『TAR/ター』"Tar"(2022)

(2024/03/31記) (2024/03/31 Amazon prime) スタッフロールをいきなり見せてくるあたりでこれは何か仕掛けてきそうだという予感。 それがいきなりそのロール明けの主人公から伝わる緊張に繋がる。 そこから描かれるのは音楽に対して忠実である彼の姿。 彼の意識の外にあるものは描かれない。 理路整然とした彼に対して殻を破れない周囲。音楽に対する向き合い方の違いに対して 色々とアプローチをするがどれも上手くはいかない。 さらにはそれらすべてが悪意によって仕組まれているようにさえ見える。 それが具体的に発現するのがSNSというのが面白い。 最初から仕組まれたようにも見えるし、講義を受けていた生徒達すべてのリテラシーが その程度だから不特定の誰かかもしれない。そう思えてくるのは新しく入ってきた チェロ奏者の子の態度。そこに醜く縋りついているようにも見える。 徐々に、もしくは最初から彼は世界から置いて行かれている? 理解者はパートナーと娘のみ。 ただ、音楽に対して向き合っていられれば彼の世界は保たれる。 マッサージのシークエンスは彼の嗜好に対する世間の目とその現実を現したと 観るべきだろうか。 と、そんな仮定をしてみたが、オーディションでの不誠実だけが あてはまらないのだよなあ。 リハパートに入った時の音圧が好き。

『ダーティーハリー2』"Magnum Force"(1973)

(2022/12/24記) (2022/12/24 at Amazon prime video) 急に観たい発作が起きたのでレンタルだったけれど迷わず鑑賞。 ホントは『呪術廻戦0』観るためにprime videoのページに飛んだのだけれど 何故これが観たくなったのかは謎。 この作品、初見の時から好きだったけれど、2度目以降、すべてを知った上で 観るほうが個人的には好きだったりする。 一つ一つが何を意味するのか知りつつ観るのが。頭の中で繋がっていくのがとても 面白いんだよね。 今回初めて気づいたのだけれど、字幕では自殺と言っているけれど、原語だと Russian rouletteって言ってたんだな。脚本にチミノ関わってると考えると余計にね。 まあ内容的にはベースを作ってるジョン・ミリアス臭がとても強い。 順番的にはどちらが先か判らないけれど、アルトマンの『ロング・グッドバイ』と 同じ年の作品なんだよなと思ってみるとまた面白い。 自分とは違うもののどこかでそれを肯定している認めている人間との対峙という 意味では同じ結末なんだよな。 まあ「長いお別れ」は元々原作があって知られた作品であるから直接の源流は共に そちらだろうけれど。 そう考えてみるとどこかでこの作品に惹かれる理由もなんとなく判る。 根本的にはまったく違うものではあるけれど、似た匂いを持つところに惹かれるのだ。

『ダンケルク』"Dunkirk"(2017)

(2017/09/30記) (2017/09/29 at イオンシネマシアタス調布 スクリーン10) 弦楽器さん大活躍だったなあ。 それはさておき映画館でなければ味わえない没入感を堪能させていただきました。 いやあ素晴らしいわ。 やってることはいつもと変わらないのだけれど、このただ広いだけの海岸線と 海、空という状況を存分に生かしきった舞台。 絶望的な状況からただ生き残ろうとする何十万分の一の視点で描かれたこの物語が 描く人々は、この映画のように、万人に愛されるタイプでないが掴んだ人の心を 離さないものをもって静かに微笑みかけてきます。 --2019/08/25追記-- 『ダンケルク【IMAXレーザー/GTテクノロジー字幕版】』"Dunkirk"(2017) (2019/08/24 at グランドシネマサンシャインシアター12 IMAX2Dフル) 無事ダンケルクの戦いから帰ってきました。 やはりさすがに疲労困憊。 上映後の細い動線であるエスカレーターを黙々と降っていく観客が作中を思わせました。 というか土曜夜とはいえこの作品によくこれだけ人が集まるな。しかも今日に限らず 一週間毎日これくらいの勢いだからな。 すべてとは言わないがかなりの確率で無名の歴戦の勇士と思われる方ばかり。 何かがおかしい。 さて、枕はこれくらいで今回の感想。 作品としては2回目となるので全体像を把握しての鑑賞が出来たので初回とは別の 視点で楽しむことができた。 ものすごくシンプルだけれどよくできているなあと思うと共に、それ以外の 情報処理リソースをすべて画面に集中させるためにそれがあるんだよなあと痛感。 聴覚をひたすら刺激し続ける音楽といいすべてがその為に。 それがあの規模で間近にある大画面で繰り広げられる訳だからたまったものではない。 冒頭付近は一見横に広く感じた初見のシアタス調布のウルティラの方が印象は 良いのだけれど、あの画面の大きさに色々なものが麻痺していく。 縦横比が近いと画面がロールした時により平衡感覚が麻痺するとか見事に クリストファーノーランに翻弄されているよ。 あのIMAXサイズの情報量が空だったり海だったり砂浜だったり雲の上だったりに 費やされる感覚はなんとも言えない。 すべてがカスタマイズされたものにうまく乗っていて、毎日通ってまで見に来る人が 未だにいるという事がよくわかる体験でした。 ようやく人心地がついてきた。

