EMIとインターフェアー対策1
 フェライトコアがインターフェアー対策に用いられ出したのは15年ぐらい前からではないだろうか?
HAM Journal NO73でインターフェア実地対策講座のタイトルのもとフェライトコアを用いた事例が多数紹介されている。

 で、誰がこの手法を広めたか?おそらく企業で装置設計をしているエンジニア(クロック周りとスイッチング電源)の方々とEMIエンジニア(オープンサイトの測定屋さん)でアマチュア無線を趣味としている人と小生は思う。もちろんフェライトコアの理論、使い方を出版されている先生方を忘れてはいけません。
それと某JA2のOMさんか?
 20年ぐらい前、日本でも欧米並みの装置から出されるノイズを規制する動きが本格化し”情報装置等....協議会”えらく長い名前の団体が設立された。
最初の品目は小型装置ではパーソナルコンピュタ(以下PC)とファクシミリ、ワープ ロ等で大型装置では汎用コンピュター、PBXだったと思う。
ちなみに米国はFCCのPart15 Sub Part Jってので情報機器のノイズを規制していた。
とにかくノイズを押さえ込まないと市場に出せないってことで当時のエンジニアの方々は大いに苦労した。ノイズの発生元は概ねクロックで波形をなまらせるとノイズが減ることはわかっていても、なまらせると同期が取れなくなったり...等々とにかく大変だった。また、それを測定するオープンサイト屋さんなんかも大変だったと思う。対策はカットアンドトライの世界だったので、何か対策をしたら測定するパターンでした。
 部品メーカもこれに答え色々な対策部品を世の中に送り出した。分布乗数形コンデンサ、フェライトつきコンデンサ、アモビーズ、銅テープ、大型フェライト等々対策部品など...このうちフェライトコア、電源ノイズフィルターはまさしくアマチュア無線家も十分活用できる優れものであった。
フェライトコアいろいろ
左からTOKIN ESD-QR-25
    TDK ZCAT3035
    フェアライトプロダクト 型番忘れた 
    初代IBM PCATのキーボードに付いていたフェライトコア

 ノイズ対策が施されていない装置はノイズの塊でとても無線機と同居できるものではなかった。小生もPC8801(ノーマーク)を所有していて、パケットクラスターが流行りだした頃、TNCと8801を組み合わせて使用した。HF帯が下から上までSメータ全開状態でとても無線を出来る状態ではなかった。
 そこでフェライトコアをケーブルに装着すると完全にはノイズが取れないがかなり低減できた。この頃一般的だったのはTOKINのESD-QR-25って言うパッチンコアでした。余談ですが、その後ケースに爪が無くなりESD-SR-25に名前が変わった。何でもケーブルに食い付かせるつめが北川工業の特許だったらしい?さだかではありませんが
 話はそれたが、このノイズいわゆるコモンモードノイズだったのですね。(当時は立てノイズとか、立て電流って言っていた人もいた。)
ノイズの発生も、電波障害も原理はおなじなので、無線機に接続されている同軸ケーブル等の根元にフェライトコアを装着すれば余分な輻射(ループ)が断ち切れる。しかもただフェライトコアを挟み込むだけの簡単作業です。この手軽さは普及しますよね!
 電源ラインから輻射される分にはいわゆるラインフィルターですね。一般的なフィルターは下が500kHzから上は30MHzまで減衰を保証していたので、まさにHF帯のためのフィルターです。で一般的でないのは9kHzから減衰を保証しているフィルターがあった。旧西ドイツのVDE0876規格(だったかな?)に対応するため。このVDE、ローマ字読みで何気なく会話の中で使っていたら、”それはファー・デー・イー”って言うんですよと当時のJMIのかたに思いっきり馬鹿にされた。小生、ドイツ語なんか知らないもん!!
EMI部品の規格
TDK ZCATシリーズの特性表
最近はネットのPDFなんかでデータを見られる。
しかし紙の方が見やすい。ペーパレスに反しているけど. ..
両対グラフは数値が読みづらい
仕方ないけど...