(株)ファイブズエンタテインメント設立、及び第1作『傘ん中』
「旗揚げ」記者発表会レポート!
5月21日(火)ホテルオークラ別館12階・星雲の間・12時〜
祝!7/8 オリコン総合23位、演歌1位!

 12時、取材陣が会見場に立錐の余地なく詰めかけるなか、司会者が開会の挨拶…
「五木ひろし、来年の55歳を控え、新レコード会社設立という男の勝負に出ました。新会社の第1弾新曲『傘ん中』、カップリング『二行半の恋文』は共に作詞・阿久悠、作曲・船村徹の異色初顔合わせによる力作、意欲作です。まずは両曲を聴いていただきたく存じます」
 
五木さんが登場し、報道カメラの放列前で熱唱。その後に作詞・阿久悠さん、作曲・船村徹さん、ディストリビューション担当のキングレコード天沼澄夫常務取締役が着席。
 
五木さんは新レコード会社設立について、こう説明しました。
「新レコード会社、株式会社ファイブズエンタテインメントを4月23日に設立し、5月8日より新住所で業務をスタートさせています。スタッフは五木プロモーションの10名。ここに至るまでの経緯を振り返りますと…」
 デビュー当初を語り、「全日本歌謡選手権」10週勝ち抜きの審査員に船村徹先生がいたこと、また徳間ジャパンの故・徳間康快社長と31年間に及んだ親子にも似た深い関係が、昨年9月の逝去まで続いて来たが、今春に同社と契約が切れたことが説明され…「(演歌状況が)厳しいことは重々承知していますが、自分が責任を持って制作し、売るという原点に戻って、厳しい状況に一石を投じることで少しでも活気づいてくれればと思って新レコード会社設立を決意しました。幸い、その第1作目を両先生の作品でスタート出来、縁というものをしみじみと考えずにいられません。『傘ん中』の詞にありますように、まさにいろんなご縁があって、この新会社が出来たと思います。販売もキングレコードにお願い致しまして、共に頑張って行きましょうと力強い体制をいただいております。思いますに、上原げんと先生の最初のレコード会社もキングさんで、これまたご縁と思っています。よろしくお願い申し上げます」
 
次に船村徹氏が挨拶…
「五木君、おめでとうございます。世の中万事、混沌として歌の世界も例外ではありません。しかし船で言えば荒天の出航の方が毅然とした船出にふさわしく、新レコード会社設立にもって来いだし、思い切ったことをやられた方がいいと思っています。作品作りの経緯を説明しますと、去年の終わり頃に阿久先生とやることが決まりまして、まず阿久先生から次々に素晴らしい詞が上がって来て、総合プロデューサーの小西良太郎さんから、夜討ち朝駆けで“さぁ、出来たかぁ”“まだ、上がらないか”の矢の催促を浴びつつ、まずは第1作として『傘ん中』が選ばれました。その間に阿久さんが青年期まで過ごした淡路島はどんな地なのだろうか知っておきたかったものですから、淡路島にも行って来ました。五木さんの旗揚げ、阿久悠との初コンビという二重のプレッシャーで、酒の量が一気に増えました(笑い)。兼ねてより僕は五木さんのファルセットに魅力を感じていましたが、ウ〜ン、さすがの仕上がりです。皆様、新しい五木ひろしを感じて下さい。目下、阿久先生と全部で13曲(アルバム)を作るために頑張っています」
 
阿久悠さんは…
「五木さんも先ほどおっしゃっていましたが、今回のキーワードは“縁”だと思います。僕は五木さんが10週勝ち抜いた“全日本歌謡選手権”があったから、それに似ていない番組を作ろうと“スター誕生”を作ったんです。また僕はGS時代の最中で出て来ましたから吉田正さん、船村徹さん、美空ひばりさんのような歌は書くまい、作るまいを信条に、それ以外の世界を書いて来て35年です。これは抵抗ではなく敬意を感じて背中合わせで歩いて来たワケですが、クルッと向き直ったら意外に近い場所に船村さんがいた、そう思っています。一方、五木さんとは『愛しつづけるボレロ』『契り』『居酒屋』をはじめ多くの詞を書いて来ましたが、ここ最近は書いていませんから新鮮な気持ちで挑戦しています。(現在の状況を見れば…)大人が過分に子供たちに席を譲ったのがいけなかったかなぁと思っています。席を返してくれと言ってもなかなか返してくれそうもないから、大人の歌はやっぱりいい、うまい、大人の恋愛はチャーミングだと教えてやらなければいけないと思っています。大人の風が吹かない世の中は、成熟を忘れていることで、文化でもなんでもありません。第一、色っぽくありません。そして今は大人の風の気配があって、五木さんの新会社にもそれを感じます。僕も船村さんと共にさらなる風になれればと思っています」
 そして
キングレコード・天沼常務が挨拶
「我が社は演歌、歌謡曲が母体で、これをとても重要視しています。昨今、演歌は不振だと思っている方が多いようですが、皆様が思っているほどに悪くない。昨年4月から今年3月の1年間で演歌及びそれに順ずるジャンルの売上は前年度比112%で215億円です。アダルト層の売上も伸びて、レコード業界に成長をもたらし始めています。そうした中で、この度、縁がありまして全社一丸体制で五木さんの新レコード会社、新レーベルを応援して行く事が決定し、すでに第1作の試聴会も行なわれ、大好評を得ています」
 ここで
西川きよしさんが花束持参で飛び入参加。
「僕は五木さんより1歳上のお兄さんですが、大阪に「しゃぼん玉プレゼント」という番組があって、それ以来30年余のお付き合いで、深夜に相談事の電話を1時間、2時間かけあったりの深い関係です。五木さんは55歳を目前にして、また大きな夢を見て、大きな決断をされました。そして素晴らしい曲に出会えて感激しています。男の平均寿命は77歳。まだまだ五木さんに大活躍していただきたく思っています。皆様、新たな気持ちでスタートする五木さんをよろしくお願いします」
 
