2003年3月受験日誌


その7  2003.3.3

 今回は葡萄の生育サイクルとテイスティングの基本。小テストはシェリーとポートの作り方がメイン。
 
 葡萄の生育サイクルのへんはワインの味わいの違いに影響を与えるものとして@土壌、A気候、B品種、C人ということで特にAとして温度、日照、時間、降水量があげられた。葡萄の生育サイクルは発芽から収穫落葉休眠に至るまでのサイクルを覚える。
 そのほか、葡萄の病気とその対処法。
 UCデイヴィスのウインクラー博士の気温区分。それぞれのワインの供出温度、葡萄の断面図の説明、葡萄の仕立て方なんかを勉強。
 テイスティングについては、ご存知のように@外観、A香り、B味わいで、@は清澄度、濃淡と色調、粘着性、ディスクで分析、Aは第1アロマ(葡萄からくる香り)、第2アロマ(発酵からくる香り)、第3アロマ(熟成からくる香り)、Bの味わいは、アタック、果実味、酸味、アルコールのボリューム(度数)、渋み、バランス、全体印象、余韻(秒)、後味などで表現するということ。田崎さんのテイスティングコメントもこれらで構成されているはずということです。
テイスティングは白を3種類、ロゼ1、赤2種類。白、ロゼ、赤ともセパージュを当てるというもの。全部当たったら何かプレゼントなどと当たりそうもないことを前提の含み。
 白は、ミュスカデ、ソーヴィニョンブラン、シャルドネというのが大方の判断。しかし、うちのテーブルの女性が1番は甲州じゃないかと言い出し、そうだそうだということで、1番を甲州にした。これが大正解で、甲州を当てたのはうちのテーブルだけ。ロゼは甘口だったので白ワイン作りのロゼ。そして、以前出したロゼとは違うとのヒントがあったので、ロゼダンジュかカベルネダンジュ。これはグロロとアンジュか、カベルネ系かという違いであるが、グロロとかアンジュとか飲んだことないので、なんとなくカベルネフランですかということでカベルネダンジュにしたところ、不正解。ロゼダンジュでした。赤2種は、最初のはピノでいいと思うのですが、次のがよくわからない。カベルネかメルローか。メルロではないと隣の男性が自信あるような感じでカベルネ説を唱える。しかし、ヒントではスパイシーとか革の香りとか書いてあるので、わからなくなりました。シラーかなというと、甲州をあてた女性が賛成し、隣の男性もだんだんシラーかもですねといい始め、最後は女性が私がリーダーなんでシラーで行かせてくださいというものですから、シラーということになりました。しかし、いつも飲んでいるシラーグルナッシュ系とは明らかに違うので最後まで半信半疑だったところ、正解は「タナ」。トムクルーズが飛行機を飛ばして買いに行くというマディランでした。これじゃ、全問当てたらプレゼントを考えるというわけだと思いました。
  さて、いよいよ次回からはフランスワインです。覚えることがたくさんあるようですので、大変です。



