『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』(2022)

(2024/04/07記) (2024/04/07 2024BSアニマックス放送版) 想像以上に濃かったな。ここまでアクションシーン満載でしかも見応えあるとは。 冒頭での長刀の太刀筋の魅せ方の巧さだけでも楽しませてもらったのに果ては トロッコアクションに至るまでの多種多様。 どこまで本編に関わるかとも思ったが、あれが再び登場するのがいつになるのか次第か。 今までもそうではあったけれど、この作品における悪魔の狡猾さとその本質の描き方、 とてもらしくて好きな所の一つなんだよなあ。 人ほどエグく罪深い訳ではなくむしろ人のそれを際立たせる存在となっているあたり。 個人的には違う結末になるのかと思っていた。この作品ならそれもありかと っていたがリムルの持つ力の本質からすればこの結果が相応しいのかもね。

『ディープ・インパクト』"Deep Impact"(1998)

(2024/03/02記) (2024/03/02 Amazon prime) 今となっては検索かけてもほとんど馬ばかりになってしまったディープインパクト。 公開当時に観て以来久々に観ました。 『地球最後の日』を観たり読んだりした流れで。 初見時は個人的期待に対して、良くも悪くもミミ・レダーな作品になっていてこの 作品とは相性悪いなと感じてしまったのですが、今改めて観るとこちらも良くも 悪くもこの頃の映画として観てしまえばこんな感じかなと前ほどの居心地の悪さは なかったかな。 彼女が早々にELEに辿り着いてしまうのが、出だしのアイデアとしてそこまでは 上手いなと感じていた分勿体ないなと思ったくらいで、前述のこの時代のアメリカ 映画らしくて良かったと思う。今もしくはこの5年10年先だと同じ企画があったら もっと長くなってたのかなという意外な2時間ちょいの作品でした。

『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』"T-34"(2018)

(2023/11/11記) (2023/11/11 amazon prime) 前から観たかったこの作品。 こんなタイミングとはいえAmazonプライムにて配信始まったと聞いて思わず観て しまいました。 先日久々にガルパン観たというのもあるかな。 しかしホントに凄いなこの作品。 戦車特化で言ってみればハズレなしと言われる潜水艦映画を彷彿とさせる緊迫感溢れる 画面構成。 冒頭の土台作りから、コイツら絶対魅せてくれるなと思えるもの見せてくれて。 基本イェーガー有能なんだよなあ。唯一アレとアレだけがなんでそんな ヘマしたのだかと思えるのだけれど、見方によってはワザとじゃないかとも思える。 特に地図なんてニコライも罠だと思いつつ食いついたくらいだからな。 そもそも時期設定的にユーゲントを教育する云々が出てる時期だからとか考えると、 ある意味開拓時代の終焉を迎える頃を描いた西部劇の匂いも感じるのは思い入れ過ぎか。 そんな事など一切構わず生きて帰る事を目的としたニコライ達というのをよりによって ロシア映画で見せられるとは。らしいと言えばこの上なくなのだけれどそれは別の話。 物語の締め方に至るまで見事な映画でした。

『TENET テネット』"Tenet"(2020)

2023/01/03記 (2023/01/03 Amazon prime video) 終わってみれば「HUGっと!プリキュア」だったな。 こじつければ色々な所が。 まあそれ以前にも原典なんてあるのだろうが。 それはさておき冒頭から五感全てがノーランワールドという心地良さ。 そして今までと同じく既存の作品、今回は007シリーズと言っても良いのかな、それを 自分の世界観に押し込んで、また観たことのないイメージの奔流の中に突き落として くれた。 何よりもそれが名も無いものであるというのが心地良い。本来無個性で黙々と任務を こなす者を映画で台無しにされた作品だからな。 と、他作品に対する怒りも置いといて。 ホントこの映像表現や構成には感嘆しか起きないな。 素晴らしい。 特にこのアイデアを最大限に活かした2つのシークエンス、空港でのアクション シーン、彼女の目撃した女の2つは共にその展開を途中で気づくのだけれど、 その上で見せられる未来の過去はわかっていても、いやわかった上で見せて くるから何とも言えない。大好きだ。

『劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇』(2009)

