独り言にもほどが有る

 

前回、前々回とパソコンの話をしたわけですが、なんとなく2回目までの文章と雰囲気が違ったと思いませんか?

思った人、正解。

思ってない人、私の表現力の無さを責めよ。

というわけで、3回目から文章のスタイルをちょっと変えてみたわけです。

 

実はこのようなスタイルは突然思いついたわけではなくて、当初の予定ではこういう随筆っぽいものを書くことになっていたのでした。

ところが最初は軽めでとっつきやすいものをとか、日誌との差別化を、なんて考えて出来たものがアレ。

下手の考え休むに似たり、といったところでしょうか?

ついでに言うと、当初目指していたのが「徒然草」や「枕草子」、今で言えば「天声人語」のようなもの。

それに合わせてタイトルも「徒然糞」「枕精子」「天声チンポ」など考えていたのですが、どれもボツ。

理由は推して知るべしといったところですな。

 

ところで前述の「徒然草」の作者「吉田兼好」。

彼は非常に孤独を好む人物だったらしく、「徒然草」にも孤独万歳!みたいな文章が幾つか見られます。

隊長も一人でいることが多いのだが、それは孤独好きなのではなく人望が無いからである。

そういう意味では、自ら孤独を選ぶ吉田兼好氏は勇気有る人物と言えるでしょう。

とりあえずその一例を紹介します、ちなみに徒然草75段です。

あ、別に面倒なら読む必要は無いですよ。

 

つれづれわぶる人は、いかなる心ならん。まぎるゝ方なく、たゞひとりあるのみこそよけれ。
    世に従へば、心、外の塵に奪はれて惑ひ易く、人に交れば、言葉、よその聞きに随ひて、さながら、心にあらず。
人に戯れ、物に争ひ、一度は恨み、一度は喜ぶ。
その事、定まれる事なし。
分別みだりに起りて、得失止む時なし。惑ひの上に酔へり。
酔ひの中に夢をなす。走りて急がはしく、ほれて忘れたる事、人皆かくの如し。
   未だ、まことの道を知らずとも、縁を離れて身を閑かにし、事にあづからずして心を安くせんこそ、しばらく楽しぶとも言ひつべけれ。
「生活・人事・伎能・学問等の諸縁を止めよ」とこそ、摩訶止観にも侍れ。

 

 (適当に訳)

   人と一緒にいると、欲が生まれたり周りに合わせたりして自分を失っていっちゃいます。

   俗世間から離れて一人でいるのってとっても自然だし素敵なことね。

   孤独万歳!

 

訳は超適当で合ってるかどうかも怪しいですが、イメージとしては大体合ってると思います。

彼はたった一人でこんな文章を書いて暮らしていたわけで、彼の余程の孤独好きがうかがえるというものでしょう。

聞いてくれるのは向かった紙と硯のみ、独り言にもほどがあるってなもんです。

しかもそんな文章が都で大人気だったりするんですから、世の中わかんないもんですよね。

ま、読んでもらえるだけ私よりはマシですか・・・・・

 

・・・って私と比べたら作者に悪いですね。

ごめんな、吉田。