになったことで歴史に変換点が発生するくだりは見事。 てっきり彼をしつこく狙ってくるのかとミスリードするシークエンスがいくつもあり、 それを身構えていたらそこは変わっていなかったんだ。 と思った所でシガーボックスのあれが新たな歴史を紡ぎ出す予感をさせる。 まさかあそこで彼が活躍するとは。クリフだけでも頼もしかったのだけれどその瞬間に 彼の今まですべてが繋がる瞬間の心地良さよ。 さらにまさかあんな小道具がもまた見事だったなあ。それがさらに先の会話に 繫がるというのも心地良い。 で、腰を刺された彼を見送った後に繰り広げられるのは歴史が変わったことによる 未来へのシークエンス。象徴的なのは彼に開かれるゲート。 それをティルトアップで見送るのは反則だよ。泣くじゃないか。

『ワンダーウーマン 1984』"Wonder Woman 1984"(2020)

2021/12/30記 (2021/12/30 at Amazon prime video) 何故1984年なのか。 という所にまずフックされていたのでいずれ観たいと思っていたのだがふとした キッカケでWonder Woman's Wrathが聴きたくなってしまった流れで視聴。 と、これくらい書いておけばネタバレしても大丈夫かな。 リアルタイムで見ていたんだよなたしか。内容はほとんど覚えちゃいないがテーマ曲は 覚えてる。 だから何かしらリンクする為の1984年だと思っていたら、まずはその前に意味ありげな アバン。 最初はもしかしたら間違えて実は一度見たものを見てるんじゃないかと思ってしまったよ。 あの競技での始まり。 そして始まる1984年の旅。 最初はこのノリがやりたかったのかなあ程度で見ていたがとんでもなかった。 1984年は既に過去も未来も確定している世界。 さらに言えば前作からの時間経過が彼女の過ちを犯しかねない世界。 彼女が過ちを犯すことはアバンで既に語られていてその代償を受けることも確定している。 それでもそれが何かを知らずに願ってしまったばかりにあらかじめ確定された未来へと 進んでしまう。 まさかもう一度会うことになろうとは。 さらにはそれが何をもたらすかを知らずに願ったばかりに代償を失って変質してしまった 彼女。 猿の手がもたらす災いの話は常にかなり手痛く取り返しのつかないものばかりでは あったがそれをまさかここまで風呂敷を広げられるとは思っても見なかった。 アバンを含め所々引っかかる所はないことはなかったのだけれど、前述の「あらかじめ 確定された未来」に突き進む話は元々大好きな上にここまでのものを見せられたら もう何も言えない。 その上、ガルガドットだし、ワンダーウーマンお得意の身体能力を駆使したアクションは 相変わらず見事だし。 その上代償として弱くなっていく自分と、さらには知らずに同等の力を手に入れて しまったものとのバトル。 さらには共闘まであると言うまさに思いつくことなんでもやってやると言わんばかりの 詰め込み感。 すっかり堪能しました。 と、思いながら見ていたら最後にまさかの不意打ち。 もちろん当時の面影があったし覚えていたとも。 そりゃ泣くよ。ここでこんな形でだなんて。 そうそう、スミソニアンだものなあ。あるよねな所には惚れた。

『ワンダーウーマン』"Wonder Woman"(2017)

2019/12/31記 (2019/12/31 at Movie Plus録画) 前作であの写真を観た時から思っていたが彼女に取ってはまさに格好の舞台を選んだな。 あれなら思い切り暴れられる。 しかし予想はそこまででまさか本当に現れるとは。 そして知らされる彼女の本質。 そこから救うのは仲間という痺れる展開。 彼の仲間の凸凹さ具合はまるでサイボーグ009のよう。 彼女の知っていた事と知らなかったこと、すべて母親が意図的にしてきた事なのだろうな。 あとは種としての時間の流れが圧倒的に違うであろうこと。 時計の使い方、オーソドックスだけれど全然気づかなかった。 直球ではないけれど見る事ですべてわかる。 そして不要な言葉の処理の仕方。 パトリック卿のあれには誰も驚いていなかったのは彼らには正しく物事が見えて いなかったから? あの一撃も布石だったんだね。 いやあ素晴らしいものを見せてもらいました。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』"ONCE UPON A TIME IN THE WEST"(1968)

