2003年10月の受験日誌


その65 2003.10.1 

 合格通知が本日届きました。パチパチパチ。8ヶ月の苦労が実を結び、うれしい限り。努力は報いられるなあと思った。2万円の振込をして認定登録申請書を送れば、認定証、認定バッジ。認定登録カードが11月中旬には届くのだそうだ。


  
  

 
その66 2003.10.6

 師匠濱田知佐先生が第2回の「キュヴェ・ルイーズ・ポメリー ソムリエ コンテスト」(メルシャン主催)で本日5人の公開決勝に残り、そして、優勝しました。本当におめでとうございます。
 
 日本一になった阿部先生といい、濱田先生といい、田崎サロンはすごいなあ。
 ちなみに去年の優勝者はミクニ丸の内の山本諭さん、3位がル・ブルギニョンの広瀬さんでした。
 あさって、ちょうどルイーズを飲ませていただく予定ですので、師匠へのお祝いの乾杯を心の中でしておきます。



その67 2003.10.08  ワインエキスパート受験後記

  ちょっとバッジが届くまでに時間がかかるみたいなので、先に書いてしまいます。
  まず、私のワイン歴からお話しします。私がワインにはまったのは1998年の夏頃であると思います(もう5年たった!)。
 某所において、おいしい南仏ワインを飲ませていただいたのが最初です。元来酒好きだったのですが、モラトリアムが長すぎて、ワインを飲む身分ではなかったこと、モラトリアムから開けてもどちらかというと日本酒大吟醸とかおいしい泡盛なんかを好んで飲んでいたので、ワインにはまるのが遅れたのであろう。それまでの常温保存の甲州ワインをおいしいものではないと思っていた点もワインを遅らせたポイントであったかもしれない。まあ、その南仏ワインは小売にすれば2000円前後のワインだったと思いますが、ものすごくおいしいものだと思ったのです。南仏赤の好みはいまだに刷り込みとして残っています。

 ワインにはまったころはほんとに物に取り付かれたようにワインに関連する書物や雑誌を読みふけりました。大抵の男の子が電車の本とかに夢中になるのと同じように・・・。図書館で借りた本も含めれば20冊を優に越すのではないでしょうか。
 田崎先生のワインライフ創刊号の94年61シャトーの全紹介、コスディストールネルのヴァーティカルテイスティングなんかは食い入るように見つめていました。
 また、田崎サロンを卒業しエキスパート資格を取得した永井美奈子さんの本(「ベランダでワイン」)や川島なお美さんの本(「フルボディ」)なんかも数多くのワインの本と同様楽しく読んだ本です。たまたまお二人とも同じく知佐先生が師匠だったことも今回サロンにお世話になった大きなきっかけになったと思います。
 そんなわけで読者の皆さんは想像がつくと思いますが、ワインクレージーな生活が徐々に始まっていったのです。フレンチレストランでワインを頼むのが楽しくなっていったし、自宅でも飲むべくおいしいデイリーワインを探してお店をうろついたり、ネットショッピングしたりというわけです。

 そんな中で、3年くらい前に甲府にワインスクールが来るという話を聞いたのです。JOYワインスクールという渋谷の学校の井上充浩先生が月に一回出張してきてくれて教えてくださるということでした。それでせっかくのチャンスなので受講することにしたのです。
 最初の1年間は主にワインの作り方がメインだったと思います。白赤の若飲みワインと熟成させるワイン、さらに、ロゼワイン、甘口ワインという感じで説明してくれたのだと思う。目からうろこのお話ばかりで、そうかあ、ワインってこうやって作るんだあと感心することばかりでした。ですから、ここのところは復習もしたりしてノートを作りなおしたりしたので、田崎サロンでもフランスワインに入るまでの前半6回くらいはほとんど予習復習をしなかったのです。
 JOYの2年目は各国ワインの特徴ということで主要生産国を少しずつ教えてもらいました。ワインだけではなく、その国の歴史なども踏まえて勉強するので世界史も楽しいなあと思うようになったものです。井上先生(先生というと怒られます。「あっくん」と呼んでと本人は言ってます。笑)の漫才のような講義は初心者である私達にはとても入りやすい楽しいお話ばかりでした。
 
