●昭和25年、大島で日本初の風力発電できる●

NTV「おもいっきりテレビ」の「きょうは何の日」で、10月25日は
伊豆大島で日本初の風力発電開始が発表された日と再現ドラ
マ仕立てで紹介されていた。さっそく当時の新聞を調べてみた…


 NTV「おもいっきりテレビ」を観ていたら(暇だねぇ)、「きょうは何の日」で、10月25日は「伊豆大島で日本初の風力発電開始が発表された日」とかで、再現ドラマを交えた映像が紹介されていた。さっそく発表された昭和25年10月25日の朝日新聞の全文を入手。以下に全文紹介…。
 タイトルは「風車回る伊豆大島 日本初の風力発電できる」。本文は…
「伊豆大島の開拓村に、風力利用で電灯がつく…大島元村三原開拓農業協同組合では都と農林省の後援で足利市今福日本風力研究所長岩下憲一氏設計の風力発電装置を九月中ごろから着工していたが、このほど完成。来月一日から三十戸の農家に電灯とラジオが一せいに取りつけられることになった。風力の集団利用としては全国で初めてといわれている。風力発電装置はジェラルミン製の長さ2bの四枚の羽で発電させ、二十四ボルト、二百三十アンペアの蓄電池四個に平均三日分の蓄電をするもので、風のない日や強風の日には子羽で調節するようになっている。なお発電装置の第二号は同島の四つの開拓村で来春設置される。」
 おもいっきりテレビによると、支柱が杉だったため昭和28年台風で損傷、開始から3年でその短い命を終えた。大島の風力発電は時代の狭間に咲くあだ花だったのだろうか…とある。町史で大島の電力事情を調べてみると、大正5年に大島電気鰍ェ設立されて元町、野増村に送電開始。昭和2年に全島に送電とある。
 しかし昭和30年10月に電力改善に6,200人の署名運動が起こっている。この時期に未だ無灯家屋488世帯があり、点灯時間は日没から夜11時30分まで、1灯は20ワットの制限等の現状改善を求める運動だったという。この前年には力道山・木村組とシャープ兄弟のプロレス・タッグマッチ戦が街頭テレビで行われていたが、島の人々は観ることが出来たのだろうかと、フと気になった。またこの年には確か大島で誕生したはずの「ゴジラ」も封切りになっていて、映画館のない島では同映画も見れなかったんだなぁ、と気が付いた。
 今、八丈島や屋久島でクリーンエネルギー化が進んでいる。八丈島は地熱発電所に引き続き2000年4月には出力500kWの風力発電所を完成させた。この事業用風力発電所はわが国の電力会社では初めてとか。さて、日本初の風力発電を成した大島のエコロジー施策はどうなっているのだろうか…。

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