2003年9月の受験日誌


その48  2003.9.2

 1次試験の余波もほとぼりが冷め、2次試験の知識面の目安も大体ついてくるとやはり時節柄今度はテイスティングが気になってくる。リキュールはベネディクティーヌDOMが出るとか、オードヴィーはアルマニャックだとかヤマをはるような情報も入ってくる。去年?ある酒屋からヴィオニエが大量に買われたというもっともらしい話もまことしやかに流れたそうだ。それで正解はリースリングなのにむりやりヴィオニエにしてしまったという人もいらっしゃるとか。
 一時期はフランスワインばかりであったようだが、昨年はアメリカとオーストラリアという新世界が出たということであった。
 ただ、周辺のワインに手を出すと失敗するので(国名を明らかにするそうだからフランスをやっていれば類推可能)、まずはフランスワインをきちんとしておきたい。
 個人的には白はSBとリースリングあたりははずさないと思う。シャルドネ、ミュスカデ、アリゴテあたりが弱い。うすいシャルドネを出されるとミュスカデなのかアリゴテなのかわからなくなってしまうのである。
 赤は白よりも弱点が多い。大体、これははずさないという自信のある品種がない。できれば品種特性のはっきり出ているワインを本番では採用していただきたいと思う。それで間違うなら実力不足ということで仕方がないというわけで・・・。
 テイスティングについては、田崎ワインサロンでの24回のテイスティングでかなり訓練されたとはいえ、日がたっており感覚がにぶっている。直前の模試で勘を戻しておきたい。自分でワインそろえてやってみようかと思ったが、あけたら飲まざるを得ないので、一人では無理だから、やはり、スクールの模試を利用するのが手ごろであろう。

 1次試験の発表であるが、4日以降発送しますというアナウンスが1次試験終了後あったそうなので、早ければ今週末には届くということだろうか。「よっか」ではなくて「よーか」と言ったという話もあるが・・。こちらのほうは果報は寝て待てという感じである。



その49 2003.9.3

 
 さて、今日はテイスティング試験のいわゆる4番目の飲み物のやまかけに挑戦してみたい。
 これまで
 2002 ミュスカドボームドヴニーズ(ソム)、カルバトス(アド、エキ)      
 2001 マールドブルゴーニュ(ソム)、カンパリ(アド、エキ)
 2000 シェリーフィノ(ソム)、コアントロー(アド、エキ)
 1999 オードヴィードフランポワーズ(ソム)、オードヴィードポワール(アド・エキ)
 以上の飲み物が出題された。試験形式はそれぞれについて、原料ないし分類、アルコール度、銘柄を選択式で答えるものである。そして、ソムリエとアドバイザー、エキスパートとで出題が異なる点、また、スティルワイン以外の出題がある点は定着しつつあるので、今年もやはり4番目の飲み物の問題は出るだろうと思う。

 過去の出題を分析してみると(テキスト80pのワインの分類参照)、次のとおりである。
  
 A、醸造酒のうち穀物原料、果実原料ともになし。  
 B、蒸留酒のうち穀物原料なし。果実原料が、@ブランデーなし、Aかすとりブランデーがマール
  Bフルーツブランデーが、カルバトス、フランボワーズ、ポワール。
 C、混成酒のうち、醸造酒原料がなし。
  同じく蒸留酒原料がリキュールで薬草系がカンパリ、果実系がコアントロー
 D、フォーティファイドがシェリー、ミュスカドボームドヴニーズ(VDN)
 E、スパークリング なし。
 F、フレイバードワイン なし となる。

 というわけで、テキストの中の分類によると、まだ出題されておらず、わが業界にも関係するものを列記すると次のものと思う。
 A、醸造酒のうちの果実原料であるシードル。老酒や日本酒の古酒とかっていうしぶい選択はシニアでお願いします。シェリーやマディラと間違えそうですね。
 B、蒸留酒のうち穀物原料のラム、果実原料のコニャック、アルマニャック、ドムフロン(洋梨のオードヴィー)、粕取りのグラッパ。
 なお、ウオッカ、ウイスキー、ジンはバーテンダー協会の試験になっちゃうので出ないとみてます。
 C、F混成酒のうち醸造酒原料(フレイヴァードワイン含む)であるヴェルモット(チンザノ伊、ノエリープラット仏)、レッツィーナ。デュボネ、リレはたぶんマイナーなので出ないのでは。
 混成酒のうち蒸留酒原料は、グランマニエ、べネディクティン、アニス系が残ってます。
 D、フォーティファイドがVDL(ピノデシャラント)、VDN(バニュルス)、ポート、マディラ、マルサラ、甘口シェリー(ペドロヒネメス)が残ってます。
 E、スパークリングはシードル以外は出ないと思うけど、出るとしたら、ブランドブランかブランドノワールというような出題だと思う。

 以上からすると今年のヤマはシードル、ラム、ヴェルモット、レッツィーナ、ベネディクティーヌDOM、マリーブリザール、ピノデシャラント、ポートって感じでしょうか。どれが出てもおかしくないのですべてきっちりと把握しておきたいですね。
 
 さて、これまでの出題傾向を分析してみると、@例年ちょっと変化球が多いこと、A過去の出題と似たようなものが出ないこと、B連続して同じ分野が出ないこと、C分類・原料やアルコール度の関係で分類がはっきりしているものないし原料がはっきりわかるもの、ワインとアルコール度が異なるもの、Dテキストに出ているか、とてもなじみ深いもの、E予算的にもあんまり高くならないもの、F飲んだことのあるもの、一般によく知られているものというような感じです。

 そこで、ソムリエは順番からして、蒸留酒がくさいのですが、コニャックないしアルマニャックはかなりの直球で、アドバイザーやエキスパート試験との均衡もあるし出ないと思います。グラッパはもうマールが出てるので出ない、そうすると大本命はラムと言いたいのですが、マルティニックは値がはるので出したくない(笑 1本4000円以上)、プライドにかけてもマイヤーズラムは出さない、ラムのブランは2000円台であるが、ちょっとはずしすぎ?ということで、今年は大胆ですが、蒸留酒の出題はないと予測します。ソムリエ試験の方、でもラムは勉強しといてね。試験官の方がこのHPを見て、意地でもラムを出してくるかもしれないし(笑)。

 結論:ソムリエの出題はこれまでリキュールが1問も出ていないので、マリーブリザール(原料Anis vert E'spagne、アルコール度25度 テキスト174p参照)、アドバイザー・エキスパートの出題はこれまで醸造酒原料の混成酒が1問も出ていない、リキュールは何度か出題されている、去年蒸留酒が出てしまっているので、ヴェルモット(原料Vermouth テキスト447p参照、アルコール度16〜18度)

 こんなん出ました〜(知ってます?今くるよさん)。我ながらすごい分析だと思うのですが(笑)、ヤマが当たったら1杯ご馳走してくださいね。
(追記)ちなみにシニアソムリエ、アドバイザーの出題であるが、97はまだワイン、99がグランドシャンパーニュ(コニャック)、01年がシードルベースのアペリティフということである。



