『ドローン・オブ・ウォー』"Good Kill"(2014)

(2024/05/04記) (2024/05/04 Amazon prime) 責任という意味では記録されていない状況下でもその答えは肯定しない。 そういう逃げ道を用意しておいて協力者の負担を軽減させる事などせず共犯者に させようとし続ける。 そこにも理由があるのだがそこまで含めて終わりの見えない連鎖。 そこから、精神的に外れる方法がある意味トラヴィスと一緒というのがね。 あそこまでではないが。 それも正しいやり方ではないという所まで含めて。 この事を語る事は難しい事まで含めてこういう作品で彼を描く事は正しい事だとは 思う。

『トップガン マーヴェリック』"Top Gun: Maverick"(2022)

(2024/03/16記) (2024/03/16 Amazon prime) 最初のあれは確かにテストパイロットとして零点だな。目的を見失っている。 見始めるまではそうでもなかったのだけれど、どこかでトニースコット味はやはり 無いよな。 メグライアンやはり出てこないのかなあ。 なんて事を思っていたのだけれど、これだけ見せてくれればそんなもの皆吹き飛んだわ。 ちゃんと続編だし、マーヴェリックだし、アイスマンだし、その上ここまで やってくれるとはねえ。 状況説明の際になんでそんなものそこにあるんだとも思ったが、まさかこれをやる為とは。 ミッションそのものよりもこっちが実は本番だった。 そうでないと。 そうか、可変翼のロマンを知らないのかと思っちゃったよ。 これはたしかに映画館で観たいわな。

『トイ・ストーリー4』"Toy Story 4"(2019)

(2019/07/25記) トイ・ストーリー4【IMAXレーザー/GTテクノロジー字幕版】 (2019/07/25 at グランドシネマサンシャインシアター12 IMAX2D) エキスポ以来のIMAXレーザー。 あの時は3Dだったから2Dで作品見るのは初めてか。 その大阪でもそうだったけれどこの問答無用のスクリーンサイズとの距離感は 素晴らしいな。 その上かつての元IMAXスクリーンでの上映であったようなせっかくのスクリーン サイズが中央にのみ映写されてるあの残念感が全くない最適化された作品。 上下の帯はまったく気にならないし快適な時間を過ごせました。 そりゃドルビービジョンを見た後だとこの上映中の館内の明るさが気にならないと いえば嘘になるけれど、このサイズのスクリーンで 無駄なところが明るくない事がどんなにステキな事か! 今回はプレミアムなシートとシートの間の列であったけれど、見やすさで言えば十分。 プレミアムなシートは前後左右のリクライニング度が違うからそれはそれで 羨ましいのだけれど、ノーマルシートでも十分。 音はといえばどぎつく尖ったところのない優しい感じで、スクリーンの主張に対して ちょうどのバランス。 ラグジュアリー感を目指していると言うのが一番適切かな。 平日初回という人が少なかったのも相まって快適な時間を過ごせました。 そしてグランドシネマサンシャインそのものについて。 スクリーンがそうだったように各階のロビーもそれぞれラグジュアリー感があって いいな。 その分トイレエスカレーター類の狭さが目立つというのはあるけれどそもそも ロビーが4階なので新宿のバルトみたいな押し込められた感はそれほどない。 まあただ混んでる状態は大変そうだなとは思うけれど。 さて、ここまで書けば本編もネタバレして大丈夫かなというわけでようやく トイストーリー4。 異なるスケールと質感のおもちゃ達が繰り広げるアクションやストーリーは それこそひっくり返ったオモチャ箱感がたまらない。 一作目から変わらずこの感覚はやはり嬉しい。 そしてこの混成部隊だからこそのバラバラ感と、ある瞬間に訪れる共感の数々。 月並みな言い方をすればまさに人生の縮図的なアレコレがこの4作目だけなも十分に 詰まっている。 いくつもの決断と行動の結果訪れた各々の未来。引き継がれる思い。 この物語が示してくれる希望で胸いっぱいになって劇場を後にする事ができました。 最後の最後、おまえはそこで報われるのか。

『特攻大作戦』"The Dirty Dozen"(1967)

(2018/08/13記) 『特攻大作戦』"The Dirty Dozen"(1967)を鑑賞。 (2018/08/13 at シネフィルWOWOW録画) ジョージ・ケネディとアーネスト・ボーグナインが揃う珍しい作品。 ドナルド・サザーランドに将軍をやらせる辺りとも思ったが『M★A★S★H マッシュ』の 方が後だった。 リー・マーヴィンの役どころとか役者の使い方は全般的に上手い。 テリー・サバラスやチャールズ・ブロンソンは順当な使い方だが。 ジョン・カサベテスが役者としてこんな役回りなのもまた。 ロバート・ライアンもまたハマり役な役どころ。 ってな感じで由緒正しきロバート・アルドリッチ作品でした。 これだから好きなんだ。

『トップガン』"Topgun"(1986)

(2017/11/25記) (2017/11/24 at NHK-BS 録画) やはりトニースコット映画としては百点満点の作品。 演出無し編集だけで組み立てられた冒頭のシーンの素晴らしさから始まって、 胃もたれを起こしそうなくらいのこれでもかとばかりのスタイリッシュな画作りと 音楽に載せて描かれたこの作品。 これを許されるものにしてしまうのがトニースコットの素晴らしさ。 それにしてもあれだけの長い間6機相手にダンス踊れるアイスは凄い。 という感じで冷静に見るとアイスの上手さのほうが目立つだけにあそこで中々 ロックオン出来ずに粘ってしまったのが残念。 相棒を失ったマーヴェリックが最終的にその道を選ぶのは毎回「教官としては どうよ」と思ってしまうのだが、訓練の相手としてはたしかにいいかもしれないなと 思い直す。 チャーリーはあまりマーヴェリックには必要の無い存在であったのがグースが いなくなった事でそこを埋める存在になってしまったという感じなのもある意味 トニースコット映画なところ。 その点メグライアン演じるグースの妻の方がグースにとって必要な存在となっていて、 だったらやはりチャーリーはいなかった方が良かったような気がしてしまう。昔から 彼女だけが違和感というか話を都合良く進めるためだけのキャラクターに感じている。 メインビジュアルたるポスターには無くてはならない存在なのだが。 そんな感じだから他の監督が撮っていたらどうなっていたか妄想するのが楽しい作品 でもある。 あれ?私ってこの作品こんなに好きだったっけ?と想うのも毎回のことである。

『劇場版とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟』(2013)