その8  2003.3.9
いよいよ今日からフランス。今日はボルドー前半までということで、ボルドーの白地図に35箇所の地点があり、その地名を覚えるのだとか、早速61シャトー記憶の勘所や他のAOC、村名、許されるワインの色などの記憶のポイントなんかを指示される。この試験には3つの難関があるけども、「今日のはその第1関門よ」 と知佐先生はおっしゃる。講義も時間オーヴァーになりがち。この量を記憶するために来週はお休みにしますから2週間できっちり覚えてきてくださいねということ。日々の積み重ねが大事であることが再度認識される。
 テイスティングはアントルドメールの白とグラーヴ(AOCはペサックレオニャン)の白がどちらで値段はいくらかという比較と、赤3種のうち、グラーブの赤1とメドックのある村の赤2との比較。シャトー名は異なるが一方はセカンドワイン、もう一方はファーストワイン。で、もっとも高いワインの値段はいくらというもの。
 アントルドメールの白は生牡蠣に合うというようなヒントが講義中話されており、これが気になる。酸味が強いほうが樽香がしてどう見ても高いのだ。今日のテーブルは出席がはじめてというアテンダント関係3人組と小テスト満点という優秀な男性1人と。アテンダント関係はなにがなんやらわからないという感じだったので、男性と話を進めていく。酸味の点で一旦は正解とは逆の選択をした(つまり樽を使っているほうをアントルにした)。しかし、彼はどちらが樽を使っているのかを逆に考えていたようで、これはちょっとと思ったので、どたんばで私が正解を変えてもいいかと彼に確認し、どう見ても値段の高低を感じたからである。
 赤ワインはグラーブがメドックよりもやさしい感じというヒントでひとつを確定し、残りの二つのうち完成度の高いほうをファーストワインにした。こちらはあまり悩まない。二人で話していて、あんまり高いワインは講義で使えないから、4級あたりですよねということで、先生が4つの村の味わいのイメージを図示しており、優秀な彼が「サンジュリアンですかね」と、「あんまり酸を感じないというのが僕のサンジュリアンに対する印象なんですよ」などということで(これは素直に採用)、ヴィンーテージは若いから99ですかね、そうですね、そうしましょうなんてことになりました。
 冗談で私が「シャトーはブラネールデュクリュかな」なんて話していると、アテンダント関係が「なぜですか」と質問してきたので、待ってましたとばかり、ロアルド・ダールの有名な小説「味」でしたっけ、ある晩餐会の席上、ワイン自慢の主人と客がワインの利き酒をめぐって賭けをする。賭けの対象は、主人の娘と客人の家二軒。勝ったほうが負けたほうのそれを貰い受けるというもの。決して当てられないという自信があるからこそ当主は娘を説得してしまう。そして、ワインを、食通の客人がゆっくりと口に含む…。そのワインがブラネールデュクリュの34年なんですよなんて得意げに話していました。
 
 で、結果発表。12テーブル中なんと1組だけ正解がということで、うちのテーブルが全問正解。サンジュリアンもあたっていた。そして、シャトー名はなんとブラネールデュクリュ!その瞬間、アテンダント関係のつぶらな6つの瞳は一気にハートマーク!その後さまざまな質問を受け付けたことは言うまでもない。
 なんて浮かれている場合ではなくて、勉強勉強。



その9   2003.3.13
 今日初めて宅勉をした。朝6時にたまたま目が覚めたからだ。2週間の間にやるべきことが多い。
 最初にまずメドック61シャトーから覚えていこうということで、開始。
 メドックでAOCを名乗れる村6つ(目を散歩、秋刀魚無理)。マルゴーを名乗れる村5つ(アッ、マスカラ)。サンジュリアンの2、3、4級全部(2級 レオ三兄弟ポワっと、バーでラストまで、グリュデュク!3級 ラグラン ゴア、4級 ピエールがターボに乗って、ぶらりゆっくりベイに行く)というところでタイムアップ。約2時間の勉強であった。61シャトーは全部語呂合わせで覚えるようにレジュメが用意されている。サンジュリアンに5級がないというのはこんな勉強でもしないと気づかない。
 なお、単なる暗記だけではつまらないので、記憶の定着のためにも、副読本として、@田崎さんのワインライフ創刊号(94年ヴィンテージの61シャトーがボトルの写真付で解説されている)と以前読んだA山本博先生の「ボルドー」を使いながら読む。山本先生のボルドーは銘酒街道からサンジュリアンの各シャトーまでの案内の部分で20ページほど費やしているが、主に位置関係だけ興味があって流し読んだ(各シャトーの位置までは試験には出ないと思うけど)。しかし、内陸部のほうへと言ったって、どちらが内陸部かわからないし、たぶん東のほうだろうと思うけど、左のほうにそれと言っても逆じゃないのとか思って、シャトーの位置図をどこからかダウンロードさせてもらって確認するほかない。実際3年前に銘酒街道をサンテステフまで北進したのだが、記憶にあるのは街道ぞいに派手に存在するシャトーくらいで、わき道にそれたシャトーはちょっと見当がつかないのである。
 しかし、これまでTWSで配布された資料もクリーンファイルに整理したし、とても有益な2時間であった。