その50 2003.9.4

  昨晩は、ワイン会の後、傍聴人さんのお店でリキュールなんかの練習をさせてもらった。
 最初にベルモット(ノエリープラット)。色は白ワインなんかと同じ。かなり低い供出温度のせいかもしれないが、ややとろりとしてる。香りがよい。普通の白ワインよりも香りが強く、フレイヴァードワインだなとわかる。酔っ払って飲んでるからだが、ミュスカなんかの香りと似てるかも(ややいいかげん)。アルコール度はやはりやや強め。アペリティフでもらうのもおしゃれである。
 次にベネディクティーヌ。こちらは茶色(コニャックやウイスキーなんかの色と同じ)、ややドロリ感がある。味わいは薄荷系の極甘口。アニス系とは間違わないと思う。
 最後に透明な酒4種類を。ウオッカ、ジン、テキーラ、ホワイトラム。ウオッカはほとんど香りがない。ジン、テキーラは特有な香りなのでそれとわかる。今回実際に飲ませてもらったのは、ホワイトラム。香りを汲み取るのに苦労した。マルティニックとはまた異なる感じ。それで、どんなカクテルに使うんでしたっけ?とマスターにお聞きすると、ダイキリに使いますという回答でした。それで思い出しました。よく夏場に作ってもらうフローズンダイキリの香りでありました。そんなわけでホワイトラムもゲット。マルティニック出ますかねとお聞きしたところ、マルティニックは年代物が多いから、たぶん出ませんよとのご託宣でした。 
 あとお友達が、昨日の49回を見て、クレームドカシスも危ないんじゃないということでした。たしかにフランスでは、果実系の40%を占め、別格扱いであるし、ワインともキールを通じて、親和性があるので、危ないかもですね。出るとしてもソムリエだと思いますが・・。
 そんなわけで、ついにこの受験日誌も50回です。ぱちぱち。



その51 2003.9.5

 スティルワイン予想編。今日はワインのやまかけに挑戦。完全に趣味と化してますのでいいかげんに読んどいてください。

これまでの出題。
2004年度エキアド
シャルドネ  2000  フランス Mercurey 
カベルネ・ソーヴィニヨン  2000  アメリカ
シラーズ   1998  オーストラリア Yarra Valley
ルビーポート

2004年度ソムリエ
ソ−ヴィニョンブラン 2002  フランス Tour Leognan Blanc
カベルネソーヴィニョン 00 チリ
ピノノワール 2000 オーストラリア Yarra Valley
キルシュ

2003年度エキアド
        アルザス ゲヴュルツトラミネール 2000
        サンテステーフ(Ch.Beau-Site)  1997
        シャサーニュ・モンラッシェ ルージュ 2000
        アモンティリャード
2003年度 ソムリエ
        シャブリ  2000
        サン・テステーフ(Ch.Meyney) 1997
        コルナス 1999
        オロロソ
2002 白アルザスリースリング98(ソ) アルザスリースリング00、カリフォルニアシャルドネ98(アエ)
    赤クローズエルミタージュ99、シャサーニャモンラッシェ97(ソ)、オーストラリアシラーズ01(アエ)
2001 白プイィフュメ99(ソ)、サンセール99(アエ)
    赤ムーランナヴァン99、マルゴー(ソ)、サンジュリアン96、サンジョセフ96(アエ)
2000 白ミュスカデ98(ソアエ)、プイィフュッセ96(アエ)
    赤シノン98(ソ)、サンテミリオン95(ソアエ)
1999 白シャブリ(ソ)、アルザスゲベルツ(アエ)
    赤バルバレスコ94、アルザスピノ(ソ)、バローロ94、マルゴー95(アエ)
1998 白ブーズロン96、サンセール96(ソ)、アルザスリースリング96、サンヴェラン96(アエ)
    赤シノン96、ヌフパブ95(ソ)、ブルグイユ、メルキュレー96(アエ)
1997 白サンヴェラン96、サンセール96(ソ)、ブルゴーニュ95、ミュスカデ95(ア)、アリゴテ95、サブニエール95(エ)
    赤ムーランナヴァン95、クローズエルミタージュ95(ソ)、ピノノワ95、メドック92(ア)、フィサン95、オーメドック94(エ)
1996 白サンセール94、シルヴァナー92(ソ)、ペイドックシャルドネ95(ア)、ペイロダニャンヴィオニエ92、カールドショーム88(エキ)
    赤ジュリエナ90、シャサーニャモンラッシェ1er(ソ)、ペイドックメルロ、ジュブレシャンベルタン90、クリュブルジョワマルゴ90(アド)、ローヌ・ヴァケラス94、デュフォールヴィヴァン98(エキ)

 最近の出題傾向(2002年度までの分析です)
  1998年まではいわゆる4番目の蒸留酒リキュール関係がなく、白2赤2という出題。しかし、1999年以降は蒸留酒、リキュール等の出題が定着したため、通常のスティルワインは3品目という出題となっている。
  ところで、1999年以降ソムリエは白赤赤が4年連続続いている。今年も同じ傾向が続くと思う。レストランでカップル客が一番多いと思うが、現在1本頼むなら赤1本というお客さんが多いと思うから、赤の比重がレストランでは圧倒的に高いと思われるからである(・・・とても残念なことですが)。
 また、アドヴァイザーとエキスパートは、満遍なく飲んで欲しいということで(笑)白赤赤、白白赤、白赤赤、白白赤と交互に並んでいる。したがって、今年は白赤赤の順番。

 ソムリエの白はバランスよく並んでいる。連続した年で重複したものは97と98のサンセールのみである。アドエキの白もバランスよく並んでいる。連続した年での重複はない。ソムリエの赤もバランスよく並んでいる。やはり重複は見られない。アドエキの赤も97と98にピノが重複、01と02の、シラーとシラーズが重複したくらい。いずれにせよ、前年の出題がそのまま出ることはあまりないと考えてよさそうだ。

 検討 
1、白の部
 ソムリエ白は最近出ていないシャルドネ(出題頻度がもっとも高い。なんと白品種の3分の1をしめる。それなのに99以来出題されていない)ないしシュナンブラン、ヴィオニエ(いまだ未出題)。
 エキアド白はソーヴィニョンブラン(1年ブランクしかしシャルドネに次ぐ高頻度)、シュナンブラン(97エキのみ)、ヴィオニエ(96エキのみ)、アリゴテ(1997のみ)、ミュスカデ(1997,2000のみ)である。
 7年間のデータしかないのでなんともいえないが、出題頻度、出題の順番など勘案して、
 ソムリエは順当ならシャルドネアドエキは99のゲヴェルツ以降出題がおとなしいのでここらへんで色物品種が出るような気がする。そこで最近出題がないヴィオニエと見ました。
2、赤の部
 であるが、ソムリエは、ここ3年を見ると、満遍なく出題され、重要どころ(カベルネソーヴィニョン、ピノ、シラー、ガメ、カベルネフラン、メルロ)はすべて網羅されている。そこで1問は連続しない品種でまともなもの、もう1問はちょっと意表をつく品種が出ると考えた。カベルネソーヴィニョンイタリアでサンジョベーゼを選択させる問題。
 アドバイザー、エキスパートですが、1問はガメ(しかもムーランナヴァン。ガメイはソムリエでは3回出題されているのにこれまでアドエキではまったく出題されていない)、もう1問はカベルネフラン(重要頻出品種であるが98年以降出題がない。ピノも同様ですがガメイを出すとなるとピノは出しづらい)と見ました。 
 今回も当たりそうだなあ。



その52 2003.9.5

 本日、おかげさまで、無事、合格通知が届きました。まずは1次試験はなんとかなりました。よかった、よかった。明日からテイスティングの模擬試験が始まります。



その53 2003.9.7

 昨日は、TWSで2次試験対策で口頭試問、テイスティングの練習。
 行く電車の中で田崎先生の「ワイン味わいのコツ」を読んでいく。白、赤とも、色と香りとは関連性があるという観点で、明るい赤はレッドカラント、ラズベリー、ストロベリーが対応し、中濃度の赤にはブルーベリーとブラックカラントが対応し、黒味がかった濃い赤にはブラックベリーとブラックチェリーが対応する、白ではレモン、青リンゴ、黄リンゴ、カリン、洋梨、白桃、黄桃、アンズ、パイナップル、パッションフルーツ・マンゴの順番で並ぶのだそうだ。ハーブなんかも順番づけて記載があって、レモンなんかではミントが対応し、洋梨あたりだとセルフィーユやエストラゴンが対応するとあり(SBに関してですが)、なるほどそうであったかと思わせる。こうやってある程度順番を覚えておくと、実践でも役立つし、とんでもない間違いはしそうもないので、参考になった。