(2013/02/23記) 『劇場版とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟』(2013)を観ました。 (2013/02/23 at ワーナーマイカルシネマズ多摩センター スクリーン1) いやぁ面白かった。 ファンムービーとしては最高だな。 基本的にはアニメ準拠で今のところ本編とは関わらない番外編として綺麗に成り立って いる上にかなりの主要キャラクターが出てきて、さらに皆それなりに活躍の場が与えられて いるということ。 さらに今回のゲストキャラも必要があって配置されてるというバランスの良さ。 後は特に前半はよく見知った場所オンパレードで、特に立川駅前と多摩センター駅前は 大活躍。 そして本編(テレビアニメ)では立川シネマシティが出て来ていたからか劇場版では今回観た WMC多摩センターがバッチリと出てきてたな。 まあ配給ワーナーだし。(笑) そしてゲストキャラのキャストも納得の行った配役だったし言うことないな。 で、まあ今回はお祭りということで「とある科学の超電磁砲」がらみもいろいろと。やはり出て きたか金属バットとかね。(笑) そう言えば、本編ではまったく気づかなかった宇宙エレベーターの存在だが…爆笑もの だったな。 うん、確かに最初から存在してたかも。(笑) 芯となるネタも良かったな。 やはり魔術師ネタであるべきものの一つだよね。ここらへんはやはり原作者が原作者だけの ことはある。 不死の呪いやバベルの塔と宇宙エレベーターなどに加えて88人の奇蹟のトリックも 上手かった。映画版らしい地球を組み込んだ魔法陣の作成とかね。 まあそれよりもアリサとシャットアウラの関係性かな。 話は戻るが導入も好きだな。 数分の過不足無い映像ですべて前説済ましてしまうあたりの上手さも感じる。 ただ単品の作品としては…まあ何かを感じ取ってもし気に入って貰えたならという立ち 位置で作っているという感じか。 下手に間口を広げる為に何かしてくるよりはよほどターゲットもしっかりするし。 いやホント楽しかった。 (以降2017/09/18記) 『劇場版とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟』(2013) (2017/09/17 at Amazonプライム) 久々の鑑賞。 やはりテレビアニメシリーズのファンの為に作られた劇場版って感じで、それが これでもかとばかりにファンサービスする鎌池和馬の手にかかると見事にあの世界の ピースのひとつとして楽しめるものとなっている。 後々考えると新訳に入ってからの初期の幾つかは劇場版作った体験がフィードバック されてるのかなと思う。 残念だったのはテレビシリーズがあの調子で続いてくれていれば良かったのだけれど、 それがないと分かっていれば本編で作って欲しかったなあ。 このクオリティーで英国編を劇場版化してくれていたらというのは今でも思う。 そういう思いもあるのだが、それでもこれぞというものを久々に観れたのはとても 楽しかった。

『トゥーランドット』"The Turandot project"(2000)

(2002/04/15記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『トゥーランドット』を観ました。(2002/04/13 at シネセゾン渋谷)  私としては、組曲「スターウォーズ」や組曲「未知との遭遇」が印象的な (というと怒られそうだな)ズービン・メータが関わっているというのが、ま ずはこの作品が気になった理由かもしれません。(^^)  しかしながら今回は、とあるオペラ公演のメイキングというドキュメンタ リー。素直に入る込めるかが、実はちょっと不安でした。 (以降、内容に触れます。)  そのズービン・メータがいきなり冒頭に出てきたことと、実はメータがこの プロジェクトの仕掛け人のようなポジションにいるという事が判ったのが、割 とすんなり話に入れた理由のひとつかな。  そして、チャン・イーモウやその他関わってくる人がどんどんと増えてくる。 その過程で、だんだんとこのプロジェクトをドキュメンタリーとして撮ってい る事の意味が見えてきます。  オペラなのに(という言い方は少し変?)なんというエキストラの多さ。 そして、中国側スタッフの衣装に対するこだわり。京劇から引っ張ってきた処 刑人役の女性の動きの機敏さと対するオペラ的なイタリア人キャストの「楽器」 的な部分。 さらにはそのあたりから、オペラに普段から関わっているメータやイタリア人 側のキャストやスタッフと、チャン・イーモウを含んだ中国人側スタッフとの 価値観や見解の違いやその解消(もしくか未解消)の仕方の面白さ。  特に、その民族間の意識差というのは、先週までそういう体験をまさにして きたばかりであったので、面白かったです。  チャン・イーモウとライティングディレクターとの意見の違いも、お互いが、 最初からそう思うであろう事を想定していて、それでもこうしたいという形で の意見のぶつけあいという形になっていく部分とかが面白かったなぁ。 たしかに、チャン・イーモウなら明るい舞台を望むだろうし、一方のライティ ングディレクタのいうことは尤もだと思うし。  しかしながら、唯一の不満は、本編が観れないこと。 どうせなら大きなスクリーンで観たいよなぁ。 2002/04/15(月) kaname(CXE04355)

『TOKYO EYES』"Tokyo Eyes"(1997)

(98/11/19記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室) 『TOKYO EYES』を観ました。(98/11/19 at シネスイッチ銀座2)  Kと、Kの観ているであろう東京に、すごく既視感を覚えました。Kの感じ ている東京と、私の観ている東京がまったく同じという感覚。  不自然でも、過剰でもない、こんな視線で観た東京って、映画でもTVでも 観たことがなかったように思う。それは、たぶん、それらが東京を背景にして 何か別の事をやろうとしていたからであって、かと言ってこの映画はそういう 事をしていないのかというと、そうでもない。  それとも、私自身も実は、東京に対して傍観者と言う立場でしかないからな のでしょうか? いくら見つめても、何も感心を示してくれない。  それにしても、こういう、自分の視線に近い視線で写されたものが、フィル ムに残るというのは、とても嬉しい。きっと、何年も経ってこのフィルムを観 て、懐かしむことになるのだろうな。  話は変わって、吉川ひなのがこんなに自然な娘だとは知りませんでした。T Vでしか観たことがなかったから、それは当たり前の事なのかも知れないのだ けれど、それはそれで新鮮な驚きでした。 で、最後にちょっとしたネタバレ(と言っていいのかわからないけれど。) あんなにたけしを恐いと感じたことはなかったです。あのシーンだけは、目を 瞑りたくなるくらいでした。 〜〜〜〜〜〜 98/11/19(木) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『東京兄妹』(1994)

(95/01/23記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  hさん、はじめまして。KANAMEといいます。  実は、hさんの発言を読んで、この『東京兄妹』が上映されていることを 知りました。この映画の存在自体は、撮影中の現場を一度見かけた事があるので 知っていて、観に行こうとは思っていたのですが、最近の映画館の上映情報は、 この会議室と、映画館で見る予告編のみに絞っているので、気が付きませんでし た。まずは、ありがとうございます。  さて、私の感想ですが、自分の日常生活をしている空間が頻繁に出てくる映画と 言うのは、実は一度『あいつ』で経験しているのですが、(私の通っていた学校と その周辺がロケ地でした)、私にとってはこの映画を観る上では、それが最初の 方で足かせになってしまいました。  オープニングの頃の幾つかの風景カットは、自分の生活空間だったりするので、 カットごとの視点が右へ左へと移動し、あまり見ていて気分はよくありませんでし た。 まあ、普通の人が観る分には、何の問題もない事なのでしょうけれども。(尾道の 人は、どういう感覚で地元の出てくる映画を見ているのでしょう。)  というわけで、私はhさんが昔住んでいた、雑司が谷で生まれ育った住人 だったりします。  市川準に関しては、『つぐみ』が好きだったりするので、あの間というか、リズ ムは心地よかったです。  そして、粟田麗はhさんのおっしゃられるように、本当にお豆腐みたいな女の子 でした。けして出張ることなく、風景の一部としてすごく自然に画面の中に存在し ていたような気がします。それは例え入浴のシーンでも、決してはっとさせらるよ うなことはなく、湯ぶねの中では豆腐のように浮かんでいるような気がしました。  そういうわけで、粟田麗はよかったです。  また、緒方直人ですが、やはり、あまりしっくりこなくて、後半のあるシーンか ら、「緒方拳に置き換えてみたらどうだろう」と思い、(緒方直人には悪いのです が)頭の中で緒方拳に置き換えて観ました。すると、セリフも演技もすごくしっく りしました。  監督か、脚本家か、緒方直人自身が、緒方拳を意識していたのでは、と思いまし た。  そういったわけで、後からじっくりと落ち着いた気分になれる映画でした。h さん、ありがとうございます。 by KANAME MIGUCHI (ID:CXE04355) P.S. あの映画館で、初めて『愛・アマチュア』の予告編を見ました。タイトルだけ で判断していたので、ひいていたのですが、あの予告編を見たら、気に入ってしま いました。hさんも、とても気に入っておられるようなので、楽しみです。 P.S.のP.S. さらに『他人のそら似』の予告編も気に入ってしまいました。 ミシェルブランが・・・。 今、この文を読みながらにこにこしてます。(^^)