総合プロデュースの小西良太郎さんが今回の経緯をこう説明…。
「船村さんの50周年の仕事をお手伝いした折に、彼は“今度は阿久ちゃんとガップリ組んだ仕事をしてみたいなぁ”と。で、この二人の意中の歌手は五木さんじゃないかなぁ、と思った。立ち話でしたが、これを五木さんに言いますと“エ・エッ”と目を丸くした。さて船村、阿久両氏による歌作りが始まったが、なかなか出来ない。電話をすれば“阿久さんの島、淡路島に行っていた”と。“島なんかどうでもいいから早く作れ”とハッパをかけたりして、今回の2曲が第1作に決まった。完成した曲を聴きますと、改めて3人それぞれが超一流だと再認識させられます。完成前にこの話を各所でしますと“やっかいな3人が揃って、その船は沈むゾ”なぁ〜んて言う人が結構いた(笑い)。何故かと考えてみると、現場は今、若返っていますから、彼らにとって、この3人は余りの最強トリオで敬遠しているんだなと気付いた。まず阿久さんが船村さんに挑戦するように書き、船村さんは真正面から受けて立つ丁丁発止の展開。これを阿久さんに言わせれば“曲を創るというのは狂気を伝達していく行為”で、今度は五木さんが挑発されて、ファイトを剥き出しにした。これは凄いチームが出来た、平成の名勝負だと思いました。三人の闘いは十数曲のアルバム『ダンディズム』(仮題、秋口発売予定)でまだまだ進行中。船村徹が昭和のダンディズム、阿久悠が70年代のダンディズム、五木ひろしが平成のダンディズム。目下、阿久は“これから先はポップス寄り楽曲が生まれます”と宣言しています」
 そして氏は船村徹さんのご子息で『傘ん中』編曲の蔦将包さんを紹介。ここで司会者が… 「『傘ん中』はとかく長めの曲が多い中、4分以内の珍しい短さです。また『二行半の恋文』は文語調の五七五七七+七文字で、共に何度も聴いてジワッと味がわかって来る楽曲です。阿久さんの挑戦がとても感じられます」
 これに阿久さんが答えて…。
「僕は常に挑戦していますよ。で、僕は2曲とも異常なまでに興奮しました。思い通りで は興奮するワケはなく、たっぷり裏切ってもらって嬉しくて・嬉しくての興奮です」
 
楽曲についての考えを聞かれた五木さんは…
「日本の歌には素敵な言葉があって、それらは奥ゆかしさ、艶、パワーを持っています。今回もそんな点に留意し、言葉が秘めた力が伝わるよう余裕、ゆとりをもって唄わせていただいた。兼ねてより50代が最も充実の年代と思っていて、年代にふさわしい素晴らしい作品に出会えて幸せです。新会社のスタート作品ですから、一生忘れられぬ曲になります」
 カラオケが難しいようですが?の質問に船村さんが、こう答えます。
「難しいように作っています」
 阿久さんも…
「プロってすごいなぁ、大人っていいなぁ、歌っていいなぁ…この3点をわかって欲しいんです」
 
新会社設立についての質問に五木さんは…
「不安がないわけではないが、人生は一度だけ。歌を作り、歌を送り出すことすべてに自ら責任を持つという原点に戻っての活動です。また“男は50にして立つ”と言いますから、今まさに勝負のしどころだと思っています。長い歌手生活を経て必然的に辿りついた選択です。他アーティスト育成云々は、まず五木ひろしが大きな成功を得た後のこと。まずは第1弾シングルの成功如何が社の将来にかかっています」
 
そのあくなき意欲の源は?と聞かれて…
「常に昨日より今日がもっと良く、と思っていますから、いつも今が大事で、今が明日につながると思っています。タイガー・ウッズだって出る試合の全部に優勝すべく闘っていると聞いています。それと同じで、新しい歌を出すたびに大ヒットを願います。当然の意欲だと思っていますが…」
 新会社設立の決意を奥さまに何時?と聞かれた五木さんは…
「僕たち夫婦は常に語り合っていますから、特別に決意を告げる必要もない。僕がやることは120%信じてくれていますし、思ったことを信じてやればいいと常々言っています。また僕は強運だと思っていますし、やらないで悔いを残すより、悔いを残さぬ生き方でずっと来ています」
 以上、記者会見とワイドショー番組中心の“囲み取材”、当日配布されたパンフレットなどから再構成しました。
 皆様、新レコード会社、第1作『傘ん中』大成功へ熱烈応援を御願い致します。



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