その10   2003.3.15

宅勉二日目。今日はPauillacの5級シャトー12個(ダルマくれる?ホントかね?ランランバタバタグラングラン黒オーバーペッです)とマルゴー3,4,5級すべて(キルヴァン爺さん茶髪の少年とパルメくわえてディスコ行く。まれに丸テツです。プープマル。ドーデ)マルゴーはAOCマルゴーと村名が一致しないのでマルゴー村以外の村については覚えなければならない。次に、オーメドックのすべて(ララギューン通るかね、関東ベルカマ)ここもAOCオーメドックと村名がすべて異なるので覚える。
 ポイヤックを勉強しているとジロンド川沿いを・・という標記がある。フランスに行ったときにコルディアンバージュでのディナーの時間までに散歩をしたときのことを思い出した。ジロンド川を見に行こうとメンバーと連れたって行ったのである。ものすごい広大な川でまさに海のようだったことを思い出した。そして先日の疑問。内陸部というのはジロンド川とは反対の方つまり西側のほうというのが判明。
 ここまで勉強したところで昼飯の時間。かなり煮詰まってしまう。だんだん受験勉強してるなあという雰囲気。とだで吉田のうどんを食べた後、Y先生のところへ資料を届けたり、そのついでにエストでテニスをやったりして気分転換。テニスはかなり久しぶり。完璧におなかがだぶついていて重い。
 午後の部はボルドーの地図と赤白ワインの下調べというか、ならし運転。あと1週間あるが、とても完璧には覚えられないので、まあ下地つくりくらいの気持ちですね。ボルドーの37個の地名を覚えるのも大変だなあ。だって、日本の県名ですら、中国地方とか東北地方とかちゃんと言えるか自信ないですもんね。「最初の関門」というのがだんだん身にしみてきた。



その11 2003.3.16

今日も宅勉。サンジュリアン2級やポイヤック2級、サンテステフ全級の記憶をする。
また、61シャトーの暗記用についに単語カードを購入。
シャトー名から、AOC、村名、級が言えるようになるのが理想ということで表面にシャトー名、裏面にAOC、村名、級、セカンドワイン名、語呂を記載する。大体3時間くらいで出来上がる。じっと座って書き物をしているので腰に悪い。なおセカンドワイン名は2次試験対策ということであるが、又書くのも大変だから、ついでに書き加えておいた。 今週はこの単語カードで61シャトーを覚えて、後地理の問題と、色の分別の暗記。



その12 2003.3.23

昨日はTWSの8回目。
 いよいよエキスパート1次試験の日程が発表に。8月25日の月曜日。あと5ヶ月で本番。ちょっとだけ身が引き締まった気が・・・。ちなみに2次は9月16日です。詳しくはソムリエ協会のHPを参照のこと。

 今回のメインはボルドーその1の小テスト。
 結局、61シャトーはごろで全部記憶でき、特にマルゴーとオーメドックは村名まで覚えなければならないのですが知佐先生のごろは村にいたるまでちゃんと法則性があったので覚えやすかった(その法則性までは講義では教えてくれなかったけど)。
 37個?の地名
も最初こんなの全部覚えられるかぁ〜と思ったのですが、結局自分なりにごろを作り覚えました。ごろを作るのは長い受験生活で身についていますのでこう言ってはなんですが得意です。
 最後の赤白のカラーについて、どうしようかと最後まで悩みました。ごろにはできそうもないし・・。当日の朝掲示板に書いたときはそれゆえ気分がブルーだと書いたのですが、先生が白地図をカラー別に色分けするといいというのを思い出し、その場でさっと色分けするとかなり法則性が顕著でばらばらではなかったので、これはよかったと一安心。一応課題はすべてクリアーしましたので行きの電車の中でも心が軽やかになりました。結果、小テストも3個くらい間違えただけでしたのでまずはよかった。