『東京上空いらっしゃいませ』(1990)

(98/10/01記)  「ほら、天国がいらっしゃいませしてるよ!」 この言葉が見事に心に残っている。  相米慎二の作品は、観ているものは、ほぼ例外無く好きなのだが、その中 でも、この『東京上空・・』は、一番好きな作品だ。(次点で、『雪の断章』)  時間のない、まさに「帰れないふたり」になってからの切なさは、似た ようなものの追従を許さない。長くもなく、短くもなく、山も谷も、まるで 自分の呼吸にあわせて作られたのかのよう。 思い切り、踊って奏でて別れていったふたりは、 「きっと、死んでも忘れへんやろ。」

『東京日和』(1997)

(97/12/14記 at Niftyserve FJMOVIE 4番会議室)  『東京日和』を観ました。(97/12/13 at シネセゾン渋谷)  観よう観ようと思いつつも、映画館の近くを通るたびに、凄い 人の列。そんな訳で伸ばし伸ばしにしていたこの映画も、もうす ぐ公開が終わってしまうと言うことで、滑り込みで観てきました。  さすがに公開終了間近だったせいか、もしくは初回だったせい か、30分前に着いても並んでいる人は誰も居ず、さらには客の 入りも半分くらい。まあ、観る前に、事前に人の評判がいろいろ 入って来てしまったのはちょっと問題があったけれど、それでも 今回はこの時期で正解だったようです。  と、前置きは置いといて。  良かったです。(^^) そして映画館で観れたことも良かったです。 音を奇麗に使っているので。(ドルビーサラウンドかな?)  心地好い映像と音に包まれて進んでいく静かな物語は、心地好い 時間を与えてくれました。柳川に行きたい。 (以降ネタバレあり)  最初は、中山美穂に、そして竹中直人に違和感を感じました。 何かつかみきれないまま、理解できないまま話が進んでいきました。 前の2作品の竹中直人のような、間の取り方のうまさのようなもの もない。さらには、今回は一度も笑える所はなかったかもしれない。  しかし、それがいつのまにか、島津と一緒になってヨーコを見つ め続けて行く事に心地好さを感じ始め、気がつくとすっかりやすら いでいる。最初はやや空回りなエキセントリックに見えた中山美穂 が、いつのまにか、「あ、これは中山美穂で良かったんだ。」って 思っている。  そして、そんな状態になってから観る柳川の風景、空気は、とて も心地好く、思わず行ってみたくなりました。  そして、最後のピースの導入とその前振りのための挿入。観たと きは、思わず「あっ(^^)」って思ってしまいました。凄く心地好か った。  ほんの少し幸せな気分になって映画館を出ることで出来ました。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『12モンキース』"12Monkeys"(1995)

(96/07/07記)  時を越える映画というのは、どうしてみんなこう切ないのでしょう? 過去をや り直すことができれば、何でもできる。一見そう思えるのですが、時間というもの は人間に特殊な感情を抱かせるものなのでしょうか? 『ある日どこかで』『ファイナルカウントダウン』『戦国自衛隊』そして『バンデ ットQ』。『ジュマンジ』や『バックトゥザフューチャー』でさえもそういう側面 を持ってしまう。 とても切ない映画でした。 (以降ネタバレです。)  見終ってしばらくしてから気がつきました。これは「テリーギリアムの映画 だ」と。 壮大なセット、幻想的なシーン、テリーギリアムの映画でいつも目を引いてし まう部分ですが、もう一つ大事なことを忘れていました。 急展開なクライマックスでの緊張感と、その後のやり切れない喪失感・・・。 クライマックス、コール少年とライリーが見合わせる目を見て、声を押し殺し て泣いてしまいました。 ライリー(マデリーンストウ)の視線で観たコール少年のカットは、「あなた はそこにいて、自分の最後を見たのね。」「そして、これからつらい旅を始め なくてはいけないのね。」「なのに、そんなに澄み切った目をして・・・。」 と言っているようでした。  コール(ブルースウィリス)が見た「忘れることのできない夢」がコール本 人の死だと知った時、そしてその夢を見続けなけらばならないコールの少年時 代が目の前に映った時、きっとそう思ったのだ、と思いました。最後の最後ま で希望を持っていたのに。  また、ブラッドピットはやはり脇をして光る役者だと改めて感じさせてくれ ました。 『テルマ&ルイーズ』のヒッチハイカー、『リバーランズスルーイット』の主 人公の弟、『カリフォルニア』のシリアルキラー、『トゥルーロマンス』の主 人公のロスの友達の同居人、『セブン』の若い刑事。まあ『トゥルー・・』は 別として、みな主人公の心、つまり観客の心に何かを残していく。そういう役 は本当にうまいと思いました。  そして"What A Wonderful World." 昔TBSの土曜日の深夜に放映していた「えび天」こと「えびぞり巨匠天国」 で、やはり同じように世紀末後の世界に流れる曲としてかかっていたのを思い 出してしまいました。

『トゥルーマンショー』"The Truman Show"(1998)

