マールの造り方

3大マールといわれるのが、次の3種。それぞれ造り方が異なる。

@マール・ド・ブルゴーニュ
 通常は赤ワインの葡萄の絞りかすで作る。赤ワインの仕込みを終わり漬け込み終わった葡萄を絞る。きっちりと絞るので、水分はほとんどない土みたいな糟(かす)になる。これを蒸留場に持っていく。
 ここから先どうやって作るかはあまり情報がないのであるが、田崎さんによると、この段階で、葡萄の絞りかすにはアルコール分がある程度残っている(4〜5%)。正解はここから糟を蒸すのだそうだ。アルコールが気化するので、これを直接蒸留し、マールが出来上がるのだそうだ。
 大抵のブルゴーニュのドメーヌは、蒸留場に糟を持っていき、蒸留場ではそれを一箇所に集めておき、ブルドーザーで蒸留器に放り込んで、あちこちのドメーヌの糟を一緒くたに蒸留し、それで出来たマールを出した糟のキロ数に応じてドメーヌに分配するのだそうだ。そしてこれを各ドメーヌで樽熟させるのだという。
 むろんDRCとかには自前の蒸留設備があるので他ドメーヌと混ざることはないのでご安心をということだ。

Aマール・ダルザス・ゲヴェルツトラミネール
 こちらは白葡萄であるので、絞りかすにはアルコール分が残らない。したがって、直接蒸留しても、うまくいかない。では、どうするか。何と正解は、発酵後の澱を使うのだそうだ。それで第1アロマ、葡萄のフレーヴァーが残ったマールができるという。

Bマール・ド・シャンパーニュ
 ここではシャンパーニュ特有のものを使うのが特徴。澱を使うのはアルザスと同様であるが、デゴルジュマンしたとき排出される冷凍澱も使われる。巨大シャンパンハウスから排出されるデゴルジュマン時の澱の量はばかにならないそうで、これをシャンパーニュ地方に1箇所ある蒸留場でまとめて蒸留するのだそう。