石川さゆり★4/21新曲『星の旅びと』
〜テレビ朝日「五木寛之の百寺巡礼」エンディングテーマ曲〜

「さゆり倶楽部」NO.29(2004.4.1)に掲載

ジワジワとファン層を拡大の『星の旅びと』は来春頃まで番組OA。荒んだ現代人の心を癒し続けます
 テレビ朝日系「五木寛之の百寺巡礼」の1月10日放映から、そのエンディングにさゆりさん唄『星の旅びと』が流れています。同番組は直木賞作家・五木寛之さんが「私たちの心のふるさとは何処にあるのでしょうか、心のふるさとを探しに旅に出ます。日本列島北から南まで、風に吹かれて、今日も寺への道を歩きます…」をキャッチコピーに、日本の名刹・百寺を巡って、その歴史や失いつつある日本人の心を探る番組。
 同番組がスタートしたのは、昨年4月12日放送「室生寺 女人高野を行く」からで、さゆりさんの『星の旅びと』が最初にオンエア−された1月10日放送は、第三十七番「石山寺〜古典文学の名刹〜」。石山寺は琵琶湖南端の瀬田川河口に存在。平安中期に女人の信仰が厚く、紫式部も参篭して「源氏物語」の着想を得たと伝えられる名高い名刹。番組最後の紅葉の参道を歩む五木寛之さんの映像に、さゆりさんの同曲が歌詞テロップ入りで静かに流れました。回を追って、2コーラス目がオンエア−されたりで、目下ジワジワと茶の間に浸透です。
「百寺巡礼」が、本誌発行直前の3月27日の土曜日放映分が第四十八番で、百寺に約半分。来年まで続くロング展開です。またこの番組は放映を追うようにして講談社・創業100周年企画として、地域毎に約十の名刹解説をまとめた単行本、同時発売でトラベル・ガイドブックが発売されていて、テレビ・本・CDのマルチ展開で話題拡大中。
 さて、このほど4月21日リリースが決定した『星の旅びと』は作詞は五木寛之さん、作曲は幸耕平さん、編曲は竜崎孝路さん。ゆったりと流れるメロディー。てらいなくどこまでも素直なさゆりさんの歌声…。それは叙情(感情表現)よりさらに無垢な“清々しい気”が漂う一陣の風のよう…。
 3月1日、代官山の渡辺達生さんのスタジオでジャケット撮影。撮影の合間にテイチク、松下プロデューサーに新曲及びその周辺のお話をうかがってみた。


『人間模様』『星の旅びと』共にファン層拡大&ロングセラー。次はマグマ噴出!!
●今回の経緯を紹介して下さい。
松下 五木寛之さんが石川さゆりさんにぜひ唄って欲しい…という事で始まった楽曲です。番組主旨から、このテーマを唄える歌手は石川さんの外になし!と思われてのこと。ですから先生の詞は石川さんをイメージした部分と番組主旨が融合された内容。レコーディングに際しても「この言葉に込めた気持ちはこうで…」「このフレーズではこんな感じを伝えて欲しい」など石川さんへ丁寧に説明していらした。五木さんによる同曲主旨は、こんな感じでした。…この番組、この歌は荒んだ現代社会への“ララバイ”です。ささくれ立ち、尖がってますます殺伐とした世の中で、いま求められているのは心を静め、心を落ち着かせるお寺巡り。ここには日本人の大切な原点があります…。
●コアユーザーではなく多くの方々が同曲に関心を高めているようですね。
松下 おっしゃる通り。50代から70代…、中高年層が楽しみに観ている番組です。派手な楽曲ではありませんが、観ているうちにジワジワと心に染み込んでいるはず。発売が待望されています。
●清々しい歌唱です…
松下 えぇ、石川さんの今までの楽曲にはなかったタイプの歌、歌唱です。押しつけがましくなく、淡々と唄いつつ、それでも想いを滲ませて巧く表現している。サビの♪幾千年の星のかなたへ/幾千年の愛の世界へ/あなたととびたい… ここからもわかる通り、相手は異性ではなく仏、涅槃の世界、日本人の本来の心の穏やかな故郷への想いでしょう。
●その歌唱について、もう少し詳しく…。
松下 情景を変に演出しない、演技しないで、風景が見えるように素直に唄っています。歌い手は歌の主人公なんだけれども、その楽曲にある種の距離をおいた唄い方をしています。感情やイメージを押し付けず、聴く人それぞれの景色やイメージが膨らむように唄っています。結果的に聴く人の胸に知らずうちに棲む、そんな歌唱でヒタヒタと浸透しています。
●その意では『人間模様』と似ていますね。
松下 そう。『人間模様』も派手でガァ〜ン!と展開する歌ではなく、聴く人それぞれの歌になって浸透しています。コンサートなどで唄うたびに確実にバックオーダーを出し、ロングセラー、スタンダードの様相を呈しています。すでに前作『陽だまりの詩』を遥かに超える数字で更新中。大好評です。
●『人間模様』『星の旅びと』が新たなファン層を獲得しているってことは…
松下 そう、そこに「これぞ!石川さゆり」と言う楽曲をリリースしたら、さて、どうなると思います?
●あっ、そうか、爆発だぁ〜!!
松下 でしょ。これはファン倶楽部の方々だけに申し上げますが、秋口にマグマ噴出を期待していて下さい。今、オリジナル・アルバムも同時進行で制作中です。これはコンセプト・アルバムではなくビックリ箱にしたく思っています。おもしろい事をいろいろやってみたい。作家陣も多彩で、どの曲をとってもシングルにしたくなるような…
●ここから次々にシングルカットも…
松下 期待できますね。夏にレコーディングし、秋に出せたらいいなぁ〜と思っています。ヒタヒタ…そして秋にマグマ噴出です。ここだけの話、内緒・内緒ですよぅ。