(98/11/15記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『トゥルーマンショー』を観ました。(98/11/14 at 新宿ピカデリー1)  この映画は、今年の5月に『ガタカ』と言う映画を観てえらく気に入ってし まい、そして、その映画の脚本と監督をしたアンドリューニコルと言う人が、 この『トゥルーマン・・』の脚本を書いていると言う話を読んで、さらには、 とても意味深な公式ホームページの表紙。で、全米での公開を注目していたら、 いきなり1位でボックスオフィス初登場、しかも向こうではサマーシーズンで のベストムービーにも選ばれて・・・と、そういう情報がどんどん入ってくる。  もう、こんな状況で、期待するなというのは無理だって感じになって、初日 での鑑賞に至ったのでした。  そして、その期待のプレッシャーもなんのその。この映画は、あくまでもこ の映画は『トゥルーマンショー』と言う映画なんだ!って感じのところを見せ てくれました。こんな映画に出会うことができて幸せでした。 (これ以降、結末も含んだネタバレあり)  もちろん、当初頭に描いていたのは、『ガタカ』のような絶望感との戦い。 あくまでもシリアスな世界でした。  そして、そんな世界にジムキャリーを置いて、ピーターウェアーは『今を生 きる』の時のロビンウィリアムスのような状況を構築するんじゃないかって思っ ていました。内容も、ひとりの人間の一生を、その人間に気づかれずに、TV 放映しているような世界。想像はどんどん膨らんで・・・。  けど、全然、予想は外れていました。(笑)  この世界は何かおかしいと主人公が思い始めてからの世界は、とても滑稽で、 すでに世界の設定にかなり無理がある事が見えてくる。(笑)  無線は混信するわ、予想外の建物に入るとエレベータの裏に楽屋はあるわ、 たまに意味もなく商品のCMを始めるわポスターの前に押しつけられたりする わ、旅行会社には「飛行機は危険だ!」的なポスターがだいたい的に張ってあ るわ(このシーンは飛行機内での上映ではカットされるのだろうな。(笑))、 バスやフェリーの運転ができない運転手の役者、手術ができないのにメスを持 たされた医者役の役者、果てには岩井俊二的なモブシーンの数々が目白押し。 (笑)  その上、原発事故だって?(笑) まさに小道具の目白押しで、もう、そのどれもがしっかりと笑わせていただき ました。(笑)(もちろん、過去の闖入者たちもいかにもでGOOD!)  そして、その中で、あくまでも主人公のトゥルーマン=ジムキャリーだけは、 「自分の今まで信じていた、周りの人すべてが嘘をついている。」と言う状況 の真実を知るために、そして、それを教えてくれた忘れられない女性に会うた めに、進んでいきます。  この映画で、ジムキャリーを使いたかったのは、本人を笑いの受け側に廻し たかったからなのですね。 いろいろな事が頭に渦巻いているので、話は飛びます。  やはり、そんな中でも好きなのは、忘れられない彼女の写真をモンタージュ で作りつづけているところ。記憶というものが、時間と言う力によってどんど ん指のすき間から流れ落ちるのを止めようと、彼は必死になって、写真のない 彼女の、写真を作りつづけようとする。  こんな彼に対して、あくまでシナリオの中で、自分の手の中で、彼を生きさ せようとするプロデューサのクリストフ。30年にも渡って、トゥルーマンを 見続けてきたクリストフが、たぶん当初この企画を始めたばかりのクリストフ の意図、あくまでもトゥルーマンはTVショーの題材でしかない、ということ に反し、親子的な愛情を抱いてしまい、その矛盾を繕うために、その愛情の方 向が曲がってしまっているところも、とても良かった。  そして、同じくトゥルーマンを見続けてきたことで、彼に愛情を抱き、トゥ ルーマンに近づき、引き離されて、それでもなお、彼が出てくる日のために、 シーヘヴンのドームのそばに住んでいたりする彼女や、トゥルーマンを外の世 界に感心を向けさせないために、設定の上で殺されてしまい、それでもなお、 トゥルーマンに会いたくて、他の役で戻ってきて連れ出されてしまう父親、果 てには、どうしても演技と割り切れなくて、結婚式の写真で指まじないをして いた(実はこれは映画を見ている時には気づかなかった(^^;)トゥルーマンの 奥さん、そんな、人間臭い人たちが大好きでした。  そんな中で、唯一許せないのは、7才の時から友人だと偽っていたマーロン だな。あの母親だって、「私が呼べば!」って思っているほど、もはや演技な のかなんなのかわからなくなっているのに。  そして、また唐突に話は飛んで、最後。 彼は、最後まで嘘だと信じていたかったのに、世界の果てには壁があり、今ま での思い出すべてに対して絶望してしまったのにも関らず、それでも、たった ひとつの希望、彼女に会うために世界の外に足を踏み入れていく。  そんなところに『ガタカ』と通じるものがあると感じてしまったのは、私だ けでしょうか?  そして、こんな風に、観たものに対して、どんどん想像を膨らませつづける ことができる作品を作れると言うのが、このアンドリューニコルと言う人なの だろうな。この人の今後に注目していこうかなって思っています。 〜〜〜〜〜〜 98/11/15(日) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『トゥルーロマンス』"True Romance"(1993)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  タランティーノ好きには今ひとつ評判の悪いこの作品。けど大好きです。 あのパトリシア”お姉さんはイルカ顔”アークエットとクリスチャンスレイ ター、そして周りを囲む豪華な共演者!!  それだけでも贅沢なのに話のおもしろいこと!! 特にクライマックスの 三すくみにはもう笑いが止まりませんでした。                            KANAME(CXE04355)

『ドーベルマン』"Dobermann"(1997)

 『ドーベルマン』を観てきました。(98/04/29 at シネセゾン渋谷)  公開前から楽しみにしていた作品だったのですが、なかなか観に行けなくて 今日ようやく観ることができました。 (以降ネタバレあり)  まず、あのオープニング!! 思わず「こいつバカだ。」と思っちゃいまし た。あんな始まり方されるとは思ってもみなかった。そして、続いては『オー メン』だよなぁ、これ。」なんて思ったり、「357だなんて随分とクラシッ クな銃をまた。(^^;」だなんて思っていると、あの場面の切り替わり。あれは 良い。  ただ、その後、しばらくは思いばかりが先走って、やろうとしている事が、 外したり当たったりと、自主制作映画的な様相になってきて、ああ、ダメだな と思い始めていたのですが、話が乗り始めたら段々、的に当たってくるように なった。当たり始めはユニオンバンク入り口での狙撃あたりからかな? そこ からはぴったりとのらせていただきました。追跡バイクのくだりのヘルメット の中の手榴弾は、主役が逆だったら、そんなの車に投げ込んで、自分は手を放 して、車の中パニックでドン!って感じになるんだろうな。とか余計な事は、 時々考えていましたが。(^^; JOE HELLの部分は、もう予想通りのものを予想以上にしっかり見せてくれたも のね! あそこは満足しています。 あと、ソフィアの家族のくだりはちょっとだれたような気もしますが、それは そこだけビジュアル的に違和感を覚えたからかな? まぁ、それもしっかりと あとで伏線張られていたからいいや。  そして、映画館を出た時には、しっかりとサントラも購入してしまったりし たのでした。(しかしそのわりに以外と後に何も残っていなかったりする。 不思議だ。) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『Dolls[ドールズ]』(2002)