2020/01/01記 (2020/01/01 at BS11録画) さすがこちらは劇場版も相性が良い。 ただ、CM付きの放送で観るのはちょっと辛かったかな。 テンション上げて上げてな所でぶった斬られるのはちょっとなあ。 それはさておいた話で上手いこと各パートをまとめたなあ。 エピソードをがっとまとめて再構成。 牢獄のシーンはまとめ過ぎだよと思ったりニア覚醒のシーンはキレイに まとまったなあと思ったり。 それがいくつもいくつも連なって挙句の果てにあの人数で天元突破か。 テレビアニメの規制もなし。(ん?) そしてシモンとニアの結婚式では泣く。ここはもう条件反射。思い出してる 今でも涙目だ。

『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』(2008)

2019/12/31記 やはりテレビアニメの方が念頭にあると上手くまとめてるとはいえダイジェスト感が 出てしまうよなあと思っていたらいきなり突き抜ける天井。 まさかそんなもの用意していたとはね。 テレビアニメのご褒美的な感じはそれでも否めないけれど紅蓮篇でここまで 描いたのだからその分羅巖篇暴れられそうだなあと期待を残しての紅蓮篇でした。

『ディアハンター』"The Deer Hunter"(1978)

(95/09/07記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  完全に観たのはかなり後で、それまではちょっとロシアンルーレッ トばかりが目について、クリストファーウォーケンにばかり目が行っ ていましたが、初めてすべてを観たとき、メリルストリープに心惹か れてしまいました。健気で優しい純朴な・・・ そこまで観て始めてこの映画の素晴らしさを知りました。                               KANAME(CXE04355)

『ディアボロス −悪魔の扉−』"Devil's Advocate"(1997)

(98/05/20記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『ディアボロス』をようやく観ました。(98/05/20 at 池袋シネマサンシャ イン6)  なかなか周りの評判が良くて、気にはなっていたのですが、ちょっと観るタ イミングを失っていたのですが、たまたまタイミングが合って、今日観る事が できました。  そして・・・、観てよかったぁ! とても良かったです。 (以下観ていない人にはもったいないネタバレあり)  いやぁ、アル・パチーノ! あなたは本当に悪魔だ! (特に、教会のシー ンなんかは。(^^))『スポーン』のジョン・レグイザモも目じゃないな。 そして、それだけで終わるかと思ったら、キアヌ・リーブス! きっと彼は、 最後の「傾く」シーンが本当にはまっていました。このシーンのためだけに キャスティングされたと言われても、私は信じます。  で、そこで終わったと思ったら、まさか泣かされてしまうとは! あれで、 この映画を観ている最中のわだかまりがすーっと消えていきました。まぁ、最 後にちょっと揺り戻しがあったけれど、あれはこの際許そう。(笑)  ああ、これで、今年の頭から悩まされてきた『ゲーム』の呪縛からも解き放さ れました。そういう意味でも良かった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『ディーバ』"Diva"(1981)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  なんか、観ているだけで透明になれるような不思議で奇麗な映画でした。 夜と言うよりは夜明けに近い色の街を自転車で駆け抜ける。とってもそれが気 持ちよかったです。                            KANAME(CXE04355)

『ティファニーで朝食を』"Breakfast at Tiffanys"(1961)