2019/09/28記 (『ウェスタン』の感想) (2019/09/28 at 新宿ピカデリー シアター5) まさか映画館で観る事が出来るとは思っていなかったこの作品を観てきました。 年齢層は先日この映画館で観た作品と30歳から40歳くらい違うなあなんて思いながら 本編に臨んだのですが。 やはり何度観ても1シーン1シーンが愛おしくて涙が出てくる。 いや、もう何度も観ているからかも知れない。 今ならシャイアンやハーモニカ、ジルやフランク、何ならモートンとか ステーションとかマクベインという単語だけでも涙腺緩みまくってしまう。 二度見ると分かる意味とか、何度も観て知っているのにそうきたかと 思ってしまうところとかだらけで、もう溺れてしまうしかないです。 作品全体が示しているものからキャラクター同士の関係性に至るまでマクロで見ても ミクロで見ても想いは尽きないし、時間の使い方にしても消費する時間から 過ぎゆく時間、省略された時間や至るところにあるローマ数字まで徹底して 放り込んでくるし、 音楽はそれこそ作品のトピックからトリックに至るまで上手さが際立っているし、 それこそ目のアップの使い方だけでもお腹いっぱいになってしまう。 もうこんな感じで取り止めもない思いでまだぐちゃぐちゃです。 そう、思い出した。 最後に一本だけ映画を観ることが出来るとしたら迷わずこの映画を見たい。 それは今回も変わらなかった。 とりあえず明日も見に行くかな。 (2019/09/29追記) (2019/09/29 at 丸の内ピカデリー シアター1) 昨日に引き続き今度は箱を変えて。 新ピカと比べてどうしても明るくなってしまう分は甘くなるけれどスクリーンの 大きさはこちらの方が落ち着くということでどちらも良いな。 やはりすべてのシーンを一つ残らず語り尽くしたい想いに囚われながら観てしまうが そのうちにそんな事はどうでも良くなって引き込まれていく。幸せな時間。 (2020/01/11追記) (2020/01/10 at シネ・ウィンド) 映画館では3か月ぶりの鑑賞。 すべてのカットやそこに映し出されるものに意味を妄想するだけでいくらでも楽しめる。 語られるだけで見せられていないカットも実はそれが想像できるカットが全く別の所に 存在していたりするのに気づいてニヤニヤしたりとか、無茶苦茶格好良いのに どう見てもギャグにしか見えないものとかそういった私にとってはこの上ない至福が この作品には詰まっている。 そしてそういう時間に限ってあっという間に過ぎてしまうんだよな。 なんて幸せな時間。 そんな時間にまた耽溺させていただきました。

『ワイルドアットハート』"Wild At Heart"(1990)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  『エドウッド』を観た時にこれだ!と思ったシーンがあります。それは前半 の芝居で天使の登場! 他にもああいうものは存在するのかもしれませんが、 やはり、あのリンチの発想っていいなあ。  あと印象に残っているのは、あまり本筋とは関係なくシェリリンフェンの 事故のシーン。その後の手首を加える犬(あ、これの出典は)よりもずっと 印象的でした。まるでJFKの暗殺の時のジャクリーンのような・・・。 KANAME(CXE04355)

『ワイルドイースト』"The Wild East"(1993)

(95/05/21記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  『ワイルドイースト』を観に行きました。ひゅ〜ひゅ〜!いいぞいいぞって 感じで楽しんでしまいました。  また、あの六本木俳優座シネマテンで3分だけ貸し切り状態を味わえたし。 (他の客が入ってきた時はちょっとがっかりしてしまった。(^^;) とにかく土曜日のレイトショー上映だというのに、客は少ないのがよかった。 (けど、もったいない!) まあ、内容はkさんも書いてるけど、私としては『七人の侍』と『荒野の七人 』のパクリが多いのには笑えた。  なにせ、雇われ集団が来ると村民は隠れるし、それを菊千代様に相当する酔 っ払いが引っ張りだして村民の心をなごませちゃうし、(それにあの「村民の 笑い」がかぶさるし、)バンディッツ側の館は炎上するし、戦いの時にドラム 鳴らす奴がいるし、村に門作って一人づつやっつけようとするし、宝の山があ ると勘違いしたまま死ぬ奴はいるし、一度全員村から追い出されるし。(など など)  けど、一番いいなあと思ったのは、千秋実=チャールズブロンソンに相等す るのが、東洋系金髪おねーちゃんで、・・・何といったらいいのだろう。例え ば、村民とキスしてるところでバンディッツ側の偵察を見つけるとか・・・、 何といったらいいのだろう。(笑)  で、クライマックスはかっこよくまとめてるんだな。あれがなんなのかは、 ここで言っちゃうとネタバレになりそうなので言わないけど。 で、この映画の副題は『THE LAST SOVIET MOVIE』と書かれていて、ちゃっか り風刺しているのだな。(というか、そっちが本筋か。)  それにしても、この映画の監督が今ウィリアムギブスンと一緒に脚本書いて るとは知らなかった。けど、ギブスンとは合いそうな世界だったなあ。 そして、この映画を(RTで)勧めてくれたkさん、ありがとね。 Kaname(CXE04355)

『ワイルドバンチ』"Wild Bunch"(1969)