(2002/10/25記 at @nifty FMOIVE 2番会議室)  『Dolls[ドールズ]』を観ました。(2002/10/25 at ユナイテッドシネ マズ入間 スクリーン2) (以降内容に触れます。)  しかし、ファーストショットで誰の映画か分からせてしまうというの はやはり才能なのだろうな。 唯一無二の存在。 そして、私個人としてはたしか『HANA-BI』以来となる北野映画は、や はり昔と変わらず唯一無二の存在。 しかも『ソナチネ』以前の、「媚びない」姿勢に戻っていた=戻りつつ あったのは、とても嬉しかった。 説明的なものは最小限。すべてが行間で成り立っているような昔に戻っ ている。 色彩も、カラフルなようでいて、実はかぎりなくモノクロであるのも 変わらない。 ずっと、ただずっとこの場に居たくなるような空気も変わらない。 そして、…なんといえばいいのだろうか。 例えば『ワイルドバンチ』を観て共有できる「分かりあえる」という 感覚は、スクリーンの中の男たちが「分かりあっている」ということ を共有できる感覚であるのだけれど、この映画で「分かりあえる」関 係にあるのは、主人公たちと観客である自分との関係。主人公たちは 他の登場人物たちと決して分かりあえない。 誰とも分かりあえない。けれども、そこには自分の知っている感情が 存在するという感覚。 そして、主人公達が最後に持っていたのは、決して相手にその感情を 分からせることはできない状況であるにも関わらず、相手の自覚しな い心の奥底にある「相手の中の自分」を垣間見えた事の幸せ。 そして、それが自己満足であるのかを自問自答させる間もなく、突如 引き起こる幕引き。 いつまでもその瞬間に居たい。その一瞬の為にこの映画が存在する。 まるで『ソナチネ』のような映画だ。 kaname(CXE04355)

『時をかける少女』(1983)

(98/12/05記) 『時をかける少女』を久々に観ました。(98/12/04 at ビデオ)  ほとんど、奇跡のような出会い方をした映画というものがある。 いや、忘れられない出会い方をした、忘れられない映画がある。  確か、夏休みが始まってからの土曜日が初日で、その日、部活の帰りに池袋 で観たのが、この映画との出会いでした。  目的は、この映画を併映にしていた、薬師丸ひろ子の『探偵物語』。しかし、 この、感情をまるごと持っていかれるかのような作品と、奇跡のような女の子、 原田知世と、そして、趣のあるシーンで終わるこの映画から、やはり奇跡のよ うに始まるエンディングロールで、その帰り道の、私の頭の中は満たされてい ました。  この作品は、この時期に作られて、この時期に出会えたこと、そして、それ がこの時期の原田知世であったこと、そんなすべてが、私の心の中に、そして 同世代の多くの人たちの心の中に、深く残った理由の多くなのだと思う。  本当に、この時に、この映画に出会えて良かった。本当にそう思う。そのせ いで、この映画は、この頃の私のすべてを思い出させてくれる映画であり続け てくれ、私に、この時期があったことを、いつでも思い出させてくれる。  それにしても、今回はかなり冷静に観たつもりなのだが、そしてそのせいか、 前半部分のオーソドックスな作りが、意外に見えてさえしまったのだが、それ でも、この映画が、強く心に残っているのは、あの壮大なコマ落とし映像から、 クライマックス、そして、心に残るエンディングと、さらには、この映画を忘 れられないものへと決定づけた、あのエンディングロール。それが絶妙なバラ ンスで作られているからだと改めて思った。  いや、そんなことは、もうこの映画に囚われてしまっている者には、もはや どうでもいいことなのかもしれない。  この映画に出会えて良かった。そして、今日また再会することができて、私 は幸せである。 かなめ(CXE04355) P.S.それにしても、あの「未来」の「1994」も、今はもう過去なんだと言う事 に気づいて、何とも言えない気持ちです。

『時をかける少女』(2006)

(2008/07/27記) つい先週地上波で放映された同作品をつい見逃してしまい、 しまったと思っていたところスカパー!の日本映画専門チャ ンネルで放映されることが判り…。 『時をかける少女』(2006)を観ました。(2008/07/27 at スカイパーフェクTV! 日本映画専門チャンネル) 既にそれこそいろいろな人から感想を聞いたり読んだりしていた ものの、それでもたしかにこれは!と思える作品でした。 過去の映像化作品もある上、ここまで換骨奪胎して、で、ここまで 作ってしまったのはホントに凄いわ。 序盤の、それこそ景色の切り取り方だけで、過去の作品とはまったく 違うものの、ツボを押さえてるなぁと思わされてしまった。 校内のそれとない光景、広い空、商店街、河川敷。決して遠い昔の 風景ではないものの懐かしさに囲まれた風景が、過ぎてしまった 昔と自分たちを思い起こさせてくれる。 そんな中でくり広げられる物語は、凄く前向きな主人公。 けれども徐々に…、ってこのあたりはまるで"GROUNDHOG DAY" (ええと邦題は『恋はデジャブ』だったかな)かのよう。 まぁ女子高生なのでそのままではないけれど。 (カラオケ歌い放題、好きなもの食べ放題とか) そして、原作の主人公芳山和子も登場。 原田知世版の和子の未来は化学系の研究室へと進んでいたので そのままでは無いにせよ、私の世代ではそちらを彷彿してしまう。 (何か日本語がおかしいな) しかし、「時のかけ方」はホント見事だな。 要は意識の問題なのだろうけれど、まさにこの主人公らしい「時の かけ方」。 で、思い出したが先クールのノイタミナ枠の(アニメ版)「図書館 戦争」の主人公は(というよりは作品そのもの含めて)これにその まんま影響受けてるわな(たぶん) うむむ、他にもいろいろしゃべりたいのにありすぎて何もでなくなって しまった。(笑)…のでこの辺で。

『ときめきサイエンス』"Weired Science"(1985)

(2017/09/17記) (2017/09/16 at NHK BS 録画) そういえばこれもビルパクストン出てるんだった。 そしてロバートダウニーJr も。 こちらは見事に時代を背負ったもので終わってしまったなあ。 男の子の馬鹿な妄想という意味では不変的なテーマではあるが。

『殿、利息でござる!(2016)

(2016/06/01記) 『殿、利息でござる!』(2016)を鑑賞。 (2016/06/01 at イオンシネマ海老名 スクリーン4) 事前に出ているビジュアルインパクトや軽いストーリー紹介などからイメージした 通りの滑り出しで始まったと思ったら、いや確かに想像通りの話運びではあったの だけれど、これはもう見事としかいいようがない。 無駄なものなんてほとんどなかったんじゃないか? 目の前に今まで出されていたものが次から次へと畳み込まれ、話を右へ左へ 転がしていく。 癖のある役者たちの配置の仕方も終わってみればこれもまた見事。 で、確かに殿はこれしかないよなといううまさ。 本当に役者じゃないのか?〉羽生結弦 その登場のさせ方から退場に至るまでの使い方、見事でした。 まあ、まずは話の運び手であった瑛太と鍵となった妻夫木聡から賛辞を始めないと ダメか。

『ドミノ・ターゲット』"The Domino Principle"(1977)

