真木ことみ『片恋岬』
作詞:松井由利夫/作曲:水森英夫/編曲:前田俊明〜
月24日発売(ファン倶楽部:ことみニュースVol.18)より〜

あの中低音で「女」の情感唄って、胸に響きます…待望の本格女性演歌で21世紀をスタート!

 新曲『片恋岬』を聴いた。
「きた・きた・来たぞ〜」
 と思った。本格・正統派の女性演歌。味わい深く繊細かつ多彩な表現力。それでいて説得力満ちる伸びやかな中低音の響き。聴いていて鳥肌が立つほどです。
 ここにいるのは強い情念を秘め、凍てついた北の海辺に愁い佇む女・真木ことみ。そんな詩情豊かな絵が浮かんできます。ひしめく女性演歌陣の中にあって、その特出した中低音の魅力を最大限に響かせた新曲は、まさに超ド級の「ことみ演歌」誕生。21世紀の年明けを記念する衝撃作と言っても過言ではないでしょう。何度も何度も繰り返して聴きたい、文字通りの大ヒット期待曲。
 真木ことみにインタビュー。新曲を聴いたせいかことみちゃん、やけに“大人”の表情。
「28歳ですよ、もう…」
 そう笑う表情に、今まで気付かなかった“大人”が感じられる。
「今までは元気で明るいキャラクターを活かしてメジャーの元気な曲、オキャンな町娘風の曲、男唄…と様々なパターンの歌を唄ってきましたが、今やっと唄いたい楽曲に辿りつけたと思います。今回は3曲ほどの候補をいただきましたが、すぐにこの曲だ!と感じました。感動、イメージが新鮮なうちに唄入れ。自分で描いたイメージ通りの歌に仕上がって、制作スタッフの皆様からもOKをいただきました」
 と嬉しそう。
「今までは何度も何度も唄って、やっとOKをいただいていた。でも今回は実にスムーズなレコーディングでした。演歌の奥深い歌唱の世界にやっと入っていけたのかなぁ、と思っています。前作『まこと酒』から試行錯誤しつつ取り組んで来た発声や表現の勉強成果が、ここで実ったかなとも思います」
 各コーラス毎に繰り返されるフレーズが6回があって、それぞれ異なった表現になっている。これも気持のままに唄って、自然に変化が出たと言う。真木ことみは新曲完成と同時に、大きな自信も得たようだ。
「人と競うのではなく、あくまでの自分らしさを追求してきて、その結果にいい楽曲と出会えた感じです。楽しみな21世紀…、いい年を迎えることが出来そうです」
 大人の女・真木ことみのイメージを求める声も出てくるかと思うが、と言えば…
「あはぁ、元気なステージ・トークは変えませんよ。あれは私の味ですから。歌はイントロが流れた瞬間に、その世界にポ〜ンと入って演じられる、変身できる。歌は演技力、表現力だと思うから、もっと艶っぽい歌でも大丈夫ですよ」
 と、眼がちょっと妖しく輝いた。現在展開中の民音コンサートでも観客を感動に誘う一人芝居コーナーで迫真の演技力を発揮中。したたかに成長しているのだ。これからは、あの観客を引きつけたり、離したり、また笑わせたりのことみちゃんならではの絶妙トークの親しみやすさと、イントロと同時に楽曲の大人の世界に鮮やかに変身してみせる両面発揮で、そのステージはさらに冴えるに違いない。
 デビューから今年で9年目。新たな世紀を迎えて、新たな真木ことみがここにいる。最後にことみちゃんは、皆様にこうメッセージしてくれた。
「ずっと応援して下さったファンの皆様、レコード店の皆様に、ぜひこの新曲ヒットをもって恩返しをし、素晴らしい21世紀にしたいと思っています」


真木ことみ『北の一番船』
4月24日発売(星野哲郎作詞、叶弦大作曲) 大スケールの海の男唄で魅力全開
歌手生活10周年スタート!「やるときゃ やるんだ」
響き渡るこの中低音で、どんと決めます

今年3月19日より真木ことみ歌手生活10周年に突入。
そして遂にドド〜ンと出ました!星野哲郎、叶弦大コンビの大スケール海の男唄。
♪やるときゃ やるんだ はんぱじゃないぜ〜
響き渡ることみちゃんの中低音 これで「どんと決まり」です。


十周年、三十歳…ここで決めなきゃね!
胸がすく大スケール、怒涛の中低音で一番船の疾走開始!大ヒット必至です!