 昨日のボルドー2はグラーブ、ソーテルヌ、サンテミリオン、ポムロムの勘所を講義。
 その後テイスティング。赤4種類に白1種類。今回はかなり時間があったので、本格的にテイスティングしてほしいということで、かなり細かいテイスティングコメントまで求められた。しかし、主題はCSとMの区別。CSの方がタンニンが強く、ミントやユーカリのようなスーとした香りが顕著で、これに比してMの方がタンニンが優しく、果実実に富み、土のような香りがあるということ。この違いは両方が混ざっているせいかいつも惑わされます。初印象のものが正解だったのですが、隣のワイン専門店にお勤めのお友達が自分はこっちだと思うというので引きづられてしまいました。初印象が大事だといういい教訓だったかもしれません。あと今日勉強になったのは、ガーネットとルビーの区別。専門の宝石業者によると一口にガーネットやルビーと言ってもいろいろな色合いがあるので、どちらがどの色ということはないということであるが、一応田崎サロンではボルドーカラーのほうがガーネット、ブルゴーニュカラーのほうがルビーと表現するということでそういう決めにしておいてもらったほうがわかりやすい。また、一般にポムロムのほうがサンテミリオンよりも力強いと言われているということも参考になる。次回はいよいよまた暗記の多いブルゴーニュ。今週中から始めておこう。



その13 2003.3.31

 おとといはTWSの9回目。最初の小テストは、グラーブ、ソーテルヌ、サンテミリオン、ポムロムについて、格付け1級以上のものを全部暗記するのがメイン。むろんポムロムは慣習上の格付け。前回の圧倒的な暗記量に比較するとけっこう満点者が続出した。
 私は当日夜のイタリアワインの夕べに向けて、電車のなかでイタリアの教本を読んでいたものだから、満点はかなわず、まだパーフェクトはありません。
 
 講義は今日1日でブルゴーニュにすべて目を通す。使用可能葡萄品種、ブルゴーニュ6地区の位置、各地区のAOC名、グランドクリュ、カラー、6地区に対応する県名、モノポール、村名AOCの地図上の位置の確認等が課題。

 さて、いろいろワイン用語を勉強してくるといろいろな使い方をする御仁がでてくるようで、口説き文句として、「君は僕のモノポールだよ」とか、男同士で女性の品定めをするとき?「彼女はグランクリュ」とか「ま、ヴィラージュかな」とかだそうだ・・・。

 さて、テイスティングであるが、白がアリゴテ、シャブリ、どこかの村のワインの3種、赤がボジョレー、ニュイ、ボーヌの3種。白の村名、赤の村名もあてよとのテスト。本日の出来は散々でショックを受ける。アリゴテとシャブリと間違うし、ボジョレーとピノを間違えそうになるし、ひどすぎ。アリゴテは酸味がすごいという印象があったが、シャブリのほうが酸味が強かった。アリゴテはピエールモレの00で出来がすごくよかったせいもあるかも。ボジョレーもクリュボジョレーしかも最も強いといわれているムーランナヴァンでここまで来るとブルゴーニュとほとんど変わらない。実際、色合いも他の2本と比べて一番濃かった始末。かろうじて他のメンバーがこちらじゃないかと言わないと間違えていた。特有の佐久間のイチゴドロップの香りもかろうじて読み取れる程度であったし・・。またニュイとボーヌも間違えた。ニュイはMMのヴォーヌロマネ1級。これが一番色が薄かったのである。これが2次試験であるなら、たぶん不合格。よかった・・。

 さて、濱田先生は明日からボルドー研修ということで、1週間お休み。
 今日はちさぽん会(濱田先生のお誕生日パーティー)へ出席申し込みもしてきた。例年200人規模で行われる大ワイン会である。本講座の先輩である川島なお美さんが来られたり、日本1になった阿部先生が英語でコメントを述べる(ご本人には知らされていない)などの余興?もたくさん用意されているようで、一人1本ワインを持っていくシステム。私はお友達とお金を出し合ってワインを用意することにした。当日の様子はまた本編のほうにアップしておきます。