(2007/11/06記) 『ドミノ・ターゲット』を観ました。 (2007/11/06 at スカイパーフェクTV! ザ・シネマ) 中学生の頃は、毎日にようにテレビでかかる映画を観てFMの映画音楽番組を エアチェックしての毎日でしたが、そのエアチェックの日々で一番印象に残っ ている曲がこの『ドミノ・ターゲット』の主題歌、"SOME DAY SOON"でした。 物悲しいトーンで歌い上げられたこの曲は、この作品、いや時代にマッチして いて当時、聴いただけで涙を流していた曲でした。 たしか卒業の時の寄せ書きにもこの"SOME DAY SOON"と言う言葉を書いて いたと思う。(^^; それくらい、この曲と『ラスト・コンサート』の主題曲にははまっていました。 で、『ラスト・コンサート』の話はまた長くなるのでおいといて… 何度観ても、この映画の雰囲気、この時代の映画の雰囲気は好きなんだよなぁ。 ある意味余計なものが無く、想像させるものは想像させたままで、ただただ 物語を語っていく雰囲気は、私にとっては今の作品ではもう味わえないものです。 それは、その時の記憶と同時にあるから余計にそうなのだろうなぁ。 私は、やはり20世紀の人間なのだな。

『T.R.Y』(2002)

(2003/01/13記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『T.R.Y.』を観ました。(2002/1/12 at MOVIX京都 シアター4)  館内は『ハリーポッター』を観るために来た人でごったがえしており、逆に これは大丈夫だろうと安心していたら残席があっという間に少なくなって・・・、 危ない所でした。  しかし、この日に訃報を聞いた深作監督の『バトルロワイアルII』の予告編 を、まさか同日に観るとは思いもしませんでした。しかも、あんな事をやろう としていたのか、あの人は。本当に容赦のない人だわ。 などと、本編前の予告編を観ながら考えていました。 (以降、内容に触れます。)  おお、やろうとしていることは凄く好きだ。さすが、大森一樹! 失われたものの再生だなぁ。 今までだったらもっと安易な方法が取られていたものが多かったのをよくぞこ こまで! そりゃあ話のツッコミどころはいろいろあるし、何よりも、まるで現代からあ の時代に迷いこんだかのような織田裕二や黒木瞳の変わらなさも、この際目を つむる事にしよう。  特に、このような作品で主役を張るべき人は、決して芸達者な人ではなく、 織田裕二のようなタイプである事が条件なのだから。  カタコトの日本語が飛び交う雰囲気も、よくぞここまで集めたといわんばか りに固められた脇も絶対条件だな。  今の日本映画的なものも好きではあるのだけれど、それでも、娯楽であった 日本映画・・・いやこれは日本映画に限った事ではなく・・・も、失うべきでも諦め るべきでもないなぁと、あらためて思わされました。 2003/01/13(月) kaname(CXE04355)

『ドラキュラ都に行く』"Love At The First Bite"(1977)

(2002/05/02記 at @nifty FMOVIE 14番会議室)  自分でこのタイトルを出しておいて言うのも何ですが、懐かしい タイトル。(^^)  この作品って、たしか、初めて試写会で観た作品なんですよね。 FM東京の何かの番組での募集があったものの応募。 場所は、・・・あ、名前を思い出せない・・・今はなき、しかしながら 試写会というと定番の場所でした。会場は広かったのですが、 映画を観る場所ではないなぁという印象を持った覚えがあります。 しかしながら、映画はもう最高でした。(^^)  ジョージハミルトン、これ以前の作品を何か観ていたかもしれ ないのですが、少なくともその時は思い出せず、しかし、そんな 事は関係なく、その堂々としたところが良かった。 まずキャスティングにこの人を持ってきたのが一番の成功の要因 かもしれない。 そして、割と陳腐になりがちなこの頃のこの手の物とは、一線を 画していました。ZAZが出てくる前は、メルブルックス以外だ とこれしか記憶がないくらい。 たぶん、今観ると、その音楽の使い方とかファッションとかが とても時代を感じさせるものという印象が強いんじゃないかなあ とは思うものの、それでも、面白かった。 kaname(CXE04355)

『ドラゴン・キングダム』"The Forbidden Kingdom"(2008)

(2008/09/14 at 機内上映)   (2008/09/14記) 字幕上映での鑑賞。 いやぁ思わず目頭が熱くなる事が何度もありました。何とか泣かずに 踏ん張りました。 シルバーやらラウレンティスの姓が制作側にあるのに内容はグダグダ なのは悲しいものがあるけれど、それぞれご当人ではないからな。 それでも…、いやぁ好きだわ。(最後の仕掛けなんかも)

『トラストミー』"Trust"(1990)

《その1》 (95/05/28記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  『トラストミー』と『愛・アマチュア』の2本立てを、飯田橋ギンレイホー ルで観ました。(考えてみたら、佳作座は通っていたけど、ギンレイホールは 初めてだなあ。)  『愛・アマチュア』は以前感想を書いたので、今度は『トラストミー』の事 など。  ハルハートリーの独特な間と感覚でちょっと不安だけど、ちょっと優しくて おかしい独特な間と感覚でつづられていて、何かちょっと優しい気分にさせて くれる。『愛・アマチュア』でも感じた感覚が『トラストミー』ではそれ以上 に強く出ていてとても気に入ってしまいました。 来週は『愛・アマチュア』と『シンプルメン』の2本立て。楽しみだなあ。 (私にとっては「ハルハートリー三昧」な日々だなあ。) (以降、ネタバレあり)  けばい化粧でselfishなマリアが、高校を退学させられ、妊娠した事がわか り、父親に死なれ、恋人に捨てられ、母親にも見放されて、化粧を落とし、服 装を変え、眼鏡をかけて、信じる人に身をゆだね、そして私も信じるから私を 信じて!と言えるようになっていく。 どんどんかわいく健気になっていくマリアがとてもよかった。 その彼女を守っていく事になる、やはりselfishなマシューも、マリアを守ろ うとすることで、自分を失い、取り戻していく。 このふたりのツーショットが、なにかとてもほほえましかった。マシューと並 ぶとマリアはとても小さくて、まるでマリアが猫みたいに見えてくる。  それにしても、耳に残るのは、"I don't know."。  そして、延々と続く日常生活の断片。(風呂掃除、洗濯、買物、食事、仕事 ) ・・・やはり、うまく言葉で表せないや。  この世界は、いい事などないけど、捨てたもんじゃないよ、きっとどこかに 救いがあるんだよ。そんな気持ちにさせてくれる映画でした。 KANAME(CXE04355) 《その2》 (97/05/18記 at Niftysrve FYOUGA 2番会議室)  『フラート』のハルハートリーの90年度作品、『トラストミー』を観て来 ました。(パルコ調布キネマ)一昨年に一回観ているので二回目です。  7:50pmからのレイトショーだから当日仕事でも、次の日仕事でも無理なく観 る事が出来る。初めてだったけど、これからは要チェックだな>パルコ調布キ ネマ  以降ネタバレあり  ハートリーの映画の面白さのひとつは、展開の唐突さなので、一回観ると、 ある程度しかけはわかっちゃっているからどうかなって思っていたけど、全然 問題なかった。その「しかけ」は2回目でも楽しめました。  最初からあの観ている人を振り回していく展開は、知っていたんだけれど気 がついたらやっぱり見事にはまっちゃっているし。(^^) マリアはやっぱりどんどん奇麗になっていくし、「Trust me!」のシーンはやっ ぱり良いし。  やっぱり好きだな!>『トラストミー』 いつかまた映画館で会えるのを楽 しみにしてるよ! kaname(CXE04355) http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/