(2006/07/30記) ロンドンの次はニューヨーク。(注:前日に『フォローミー』を鑑賞) というわけで、『ティファニーで朝食を』を観ました。(2006.7.30 at SKYPERFECTV! スターチャンネルクラシック) とはいっても、たまたまテレビ観てたら始まったので偶然という奴ですが。 こちらも久々に観たせいか忘れているなぁ。フレッドを取り巻く環境や ユニヨシのエピソードあれこれ(半分くらいは覚えていたんだけれどね) などなど。エンディングもいつのまにか原作のエンディングに頭の中で 置き換わっていたようです。 あとは吹替えに耳が馴染んでいたせいか、池田昌子のなまったしゃべりが 聴けないのがちょっと残念でした。 そして、昨日のロンドン(『フォローミー』)と今日のニューヨーク (『ティファニー・・・』)。 街の楽しみ方も違えば、キャラクタを巡る人間模様も違って、 そういう意味でも楽しめました。 両方ともその後の少女漫画でモチーフとしてよく使われているのも 一緒か。 このままいくと明日はハリウッドかパリかな。(笑) また、かたやジョン・バリー、かたやヘンリー・マンシーニの 名スコア対決も楽しめて、いやぁなんて贅沢なんだ。 しかし、これでオフをするなら、スタート地点は銀座だな。 もちろん朝集合。最後は全員が酔っぱらうまで飲むという。(笑) それにしてもホリー・ゴライトリー=オードリー・ヘップバーンも フレッド=ジョージ・ペパードもなんというか何度観ても本当に チャーミング。あと、キャットもね。 そして、こちらも最後はヘンリー・マンシーニの曲に酔いしれて 終わるのだな。 良い作品と心に残る音楽。 これこそが至福の時間なのだろうな。 (以降2018/01/04追記) (2018/01/04 at NHK-BS 録画) こちらはブレイク・エドワーズとヘンリー・マンシーニ。 似た者同士であるがゆえに判るところ判らないところがあってそれが愛おしい。

『デスペラード』"Desperado"(1995)

(96/01/03記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  『デスペラード』を観ました。なんてお馬鹿でお気楽なエンターテイメント なんだ!! もう最高に楽しませてもらいました。やはり、ロバートロドリゲスはいい!! 今後も楽しみな監督ですね。  『フォールームス』の感想にも書いたのですが、この監督の作品は『エルマ リアッチ』を観ていて、その時に、そのアイデアと絵の見せ方を気に入ってい たのですが、この映画はそれを本当にスケールアップして見事に見せてくれて ました。本当に面白いです。  ただ、少々バイオレンス色の強いので、駄目な人には駄目かもしれませんね。  以降ネタバレあり。要注意!!  漫画チックな絵、あくまでもクールな主人公、奇麗で知的で強いヒロイン。 いかにもな悪役とその間抜けな手下ども。それを本当にテンポよく展開させ て、本当に面白かった。笑わせてくれますし。  なかでもお気に入りは、バーでの銃撃シーンと、まだマリアッチだったこ ろのシーン、二人の本当に強力な(笑)助っ人が加わっての銃撃シーンと・ ・・、う〜〜ん、他にもたくさんあります。  しかし、「誰か、車の電話番号を知っているものはいないのか!」笑わせ てもらいましたね。(笑)  最後に、この作品を薦めてくださったmさんに感謝します。 KANAME(CXE04355)

『鉄人28号 白昼の残月』(2007)

(2007/12/30記) 『鉄人28号 白昼の残月』を途中からになっちゃいました けれど観ました。 (冒頭10分見逃した) (2007/12/30 at スカイパーフェクTV! ANIMAX) 前に深夜枠でやっていた版の鉄人は観ていたので、横山光輝 絵なキャラクタそのままで繰り広げられる鉄人そのものの 「おお」という感覚はだいぶ薄れていたけれど、(何故か 若干クオリティは落ちるが)あの絵のままでこんな話を進 められるのはある意味なかなかシュールなだなぁなんて思 いつつ作品に入っていく。 しかしながら、作り手の勝手な自己満足(それとも作り手 側の想像力の限界?)がちょくちょく現れてそれを阻害し ていく。 アニメーションとして、そして企画としてはとても良かっ たと思えるだけに結果的には(たぶん)脚本・監督のクオ リティがそこに達していなかったがためにものすごくいび つな作品になってしまっていたのがとても残念でした。 元々の設定が持っている、例えば正太郎が車を運転したり とかあのコントローラで動くとかそういうところはもう既 に幼少時代からデフォルトで頭の中に入っているからそれ でいいのだけれど、戦後感を漂わせることが圧倒的に下手 というか上っ面だけしかないんだよなぁ。 あんたら素人かいというレベル。 そういう点で『…続・三丁目…』や(ちょっと路線は違う が)『…大人帝国…』はホントうまかったなぁと思いまし た。(ううむここらへんはちょっと誤解されそうな気もす るが他にうまい表現の仕方が見つからない) それでも嫌いになれないところがあるだけにホント、余計 に残念。