10
代から撮り続け…、最近のさゆりさんはさらなる領域に踏み込んだ“美しさ”がある…

フォトグラファー
 渡辺達生
<プロフィール>●昭和24年1月20日生まれ。成蹊大からサンケイ出版へ。その後、フリーカメラマンとして「GORO」のグラビア、「週刊ポスト」表紙はじめ各誌で活躍。グラビア・アイドルや女優の写真集多数。サイト「TWO グラビア&フォトテクニック・マガジン」を発信中。

●そんな松下プロデューサーの話をいたずら少年のような表情で聞いているもう一人の男…それがスタジオの主、凄腕カメラマンの渡辺達生さん。さゆりさんを撮り続けて30年余。最近のさゆりについて伺ってみた…
渡辺 中学生、子供の頃からずっと撮っていますから、変な言い方ですが、こうやって撮っていても“仕事”という感じがしないんだ。何か奇妙な感じなんだなぁ〜。
●グラビア・アイドルを大勢撮っていらっしゃるが、彼女らと艶っぽさが違う?
渡辺 僕は撮っている時、そんなことは一切考えていないんだ。何かを狙ったりすると、それは撮れても、それ以上のものが撮れないからね。撮っている時は一生懸命で、撮る側と撮られる側の呼吸みたいなのを大事にしていて、その結果が写真なんです。で、思うのは女の人って、何かスコ〜ンッと抜ける時がある。子供から大人になる、大人がさらに大人になる…。さゆりさんは今、さらなる領域に入ってきたような気がするんだ。こうしたらもっとキレイになる、もっと女っぽくなるとかを考えずに在るがまま…みたいな。でね、写真って不思議なんだ。話していると、それほど変わったと思わないんだが、上がった写真を見るとえらく艶っぽい。そこに何があったかは僕にはわからないが、でもそうした変化を注意深く見守って行くのも僕の仕事ですね。
●結果的に、眼に見えない女性の変化も撮る…。
渡辺 自分を磨くのは自分ですが、女性はスタッフが変わったりの環境変化でガラリッと変化する怖い面もある。これは僕の仕事も同じで、活かすも殺すもスタッフ次第、反響次第のところがあって、石川さゆりさんはそれらに恵まれているのだろう。そこから深い領域に入って来た…。
●演歌界に限らず、あんなステキな歳のとり方をしたいと女性たちの憧れの存在になりつつある。
渡辺 そう、ライバルではなく憧れや目標に思われ出していますね。その意で写真はワンショットが良ければいいのではなく、人生をかけた長丁場でキレイになって行って欲しいんです。一方、写真は冷酷なところもあって50代、60代になってくると、撮らなくてもいいところまで撮ってしまう(笑い)。その意味でも今が一番いい時でしょう。
●今、めまいがするほど艶っぽいです。
渡辺 でしょ。だからね、いつも言ってるんだ。今年中に水着、撮りましょって(そこへ石中マネージャーの強烈なパンチが先生を見舞った。先生は逃げながら、こう言った)
渡辺 撮る側、撮られる側…そんな緊張があるから面白いんですよぅ〜。
※さゆりさんと渡辺達生さん…余人も入れぬ信頼から、あのステキな写真が生まれているようです。


ヘアメイクの渡邊サブロオさんが「メイクの本・正統の美学」を出版! トップ女優さんのメイクを担当する渡邊さんがこのほど、同題豪華本を双葉社より出版です。「艶歌の協奏曲」タイトルでさゆりさんの撮影風景やこれまでのジャケット写真が掲載されています。1714円でぇ〜す。

テレビ朝日「五木寛之の百寺巡礼」ネット局一覧
BS朝日:毎週月曜日午後21:00〜(テレビ朝日の放送から1週間遅れの放送)
大分朝日放送:毎週水曜日午後4時〜(テレビ朝日の放送から30日後の放送)
北陸朝日放送:毎週金曜日午前10時〜(テレビ朝日の放送から30日後の放送)
瀬戸内海放送:毎週土曜日午前10時〜(テレビ朝日の放送から30日後の放送)
琉球朝日放送:毎週土曜日午前7時〜 (テレビ朝日の放送から30日後の放送)



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