『トラ・トラ・トラ!』"Tora! Tora! Tora!"(1970)

(2017/08/18 at イマジカBS 録画)   (2017/08/18記) 『トラ・トラ・トラ!』"Tora! Tora! Tora!"(1970) (2017/08/18記) 毎度最初に思うのは黒澤版が観たかったなということだが、それは置いた話として エピソードを積み重ねていくインターミッション前の組み立てかたの日米入り交じった 上での淀みなさが良いよなあ。 言い方はおかしいかもしれないが、出来事の積み重ねの結果としてあのような状況に なってしまったということを上手く描いていると思う。 描かれている中に策謀はなく、ただ積み重ねていった末にその状況へ。 そして後半はたっぷりと当日。 幸運と不運からなる状況がひたすら描かれていく。 そして、目的は達せられなかったことをもってこの話は終わる。

『トランスフォーマー』"Transformers"(2007)

(2008/10/04 at WOWOW)   (2008/10/04記) 『トランスフォーマー』を観ました。(2008/10/04 at WOWOW) いやぁ、想像していた以上に楽しめました。 何よりも、話の精神年齢を低いままなのに感動した。 昔のアメコミ並みのレベルのままで変な含みも何も持たせずに男の子 妄想目線のままここまでやってくれるとは思ってもみませんでした。 今となっては、ホントある意味新鮮。 しかもこんなものにここまで金かけて、ホント凄いなぁと思った。 惜しむらくはトランスフォームのギミックが多すぎて目で追いきれ ないというところが、個人的にはもう少しシンプルでダイナミック なものを望んでいたので残念だったけれど、まぁそこは作る方もある 意味バカになりきってくれていたと見る事も出来るので痛し痒しと いったところか。 そして、この作品にアメリカのバカ代表マイケル・ベイを選んだのは ホント正しかったなぁと感じました。 普段なら目につくマイケル・ベイっぽいところが全然気にならなかった からなぁ。 今度からはアメリカの本広監督と呼んであげましょう。(逆か?(笑)) ホント、コンポイも格好よかったし言う事無しです。

『トリコロール 青の愛/赤の愛/白の愛』 "Tricoleurs(Bleu/Blanc/Rouge)"(1993/1994/1994)

(at Niftyserve FMOVIE 3番会議室) その1 (94/11/12記)  みなさんこんにちは。やっと"ROUGE"を観て、『トリコロール』三部作を観 終わる事ができました。前2作を観た時にはまだ私はここに存在していなかっ たので"BLEU","BLANC"も少し絡めて感想を書きます。  まず、とても期待していただけに・・・最後は腹を抱えて笑ってしまいまし た。 とは言ってもさすがに一人で声を出して笑える雰囲気ではなかったので声を殺 してですが。何故かって?  それは観てのお楽しみ!(でも誰も笑わないか もしれない。近ごろ映画館で笑うことに生きがいを感じているからなあ、俺は。)  まず、前2作と同じくある間隔をおいて出てくるテーマカラー。これは相変 わらず素晴らしいとおもいました。出るかなって思っていると出てくる。そん な感じでとてもほっとさせてくれます。『青』の時のコバルト系のやや暗めの 青、『白』の時のまさに白銀とでもいうべき白に続いてこの『赤』ではちょっ と品のある主にビロード系の赤い色がとても印象的です。(すいません。こう 言っておきながら、私はあまり色彩感覚はないので表現が間違っていたら許し て下さい。)  それからイレーヌジャコブ。私は『ふたりのベロニカ』で始めて彼女を観、 かつキェシロフスキ監督の作品も始めてだったのですが、『ベロニカ』がとて もお気に入りの作品である私にとっては、ちょっとトーンダウンの感じは否め ませんでした。ただし、『ベロニカ』とこの『赤』とではテーマが違う以上好 き嫌いが出ているのかもしれません。彼女自体の雰囲気は『ベロニカ』のとい うよりは『青』のジュリエットビノシュに近いかなと感じました。けどこの役 はイレーヌじゃなければ全然別の雰囲気を持つ作品になっていたのではないか と思います。(言いたい事がちょっと要領を得ません。すいません。)三部作 の中では彼女が一番良かったと思います。(関係ないけど、私の好みのタイプ です。すいません。)  そしてこの作品で使われたギミックである『盗聴』。去年の今ごろ日本で公 開された『硝子の塔』ではもっと大胆に『覗き』でしたが、この二つの行為を 行う二人の男が言おうとしている建前は同じだとおもいました。「もしも、プ ライバシーの名の元に隠された真実を聞く(もしくは見る)事ができれば世の 中をもっと良くすることが出来るだろう。」そして本音。「ゴシップは最大の 娯楽さ。そしてこれは自分に力を与える武器にもなる。」(たぶん『赤』を観 てこう感じる人は少ないかいないかもしれません。けれども私にはそう言って いるように見えました。) それに対して女達はその事に魅力を感じながらもその事を嫌悪し、ただし二人 は立場が違うので別の手段を取ります。 さらに『夢の涯てまでも』の後半のドリームジャンキーも「人のプライバシー は最大の娯楽さ」という所の『人』が『自分』に置き変わっているだけで近い 世界だと思います。・・・だんだん本筋から外れてきたぞ! 言いたいことはこの類の話が展開する作品はどれもこの話の処理を中途半端に 終わらせ過ぎだと思います。かといって、私も答えも持っていないのですが。 しかし、今上げた三作品はどれも大好きな作品です。このテーマは一方で、近 ごろはやりの"BORN IDENTITY"(自分は何者なのか)的なテーマですから。  今この『トリコロール』について言えることはこんな所です。結論としては 、とてもお気に入りの作品が一つ(三つ)増えたと言う事と、三本ともビデオ化 されたらば今度は三本の関連性について追及したくなってしまったということ かな。(今までの話と全然違うぞ) 以上、まだ非常に混乱していますので、頭がすっきりする『HOLLYWO OD』ガムが食べたいKANAMEでした。 その2 (95/02/12記) Mさん、はじめまして。KANAMEといいます。ちょっと亀レスですね。  私もトリコロールは観ました。青・白・赤の順番で。もし、赤を見られる際 には頭の中で青と白の順番に直した方がよいかもしれません。各々の映画が独 立してはいるのですが、私はこれで一つの流れを持つ一つの映画として見てま すので。  というわけで、『青の愛』ですが、私としてはビノシュ版の『ふたりのヴェ ロニカ』という印象も持ちました。(もし、『ヴェロニカ』をみていらっしゃ らないのならば、是非観て下さい。『青』が気にいられた方ならば、これは絶 対気に入ると思う) キシェロフスキは『ヴェロニカ』を当初ビノシュで撮り たかったと言う話もあるし。  あと、私はあの遠くを見つめるようなビノシュの瞳にずっと魅せられていま した。彼女の目は、最初なにも映していないのだが、ラストには・・・、てな かんじで。  あとは、透明な青に対する映像のこだわりがよかった。  そして『白の愛』は、カロルカロルの土壇場でしたねえ。あの、駅の地下道 で櫛を吹くシーンから、死体を手にいれてのクライマックスのつながりまで、 失敗を交えながらもどんどん成功していく展開はとても気持よいですよね。  あと、純白な白に対する映像のこだわりもよかった。  そして、『赤の愛』ですが、これは良いですよ! 『ヴェロニカ』でも主演 してたイレーヌジャコブの持つ雰囲気が凄く良い。こちらでは彼女の瞳とその 純粋な瞳が映す映像にとても魅せられてしまいました。  また、これも色に対するこだわりがあるし。  機会があったら是非観て下さい。最後に全体を貫くちょっと仕掛けも用意さ れています。  あと、感想書きですが、私も苦手です。けど、こういったことで、人と感想 を話し合えるのも、私にとってのこの会議室の魅力のひとつですから、Mさん も是非書き込みを続けて下さいね。  以上、キシェロフスキは本当にもう映画を撮らないのだろうかと心配なKANA ME(CXE04355)でした。