(98/01/19記)  私の大好きな映画、『ワイルドバンチ』を、ついにスクリーンで 観ました。(98/01/17 at シネセゾン渋谷)  この映画を観るために、前々日にサントラを買い、前日にそれを 聞き続け記憶を喚起し、さらに、鑑賞後にはAn Album In Motagueと 呼ばれているメイキングフィルムの上映、さらには幸運な事に、原田 眞人と金原由佳によるトークショーまであり、それを終えた後は、オ フ会に突入と言う、まさに『ワイルドバンチ』に浸るために用意され たような時間を得て、私のこの映画への愛着はいっそう高まりました。  そのスクリーン上に展開された世界は、タランティーノが描き出す 世界でさえぬるま湯であることを思い出させ、目指すべき方向が間違 っていることを示唆し、誰もが憧れることをもってやまない世界。  みせかけだけの奇麗事につばを吐き、本当に大切なものは何かを 教えてくれる世界。  その世界を観てしまった今、しばらくは映画など観れそうにありま せん。  この強烈な毒が、からだの中から消え去るまでは。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) ーーーーーーーーーーーーー (2009/06/28追記) 久々に『ワイルドバンチ』を観ました。(2009/06/28 at NHK-BS hi) DVD持ってるけどしばらく観ていなかった。 長いからね。(笑) しかし、もう何度も書いてるから今更何も書かないけれど、やはり良い。 思うところはいろいろあるが心の中に秘めて… ただひたすら酔いしれるのみ。 (以降2018/01/03追記) (2018/01/03 at NHK-BS 録画) 酔っ払いながら観るのはまた最高だったな。 こちらはサム・ペキンパーにジェリー・フィールディング。わりと鉄板だよな。

『WATARIDORI』"Le Peuple Migrateur"(2002)

(2003/04/20記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『WATARIDORI』を観ました。["Le Peuple Migrateur"(2002)] (2003/4/19 at テアトルタイムズスクエア)  この作品は、予告のインパクトが強くてずっと気になっていたも のでした。いったいどうやってこんな映像をといわんばかりのもの でしたものね。(^^) (以降、内容に触れます。)  で、実際には、その予告編で受けた印象以上に「生きている事」 のエネルギーを感じさせてくれる作品でした。  最初のうちは、生き物の営みと音楽との融合という点においても リュック・ベッソンの『アトランティス』を想起させられていたの ですが、話が進むにつれて、むしろそれとはまったく別のものであ ると強く感じるに至りました。 それは、「人」の住んでいる時間・空間とシームレスな関係にある という事を意識させられるショットがいくつも出てきたというのが 一番大きいかと思います。それらは、故に映しだされていく出来事 が「別の世界の話」ではなく、自分たちの生活の延長線上に存在し ている事を強く感じさせてくれるから。  そして、生々しい生や死を自然に描き出しているところも、同じ く自分たちの生活の延長線上を感じさせてくれる部分でもありまし た。 こういった部分は、前述の『アトランティス』などよりも、岩井俊 二の小説「ウォーレスの人魚」をを強く連想させられたかな。これ は、(本作品とは違ってフィクションではあるものの)やはり「生 き物のさが」を強く感じさせてくれる、私のとても好きな話でもあ ります。  それにしても、鳥たちが「いかに機能的であるか」ということを あらためてみせつけてくれた作品でもありました。 彼らの飛ぶ姿を始めとする生きていくための必要最低限の行動は、 最も機能的な姿・動作を行っていた者たちだけが生き残り反映して いった結果だということを強く思わずにはいられないほどに、それ らは無駄なく適応した、美しいものでした。 そして、それほどまでに美しい鳥たちの姿というものを、観ること ができただけでも、今回は十分幸せでした。 さらには、その宿命を持つが故に、彼らの中で陸にまで戻ってしまっ た者がいる事に何ら不自然な事はないのだなということが、今さら ながらの私の新しい発見でもありました。 kaname(CXE04355@nifty.com)

『101』"101 Dalmatians"(1996)

(97/05/01記 97/05/02掲載 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  この映画のお気に入りは何と言っても動物達による「小犬達を知らないか〜 〜!」のシーン。  『ベイブ』は一匹残らずしゃべっちゃったけど、この『101』ではボディ ランゲージだけでこのシーンを展開します。  そして、それは小犬達の大脱走まで続くのですが、何か観ていて「にこにこ」 してしまいました。  あとはあくまで漫画チックな悪役達。 クルエラが車を飛ばすシーンなんかは、「おお、やってるなあ! グレンクロ ーズ」って感じだし、凍った池では悪党が池から出て来てカチンカチンに凍っ ちゃうし。(笑)  ただ、「クルエラvs納屋の中の動物達」の部分は、それまで流れていたテン ポが急に止まってしまって、何故かひとつひとつのシーンをじっくりみせよう としてる(?)のがちょっと残念でした。