![]() 吉田のうどんのつゆを語るとき、山梨の名物「ほうとう」(後記参照)との共通性について考えざるを得ない。汁の基本構成=味噌ベースと煮干による出汁のとり方が似ているのである。 むろん吉田のうどんのつゆは、味噌単独ベースのほか、醤油単独ベース、醤油と味噌混合ベースとがあるが主流は味噌であり、私自身やはり味噌がらみのほうがおいしく感ずることが多い。 また、出汁のほうであるが、なぜ、煮干が多いかはやはり、昆布・鰹節などが高価であることも理由でしょう。 昆布・かつおは、お吸い物の出汁となりますが、味噌汁用には二番だしや煮干が多いと思います。そういう意味では、関西以西の薄い色と言われる上品なうどんのお汁とは違いますが、反面リーズナブルな値段で提供できるというよさは捨てがたいものがありますね。なかには、甲府の源さんのように、トッピング(というのであろうか)で「特濃にぼし」という濃くとった出汁により値段が少し高くなるというお店もあります。 さらに動物系の出汁たとえば鶏がらなどを入れている店もあるのではないかとは某店の元店主が話しておりました。そうなるとラーメンのような複雑性も出てくると思いました。 (参考)ほうとうの歴史・・・甲斐の国(現在の山梨県)は山間の国であるために耕地は狭く少ないため米を主食にすることは困難であった。そういう環境から平安時代に中国より禅宗の僧侶が伝えたといわれる。 禅宗に深く帰依していた武田信玄公が凶作に苦しむ農民を見て、これを救うため伝家の宝刀で細く切り数え広めたので、「ほうとう」と言う名前が生まれたという伝えになっています。 そのほか、飽頓と漢字で書く場合がありますが、これは飽きずに毎日でも食べられるスイトンのような料理からだと言われている。 ![]() |