 昨年11月発売『一路出世船』から始まった「ことみの男唄」第2弾、『北の一番船』が歌手生活十周年スタートのジャストタイミング、4月24日に発売。えぇ、もう凄いのなんのって。北の漁場に向かう一番船よろしく、腹にド・ド〜ンと響き渡ることみちゃんの天下一品!中低音。さぁ、じっくりと聴いてみましょう…。
 エンヤァ〜コォラァ〜ドッコイの掛け声入りイントロから始まります。
 ♪アザラシ乗せた(太い中低音がのっけから響き渡ります) 流氷とけて
  知床岬は 春霞(なんと美しい高音の伸びよ、滑らかな喉よ!)
 ここから同曲のキャッチ−なフレーズ
 ♪やるときゃ やるんだ はんぱじゃないぜ(小気味良い啖呵、絶妙な喉遣い発揮)
 ♪沖の漁場へ 一番船を(微妙にリズムが変わります)
 …と言う展開で「北の一番船」が怒涛を突いて大海原を漁場に向かって疾走するダイナミックな情景が盛り上がってきます。伸びやかで心地好い「ことみ節」に酔いつつ毛がに、ほっけ、オホーツク、兄弟船、刺網、そして夕陽に染まる羅臼の山、港で待つかわいいあの娘…と、それは見事に歌の世界が次々に展開。まずは唄い出しの中低音と声量感ある響きに圧倒される、と言えば…
「私の特徴は中低音ですから、今は逆に高音域に挑戦しています。新曲も今までの歌より高いキーでになっています」
 音域の広がりを得て、海の広さが表現されているのだ。

 平成5年3月19日、『橋/命かざって』から丸9年。そして今、10年目に突入。数多くのステージと真摯に取り組み続けた歌唱技術をここで開花とばかりにジャストタイミングで巡り合ったエポックメーキングな楽曲。
「やるときゃ やるんだ はんぱじゃないぜ」
「どんと決めたい 俺なのさ」
 のフレーズ通り、大ヒット間違いないでしょう。
「移籍直前の銀座三越屋上“演歌まつり”ステージでした、クラウンの方々10名がお見えになって、私が唄った鳥羽一郎さん『北のかもめ唄』に皆様ピンと来るものがあったのでしょう。で、この張りのある男唄を真木ことみの勝負曲としてくださった。しかも星野哲郎先生の詞で、叶弦大先生のメロディー。今までに何曲も唄ってきた男唄ですが、海の荒々しさ、派手さ、勢い、力強さが揃った本当の海の男唄に出会えました」
 ことみちゃんの目が輝いている。クラウン・高塚氏も…
「男唄で行こうと決めて、その第1作目が昨年11月発売『一路出世船』。水森英夫メロディーの軽快でコミカルな男唄でジャブを放った後、第2弾の星野・弦コンビ作のマイナーな剛直球が決定楽曲になりました。全スタッフもこの新曲を「待っていました」とばかりに歓迎。まずはこの曲を一人でも多くの方に聴かせるべく作業を徹底。同時に真木ことみの生歌の魅力を知っていただくべく大キャンペーンを展開したい。出演可能番組をリストアップして全番組塗り潰し作戦を決行です」
 サビの「やるときゃ やるんだ」も巷に氾濫させ、真木ことみの意気を徹底浸透、願わくば流行語にしたいと…。
「男性カラオケ用として、唄い易くキーを上げたサービス・カラオケ付きですから大いに歌っていただきたい。大阪有線、CAN共にすでにリクエスト体制も整っていますので、発売前からどんどん盛り上げて下さい」
 プロモーションも怒涛のごとく派手に、力強く、日々勢いを増すこと必至。ファンの皆様も「やるときゃやるんだ」の熱烈応援をヨロシク!