『デッドゾーン』"The Dead Zone"(1983)

(2007/02/25記) 『デッドゾーン』を観ました。(2007/02/25 at DVD) ずいぶんと前に録画したものを、ようやく観ました。 しかしこれも、最初に観たのはいつ頃だっただろう?(ロードショー では残念ながら観てはいない。)いずれにせよこれも久々です。 みかけは少し変わってしまったけれど、ジョニーは最初に登場した 時から、中身はまったく変わっていないんだよなぁ。 彼にとって昏睡状態の5年は一日に過ぎない。 また、この作品の紹介って大抵最後のイベントがメインになって しまうのだけれど、実はそれはクライマックスではなく、あくま でも最後のイベントに過ぎないものとして描かれているし。 そういう部分を丹念に描いているところが最後まで静かなこの作品の 魅力なのだろうな。

『デビル』"The Devil's Own"(1997)

(97/04/30記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  ジョンフォードが愛した故郷アイルランドとそこに住む人達。 その昔ジョンフォードが『静かなる男』などで見せてくれた「アイルランド気 質」=家族に対する愛情・自分が決めたルールには意地でも従う所。  そういったものをしばらく観ていなかった事を思い出させてくれる映画でし た。  この映画でハリソンフォード扮する警官はまさにその典型ともアイルランド 系移民。  そこに、本国アイルランドから来たブラッドピット扮するIRAのリーダー が来ます。8歳の時、家族のだんらんの最中に反IRAに父親を殺された男が。  そして彼は言います。「ここはアメリカだ。ここにとってアイルランドは別 の話だ。」と。  ジョンフォードが愛した「アイルランド気質」は、もうアメリカと言う夢の 中にしか残っていないと。  映画を観た帰り、場所は知ってるけど今まで行ったことがなかったアイリッ シュバーにでも寄ってみようかなと思ったのですが、パンフレットを買って、 手に持っていたので結局やめにしました。(さすがに恥ずかしいから。)  今日のところは何故か冷えている、缶に入ったギネスで我慢することにしま す。 (以上、感想1) (以降、感想2)  私はこの映画を最初、ハリソンフォードとブラッドピットが出てる、と言う だけで敬遠していました。最近のハリソンフォード=だいたい『逃亡者』以降 からのハリソンフォードは、昔の魅力=『ブレードランナー』や『刑事ジョン ブック』の頃の魅力をすっかり失ってしまい、単なるスター俳優にしか見えな くなっていたから。そして、最近のブラッドピットには、本来の幅の広い役を こなせる所よりもエキセントリックな方向ばかりに目が行ってしまっていたか ら。  けど、この映画はそれを外してくれた。ふたりとも私の好きな部分を久々に 見せてくれた。それだけでもこの映画を観て良かったと思いました。 あと、オープニングタイトルはなかなかかっこ良かった。アイルランド的な画 面の全体の暗さも、アイルランド的(?)な音楽も、良かったです。 kaname(CXE04355)

『デビルマン』(2004)

