NHK‐BS番組「グランドキャニオン・トレッキング」でさゆりさん素敵な体験
〜さゆり倶楽部 23号掲載〜



旅のメインはグランドキャニオン南北横断の4日間トレッキング…

 石川さゆりさんは8月1日、NHK−BS番組収録のためにグランドキャニオンのコロラド渓谷南北横断トレッキングへ旅立ちました。
 日本からの長旅で、まずはユタ州都ソルトレイクシティーに着いた一行は、ここからアーチズ国立公園近くの町「モアブ」に移動。ここでさゆりさんを含め撮影クルー全11名が集結。翌現地日付8月2日はアーチズ国立公園のさまざまなアーチを巡るトレッキングを開始。ここには1700のアーチがあってデリケートアーチ、ダブルアーチ、ランドスケープアーチなどを見学。大自然が残した不思議な彫刻に、さゆりさんは大きな目をさらに見開いて驚嘆の連続。さゆりさん、日本から持参のトレッキングシューズが合わず、早々にスニーカーに履き替えでした。アーチズの撮影を終えた一行は、アリゾナ州北部のレイクパウエル(人造湖)で有名な町「ペイジ」に宿泊。
 3日はレイクパウエルを撮影後、アンテロープキャニオンへ移動。この入り口は岩に空いたスリットが有名で、キャニオン全長は約100メートル。ここからラフティング(ボートの川下り)。何年振りかの大雨があって、ボートからそれは珍しい滝も見学でした。一行はいよいよグランドキャニオン北壁の入口、ジェイコブ湖のロッジに到着。ここで明日からの渓谷横断(北から南へ)のガイドさん(ハリス氏とカニングハム氏)と合流し、キャンプ・トレッキングの説明を受けて就寝。
 4日、北からグランドキャニオンを望む絶景ポイントを巡ったのち、いよいよ横断トレッキング開始。さゆりさん、渓谷を目指して下る・下るの強行軍。しかし目的のコットンウッド・キャンプ場に着けず、水の番人で画家のブルースさんの庭を拝借してテント設営。
 5日も渓谷の谷底を目指してひたすら歩って、遂にコロラド河へ。ウム、ン億年の化石を発見?今日は無事にキャンプ場に到着でした。
 6日、渓谷下のトレッキングが続いて、3日目のキャンプ。漆黒、星、河と動物の音…さゆりさん大自然について思索の夜…。
 7日、今度はヒィー・ヒィー言いつつ登って・登ってサウスリムへ。ここはビジターセンター、ホテル、ギフトショップ、博物館などが集まるグランドキャニオン観光の基地。さゆりさん、久し振りのホテル宿泊でホッ。
 8日、朝5時にホテルを出発し、ビューポイントのあちらこちらでラストシーンを撮影で無事終了。ここからラスベガスを経て、日本への長旅再び…でした。(お断り:このレポートは番組内容とは違います。番組放映にご期待下さい)

大自然に抱かれ、人として歌手として原点を見つめる素敵な体験を…

 帰国したさゆりさんに、今回の旅の感想を語っていただきました。さゆりさんのこと、旅から大切なさまざまを感じ、学んで来たようです…。
(以下、さゆりさん談)
 いつも冷房、暖房の効いた建物の中で暮らしている私たちは、時に大自然の中に身を置いてみることも大切だなぁ、と思っています。今回のロケは、私にそんな貴重で素晴らしい機会を与えて下さいました。
 旅のメインは、北からグランドキャニオンの渓谷に入って、こっちが3億年前、あっちが24億年前の地層だったりする太古が息づく大自然に包まれて「自分はなんと小さな、点にもならない存在ではないか」と感じつつのトレッキング&テント生活です。
「あぁ、夜ってこんなに真っ暗だったんだ」「夜空にはこんなに星が輝いていたんだ」…と忘れていた自然の再発見・再認識の連続だったと同時に、一日一人3リットルほどのお水制限もあって、改めて水の大切さを痛感し、また国立公園内の4日間のキャンプ生活のゴミはすべて持ち帰りで“ゴミや環境問題”も考えさせられました。
 また普段は歌を創り、ステージを創ったりで大勢のスタッフと仕事をしていますが、まったく畑違いの生活をし、価値観も違う、それでいて素敵な生き方をしている多くの方々とも出会って、またひとつ視野が広がったと思っています。
 コロラド河を渡って、ヒィヒィー言いながら南側の渓谷を登り切れば、そこは土産屋、ホテルもある観光基地で、24億年前の世界からタイムスリップして現実に戻る、そんな不思議で面白い体験から、こんな事も痛感させられました。その一つは、渓谷の上の方に棲息している鹿たちは人から餌をもらうものですから肥えていて、一方、渓谷の下で生きている鹿は過酷な自然の中で自力で一生懸命に生きていて、もうガリガリに痩せているけれどもピーンと意識を張ってイキイキしているんです。言うまでもなく鹿の本来の姿は後者で、それが地に足をつけた生き方で、私もボーッとして生きていたら、肥えた鹿になっちゃう(笑い)。そうならないように敏感な感覚、意識が必要なんだなぁと反省です。
 また大自然に抱かれて風の音、河の音、木々の音、鳥や動物たちの鳴き音に囲まれたせ日々から“あぁ、私たちは何と作られた音の中で生きているのだろう”と。今、自分が発すべき本当に必要な声はどうあるべきなのだろか、も考えさせられた。歌手生活30周年ならではの人として、歌手としての原点を振り返り、見つめ直す、そんな貴重な機会を与えていただいたと思っています。



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