<真木ことみ10周年コメント>

ここまで歩んで来れたのは皆様の支えと応援あってこそ。
新曲『北の一番船』ヒットで恩返しがしたい…

 平成5年3月19日、『橋/命かざって』で本格デビューさせていただいてから、早いもので、この3月19日で丸9年。そして今、10周年を歩み始めたところです。デビュー曲ヒット祈願に、高尾山の石段を皆様の声援を受けつつ必死に一歩一歩登ったことが昨日のように思い出されます。以来9年余、皆様方に支えられ、応援していただいて迎える大きな節目の10周年です。
 振り返れば、楽しいことばかりでした。特に“幸せだなぁ”と思いますのは、デビュー当初から歌う場をたくさん、たくさん与えていただいた事だと思っています。歌い手にとって一番の幸せは、歌える場があり、歌を聴いて下さる方々がいることでしょう。ステージに立てば、いつだって皆様の笑顔が間近にあって、目が会えば、それだけであたかい心のふれあいが生まれ、悦びがこみ上げてきます。
 辛い思い出を探せば…そう、TBSラジオ「歌うヘッドライト」をやっていた頃かも。仕事は楽しかったのですが、ラジオ収録をして寝る間もなく次の仕事などのハードワークが続いたことかしら。あの時期の私、ちょっとくたびれていたかも知れません。
 またこの10年で最も大きな精神的転機と言えば、デビュー3年目頃のこと。それまで緊張の連続で、それが次第に高じて周囲の方々ともギスギスした雰囲気が漂い始めました。そして始まったコンサート・ツアー。
「なぁ〜んだ、結局はすべての責任は自分にあるんだ。スタッフが左右するのでなくて、内容も結果もすべて自分次第…」
 と気付いて、やっと自分を取り戻すことが出来、本来の丸い性格に戻れたんです。構えて生きる必要なし、自然体でいいのだと気付いて、スッと肩の重荷が消えました。
 ステージを下りても肩肘張ってスーツでしたが、好きな普段着ファッションになったのもその頃から。そうして自分が自然体になれば、今度は周囲の皆さんも自然体で接して下さって、一気に明るい雰囲気になったのです。えぇ、もうどこへ行って、誰と会っても即みぃ〜んなとお友達…。遠慮ない貴重なアドバイスもドシドシいただけるようになりました。緊張して周囲に気を張って生きていた少女が、今は自然体のフフ・フっ…の30歳。
 肝心の歌い手としての成長はどうだったのだろうと振り返ってみれば、これは謙虚にまだまだ勉強、というより他ありません。水森英夫先生によるヴォイス・トレーニング特訓をはじめ、実にさまざまなレッスンを重ねて来ました。今回の新曲だって、レコーディングに先だって叶先生の伊豆・三島のご自宅に伺っての特訓がありました。最初に連れて行かれたのが、なんと河原での発声練習。というワケで歌唱は限りなく深く、「これで完璧」のない世界ですから、もう真摯に生涯追求です。一方、曲の表現構成の面白さも充分にわかってきていますから、できるできないは別にして、自分で組み立てることができつつあって楽しさが倍化しています。言葉のひとつづつにふさわしい表現法があって、それらが連なってワンフレーズになり、曲全体になって行く。声質、強弱、柔剛、華やかさと暗さや重さ、前に出し、また秘めて…と唄う楽しさを堪能し始めています。
 また目下は、高音域に挑戦しています。新曲『北の一番船』で本来の中低音に加えて高音域も広がったと感じて下されば、練習のし甲斐ありと思っています。全体的に「歌が息をしているように…」そんな指示をいただいての新曲唄入れでしたが、これまたいかがだったでしょうか。
 今、歌が心の表現である以上、心も磨かねばと思って、そのために“遊びも大切”だと思っています(ふふふっ…と笑い)。
 というワケで今、陶芸に凝っています。初めてロクロを回した時に、先生が筋がいいって。自分でも才能あるかなって思っています。泥遊びの延長ではありませすが、あの土の手触りたまりませんし、集中して物を作る悦びを今後も深めたく思っています。現在、雑誌の企画でそば打ち、和紙作り…と初体験シリーズがあって趣味の世界を広げています。人として豊かになれればと思っています。
 最後に、この10年間に渡って応援し続けて下さった多くの皆様方に、厚く御礼申し上げます。同時に新曲『北の一番船』で皆様に恩返しが出来るチャンス到来と思っています。皆様に「よくやったねぇ」と喜んでいただける大ヒットを目指して頑張ります。一日も早く皆様に新曲をお届けしたく思っています。(談)


これからは一流のエンタテイナー目指して幅広い音楽、芸域を広げ・深める時!