(2005/10/23記 at Production note of ...) 『デビルマン』を観ました。(2005/10/23)  既に公開から時の経っている作品ですし、その時のさまざまな評判は 耳にしていたので、それをある程度予測しての鑑賞だったのですが・・・。  たしかにこれは学芸会レベルの演技(?)だよなぁとか細かいツッコミ どころは数あれど・・・。  で、そういう演技も逆に非日常的で怖いよなぁなんて、なかば斜に 構えてみていたりもしていたのだけれど・・・。  何かひとつの事が固まり始めてから、そういった見方をしていた部分が なくなり、ある意味途中から涙をこらえられなくなってしまった。  演技的な部分に関しては、あ、これは東映さん『バトルロワイアル』の 路線を作ろうと思っていたのね、なんて事は分かってきた(ような気が した。)  ビデオ撮りに変わった頃の特撮ものってこんな感じだったよなぁとも 思った。  けれども、むしろこれってピンク映画時代の那須監督の作品に近いん じゃないの?って思い始めてしまった。もしくは総じてのピンク映画の 演出といったほうが良いのか。  そして、ましてやこの作品はあの「デビルマン」の実写映画化。 この原作漫画やもしくはテレビアニメに思い入れを持っている人は いったいどれほどいるのだろうかといった作品だ。ましてや映像に関わる 仕事をしている人ならなおのことのような気がする。 そういう人なら、いったいどれほどの思い入れをこの作品に入れ込んで しまうのだろう。 キャラクタのビジュアル面や、個々のエピソードなど、本当に好きな部分 ばかりだ。やりすぎにさえみえてしまうあの「A」マークのTシャツさ え本当にそのまま出してしまった。 原作の、明に対して常にある方向を見出させようとする了という図式の 部分もいくつも存在する。 まぁ美樹ちゃんのビジュアルに関しては個人の好みというものがある だろうからあまり言わないでおくけれど、当初思っていたほどの違和感は なかった。 ミーコが出ている。 そして、原作の中でもっともインパクトのあるいくつかのシーンがある。 (完全に再現されているとはあえて言わない) これらがまとまると、何故私が泣くことになるのか、これはうまく 説明できない。 映画としての出来、という言い方をすると決してよいとは思えない作品で はあるかもしれない。 このロケーションはなんだとか他にもいろいろ思うこともある。 けれど、愛情に溢れる作品に思えてしまったことと、そこに同調して しまったことでという言い方が一番良いのか。 ただ、目の前に那須博之監督の作品があるにも関わらず、もう既にその 人が存在しないということに対して何か感じてしまう部分があるからなのか。 今は、ただ何も考えずにこの作品を感じていたい。

『地球へ…』(1980)

(2007/05/03記) 効果音のひとつひとつが懐かしい…。 というわけで、久々に『地球へ…』を観ました。(2007/05/03 at LD) 少し前に復刻版を読んだのと、今放映されているテレビシリーズを 観ているので、よけいに時代というものを感じたかな。 当時の東映アニメーションの文法に則って作られた作品でした。 そして当時の映画の匂いも。 まぁそもそもあの原作をよくもここまでうまくまとめあげたというのは あるけれど、前述の「いろいろな意味で時代を色濃く反映されている」 というのと、今のように子供向けではないものも商売として成立させら れる状況にないという前提で作られたものという部分が、やはり今観る と薄っぺらで苦しくはあるかな。 ひとつの作品としては成立してはいるのだけれど。 原作は、今読んでも多少の古さは感じられるものの、十分にのめり込める ものではあるのに、まぁしょうがないにせよ物語を整理しすぎて単純化 してしまっている部分が残念だよなぁ。 ホント頑張ってはいるのだけれど。 それにしても、今観ると恥ずかしい部分多々ありだなぁ。(^^; テーマを高々とうたいあげてしまうのはちょっとね。(^^; まぁ、今やっているテレビシリーズは別の意味で少々恥ずかしいのだ けれど。(変な意味で竹宮惠子オマージュが入っていたり、メカのみを CGで描く変な古くささが。) などといいつつも、やはり好きではある。 「静かだ…。」だけでうるうるしてました。

『テルマ&ルイーズ』"Thelma & Louise"(1991)

(95/11/05記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室) うーーん。いいですよね。暴走する主婦!! だんだん引くに引けなくなっ ていき、最後には追い詰められてっと言うパターンは『俺達に明日はない』 とか『ダーティメリークレイジーラリー』とかが印象に残っているけど、そ して変則的には、『狼達の午後』みたいなものもあるけど、すごくきれいに まとめあげているところは、さすがリドリースコットだなあと思いました。  Tさんの言うようにあのラスト、好きです。 これはWOWWOWで観たのがたぶん最初だと思いました。                               KANAME(CXE04355)

『天空の城 ラピュタ』(1986)

(99/02/14記)  『天空の城 ラピュタ』を観ました。(98/12/25 at NTV)  宮崎駿作品の映画の中では、やはり一番映画的な『ルパン三世 カリオス トロの城』が好きなのですが、この作品は、少々別な意味で好きかもしれま せん。純粋なファンタジー。心躍る話。  もちろん、この作品にも哲学的な部分、主張をしている部分はあるのです が、それでも他の作品よりは色濃くない。オマージュ的なものもない。だか ら、純粋に楽しめる部分が多いんですよ。これが一番好きな理由かな。