 さて、講義開始。口頭試問はやはり1次試験的知識を充実させるべしとのこと。文章で読むのは慣れているけど、口頭での質問に瞬時に回答するのに慣れておいたほうがよいということ。どんどん質問がなされるのでゆっくり考えている時間はないから、その場で答の出るものは答えておき、その場で瞬時には答えが出ないもの、あいまいなものは仕方ないので、問題、解答の選択肢ともメモしておいて後でゆっくり考えるほかないのだそうです。とにかく現場で頭が真っ白になって答が出てこないこともあるそうなので、気をつけるようにとのこと。できないのを引きづっているとだめなので、次の質問に集中するようにしてほしいということでした。パリにあるワインショップなんていうまったく知らない問題が問われることがあると思うけれど、知らないものは仕方ないので、とらわれないほうがいいということ。TWSの口頭試問は約30問ほど。1次試験知識が要求される問題ばかり。

 さて、テイスティングであるが、例年、コメントを選択させる形式であったが、コメント選択方式には問題意識を持つ方もあるそうで、もしかしたら今年の1次試験みたいに回答方式の変更ということもありうるから、どんな形式でも答えられるようにトレーニングしておいてくださいとのこと。TWSでは外観、香り、味わいについて、それぞれいつでもコメントしなければいけない事項を数点あげ、それに沿って、コメントすることを要求されている。このいつでもコメントしなければいけない順番を暗記しておくとよさそうだ。なにをコメントすべきなのか、正確にわかるから。
 もっとも自分の場合、一応、テイスティングシート(本試験で使われているもの)も使って練習しておこうと思う。先輩たちにそういう反省を持たれる方が多かったので・・・。ただテイスティングシートも年によって若干内容が違うことがある。たとえばSO2なんてのが2000年には入ってるが、2001年には入っていないなど。
 あとTWSではテイスティングシートの中で使われないコメントを教授。過激な表現、否定的な表現、白ワインでは赤ワインの表現、赤ではその逆をすべて消したものである。消していくとほとんどが消えていく。これはたぶん誰でもできると思うので、やってみるとよいと思う。
 それと、相性料理から、品種が絞れるという丸秘解答術も伝授。知佐先生、「絶対内緒よ」って笑いながら念を押してましたが、たぶん、みんな知っていることだと思います(笑)。ともあれ、テキストの料理とワインの相性みたいなところだけは講習会で言わなかったものについてもしっかり目を通しておくようにとのお達し。

 さて、白4種、赤6種類をテイスティング。成績は白が2種はずし(なんと得意と思っていたSBをリースリングに間違えた)、赤も3種類間違え、5割の成績。むろん品種を当てるだけの試験ではなく、コメントのほうも採点範囲なので、半分間違えたからといって不合格ではないと思うけれど、ちょっと危機感を持った。グラスについでからの時間の変化でもどんどん印象が変わってくる。
 赤ワインの部を担当していただいた大沢先生は2次試験までの間毎日朝昼晩と3回テイスティングをしたというから、すごい。
 あと季節の変わり目なので、風邪をひかないようにとのこと、鼻をずるずるやってたらテイスティングどころではないので、まったくだと思った。

 なお、TWSの親しい仲間は全員1次合格でした。ほっと一安心。
 2次試験まで、あと実質1週間の勝負、とりあえず毎晩テイスティングの勉強だ(・・・単に飲みたいだけだったりするのですが・・・笑)。



その54 2003.9.9
 夜錬会第1回。昨晩は黒猫亭でテイスティング練習会をさせてもらった。
 第1回教材セットの残り12本中、6本(白2、赤4)をチェック。この教材セット16本はすでに1度試しているにもかかわらず、5割の成績。ひどいもんである。ちょっとひとくせあるワインだと、間違える。サンジョベーゼは相変わらず、メルローとか、グルナッシュなんかと区別できない。
 収穫かもしれないのは、ネッビオロは結構若くても熟成した色をしていること、エッジにオレンジが混ざり、イタリアという指定があったらネッビオロでOKかもしれない(たくさん飲んでいないので普遍化していいかどうかはわかならないが・・・)。どうしてそうなるのかわかる人はぜひ教えてください。 
 赤より白のほうが難しいというのがワイン味わいのこつの記載。赤は果皮の下にある部分が搾られることで、品種の特性が出やすいけれど、白は果汁をまず搾ってしまうので、特性が出にくいのだそうだ。
 また、テイスティングの順番についても、同書によれば最初に白をテイスティングしてしまうと酸味が強いので、赤のテイスティングに支障をきたすので赤白の順番のほうがいいとも書いてある。
 
 黒猫マダムのおっしゃるには、最初酸味でテイスティングが難しくなるので、シャブリかなんかを試験会場に持っていって、うがいをしてから本番に臨むとよいとも言っておりました。

 テイスティングは勘を取り戻すのにようやっと。もっと発表前にテイスティングの練習をしておけばよかった。シュナンブランなどゲットしたと思った品種を最低限思い出して、本番に臨みたい。



その55 2003.9.9
 
2次試験、チーズ大予想&ジョイントベンチャー大予想。
 また趣味に走ちゃったなあと反省しつつ・・・。

1、チーズ編
 チーズに関する出題が今年もあるかであるが、下記のように毎年出題があること、02年にも出題がなされたことを考えると、今年も1題は出題される可能性はかなり高いと考える。
 もっとも2次試験のチーズに関する出題はとても基本的なので、出るとしても従来の枠を超えるような難問の出題はないと思われる。

これまでの出題は以下のとおりである。
青カビ御三家
ロックフォール〜羊乳、フランス (02)
スティルトン〜牛乳、イギリス (99S)
ゴルゴンゾーラ〜牛乳イタリア (99AE)
ウオッシュタイプ
ポンレベック〜カルヴァドス(01AE) ポンレヴェックはノルマンディ地方。
エポワス〜シャンボールミュジニー(01S)、モレサンドニ(1次01−68)
マンステール〜ゲヴェルツトラミナー・ヴァンダンジュタルティーヴ(02S、99AE、97S、96S)
ハードタイプ
コンテ〜シャトーシャロン(00AE、1次00-65)
カンタル〜コートデュフロントネー(1次97)
シェーブルタイプ
クロタン・シャビニョール〜サンセール(98S)
サントモールとルイィ(011次)
サントモールとブルグイユ(991次)

事前講習会では、クロタン(より広くシェーブルチーズとロワール)、マンステール、ロックフォール、コンテ、ゴルゴンゾーラに言及されていたが、今年の1次試験では出題がなかったという記憶。

検討 過去に出題されたものはもう一度押さえておくのは当然として・・・

@これまで白カビチーズが1題も出題されていない。
 講習会での言及がないので、今年も出ないのかもしれないが(そもそも白カビチーズとワインというのはマリアージュの定番があまりないのが未出題の理由となっていると推測される)、ありうるとしたらカマンベール・ブリーは牛乳が原料。カマンベールはノルマンディ地方(カマンベール村)が産地。産地とは異なるけれどカマンベールとヴォルネイの相性よしというあたり??

