2003 ローヌ

2003年は暑く乾燥した年でした。。盛夏に向かうにつれ熱暑の波及効果はドラマチックになっていきました。40℃を超える日が10日続いた7月の終わり頃には地下水の水位がかなり下がっていたことを確認しています。これらの要因で、ブドウの熟成は可及的に加速されました。収穫は例年より1ヶ月早かった。ブドウが干からびるほどのところもあった。収穫量は少なく、全般的に全アペラシオンをみると例年の50〜70%の落ち込みでした。 しかしローヌ地方のブドウ品種全ての品質は、嬉しいことにどのAOCもみな並外れてすばらしいものでした。北 部ローヌのシラーは非常に凝縮感のある安定したワインになるでしょう。 タンニンの骨格は力強く、きめこまかく、今夏の暑さの影響で得た、みずみずしい果実味と高い潜在アルコール度数が今年のヴィンテージの特徴です。 エルミタージュの潜在アルコール度数は14.5度、コート・ロティは14度と推定されます。マルサンヌ種に関しては、ワインはコクがありまろやかで、類まれな長い後味があります。酸度は近年のヴィンテージに比べて低いですが、それによってワインの長命性に疑問を抱かせることはありません。 なぜならば、乾燥されたエキスの存在と高品質が、調和のとれたバランスを形成しているからです。
南部のシャトー・ヌフ・ド・パプとルーション地域では、グルナッシュ種、シラー種とカリニャン種は暑さに負けませんでした。 それどころか、糖度の高さとタンニンが熟しきっていないという二つのアンバランスを修正する為に、(他地域が軒並み収穫時期を前倒しするのに比して)収穫を2,3日先延ばししました。 北部地区と同じように、シャトー・ヌフ・ド・パプでは立派に成長した濃い色のワインを誇っており、豊富なタンニンが当地のグルナッシュ種を特徴づける、典型的な熟した赤い果実味をワインに与えています。結論として言えば、2003年ヴィンテージは力強さだけでなくきわめて得がたい品質で、ボトリングされてからも相当長命になるものとして、長く記憶されるでしょう。