『天国から来たチャンピオン』"Heaven Can Wait"(1978)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  なにか、すごくとっても映画映画していて好きでした。最初のうちはあく までお気楽なウォーレンビィーティが人を好きになってからは必死になって 生きようとする。 そして最後の、例え記憶がなくなっても、姿は変わっても的なラストはとって も好きです。  これも中学生の頃日本テレビあたりで観たのが最初だと思う。                            KANAME(CXE04355)

『天国と地獄』(1963)

(2002/09/16記 at @nifty FMOVIE 6番会議室)  『天国と地獄』を観ました。(2002/08/31 at NHK-BS2) (以降内容に触れます。) この作品でも白眉なのは、この導入部分。 ほとんどが、三船扮する会社重役の家から離れずに、主人公と、そ の取り巻く環境を説明してしまいます。 そして誘拐が起こり、ますますこのキャラクタが魅力的である事を 見せていき。 ここでこの邸宅からカメラが離れたところで主役が交代します。 そこからの主役は、誘拐犯を追う刑事たち。 誘拐犯をまったく見せないことで、この刑事たちへと、今度は感情 移入先が変わっていきます。前半の主役であった三船への感情移入 を残しつつ。 それにしても、何度観ても身代金受渡しのシーンは緊迫感があって いいです。個人的には、『太陽を盗んだ男』の同様のシーンと並ん で、この手の部分でのイチ押しのシーンですね。 音楽の使い方も見事。この後も全編通じてつづく、要所要所にアク セントとしてしか出てこない音楽の存在というものが、緊迫感と物 語の強弱を見事に付けてくれます。 そしてさらに捜査が進み、ついに最後の主役、山崎努登場。若い。(^^) それはおいといて、あの有名な「色」のシーンもまた何度観ても いいところ。ここでまた音楽がアクセントとして付くんですよね。 それまでの音楽の使い方が、ここでまた生きてくる。 うーーん、ジョージルーカスは黒澤の映画からいったい何を学んだ んだ。(笑) で、最後の主役たる山崎努には、それまでと違ってあまりカメラに は好かれないまま、どちらかというと捜査陣の目から観たものの ほうが多いまま話が進みます。 これは、監督の主観がそのまま入っているのだろうなぁ。 山崎努の立場の者には、あくまでも第三者としての立場しか取らな いという。 けれども、それでも主役してるんですよね。 というわけで、この話、割と複雑な構成を取りながらも、音楽や色 といったアクセントの使い方を最小限にして、パートパートごとの 主役をきっちり固定するといった形で、描き方をシンプルにするこ とに努めることで、観客を置いてきぼりにすることなく、話を進め ていってるんですよね。 こういったところが、最盛期の黒澤の「技」なんだろうなぁ。 見事な作品でした。 kaname(CXE04355) (2007/01/28 追記) 『天国と地獄』を観ました。(2007/01/28 at スカイパーフェクTV! 日本映画専門チャンネル) やはり何度観てもキャラクタ設定の作りこみ方とその表現方法は素晴らしい。 (特に権藤とインターン) 観れば観るほど味がある。 などと細かいこといいつつもしっかり楽しませていただきました。 音楽と色による句読点の付け方のうまさにも酔わせていただきました。 (以降2020/05/24追記) (2020/05/24 at NHK-BSプレミアム録画) どうも思い込みで中盤まで音楽がかからないと思っていたが、冒頭からタイトル ロールは音楽あったんだな。 川西がちゃんと頭が切れる奴だとか、話を繋ぎ止めるキャラクターの登場の仕方とか。 毎回薬の受け渡しの現場だけがダレるんだよなぁ。その直後に緊迫感が増すのだけれど。 用心深さは見えるけれどけっこうガン見してたりやらもあるけれどあのシークエンスで 会話無しは絵として辛いのかな。 その後のダメ押しの煽りは素晴らしいので痛し痒しではある。

『天使が見た夢』"La Vie Revee des Anges"(1998)