 真面目で勉強熱心な真木ことみです。10周年からはもう一歩先を見て、より優れたエンターテイナーを目指して、さらに貪欲に巾広い芸を身に着ける努力もして欲しく思っています。お芝居、楽器演奏、他ジャンルの例えばジャズ・ヴォーカルやシャンソン、日本伝統の民謡、端唄、都都逸、浪曲…。トップ歌手と認められる諸先輩方をざっと見渡たしただけで、それぞれに芸域の広さ、エンタテイナーとして幅広い世界を広げていることがお分かりいただけると思います。またそうした努力が、本来の歌唱に深みを増しているのも事も、ことみさんには充分に分かっているはずです。
 直接言えばいいのですが、敢えて誌上に記しますのは、こうした芸の道は一朝一夕に果たせるものではなく、人知れず厳しく長い時間を要する修行が必要です。そのための時間も自己投資も必要で、そうとうの覚悟をもって取り組まなければならず、まずはここへ記し、何年後に新たな芸域を広げた真木ことみを見たく思うからに他ありません。
 従来からの新曲リリース毎の話題のみでなく、芸域を広げて多彩に展開の、そんな大きなエンターテイナー・真木ことみを夢見つつ、10周年のお祝いの言葉にします。(日本クラウン・高塚牧人)



真木ことみ『きずな川』
作詞:里村龍一 作曲:叶 弦大 編曲:佐伯 亮(日本クラウン)

『いのち川』 『旅路川』 に次ぐ3連続ヒットは、さらなるスターダムに向かう正念場新曲 『きずな川』

 歌唱力、中低音の響き、加えてそのステージングにも定評あるものの、思い通りの結果が得られなかった真木ことみが、前々作『いのち川』から見事に弾けている。20数万枚のヒットで、前作『旅路川』も20万枚に迫るヒット。さぁ、こうなったら3作連続ヒットでさらなるスターダムへ…。
 その注目新曲が9月21日リリース『きずな川』。
 まずは真木ことみ飛躍のきっけになった『いのち川』ヒットについて、改めて訊いてみた。
「それまでは“真木らしさ”と言われた中低音発揮がポイントでしたが、その低音域を抑えて一般女性がカラオケしやすい音域にしたんです。キャッチーなフレーズ、例えば『いのち川』なら♪愛を下さい 命をあげる〜 …のように唄ってかっこよく決まるフレーズもあってヒットしたのでは…」
 そこを踏まえ『きずな川』を聴いた。キーが上がった効果なのだろうか、背筋をスクッと伸ばして、なにやら大人のいい女風…がするではないか。デビューから丸13年目で33歳。若かった頃の“ことみ節”は、中低音を活かした多彩なノド遣いだったような気もするが、ここには無駄なく計算されたノド遣いのスマートさもある。歌唱が“スマートな大人”になっているのだ。
「13年間、いろんなタイプの歌を唄ってきて、唄い方のさまざまなバランスが自分の中でわかってきたような気がするんです。強弱のメリハリ、声の色や変化の加減がやっと組み立てられるようになってきました」
 デビューから“十年坂”を越えて巡り合ったヒット・シリーズ。
「でも私は無理せず、飾らず、常に自然体。そしていつまでも心をきれいにして行ければいいと思っています」
 連続ヒットは地元・八王子市民会館で行われる恒例コンサートに早くも反映。なんと>9月23日開催の同コンサートは初の昼夜2回ステージと勢いづいている。
 最後に『きずな川』カラオケ・アドバイス…。
「最初の2行はワルツのリズムを大切に。気持ちよくスッとリズムに乗れば、聴く方も誘われます。そして次の2行がポイントです。最初の行はのびのびと張り上げて、次の行は“泣き”です。最後のサビ2行は優しく、最後にしっかりと“きずな川”を唄ってください」

●“いつかは私も…”と思っていたスポーツジム通いを最近になって始めたそうな。主にさまざまなマシーンを使ってのフィットネス。無駄な中脂肪をとってシャープなボディを目指します。ウム、無駄を省いて効果的ノド遣いに絞り込んだ歌唱となにやら通じるではありませんか。歌唱もボディーもスマートないい女へ磨きをかけているようです。

 ことみちゃんのデビューはポニーキャニオンだから当初からずっと見てきた。というより同社のプロモート・ぺーパー「マンスリー・プラネット」で事ある度にレポートしてきた。やがて彼女の後援会新聞(タブロイド4頁「ことみニュース」)も担当するようになった。上記は日本クラウンに移籍して間もないころの「ことみニュース」で、その後「ソングブック」取材で久しぶりに会った時のインタビューを収録した。ことみちゃんにいろいろ訊けば「やめて下さいよぅ。私より私のことを知っているクセにぃ〜」と言った。





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