 友人のCP受験者に白カビでなにか出そうな話ないかなあと聞いたところ、次の逸話を教えてくれました。
 ナポレオン失脚後、1815年ウイーン会議が開かれ、フランス代表であったタレーラン(chオーブリオンのオーナー)が各国の代表を1年間も豪華なフランス料理とワイン(むろんオーブリオン)でもてなしたという。このときの「会議は踊るされど進まず」というのは有名な話。そのおかげか骨抜きにされた各国代表により敗戦国フランスはさほど痛手を蒙らなかったという。そのときに「世界一のチーズはどれ?」コンテストが開かれ、52種類のチーズが参加したのですが、この中で見事一位に輝いたのが、「ブリー・ド・モー」でした。それ以来、ブリー・ド・モーは「チーズの王様」と呼ばれるようになったのだそうです。


Aシェーブルチーズとロワール地方のワイン
 1次、2次頻出。テキストでは
 サントモールド・トゥーレーヌ〜シノン赤、ブーブレー白
 クロタン・ド・シャビニョール(シャビニョール地方のクロタン)〜サンセール(SBの酸味が合うのだそうです。)
 ヴァランセ(エジプト遠征に失敗したナポレオンが途中ヴァンラセ城により、ピラミッドを連想されるこのチーズを見て怒りのあまりその頂を切リ取ったという伝説があります)〜ルイィがある。

Bロックフォールチーズと甘口ワイン特に産地が近い南西地方のワイン
 ロックフォールとモンバジャックの結合〜南西地方の甘口というあたりを思い出せるかの問題。あるいはロックフォールとボルドーの極甘口産地のワインの組み合わせ(渋いところでルーピアックとかサントクロワデュモンとか。ソーテルヌの2級ワインとの組み合わせ。シャトーフィロとかシャトードワジデーヌなんか。)

Cゴルゴンゾーラ・スティルトンと相性ワイン(相性ワインは未出題)
 ゴルゴンゾーラとレチョートディソアヴェ、ヴァルテリーナ(資料編に記載あり)、スティルトンとポートワインなんかの問題。

Dその他予想されるものとしては 
 ポン・レベックとコルトン
 シャウルス・ラングルとシャンパーニュ地方のワイン、シャンパーニュ
 マンステールとゲベルツをあわせるときに使うスパイス〜クミンシード
 といったあたりでしょうか。
 
 
2、ジョイントベンチャー編
 特にワイン愛好家のための試験であるエキスパート試験で00年、02年と出題され、最近濃い分野なのでまとめてみました。値段は今後の購入の参考までにという程度です。

オーパスワンは  アメリカの(1)とフランスの(2)とのジョイント。価格は2万円

ルーチェは     アメリカの(1)とイタリアの(3)とのジョイント。価格は1万5000円

オルネッライアは アメリカの(1)が所有している。

セーニャは     アメリカの(1)とチリの(4)とのジョイント。価格は1万円

アルマヴィヴァは フランスの(2)とチリの(5)とのジョイント。価格は8000円

チリのロスバスコスはフランスの(6)と提携している。価格は1500円〜2000円。
 10周年記念のLe Dix ロスバスコスは9000円。

サッシカイヤは、フランスの(6)からCS、CFの苗木を譲ってもらって植えた(第2次大戦でフランスがイタリアの敵国となったためサッシカイヤのオーナーに当たる人がボルドーワインが飲めなくなって、寂しくなり、競馬友達だった(6)の当主から苗木を譲ってもらって自分のところで作ったのがそもそもの始まりだそうだ。現在は、DOCボルゲリ・サッシカイヤを新設させた。価格は1万5000円

ナパヴァレーのドミナスは、ミスター・メルロと言われるフランスの(7)のオーナーがナパで作るCSによるワイン。価格は2〜3万円

エールダルジャンは(2)で作られる白ワイン。(2)は2002年よりマールを作り始めた。

正解
1、ロバート・モンダヴィ 
 なお、オルネライアは2002年6月モンダヴィがオルネライア社の全株式を取得、フレスコバルディ社をパートナーにした。創始者のロドヴィコ・アンティノリは任務を完全に終えたと伝えられた(ワイナート誌20号65p)。
2、バロン・フィリップ・ムートン・ロートシルト (アルマヴィヴァに関し00エキスパート既出)
3、フレスコバルディ
4、エラスリス
5、コンチャ・イトロ
6、シャトー・ラフィット・ロ-トシルト
7、シャトーペトリュス (02エキスパート既出)



その56 2003.9.10
 プレステージシャンパーニュ特集
 99.00.01と3年連続で出題され、常連問題かと思いきや、02年は出題されなかったので、今年の出題もないかもしれないが、一応準備。
 ここも趣味。1次試験終了後からぽつぽつと気が向いたら調べたりしていたもの。
 シャンパーニュというお酒はいろいろとストーリーがあって楽しいし、調べていると知らなかったというプレステージもあってためになった。しかし、勉強してないな〜。そろそろ趣味はやめとこ。

 出題形式としては、頻出のこのプレステージを作っているのはどこかといった選択問題、ブランドブランはどれかとか、ブランドノワールはどれかとか、そのシャンパーニュの由来を示し、それはどれかといったもの。

クリュグ ランス  @コレクション Aクロデュメニル(01S既出)
コレクションは15年〜20年熟成。7万5000円

クロデュメニはブランドブラン。4万5000円

モエシャンドン エベルネ  キュヴェ・ドンペリニョン
レゼルヴドラベイ(いわゆる金ペリ)78 15万円
エノテーク85 2万円
エノテーク59 13万円

ボランジェ アイ @ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ ARD Bグランダネ
ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ ノンフィロキセラ 5万7000円 樹齢70〜80年のピノノワール100%
から出来る。
RD RD.(Recemment Degorge) レッサマン・デゴルジュ 1万5000円 (99E既出)
 ボランジェのプレステージ・シャンパーニュというとこのRDのほうがよく知られている。この「RD(レッサマン・デゴルジュ)」は、「ごく最近に澱抜きを行った。」という語義であるが、これには、「710年瓶熟」させた意味が含まれている。チャールズとダイアナの挙式に使われた。また007ジェームズボンドの最近のお気に入り(昔はドンペリだった)。デゴルジュマンの日付が書かれている(最近の日付多し)。

ルイ・ロデレール ランス クリスタル・ブリュット(99既出)
 ロシア皇帝御用達 毒薬による暗殺をさけるために透明ボトル

ポメリー ランス ルイーズ・ポメリー
 モエシャンドンのドンペリニョンに対抗して1985年から造り始めたこのシャンパンの銘柄名は、マダム・ポメリーの娘ルイーズの名にちなんで名付けらた。
「ルイーズ」はポメリー社が有するグランクリュ畑で最良のブドウが収穫できた年にのみ造られる。熟成期間は5年から7年。ちなみに私がこれまでに飲んだシャンパーニュの中でのNo.1がこのルイーズです。

テタンジェ ランス @コレクションAコントドシャンパーニュ
@コレクション 1万〜3万
 1978年ヴィンテージより、収穫のきわめて良い年にのみ、現代アーティストの作品によってボトルの飾られた、テタンジェ・コレクションがリリースされている。これまでヴァザルリー、マッソン、リキテンシュタイン、そして日本の今井俊満(1988生産、1994発表)らが手がけており、厳選されたシャルドネとピノ・ノワールの、一番搾りの果汁のみが用いられる。

Aコントドシャンパーニュ コートドブラン地区のシャルドネ100%でできている。ブランドブラン。15000円 (99A既出)

ローランペリエ ツゥール・シュール・マルヌ キュヴェ・グラン・シエクル(01AE既出) 1万円

ゴッセ アイ  @セレブリス ブリュット Aグラン・ミレジム・キュヴェ・バイセンネール

ヴーヴクリコ・ポンサルダン ランス  ラ・グラン・ダーム

GHマム ランス  グランコルドン ノーマルキュヴェのコルドンルージュは、名画「カサブランカ」で「君の瞳に乾杯」の名文句を産み出した。

ポールロジェ エベルネ  キュヴェ・サー・ウインストン・チャーチル 葉巻でも有名なチャーチル首相とこのシャンパンとの出会いは、1944年パリ英国大使館での晩餐会で、70歳のチャーチルが、ポール・ロジェ未亡人にこのシャンパンをすすめられ、婦人の色っぽさも影響してか一度で気に入り、「シャンパンは生きる意味を知っている人間の日々の楽しみなのだ!」と言い、1965年に死ぬまで愛飲したのだそうだ。

エイドシック・モノポール ランス  ディアマン・ブルー 7000円 

ペリエ・ジュエ エベルネ  ベル・エポック 12000円 アールヌーボーを代表する作家エミール・ガレがボトルをデザイン。

サロン アヴィーズ ブランドブラン パリのマキシムのハウスシャンパンとしての名声が高く、すぐれた年のみにのみ作られる。 (99A既出)

