まったくパソコンってやつは(前編)

 

先日私のパソコンがぶっこわれたんで直した。

と言っても勝手に直ったとか、ぶっ叩いたら直ったとかではない。

ちゃんとパーツ買ってきて付け替えて、とやって直したのである。

まあ、作業をやったのは99%チキン隊員なのだが・・・。

 

もともと私のパソコンは友人から譲ってもらったもので、数年前にそのスペックに物足りなくなって買い換えたのである。

パーツは電源やケースも含めてほとんど全とっかえ、当時最新より少し劣る程度のパーツを集めて作りあげた。

当時は電源の企画の主流が変わって間もない頃で、元のパソコンはウィンドウズで「電源を切れる状態にする」を選んでも電源が落ちず

自分で歩いていって(パソコンはディスプレイより少し離れた場所においてあった)電源を切らねばならぬお粗末な品であった。

しかし今度のニューマシーン様は違った。

なんと自動的に電源が切れるのである。

ああ、素晴らしきは文明の進歩なりかな、当時の私はこんな些細なことにも感動を覚えたものである。

さらに電源に関して、このニューマシーンには素晴らしい機能がついていた。

外付けモデムの電源を入れると、自動的にパソコン本体の電源も入るのである。

当時私がパソコンのスイッチを入れる時といえばインターネットを使うときだったので、この機能は多いにありがたかった。

今までは別々に入れなければならなかった電源が、一度の動作で両方オンできる。

なんと頼もしきかな文明の進歩。

私はこの素晴らしき利便性を友人達に吹聴して回ったものである。

・・・ところがそこでの友人達の反応は思ったものと違っていた。

そんな機能は新しい電源にもついていないと言うのである。

このとき私は思った。

この素晴らしき利便性は、外付けモデムを利用している私にのみ与えられた言わば天からの贈り物なのである、と。

ああ、今まで外付けのモデムを利用してきて本当に良かった。

こんな素敵な体験をしている人間は日本でもほんのわずか、いや、世界でも一握りの人間だけかもしれないぞ。

こうして私は素晴らしきニューマシーン様にさらに惚れ込んでいったのであった。

 

それから時は過ぎ、今より一月程前のこと。

すでにニューマシーンとは呼ばなくなった我がパソコンに異変の兆候が現れた。

モデムの電源を入れても本体の電源が入らない!

正確に言えば「電源は入るのだが起動しない」のである。

私は非常に困った、非常に困ったので試しにリセットスイッチを押してみた。

起動した。

なーんだ、それだけか、ビックリした。

その時はそう思っただけであった。

しかし以後、我がパソコンは必ず一度リセットを押さないと起動しなくなったのである。

そしてさらに2週間程の時が過ぎる。

そろそろ「電源入れてから一回リセットして起動」の状態に慣れてきた私は、いつものようにリセットを押した。

・・・・・起動しない。

あせった私はもう一度リセットを押してみる。

・・・・・起動した。

いちおう起動はした、しかしさすがに私もヤバイと感じ始める。

感じ始めるが何もしない、面倒くさいから。

そして数日後、我がパソコンはついに「何度リセットしようが起動しない状態」となる。

要するにぶっ壊れたのである。

まさに“ついに”というべきであろう。

こうなることは予想できていた。

パーツの買い替え時が来たな、と言う程度の認識。

一つ二つ買い換えれば直るだろう、と言う程度の認識。

しかし、この軽い考えが大きな間違いであると後になって思い知らされるのであった。

 

 

後編に続く

 

 

ここまで書いてみて、ずいぶんと文章が長くなっていることに気付いた。

よってここで一度打ち切り、以後は後編に続くものとする。

後編は近日アップの予定。

あくまで予定。