1999 ローヌ

コート・デュ・ローヌ 北部: シラーは良好
<天候・収穫状況>
8月の適当な降雨が糖分の濃度上昇を助け、また、その豊富な収穫量にもかかわらず、ブドウの熟成具合に遅れはありませんでした。さらに、水不足が良い酸味の濃度を持続することを助け、そして普段は非常に乾燥した丘側の地域では、夏後半の暑い期間を通して光合成が続けられ、シラー種の色づきや、ポリフェノールの含有量を増加することを促進しました。
9月12日、収穫量が少な目の1998年とほとんど同じ日付けです。まず、エルミタージュのマルサンヌ種の収穫を開始し、その時の潜在アルコール度数は14%でした。黒ブドウ、白ブドウともに、9月後半のひどい降雨にもかかわらず(19日と20日には100mm以上の降雨)、収穫期の衛生状態は大変すばらしいものでした。その後、ブドウの果実を再凝縮させるためには、単に収穫時期を遅らせることでした。
<ブドウの成熟状況>
1999年は忘れられないヴィンテージのひとつとなるでしょう。かつて言われていたような ”質か、量か” という言葉は、もう当てはまらないでしょう。 今年のシラー種のワインは大変色づきが良く、97や98ヴィンテージよりも高い酸度を持ち、また、赤い果実の風味をさらに強くしています。1998ヴィンテージと比べると、タンニンより色づきが濃く、また、幾分多めの収穫量を考慮にいれると、ブドウの熟成度は、驚くべきことです。
白ワインは未だアルコール醗酵を続けていますが、大変熟成度の高いブドウによる良い凝縮感があり、とてもフレッシュなワインとなるでしょう。全てのマルサンヌ種が潜在アルコール度数13°以上で収穫されました。
コート・デュ・ローヌ 南部: より例年並の結果
<天候・収穫状況>
ローヌ河流域の南部でも、8月に雨を受けましたが、その影響は北部と比べると、あまり好ましいものではありませんでした。ブドウの衛生状態は収穫始めには、熟成状態も好ましく、良いものでしたが、9月後半の雨量が多く、それはいくらかのダメージを与えました。よって、今年はグルナッシュから最良のブドウを得るために、葉をまばらにするなど適切な栽培方法を行いました。収穫は繊細に注意を払い緻密な手摘みをどうにか成し遂げることが出来ました。それは、今年の成功につながると私たちは信じています。
<ブドウの成熟状況>
シャトーヌフ・ド・パプは、たとえその凝縮度が1998年ほど高くはないにしても、ワインは良い色合いを示し、フルボディに仕上がり、赤い果実を思わせる濃厚なアロマを持っています。