リュイナール 会社の創立が一番古い(99A既出) ミレジメ 12000円 ベネディクト派の修道僧、ドン・リュイナールが1729年に創設した最古のメゾン

ランソン    ランス   ノーブルキュヴェ 8000円 英国王室御用達。6☆シェフ・アランデュカスが絶賛するプレステージ

ドーツ アイ  キュヴェ・ウイリアム・ドーツ

プルーノ・パイヤール ブリュットミレジメ 9000円 ヴィンテージごとに異なった絵をエチケットにする。その年のシャンパーニュの印象を描いたものと言われる。ジャンシスロビンソン女史の結婚式に用いられた。
 黒猫マダム主宰のワイン会名であるパイヤールワイン会はこのシャンパーニュに由来する。なおこれに対抗して、ある男性たちはオッパイヤールワイン会を立ち上げたのは有名な話(なわけないか)。




その57 2003.9.11
 夜錬会第2回
 傍聴人さんのお店に赤ワイン5種類を持ち込ませてもらい、勉強会。夜9時30分から。
 Sy、CF、Me、グルナッシュ、CSの5品種が入ってることは事前に教えられた。結果、2勝3敗。
 フランとグルナッシュは早いうちにわかったが、他がわからない。

 シラーは、コロンボさんのコルナス、フランはソミュールルージュ、メルロはシャトードサル(ポムロール)、グルナッシュはギガル?、CSはレゾムドペ(サンテステフ)。

 シラーはたばこのような香りがして、スパイシーさを感じられなかったが結構タンニンがあるかなと思い、CSにしてしまった。これはセンスが悪かった。カベルネ特有のピーマンぽい感じとカシスのイメージをあまり感じないのにCSにしてしまうとは。
 メルロとCSは相変わらずよくわからない。ポムロールはメルロ100%だと思うが、レゾムドペのほうはたぶんメルロがかなり混ざっていると思う。

 品種名もテイスティングコメントの各項目も同じ1点とどこかで聞いたことがある。それが本当なら、テイスティングコメントがあっていれば品種が間違えても大丈夫ということであろうか。テイスティングコメントの項目自体を見ていると品種による差をあまり感ずるような項目はほとんどないと思うので、品種に引きづられるという心配もないのではと思った。どこで差をつけるのかなあと思うほどである。7大不思議の一つではある。でも全部はずして合格する例はあまり聞かないらしいので、どこまで品種に迫れるか、あと5日あるので調整の必要がある。



その58 2003.9.12
夜錬会第3回
 前日に引き続き、傍聴人さんのお店で。Y先生ご夫妻と。新規に白3、赤3、白3。昨日の残りの赤5も復習。ミュスカデが2本出たので、ゲットした感じ。アリゴテとシュナンブランも1種類ずつ出たが、まだ習得できていない。本番までに調整の必要あり。赤ワインの中ではメルロの成績が悪い。
 
 4番目の飲み物としても、アルマニャック、コニャック、キューバのドライラム。ベネディクティーヌ、ドランブイ、グランマニエの3種類をも練習。6種類ともどれも色合いは茶色系である。ハードリカー3種類はいつもお店でたしなませていただいているので、さすが門前の小僧。すぐにわかる。ベネディクティーヌとドランブイはニッキ系でよく似ているが、ベネディクティーヌの方がアニスのニュアンスを感じた。ドランブイはラスティネイル(スコッチウイスキー6/10、ドランブイ4/10)というカクテルに用いられている。2次試験の口頭試問に出たほどなので、テイスティングにも出ないとは限らない。グランマニエ(茶色)はコアントロー(透明)とオレンジの風味が濃厚に出ているのでそれとわかるはずだ。 

 そして今回の白眉はワイン用の葡萄を一緒に食べながらテイスティングしたこと。葡萄はCS,CF,Me,PN,Ch,SB,Seである。先輩の研究者の方に余った葡萄を持ってきていただいたもの。赤ワイン品種は皮や種も一緒に噛んでみてという指示に、醸造の時もそうするんだよなと思いながら葡萄を食べ、ワインを飲んでみると、不思議(というか当然なのだけど)、同じ味がする。フランを食べるとほのかにフランワインと共通するものがあるし、カベルネソーヴィニョンもしかりである。
 2次対策でいろいろな人が今飲んでると思うけど、こんなぜいたくなテイスティングをしているのは僕らだけだねぇと言いながら、葡萄の地、山梨に住んでいることに感謝した一晩であった。



その59 2003.9.13

 昨日は、昼間前日わからなかったリースリングをテイスティングしただけで夜はオペラの後、恒例のお寿司屋さんに行ったので、夜錬はなし。ひさびさの休養日といった感じ。
 土日は東京にでかけないので、前半は口頭試問の勉強をし、後半はテイスティング。
 不安をなくして本番に臨むためにやっておくべきことは多い。口頭試問は1次試験用知識の復帰。テイスティングは各品種のイメージをゲットすること。

 そのために昨日もサンジョベーゼ×2、テンプラニーリョ、アリゴテ、メルロを購入。ちまたのうわさではイタリアの某白品種も危ないと言われているようなので、それも買う予定。ワインが余ってしょうがないんだけど、この際なので、煮込み料理とかに豪勢に使っちゃおうと思っている。

 しかし時間が足りない。反省点は、1次の発表前に何品種かイメージをゲットしておくべきだったということ。出題可能性のある品種としては白が9品種、赤が9品種位あると思うので、合計18品種のイメージをゲットするのは容易なことではない。1本飲んでもわからないことも多々ある。2本飲んで、共通性を比較すると大体把握できるようになるから36杯のテイスティングが必要なのである。今のところゲットできたと思えている品種は、白ではSB、リースリング、ゲヴェルツ、ミュスカデあたり。赤ではピノ、ガメイ、カベルネフラン、グルナッシュといったところなのであと10品種も残っている。大変だあ。



その60 2003.9.14
 
昨晩は自宅で夜錬。
 アリゴテをゲットしたように思う。2日前に飲んだテイスティングセット在中のAPヴィレーヌさんのアリゴテはなんかちょっと変な感じだったので、作り方か、ボトルムラかと思ったら、もう1本のラファルジュさんのアリゴテも同じ風味。ガスっぽい香りが共通。最初冷たいときはシャルドネのうすいタイプだなとしか思わなかったが、時間が経つにつれ、イメージが激変。温度変化と空気接触によってこんなにイメージが変わってくるものかと思った。
 他にはメルロとサンジョベーゼをトレーニング。メルロはなんとかイメージを復活。スミレの香り、果実味、ベルベットな舌さわりといったところ。
 サンジョベーゼは堆肥臭がポイントかもしれない。トリッパの煮込みなんかのワイルドな料理が合うわけだなと思わせる。今日もう1本飲んでみてイメージが変わらなかったらOK。

 さて、味わい香りの記憶というのはどれくらいもつだろうか。
 この日誌でこの品種をゲットしたなどとエラそうに書いているが、その時、品種特性がわかったような気がしたというレベルなので、本試験までそのイメージが残るくらいの短期記憶にすぎないなと思う。
 たとえ資格を取っても、特にテイスティングに関しては完全に出発点にすぎないなということがよくわかる。まったくの赤ん坊レベルと感ずる今日この頃。明日は、一日東京で口頭試問とテイスティングの勉強なので、今日どれだけイメージの復活ないし新規ゲットできるかの勝負だ。今日の予定はサンジョベーゼ、テンプラニーリョ、シュナンブラン、ヴィオニエ、ガルガーネガ、どうしてもなじみのない端っこの品種になってしまいます。弱点を克服する作業で終わってしまいそう。本当は出題頻度の高い品種をきちんとしておきたいのですが。