 それでワインに対する考えや知識が徐々に熟成していったのでしょう(笑)、今年受験しようと思ったきっかけですが、ワイン仲間もこのころからさらに増えて、去年認定試験に合格した女性もいて、自分もやってみるかと思ったこともありますし、一緒に試験受けましょうと言ってくださった御夫婦がいたこともさらにはげみになりました。

 そしてスクールを検討しだしたのです。先ほど述べた永井さんや川島さん(同じヴィンテージ!)の影響やよくワイン会のとき取り寄せていたフェルミエさんが1階にあったということもあって、結局、田崎サロンにお世話になることにしました。フェルミエさんでは毎週チーズを買って帰ることができてよかったです。いろいろなチーズをいい状態で食べることができ、普段の食卓がとても豊かになりました。

 いろいろな伏線があって、ここまで来たわけで、出会いとかタイミングとかなにか少しずつ異なっていれば、今とは違った展開になっていたかもしれないから人生って不思議だなと思います。

 そして、以降はこの日誌に書いてきたとおりです。
 試験を受けるにあたっての目標は、弱音をはかないことという1点にありました。以前受けた試験はしんどすぎて、弱音の連続だったので、今回はせめて余裕をもって受験しようと思ったのです。

 勉強はそれなりに一生懸命やりましたが、一番大変だったのは3月のボルドーであろうというのがサロンの仲間の共通の感想でした。さすがにこのときは煮詰まりました。

 さて、サロンで勉強していて、とてもよかったのは何よりも一緒に勉強する仲間ができたことです。自然発生的に8人のグループができて、メールを「全員に送信」で、毎日メーリングリスト状態で、昨日はどんなワイン飲んだとか、勉強のだじゃれを交換したり、たわいもないメールを送ったり、そして、たまには飲んだり、どんなにはげまされたかしれません。
 そして、師匠の濱田先生。面白くてしかもポイントを押さえた講義で、よくあれだけの情報量をわかりやすく楽しく教えられるものだといつも感心してました。この方は間違いなく優れた教師であると思います。最後までついていけば必ず合格させてくれます。今回、ソムリエコンテストで優勝されましたが、日本一になっても、世界一になっても、教えることをやめないというのが、サロンの伝統だと思いますので、きっと、来年も認定講座を続けてくれると思います。

 独学でやっていたら、たぶん途中というか最初の段階で挫折したと思いますので、私の場合は、スクールに通ってよかったと思っています。
 ワインの世界における共通言語みたいなものがこの試験を通じて、少し垣間見れた気がします。ソムリエの人たちが同じ試験を受けてきたんだと分かるだけでも、違います。気心がしれるというか。

 皆さんおっしゃるように資格をとったから、急にどうなるというものではありませんが、1年弱にしろ気合を入れてそれなりにたくさん勉強したなあという気持だけは残っていますので、今後のワイン人生のはげみになるだろうと思っています。それと同時にエキスパートとしての責任も感じてきています。名前に恥じないようにしなければならないと思っています。そういう意味では力を維持するためにもワインの勉強を続けて行きたいなあと思っています。
 はてさてこの先どのようなワイン人生が広がっていることやら、とても楽しみです。

 というわけで、これくらいにしておきます。
 あまり参考にならないかもしれませんが、リアルタイムで受験勉強や受験の様子を伝えるという当初の目標は達成できたかもしれません。御笑覧いただければ、光栄です。



2003.11.15  じゃーん。バッジが届きました。

  結構大きくて、どういう機会につけたらいいのか悩んでしまいます。後ろには認定番号が刻まれています。今年600人程度が合格し、早めに出した私が2500番台ですので、これまで3000人前後のエキスパートが誕生していることになります。一緒に届いた認定証はA4サイズです。ちょっと昔よりも小さくなったようです。このほかにクレジットカードみたいな認定カードと、機関紙「ソムリエ」(合格者の一覧がついている号)が、合格者全員に配られます。

 というわけで、この日誌も一応完結しました。めでたし、めでたし。