『ダーク・スター』"Dark Star"(1974)

(2017/02/01記) (2017/01/30 at WOWOW 録画) たぶん初見。大まかな内容やら有名なシーンは軒並み観たこともあるし、知っては いたけれど。 たぶん20代30代の時に観ていたらハマッていただろうなあ。小説やら活字だったら凄く 面白いと思うし、90分未満という後のカーペンターの掟の中に詰め込んだSFマインドは 今観ても愛してやまないものであった。 特にあのブリッジの無駄の無い空間の使い方なんてあれだけで感涙ものだし、最後の ネタなんてその後の他作品で何度観たことか。 音楽にしてもその後のカーペンターらしさが出てるし、そもそもらしさで言えばその チープな感じもからしてらしいからな。 けどまあ、学生が作った作品としては良いというレベルではあるからな。 そこで過大なものは期待できないと思う。

『ダークシティ』"Dark City"(1998)

(98/12/01記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『ダークシティ』を観ました。(98/12/01 at 池袋シネマサンシャイン6)  この映画に関しては、「私は絶対に気に入る!!」と断言してくれた人が居 たので、特にとても楽しみにしていました。そして、その読みは見事的中!! 薦めてくださった人、ありがとう。(^^) これは大好きだわ。(^^) しかし、映画の日だけあって平日なのに、ほぼ満員。そういえば、映画の日に 映画を観るのって何年ぶりだろう?(『太陽に灼かれて』以来かな?) (以降、内容に触れます。)  いやぁ、もちろんビジュアル面も凄いし、出口の無い悪夢的なところも、も ちろん好きなのだけれども、ジェニファーコネリーが目を半開きにして歌って いるのも好き。(^^) キーファーサザーランドも、「それは親父の得意だった役柄だよね。」って役 を、最初のうちは多少浮きながらも、最後には「結構合ってるね。」って思え るようになっていたし。  そして、時計が動きだして、人々が活動を開始するところでは、うひゃうひ ゃ笑ってました。周りがあまりに静かなんで、声を潜めて。  あと、「異邦人」が空を移動してるところもおかしかったし、それよりも、 なんと言ってもクライマックス!! 必死に吹き出すのをこらえていました。 (笑) ビジュアル的にはほぼ完璧な状態で、アレをやられるとメチャメチャ 嬉しいし、笑えます。期待した通りの展開!! 見事にツボにはまってしまいました。(^^)  そして、最後も○。 行きすぎず押えすぎずの、ここもツボを突かれた感じ です。  そうやって映画が終わり、映画館を出て9Fから階段をぐるぐる降りていく と、『トゥルーマンショー』がやっていて、さらに降りていくと『プライベー トライアン』がやっている。これって、『ダークシティ』的状況だなぁと、ま たひとりで喜んでいました。  それにしてもロードショー公開短すぎだと思う。>この映画。 〜〜〜〜〜〜 98/12/01(火) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『ターミナルベロシティ』"Terminal Velocity"(1994)