 こうすればよかったというのは、18品種を4月くらいからデイリーワインで何回かまわすとよいと思う。できれば異なる造り手の同一セパージュのワインを2本買って二日続けてその品種を飲み続けるのである(毎晩飲む人用の勉強ですね)。むろん、座右にはその品種特性を解説した本を置きながらである。私の場合は、ついつい白赤ともいわゆる高貴品種に偏ってしまった、しかもだらだらと飲んでしまったのが反省点ではある(解説書片手に飲んでも楽しくないかもしれないけど、勉強なんてそんなものなのでちょっとは我慢)。
 しかしメジャーでない品種をいろいろ飲んでいると高貴品種がなぜ世界的にもてはやされるのかわかる。はっきり言っておいしいのだから(笑)。
 


その61 2003.9.14


 明日の朝には山梨を離れるので、もう最後どんな資料を持っていこうかという準備になっている。

 この日誌の最初のほうには、結構貴重な書き込みがある。
 たとえばCS、M、Sy、CFの区別なんか(CSは最後にタンニンが残り、シラーは最後に酸が残り、メルロは酸とタンニンはぱっと終わって最後に果実味が残る。CSとMの比較ではCSのほうがタンニンが強く、ミントやユーカリのようなスーとした香りが顕著で、これに比して、Mのほうがタンニンが優しくて、果実味に富み土のような香りがある。CSとCFの比較では、CFにはごぼうの香りがあり、CSに比してタンニンが弱くて明るいルビー色をしている)。SBの特徴(最初から苦味を含んだ酸味がある、南にいくほど麝香臭、猫のおしっこ臭が強くなる)、リースリングに苦味なしなんていう名文句もある。
 なにか他に忘れていないかと思っていたところ、カクテルのことを思い出した。99年という難問の年にただ1度出ただけなので、もう出ないと踏んでお蔵入りしていたのであるが、せっかくまとめておいたので、持っておこうと思ったのである。それでたいしたものではありませんがご披露しておきます。 

<これまでのカクテルの出題>
ラスティネイル(99ソムリエ) ウイスキーとドランブイ(ウイスキーのリキュール)
ブラックルシアン(99アドバイザー) ウオッカ10分の7 コーヒーリキュール10分の3
B&B(99エキスパート) ブランデー2分の1、ベネディクティン2分の1

ほとんど聞いたことがないカクテルばかりですが、傾向としては蒸留酒とリキュールのセット。

すべてを把握することは無理なので、万一出題されて出来なかったら悔いが残るカクテルだけ、ちょっとまとめてみました。数字はともかくベースのスピリッツくらいは覚えておいて損はないと思います。
ダイキリ ホワイトラム4分の3、ライムジュース4分の1、砂糖1tsp
ギムレット ドライジン4分の3、ライムジュース4分の1
マティーニ ドライジン5分の4、ドライベルモット5分の1
 以上の3つがバーで時々注文する御三家です。
ソルティドック ウオッカ+グレープフルーツジュース
スクリュードライバー ウオッカ+オレンジジュース
キール クレームドカシス+白ワイン(特にアリゴテ)
 アリゴテの酸味とクレームドカシスの甘みがバランス的に優れている。
ミモザ スパークリング+オレンジ(ジュース)
ベリーニ スパークリング+ピーチ(ジュース)

あと、おまけですが、いきつけのバーでちょっとだけ便利なカクテル教わっていたので、これもご披露(ミミズの張ったような字で手帳に記載してあり。いつ記載されたものか不明)。

ベースとなるスピリッツとコアントロー(ホワイトキュラソー)とレモンジュースとでカクテルがいくつか作れるということです。
ブランデーで作るとサイドカー
ジンで作るとホワイトレディー
ラムで作るとXYZ
テキーラで作るとマルガリータ
ウオッカで作るとバラライカ



その62 2003.9.15
 いよいよ2次試験が明日に迫った。
 昨晩は、結局予定の酒を全部テイスティングした。
 シードルはまったくカルバドスと味が似ている。当然といえば当然なのであるが、リンゴのイメージが強いのでよくわかると思う。
 サンジョベーゼもやはり堆肥香(表現としてどうかと思う)が強い果実味の背景にただようのでそれとわかる。これはゲット。
 ヴィオニエもやはり残り物のゲヴェルツと比較したところ、ゲヴェルツが最初からが〜〜んと香ってくるのと比較しておとなしいので、最初のインパクトが超強いかどうかで比較すればあまり間違わないと思う。
 テンプラニーリョはクリアンサとか樽で寝かすやつが多いのでどうしてもヴィンテージは古めになる。そして、甘い樽香がしたりするので、アメリカンオークを使っている可能性が強いのではないかと思った。だから一瞬飲みやすかったりするのである。サンジョベーゼに比べると好みのタイプかもしれない。テイスティングコメントが出てこないところがさみしかったりするが、これですよというのが思い当たらないのである。本的にはタバコとか書いてありますが。
 シュナンブランはアリゴテとやはり似ているかもしれない。今のところはたぶん分別できると思うが、シュナンブランはカリンの香りとよく言うがどこがかりんかよくわからない。ヨーロッパのカリンと日本のカリンは違うのかなあとちょっと思ったりである。シュナンは柿のくさったときの香りのようなイメージのほうがむしろ近いと思う。
 そしてガルガーネガ!ほんとに出るんかい?ソアヴェを1本試しましたが、このワインも中庸の味わい、酸味が強いでもなく果実実のインパクトも普通だし、あまりこれといった特徴がない。シャルドネでもなし、シュナンブランでもなし、リースリングでもなしといった感じである。そんなワインが出たらガルガーネガということで・・・。酸味が強かったらガヴィ、すっきり何も残りまへんがなといった感じならフラスカティ(トレッヴィアーノ君、ごめん)という感じでしょうか。

 というわけで、まあ、やれるだけのことはやったので、これ以上の修行は今日1日の田崎のレッスンに託します。
 では行ってまいります。1次試験のときほどの高揚感は今のところありません。



その63 2003.9.17

 昨日、2次試験が終了しました。いろいろ出題予想をしましたが、案の定というか、まったく当たりませんでした(笑)。
 さて、少しは資料価値もあろうかと思うので、かなり長くなりますが、2次試験の様子を記録しておきます。これから受ける人のためになればと思います。

 試験前日(15日) 田崎サロンで二コマ授業を受けました。口頭試問とテイスティングです。夜は、1次試験のときのゲンをかついで、品川駅前のエノテカで夜飲みました。ここのところ飲んでいないSBとPNを頼みました。しかし、どうもPNの方の状態が悪かったらしく、PNのイメージを復活できませんでした。一番困ったのは他のお客さんのたばこの煙が充満していたこと。これであきらめて帰ってしまいました。夜は阪神優勝のニュースを見ながら寝てしまいました(高輪プリンス泊)。
 試験当日(16日) 朝起きて朝食。前日大沢先生から、熱いものを食べて口をやけどしたり、刺激物を取ったり、朝のコーヒー、ガムとか昼間おそばの葱なんかは禁止という注意を受けていたのですが、ついついおかゆなんかを頼んでしまい、ちょっとやけどをしていしまい後悔。軽く口頭試問の勉強をしました(1次試験の知識はまる1日集中すれば復活すると思います)。

 11時30分からサロンで、無料テイスティング。これはよかった。白赤全品種と4番目の飲み物も多種類出してもらい、最後の調整。シラーなんかイメージを復活できた。他の品種も安定させることができた。しかし、ピノはなんとなくわからんなあというままでした。1時間弱でほぼ全種類のテイスティングを終え、恒例の愛宕神社参拝。
 田崎サロンのお隣さんが由緒ある愛宕神社。知佐先生が宮司さんに合格祈願のご祈祷をお願いしておいてくれたのです。2〜30人くらいで、85段ある出世の階段を登り詰め、お賽銭を入れ、祈祷してもらう。ご祈祷をしていただいた女性の宮司さんの「これで皆さん合格です」との一言にはげまされ、タクシーで試験会場の新高輪プリンスへ。

