国産ワイン・甲州ワインの消費拡大に向けて

覚書その1(2004.3.30)

ワイン生産者の立場

 コストの問題、経営の問題、ワイナリーの姿勢の問題(何を主として追及しているのか、利益か、素晴らしいワインを作りたいのか、熟成についての考え)、輸入ワイン(バルク)を使ってワインを製造するということについてどのような考えているか。ワインの販売価格についてどう考えているか。安くする方策はあるのか。自家栽培が増えていく方向にあるのか、地元の葡萄栽培農家への栽培の注文などはどのようにしているのか。国産葡萄のポテンシャルについてどう考えているか、ポテンシャルを上げる(先天的に、技術的に)ためにどのようなことが考えられるか。

ブドウ栽培農家の立場

 国産葡萄を作ること、ヴィニフェラ品種を作ることの難易、棚式、垣根式の作り方の長短、比較、ぶどうの販売価格、買い上げ価格はどうなのか、山梨や日本は葡萄の栽培という面ではどのような苦労があるのか、それを回避するためにどのような工夫がなされているか、そのための設備投資に行政等でお金を貸してくれる制度があるか、天候が不良なこの地でどうやって、いい葡萄を作るというのか、生産過剰な場合、行政で買い上げをどれくらいしてくれるのか。天候の対策としてどのようなことを考えているか。今後葡萄農家として存続していけないからと葡萄の焼却処分をしていた農家がいたが、どう思うか。

ワイン販売店の立場

 甲州ワインと輸入ワインどちらを売る方が楽か、おみやげとしての甲州ワインどのような販売展開をしているのか、お客さんにどのようにして甲州ワインを勧めているのか。地元ワイナリーとの付き合いによって、甲州ワインの販売展開にどのような影響があるか。買い付けについてはどのようなルートによっているか。蔵を訪問するなどして新規に優れたワインを把握しようという努力がなされているか。甲州ワインの販売価格についてどのように考えるか。山梨県外のワイン販売店の場合 甲州ワインを置くつもりはあるか、どのような販売イメージを持っているか。駅売りのワインについて。どのような工夫をすべきか、自販機の設置、電車の車内販売について工夫はできないか。瓶、缶、紙製容器。

行政

 生産過剰な葡萄の買い入れ、甲州ぶどうの消費拡大のための活性化としてどのような実践をなしているか、広告宣伝としてどのようなことをおこなっているか、ワイナリーとの関係では甲州ワインの消費拡大のためのなんらかの指導がなされているか。なしているか。栽培農家、ワイナリーの設備投資について何か援助するような方策があるか。

ソムリエ、山梨のレストランオーナー

 東京のレストラン:そもそも甲州ワインを用意しているか。今後甲州ワインを置く気持ちはあるか。どのようにしてレストランで甲州ワインを薦めているか。

 山梨のレストラン:甲州ワインを置いているとしてどのように薦めているか。

 甲州ワインを置くことで客層の増加を認めるか、どのような単価設定にしたらいいのか、フランス料理の場合、甲州ワインと料理との相性をどのように考えているのか。甘口ないし中甘口の甲州種ワインをもっと活用できないか。たとえばグラスで売るなどする工夫は考えられないか。

結婚式場・ホテル

 甲州ワインについて、特定の蔵元との取引に限定されていないか、ときに結婚式のワイン=おいしくないとの評価がなされることがあるがこれについてどのように考えているのか、よいリーズナブルでおいしい甲州ワインを探す努力ができるか、するつもりがあるか。県外からのお客さんも多く和食が結婚式で多いとすれば、甲州ワインのイメージアップにつながると思うが、式場にソムリエがいた場合、経営者やオーナーに甲州ワインについてなんらかの直訴ができるか。

学識経験者

 栽培醸造の研究と平行して、甲州ワインの消費拡大に関する研究をアカデミックに行なう体勢がどこまででなされているか、そもそもそのような研究科目があるのか、外国ワインよりも、国産ワインのほうが研究対象としてなじみがあると思うが、専門でないとしてもこの問題(国産ワインの消費拡大の諸方策)を個別にどのように考えているか、ジャパンワインチャレンジのフリートークでこの問題をとりあげたこともあり、今後シンポジウムを主宰していく可能性があるのかどうか。葡萄品種の改良についてどのように今後山梨日本の土壌に適する葡萄品種を作っていくか、微生物酵母的に甲州ぶどうについてより適する研究としてどのような試みがあるのか。

ワインジャーナリスト

 外国のワインの取材が多くて、日本のワインの取材が少ない原因はどこらへんにあるのか、どうしたらジャーナリズムでもっと取り上げる気になるのか、日本のワインについても取り上げるのは特定少数の蔵に偏りがちであるが、底辺拡大のためにジャーナリズムとしてどのようなことができるのか。

種苗業者

 ワインの苗の販売を通して、葡萄栽培農家等とのつきあいが深いと思うが、国産葡萄苗の限界というようなものがあるのか、今後の栽培面積として、外国産(ヴィニフェラ種)と国産葡萄の推移についてどのように考えているか、天候や品種としてのポテンシャルについて、甲州ぶどうをどのように考えていくべきか、そもそもポテンシャルの自体の改良は望めないのか、先天的・遺伝子的に品種改良を考えることができるか。

消費者

 なぜ甲州ワインを飲まないのか、どうしたら甲州ワインを飲んでもらえるか、値段が高いのか、おいしくないのか。普段の食事に外国産ワインは合うか。お中元お歳暮に甲州ワインをもらったら、どうするか(積極的に飲むか)、近くの販売店で甲州ワインは簡単に買えるか、アドバイスをその店はしてくれるか、あるいは説明できる人がいなくても、説明する文書などがおいてあるか、近くのお寿司屋さんにワインは置いてあるか。