『北物語』札幌からキャンペーン開始
〜会報77号掲載より〜

32年前『よこはま・たそがれ』が最初に有線1位になった札幌。
今、北から新しい物語が始まります!!

 『北物語』発売の2日後、1月24日に五木さんは北海道・札幌から同曲キャンペーンを開始すべく旅立ちました。千歳空港に降り立った五木さんを、先乗りしていた日本テレビ「THE>ワイド」密着取材クルーのカメラが撮らえます。マイナス9度。空港から雪景色を車窓に一路STV(札幌テレビ放送)へ。
 到着と同時に同ラジオ局「喜瀬ひろしのときめきワイド」に生出演。“ひろしとひろしのどんと歌謡曲”と高らかなコールで『待っている女』皿まわしから番組スタート!で、なぜ同曲から? 喜瀬さんはこう切り出しました。
「夕方6時からの新曲発表会に、まぁ、極寒の朝6時からホール前で五木さんを待っている多くのファンがいるんですよぅ〜」
 五木さんは北海道キャンペーンについて…
「“よこはま・たそがれ”で最初に火のついた地がここ札幌でした。縁起の良い札幌から新曲“北物語”のキャンペーンをぜひスタートさせたかった。空港を出たら、ピリピリッと寒さが身にしみ込みましたが、なぜか懐かしさが心に充ちました」
 番組では“本当に五木さんが来ているんですかぁ〜”と信じられぬ様子の方から届いたファックスが紹介されたり、デビュー以来変わらぬスタイル(体型)維持の秘訣、紅白大トリの話などで盛り上がって、テーマはいよいよ核心の『北物語』へ…
「いきなり高音域のサビ・メロディーで始まる同曲は、船村メロディーの王道世界が凝縮された名曲です。皆様も一度耳にしたら、きっと忘れられずに、思わず口ずさむことになるかも…。ちゃんと唄うには易しいメロディーですが、こころ惹かれます。阿久悠さん、船村徹さんが互いに真剣勝負し合った歌を唄わせていただき、歌手冥利に尽きます。ぜひとも大きなヒットにしたく思っています」
 次に土曜23時からの「歌謡ヒット情報」の収録(2月22>日放送分)。石田久美子アナウンサーとのトークで五木さんは『北物語』に賭ける意欲を…
「100点満点の自信作です。この曲が受け入れられないことがあれば、歌謡曲・演歌はさらに難しい状況になって行くように思います。ぜひ大きな結果を残さなければ…」
 次に夕方のワイドテレビ「どさんこワイド」に生出演。「これからSTVホールで“STVラジオ公開録音/五木ひろし新曲『北物語』発売記念発表会〜出逢い・ふれあい・北物語〜」に出演の五木ひろしさんをお迎え致しました」視聴者からの質問で、ここでも体型維持の秘訣、55歳のバースデーについて応える五木さん。ニュースでは「今夜は道東が大荒れの吹雪です」と注意報が流されていました。
 五木さんは、スタジオを出るとホールに直行で、慌しくリハに突入。客席468の会場は、北海道中から駆け付けた五木ファンで次第に満席となり、またこの発表会開演に合わせて東京から飛んで着た取材陣も無事に着席でした。
 司会進行は、同局が誇る超人気パーソナリティー・日高悟郎さん。
「五木さんは私の“日高悟郎ショー千回記念”に駆け付けて下さった。今日はゲストに出てくれと言われたが“イヤ、司会をさせて下さい”と申し出た次第…」
 ここから、日高さんの観客を釘付けにする心を揺さぶる熱いトークが展開です。互いの生き様、二人の出逢い、そして会場の皆様と感動を共有するこのひとときがかけがえのないものだと強調…。自らの苦闘の歌手時代を振り返りつつ『逢いたかったぜ』『よこはま・たそがれ』のイントロ・ナレーション。『倖せさがして』から『おまえとふたり』へ続いて、二人は時に息のあった掛け合い漫才風…。そして話が紅白大トリ『おふくろの子守歌』に及ぶと、日高さん…
「お母様を亡くされ、故郷もなくしたようだと語っていますが、五木さん、それは違うんだ。亡くなった母を思い出すってことは、その都度、母が、故郷が甦る、絆がさらに強くなって行くんだ」