『ドロップゾーン』"Drop Zone"(1994)

(95/02/12記 at Niftyserve FMOVIE1 3番会議室)  『ドロップゾーン』を観ました。宣伝にある「高所恐怖性の人は絶対見ない で下さい」の高所恐怖性なのですが、この映画はとても面白かった。というこ とは、私は高所恐怖性ではなく別の物なのだろかという意識を強くしました。  実際、私は高い所に立つのは恐いのですが、最近、何故恐いのかという理由 が、そこから一歩飛び出したいという衝動を抑えられなくなる自分が恐いから だと実は気づいてるのですが。自殺願望ではありません。もしかしたら、自分 が空を飛べるのではないかという錯覚を常に持っているからだと思います。い まだに空を飛ぶ夢をよく見ますし、その中での自分は、実際には飛べないこと を知りつつも、飛ぶことにすごい快感を覚えているから。  こんなことを書いたのは、実はこの映画を観て飛びたくて飛びたくてしかた がなくなったからです。それぐらいこの映画は飛ぶ事の楽しみを見せてくれて いると思います。昔、『グランブルー』を観て、水の中の世界に行ってしまい たくなったように。(実はそれ以来近くの公営プールに通って、泳ぎ続けてい ます。体を鍛えるためではなく、水の中の世界を味わうために。もし、近くに 泳げる海があったら、そのまま帰ってこないかもしれない。それくらい『グラ ンブルー』は私にとって衝撃的でした。)  まあ、実際には運動神経もないしぼけているし、お金もないのでので、スカ イダイビングの類に、私は向いていません。高い所に留まっているのはとても 恐いですしね。というわけで、実際に飛ぶ感覚は私は一生味わえないのではと 思っています。  映画の中身に話を移します。  この映画は、スカイダイバーが原案を考えたというだけあって、空を飛ぶシ ーンは最高に気持よいです。何人もの人間が何回も、ばらばらと飛行機から飛 び降りて見せてくれ、そのたびに、格闘をしたり、スカイダイブの練習をした り、技をみせたりしてくれるのですから、とてもよかった。  そして、空を飛ぶウェズリースナイプスやゲイリービジーはとてもかっこよ いです。もちろん他の人々はそれに輪をかけてうまいのですが、みせるという 点ではこの二人の役者は格が違うなあと感じました。  そしてこの二人は、本当にこういうB級アクション映画になると生き生きし てますよね。これが俺の転職なんだといわんばかりに。ウェズリーのアクショ ンとゲイリーの悪役、これはこの映画をさらにわくわくさせてくれる要因の一 つになっていると思います。  また他の役者もキャステイングはとても良かったと思います。ヒロインは活 動的なヒロインらしく、悪役側の女性は、それらしくといったかんじで見事に はまっていた。 こういう期待を裏切らない映画はよいなあ。  というわけで、お気に入り作品続出のKANAME(CXE04355)でした。空を飛びた いよう!

『どろろ』(2007)

(2007/01/28記) 『どろろ』を観ました。(2007/01/27 at ユナイテッド ・シネマ豊洲 スクリーン10) 個人的にも好きな作家である手塚作品の中でも、特に 設定的にかなり好きな作品。 これを実写化することは個人的には「デビルマン」並に ジレンマのある作品であるが故に、不安と期待の入り交 じった中での鑑賞となりました。 で、観た感想もやはりジレンマのあるものになってしまった。 塩田監督もかなり思い入れのある作品だと聞いていたのですが、 まさにその通りになっていました。 いろいろな事をやりたい、入れ込みたいというのが痛いほど 良くわかる。 ある意味かなり近い世代なので、それがよくわかってしまう んだよなぁ。 手塚的な作品世界であったり、一方で東映特撮への愛情や 香港アクションへの愛情が強く観られたり、まぁその東映 特撮への愛情がある意味手塚ではなく石森的なものであっ たり。 それをまた東映ではなく東宝でやっていることで東映なら ではの安っぽさがないことがジレンマであったりもするの だな。 これが東映だったらまさにどろろじゃなくてキカイダー だよなぁ。 そういう意味で映画ではなく(このクオリティで) テレビシリーズのほうが向いていたかも。 「どろろ」自体も映画の枠に入れてしまうとダイジェ スト感が出てしまう事は否めなくなる作品だし。 などといいつつも、思い入れのある作品にありがちな バラバラ感がなくまとめられているところがうまい よな。「どろろ」の作品世界が持つジレンマも 東映特撮の良いところ悪いところも、香港アクション 映画のテイストも中途半端感無くうまく出していま した。さらに、良い意味でも悪い意味でも塩田臭が ぷんぷんする作品ではあったりもするし。 もちろん、悪いところも重なっている部分はちょっと 強調されてしまっていて、意地悪な言い方をすれば 途中で何度も緊張感がとけて飽きてしまいそうに なったりもする。 そういう意味では、やはりテレビシリーズ向き なんだよなぁ。 あと、気になったのはCGと整合をとる為にか ところどころ存在するざらざら感と、他の部分の くっきり感の統一性のなさと言うか使い分けの 必然性を見いだせなかった部分というか。 CGも、安っぽさが目立ったりしっくりいったりと まるでテレビシリーズのアニメを観ているような 感じでした。 この部分も、度を超すと怒りを覚えてしまうので あるけれど、その一歩手前なんだよなぁ。 そうそう、今回の映画化での最大の不安であった 妻夫木百鬼丸ですが、ある意味非人間的な部分を うまく引き出していて意外や違和感ありません でした。映像の質感もそこらへんを十分カバー していたし。 勝ち進んで行けばいくほど生身に近い身体に なり弱くなっていく部分も、そこそこうまく いっていました。 柴崎コウは、柴崎どろろという前提が必須と なればこの手法は正解かな。 他のキャストに関しても、このキャスティング ならこれが正解という感じかな。 (中井貴一も瑛太も原田芳雄や原田美枝子も) で、前述の東映特撮臭がせっかくあるのであれば、 いっそのこと、どろろは柴崎コウのまま、百鬼丸を 栗山千明にしてちょっぴりエロい往年の東映路線に 持っていったりというのもまた面白かったかなぁ なんていう妄想も抱いたりしてしまいました。 (もちろんそれでいてテレビシリーズね。(笑))