(99/02/13記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『天使が見た夢』を観ました。(99/02/11 at シネスイッチ銀座1)  ここのところ続けてここの映画館で映画を観たせいか、予告を何度も観る機 会があって、・・・たぶん、この予告を観ずに、映画の存在だけ知っていても 観には行かなかっただろうなぁ。 その一方で、タイトルと、予告編から想像される内容になんとなく、不一致と いうか違和感を感じていたのも事実でした。 (以降ネタバレあり)  さて、そういう心持ちで観に行ったのですが、その目の前に出されたのは、 予想以上に、自分というか、男が感情移入をすることをある種拒否させられた ような世界。  それが、何故かはわからないのですが、まったく感情移入の出来ない世界が 目の前にあって、しかし、それはけっして不快ではない世界。凄く、女性的な ものの見方の世界に思えたのだけれど、監督も脚本も男性なのですね。  普通そういう場合で女性が主人公だと、あくまでも男の理想な部分が入って いて、そこに惹かれるのだけれど、この映画のキャラクタ達は、そういうある 種余計なものは一切無く、女性そのまま。  そして、ただ、唯一判る、というか、きっとそうなんだろうと思ったのは、 あの物語は、本当は、事故で昏睡状態に陥っていたサンドリーヌが、見ていた 夢なんだろうなって事。  そういう意味で、唯一サンドリーヌに対しての感情が、「感情移入している」 に近いかな。 〜〜〜〜〜〜 99/02/13(土) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『電車男』(2005)

(2005/06/16記) 『電車男』を観ました。(2005/06/15 at 立川シネマツー シネマb) レイトショーだというのに客の入りがかなり良い。しかも年齢層がけっこう低い。 女性の比率もかなり高いし。・・・と思ってたらレディスデーだったのね。 しかし良く考えてみたらシネマシティの出来た当時小学生だった子たちがこうやって 今はここに居るだなんて妄想を走らせてみると、何か感慨深いものがあります。 と、暴走はこれくらいにして本編。 はっきり言ってびっくりしました。 ここまでうまいものを見せられるとは。 ともすれば象徴的なものを集めすぎてしまいそうなこのネタを、ここまでシンプルで オーソドックスな作りにすることで、こんなにも純粋に楽しめるものにすることが できるのですね。 さらにこの物語を彩る為に、さまざまな小技をしかもやりすぎなどせずにワン ポイントで効果的に使っているのもまた見事。 デジタルな撮影を思い切り生かした輝かんばかりの秋葉原。 その他の舞台装置の、ともすれば映像や音楽でキッチュに彩りたくなりそうな部分を これまた自然に撮っているのも良かったな。 力の抜き加減で言えば各発言の見せ方使い方やテキストグラフィックの使い方も また絶妙だったように思います。おかげでクライマックスも映えたものなぁ。 そして中谷美紀の終始一貫した撮り方。そしてあそこまで紗をかけられていても あのキャラクタならばと思わせるこの雰囲気たたずまいの良さもまた見事。 キャラクタといえば主役たる山田孝之の怪演が、その他すべての主要キャラの 人数や背景を絞ることとその迷いのない人選と力の抜けた演技によって また引き立っていたようにも思えました。 で、最後に『ラブソング』ネタ。 おお、ここでこんなものをみせてくれるとはということで、思わず喜んでしまいました。

『天地創造』"The Bible"(1966)

(2006/01/03記 at Producction note of ...) 『天地創造』"The Bible"(1966) (2006/12/24,25 at テレビ朝日)  深夜枠で前後編に分かれてでの放映があったので久々に観ました。 一編一編がひとつの作品になりそうな規模の話を、まとめてここまでの話に してしまうのはさすがラウレンティス。 その分エピソード毎のバランスはうーーんというところはある。 後半よりも前半のノアのシーンのほうが映画的なクライマックスしてるし。 (さらにノアと神の声が監督であるジョン・ヒューストンだったりするし。) ソドムの滅亡が「遠くに巻き起こるきのこ雲」というのは時代を背負ってるなぁ とか、この時代の特撮のほうが今の時代のものより味があるよなぁとか、 やはりフードを被ったピーター・オトゥールはいいよなぁとか、 久々のこの作品を楽しませてもらいました。 p.s.しかし、もしこの時間帯に『天地創造』ではなく『人類創世』だったら絶対 寝てるぞ。(笑)