 と語り、五木さんは込み上げる涙を止めることが出来ません。そしてファイブズ設立と同時に始まった阿久悠、船村徹との初コンビ連作にテーマが移ると、今度は生きることは人との縁、出逢いを重ねること…と熱く語って『傘ん中』から『北物語』へ。ここではプロデューサー・小西良太郎さんによって書かれたチラシコピー“こうして『北物語』は生まれた”を朗読。その一部を紹介すると…
「五木は作家二人の心の交流を羨望する。だからこそ生まれた作品だと。その上で、二人の作家の挑発を感じ取る。思う存分の表現を…という期待に身を引き締める。これでは眠れなくなるはずだし、夢に見るはずだ。五木はカラオケのテープを聴きながら、仕事先を転々とする。その日々の中で、五木の『北物語』は、成熟の時を刻む。満を持してスタジオ入りした五木は、驚くべき集中力を示した。(中略)スタッフの間に新鮮な驚きと新しい感動が生まれる。(中略)…「幸先きよし!」トリオの情熱と熱気はスタッフを巻き込み、そのまま越年した。新曲のプロモーションは、歌の主人公の足どりを追うように、新春・北海道からスタート、そのエネルギーを全国に展開する…」
 会場の誰もが、このしびれるような感動を共有した証に新曲を購入せずにはいられない。結果的に、終演後のCD購入者との握手会は、会場のほぼ全員と。
 五木さんは…
「改めて『北物語』キャンペーンを札幌からスタートして良かったと思っています。寒さ厳しい地ですが、人の温かさは格別です。感謝の握手会も逆に皆様に励まされる形になって、応援下さる皆様のためにも大きなヒットで報いなければ…と思っています」
 翌日は同ラジオ局の看板番組、9時間の生放送「日高悟郎ショー」に12時半から約1時間出演。スタジオ内の数十人のリスナーと対峙する日高さんとの間に座って、五木さんも爆笑渦巻く真ん中で、ただただ笑いころげ回ります。
「昨日は格調高い司会をしていただきました。そんな司会で本格コンサートをやってみたくなりました…」
 と語る五木さんでしたが、今日の日高さんは乱れ爛れた雰囲気を演出…。猥談が飛び交い、CMや皿まわし中にキングレコード札幌オフィス営業マン、レコード鈴屋さんがスタジオ内でCDを売る、サインを仕切ったりの常識外れの盛り上がり…。
 スタジオ内外のリスナーから大拍手で送り出された五木さんは、ここからサッポロファクトリー・レンガ館へ。ここは旧サッポロビール工場跡で「ハロー!プロジェクト・オフィシャルショップ札幌」があり、その奥に田中義剛さんの「花畑カフェ」が。ここに「五木茶屋」が臨時出店中。五木さんを待っていて下さった田中さんとツーショット取材。五木さんは…
「田中さんとは2年前の美浜マラソンにカントリー娘。牧場のボーダーコリー犬と共に参加いただいた仲です。五木団子とソフトクリームの業務提携もあるかも…」
 と取材陣を笑わせていました。五木さんはその後、マスコミ陣と共に田中義剛さんプロデュースで札幌・狸小路に出店した「九十九ラーメン」へ。花畑牧場のチーズがたっぷりと入ったラーメンを全員でいただきました。取材陣はここで空港へ。皆さん、機内で執筆。翌朝のスポーツ各紙には「出発の地・札幌から新たな物語が始まる」などのタイトルが踊るのでした。
 一方、マスコミ陣を見送った五木さんはSTVの田中さんの番組や「サンデーパラダイス」などに出演でした。なお五木さんは2月11>日のNHK「歌謡コンサート」に札幌雪まつり会場から生中継出演。「五木茶屋」も同日までサッポロファクトリーで営業でした。

 札幌キャンペーンから帰京の翌26日は、これまた『よこはま・たそがれ』以来のレコード店本格キャンペーンを展開。巣鴨・ゴトウ楽器〜東十条・MCダン〜赤羽・美声堂〜浅草・ヨーロー堂〜宮田レコード〜錦糸町・セキネ楽器〜亀戸・天盛堂〜新小岩・ヤマサトーホー堂(混雑で中止)〜小岩・音曲堂〜銀座・山野楽器…以上10店で握手会でした。


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