 会場ではアドバイザーとエキスパートで会場がわかれています。机の上にはダンボール紙(下敷き用。アナウンスでは板目紙と言っていた)とその上に解答用紙。また、ワイン置き場(1、2、3、4)と水、ワインの吐き気用紙コップが置いてあります。右側に受験票と1次試験の合格通知を置いておくようにとの指示がなされます。
 2次試験は総合計1時間30分の試験です(うち15分くらいワインのサービスの時間含む)。途中退室はできません。また携帯を時計代わりにできないことは1次試験と同様です。腕時計、しかもアナログを持っていきましょう。デジタルだとあと何分あるというのがわからなくなると思います。
 オリエンテーションが10分あって、試験開始
 
 解答用紙を開く。解答用紙はまず赤白のテイスティングシートが両面印刷で1枚、次に口頭試問の解答用紙(マークシート)が1枚、最後にテイスティングの解答用紙(マークシート)が1枚ある。やはり3000人からの受験者を処理するにはマークシートで行うことほか効率的に判定できないのだと思う。
 テイスティングシートには、外観、香り、味わい、アルコール度、生産地、ヴィンテージ、品種、相性料理が選択できるようになっている。値段の記載は今年なかった。相性料理はカタカナでの記載だったと思います。コキューユだけは原語だったというのが友人の記憶ですが。
 口頭試問の解答用紙であるが、A41枚の左側にマークシートで数字を書き込む解答欄があり、右側に問題と解答の選択肢をメモするメモ欄がある。
 テイスティングのマークシートはワイン3種、4番目の飲み物1種類の各選択項目の数字を書き込む欄がある。ワインの解答欄の上段にはフランス、フランス、フランスと3つ並んでいたので、今年は他の国は出ないとほっとしました。

 さて、口頭試問開始、60歳くらいの男性の声でテープが流れます。問題を2度繰り返してくれます。その後選択肢を2度繰り返してくれます。大体この段階で答えが出ますから、メモしつつ、解答欄に解答の数字を書き込むという感じです。15問で30分の試験時間です。もっとも30分は問題を読み終わるまでですから、その後のテイスティングの終了にいたるまで口頭試問を考える時間はありますが、まあ考えてどうなる問題でもありません。その場で答えが出るか、わからないかのどちらかという感じですので、30分の段階で大抵答えは出きっていると思います。

 口頭試問の問題を読み終わった後、これからテイスティング試験を始めますというアナウンスとともに、テイスティングワインのサービスが始まります。全員にすべてのワインがサービスされるまでグラスに手をつけないようにという注意がなされます。1種類ずつ、卓上に運ばれてきますので、時間的には15分程度かかったように思います。
 その間に1枚目のテイスティングシート(解答用紙ではなく、選択用語集)を破く音がビリビリと聞こえ始めました。ミシン目で接続されているのです。音がしつつも特に統括試験官から注意もされませんでしたので、私も破いて、分析を開始しました(むろんメモなんかはできなくて、黙読するだけでした)。なお、私の友人はこの時間を使って、使わないコメント(たとえば貧弱なとか欠点のあるとかの絶対使われないコメント)を鉛筆で消していったということで、試験官から何も言われなかったそうです(試験官が気付かなかっただけかもしれませんが)。これができるなら時間の使い方としてとても有効だと思います。私は度胸がなくてそこまでできなかったのですが(笑)。いずれにせよ使わないコメントは確実に暗記して、またわけのわからないテイスティング用語をなくしておくべきです(たとえばグロゼイユとかマルメロの実とかエピセとか)。また、この時間を使って相性料理からの逆算ができます。これは、たとえば南仏のワインは出ないと踏んで南仏の料理や白ワインなら赤ワインに合う料理を除外していくと、料理が2品種くらいに絞られるので、それに対応するワインも2品種に絞られるということです。さらにテイスティングコメントでどれにマルをつけるべきか考えました。サービスされたワインの状態からワインの色あいもわかってきますので、うまくいけば4種類の品種は、テイスティング前に大体の答が出ている(!)ことさえあると思います。試験委員の中にもこのような選択〜マークシートによることに問題意識を持つ方がいらっしゃると聞きもしますが、たしかにそうかもしれません。しかし記述式にしたとすると、採点がとても大変になるだろうなあと推測はします。
 いずれにせよこのワインがサービスされる時間はとても有効ですので、ぽーとサービスを待っていることのないようにしたいものです。全員にサービス完了ということでテイスティング試験開始

 まず使用グラスですが、INAOグラスではなく、事前講習会でも使用されたホテル所蔵のカットグラスです。講習会のときに携帯やデジカメでグラスの写真でも撮っておいて、同じグラスをどこからか探して、練習しておくといいと思います。それなりに色調を確かめられますし、スワリングもそれなりにできます(もっとも香りが取りづらい点はたしかですので、手のひらでグラスのふちのまわりを覆って香りを取るなど工夫の必要があります)。
 今年のエキスパート試験は白1種類、赤2種類、4番目の飲み物1種類でした。
 スティルワイン3種類ですが、外観が大抵5〜6個の解答欄、香りが10〜12個前後の解答欄、味わいが7〜8個の解答欄でした。その年やワインの品種によって異なると思います。どのワインでも共通する(たとえば健全なとか現在飲み頃のとか)を選び、後は品種特性によるものを選び、解答の数字を入れることになります。「全部の枠を埋めてください」という注意がアナウンスされます。また、「間違った答を選択しても減点されません」というアナウンスも流れます。これは、間違った答えを記入しても積極的に減点されない代わりに、正しい答が減るので、そこで消極的に得点が減るという意味だと理解しています。香りがたぶん60くらいの選択肢の中から12個くらいを選ぶという試験なので、これは結構どれを選ぶかで時間がかかります。決められた枡を全部埋めるというのは思ったより時間がかかります。できればテイスティング用語選択用紙を熟読しておくことが重要かと思います。むろん、今後傾向が変わって、記述式の時代に戻るかもしれませんので、きちんとしたコメントをできるようにしておくことも必要と思います。
 なお、テイスティング中に受験票と1次合格通知の2枚は回収されます。
 4番目の飲み物のテイスティングは一番最後に。舌や鼻がやられますから。水の入ったグラスにプラスティックカバーがついていてそれをかぶせている人が多かったです。

 1杯目はゲヴェルツ2000年が出ました。色がとても濃かったです。香りも濃厚で、また相性料理の中にフォアグラのパテがありましたし、ヴィオニエに対応する料理も見当たりませんでしたからゲヴェルツを選択しました。また、ヴィオニエは樽のニュアンスがあるけれど、ゲヴェルツには樽のニュアンスがないという点も前日教えてもらったばかりでしたので、大丈夫だろうという感じでした。これは正解。

 2杯目は、料理はたしかアントルコート・ボルドレーズだったと思います。色も濃いのでまあCSだろうと踏みました。たしかメルロは選択肢になかったと思います。あがっているせいか、牛のボルドレーズの相性料理がメルロというのを失念していました。さて、これは受験上のテクニックと言えるかもしれませんが、色でも大体品種が推測できます。色で指が透けないような濃いのがCS、シラー、メルロー。指が透けて見えるような薄いのがガメイ、ピノ、カベルネフランという風に考えてよいようです。この2杯目のワインは、香りもカシスやユーカリのニュアンスがあり、味わいもタンニンの収斂性が出ていましたのでCSにしました。ヴィンテージは若めだと思ったので2000年を選択。しかし、1997年が正解でした。結構熟成したいいワインを出したなあというのが終わってからの印象でした。

 3杯目、料理が絞れませんでした。これは今回の最大の反省点の一つ。まずは過去問2次に登場したすべての料理(選択肢欄にあるすべて)をピックアップして、レシピも相性ワインも徹底的に研究したいところです(1次試験終了後にやっておくべき最重要ポイントかも)。そして過去問以外にも教本ばかりでなく、資料編にいたるまでワインと料理の相性はフランスについては十分習熟しておくべきです(少しでも選択の余地が狭まる可能性が大きくなるのです。もっとも本問ではテキストにも過去問にも載ってない料理が勝負の分かれ目だったと思うので直接の影響はないかもしれませんが・・・)。
 料理の選択肢中クネルのソースナンチョアなんてのがあって、ロワール〜色が薄いのでカベルネフランという先入観が最後まで抜けませんでした。しかし、選択するにいたって、ナントってミュスカデの産地だし、赤はないはず、変だなと思いましたが後の祭り。後でフランス料理の先生に聞いたら、クネルって、川カマスの腸づめみたいな料理で、軽くトマトソースを使うんだけど、やはり白ワインに合わすらしいです。他方、ピノ特有の香りのコメントがあまり見当たらなかったし、ピノに対応する料理を見つけることができなかったということもあります。ブレス鶏がブルゴーニュの名物料理であることを知っていれば展開は変わったと思われます。ちなみにフリカッセというのは茹でる料理のようです。
 正解はシャサーニャモンラッシェ・ルージュ2000年。この段階でヴェジタルとかカシスとかフラン的な表現をたくさん選んでいますからかなり得点数が減っているものと思います。ごぼうの香りなんかほとんどしなかったのに・・・。

 4番目の飲み物ですが、卓上にサービスされた段階でもう香りがただよっており、シェリーだとわかりました。シェリーはよくいただいていますので間違いようもありません。アモンティリャードです。フィノがすでに出ているので、シェリーの出題はないかなと思いましたが、まあ知ってる飲み物でよかったです。もっとも4番目の飲み物は3個しか解答欄がないので(国、アルコール度、銘柄)、ワインのほうの3枡分と採点の重さが変わらないとすれば、比重はかなり少ないのであまり神経質になることもないとも思います。なぜ、4番目の飲み物をワインの試験で出すのかと考えてみましたが、あくまでもソムリエ協会の試験ですので、レストランの食前酒、食後酒というワイン・お料理の前座、フィニッシュという意味での出題なんだと思いました。そうしますと結構出てくる品種は限られてくるのかなというのが試験を通じての印象です。

 40分の制限時間をフルに使いきり、試験終了。香りのコメントや味わいのコメントの選択肢を分析して埋め尽くすのに結構時間がかかり、ちょっと時間が足りない感じでした。ピノをはずしたのは最後までイメージの復活ができなかったからでもありますが、変に先入観を持ってしまった失敗でした。料理が難しくて逆算できなかったとしたら、原点にもどって、外観・香り・味わいから品種を確認する作業をすべきです。
 落ち着いて試験を受けていたつもりですが、あがっていたのでしょう、まともなテイスティングとはとても思えないような状態でした。料理や色からある程度推測できることはそのとおりかもしれませんが、お勧めとしては、推測したものは一旦横に置いといて、まずはニュートラルな気持ちで、このワインはどんなワインだろうかと考えて欲しいということです。そうすれば先入観に惑わされることなく地に足がついたテイステイングができると思います。
  なお、今年は試験終了後、ただちにワイン名(品種名?)とヴィンテージは公表されました。ピノと聞いたときには耳を疑いましたが・・・(笑)。でも、これは助かりますね。そうでないといつまでも品種はなんだという論争が続きそうですもんね。

 最後に口頭試問の出題を再現。アドバイザーとエキスパートで最後の数問問題が異なりますが、エキスパートは次のような問題が出ました。
1、ブドウの生育期に適した温度 〜20〜25℃。 前提問題を聞いたとたん、20-25だと思いましたが、選択肢を聞いているうちに6〜8月ってもっと暖かいかなと思いなおし、25-28にしてしまいました。不正解。
2、ブドウの中でポリフェノールが一番多いところ 〜種子? 資料編11pには果皮、種とあります。私は種子はタンニンだったよなあと、果皮を選択してしまいました。
 正解はわかりませんが、ポリフェノールは種子、果皮、果肉の順に多く含まれていると言い切っているサイトもあるようです。
3、ラベルに「至高至善の神へ」と記載されているリキュール〜ベネディクティーヌDOM これは講習会で強調していたのでどこで出されるのかと思いきや、ここで出ました。
4、マルゴー3級のシャトー名〜パルメ。  カントナックブラウンとブラーヌカントナックでひっかけてくるかと思いましたが、選択肢を聞いていたらあっけなくパルメと言われたので、ちょっと拍子抜け。
5、ブルゴーニュグランクリュで赤白生産しているもの〜ミュジニー これも簡単な問題。
6、DRCのモノポール〜ラ・ターシュ これも簡単。
7、シャンパーニュ地方の100%クリュのうちコートドブラン地区のもの。〜クラマン。正解。コートドブランは頭文字が全部A・O・Cなので覚えやすいです。しかも講習会で100%クリュのところで触れたのは、なんとクラマンのみでした。
8、イタリアのヴィンサントを作ることができる産地名〜ボルゲリ?
 ボルゲリ、キャンティ、レチョートディソアヴェ、エトナ、ブルネッロディモンタルチーノから選ぶ問題です。たしかに資料編98pによるとDOCボルゲリではヴィンサントも指定されています。他方キャンティは赤のみの指定です。しかし、DOCとかDOCGはどれかという問題ではなくて産地はどれかという問題だったような記憶です。産地というだけならキャンティもヴィンサント・デル・キャンティがあるくらいなので正解なのかなあとも思います.。
 私はトスカーナを旅行していたときに白葡萄をヴィンサント用に干しているところを見ていたので、白があるのはボルゲリだから、ボルゲリが正解かなあという程度の認識でした。オッキオ=黒葡萄って書いてあったのは完全に飛んでました。
9、ドイツの著名なシャルツホーフベルガーの生産者〜エゴン・ミュラー エゴンさんと2月に飲んだばかり(というか昼食会の抽選が当たった)。これも正解。
10、スペインで一番生産量の多い黒ブドウ〜ガルナッチャ・ティンタ  これはテンプラニーリョにしてしまいました。テキストを見ると星印がついていて講習会の強調ポイントでした。不正解。残念。
11、ヴィンテージマディラに用いる加熱方法〜アルマゼン・デ・カロール エストファ、クーパ・デ・カロールなんかも選択肢にありましたが、ヴィンテージというところでアルマゼン。正解。
12、ギリシャでディオニソスの母の故郷は〜テーベ ナウサだったっけと迷いましたが、これもなんとか正解。
13、日本人の1994年から2001年の間で一番ワインの消費量が多かった年の消費量…3.34リットル 1998年が一番多くて、3リットル台という記憶でしたのでこれも正解(2000年で大体年間私の3日分と覚えていたのです)。これも講習会で言及されていました。
14、ch.ムートンロッチルド1973年のエチケットを描いた画家〜ピカソ これも有名。
15、シャトーシャロンと相性のよいチーズ〜コンテ 過去にも多く出題された基本問題。

 15問中少なくとも11点ですので、口頭試問のほうはなんとかクリアーしてると思います。

 合格発表は9月30日以降発送ということですので、10月に入れば最終の合否がわかります。

 昨晩の打ち上げは、同士のY先生ご夫妻らとライオンでビールを飲んだ後、某氏の紹介によりオザミ・トーキョーの個室で。すごく夜景がきれいでした。今回とてもいい勉強ができたとみんな口々に感謝しつつ、J・ルイ・シャーブさんのエルミタージュ84をしみじみといただいたのでした。

     




その64 2003.9.19

 試験終了後、当サイトを見てくださっていた方(お受験の同士)から、ぽつぽつと感想をいただくようになった。そんななかで、受験日誌という同じコンセプトをお持ちの方からお便りをいただいた。
 関西にお住まいの「ようこ」さんであるが、いろいろな資格に興味をお持ちでエキスパートも独学で勉強されたというのですごいなあと思いました。
 というわけですので、独学の方は、ようこさんのHPをおおいに参考にされたい。
 
 そしてついでみたいで恐縮ですが、認定試験のスクールをお探しの場合にはぜひ田崎真也ワインサロンをご検討くださいませ(笑。すばらしいスクールと師匠ですよ〜)。