(95/02/12記 at Niftyserve FMOVIE1 3番会議室)  『ターミナルベロシティ』を観ました。デランサラフィアンという監督はと ても面白い視点を持っているのですね。すごく気に入ってしまった。  まず、この映画の売りの一つは題名も示すように加速度感でした。しかし、 この点に関する限りは、『スピード』や『ドロップゾーン』などと比べるとち ょっと落ちます。 クライマックスの車ごと飛行機から落とされてからのシークエンスは、なかな かのものだと思いましたけれども。  私が観に行ったもう一つの理由は「ナスターシャキンスキー」です。ヴェン ダース物やそのほかの作品で見せているあの雰囲気が私はとても好きなのです 。(まあ、早い話が彼女のファンなのです。) ただし、そういった意味では、 今回はアクション映画のヒロインのわりに凄く地味に感じてしまった。彼女の 魅力がここでは裏目にでたと思います。最後には鼻血まで出してるし・・・。  というわけで、アクション映画としては楽しめなかったのですが、そのかわ りに、いい監督を見つけてしまった。デランサラフィアン  まあ、知ってる人は知っていたのでしょうけれども、私は知らなかったので す。実際には、数日前に『バックトゥUSSR』という作品がTV放映されて いるのをちらっとみて、全編観れなかったのを悔しがっていたのですが。  もしかしたら、『バックトゥ・・』と『ターミナル・・』だけがこういう雰 囲気なのかもしれませんが、ロシアの中のアメリカ人、アメリカの中のロシア 人という設定の持つロシアのイメージを見事に映画の中に反映させています。 ロシアという今混とんの中にいる国と人の雰囲気をこれらの映画の魅力として 見事に出していると思います。ヒッチコック物の持つ異国のなかにたった一人 の不安感にこれがプラスされて、ロシアの哀しみというか、不安感をこの映画 は味あわせてくれる。そういった意味ではナスターシャはベストキャスティン グだと思います。  そして、デランサラフィアンの作品はまたこれからも楽しみにしたいと思い ます。  以上、実はちょっと寝てしまったKANAME(CXE04355)でした。

『ターミネーター2』"Terminator 2 :Judgement Day"(1991)

(2006.4.9記) 『ターミネータ2』 "Terminator 2: Judgement Day"(1991) (2006/04/08 at フジテレビ) これを観ると、やはり『T3』の凋落感が際立つなぁ。 そして『エイリアン2』『アビス』そしてこの『T2』の頃のキャメロンは 本当にピークだったんだなぁと感慨深くなってしまいました。 そういえばリンダ・ハミルトンが「1」から「2」でこんなに変わるとは まさか思っても見なかった・・・なんてことを思い出しながら、結局の ところシリーズの主役はやはりサラ・コナーだったことも「3」の喪失感に 繋がったんだろうなぁとも思いました。

『ターミネーター3』"Terminator 3 Rise The Machines"(2003)

(2003/08/15記 at @nifty FMOVIE 14番会議室) 『ターミネーター3』を観ました。(2003/08/15 at お台場シネマメディアー ジュ シアター6) 『T2』は燃えたからなあ。 とはいうものの、あの後をどう話として復活させるのかと、ジェームズキャメ ロンの離脱をどうフォローするのかが難しいところ。 果たして・・・。 (以降内容に触れます。)  これは・・・。 久々にここまでも好きなタイプの話を観ることができるとは思わなかった。 これまた久々の骨太なアクションの上に、これを見せてくれるとはホントに思っ てもみませんでした。 残念ながらキャメロンでなかったことが、こんなにもあっさりした印象になっ てしまった原因であることもかなりみえてしまうものの、この展開この話には 本当に参りました。 終着点である基地で聞こえる無線はホント感涙ものでした。 kaname(CXE04355)

『大脱走』"The Great Escape"(1963)

(2003/07/01記 at @nifty FMOVIE 2番会議室) 『大脱走』を観ました。(2003/06/29 at 渋谷東急名画座) 渋谷の東急文化会館の閉館イベントとしての名画座復活にたいして、これ以上 ふさわしいものは思い当たらない程のこの作品。 万全の準備を持ってしっかりと堪能してきました。 しかし、何度観たか分からないほどの作品であっても、常に新しい出会いがあ るのが映画を観る上での楽しみのひとつ。 今回も今更ながらの発見がありました。 ひとつは、この作品が意外なほどに地味であること。 アクションらしいアクションシーンはマックイーンのバイクアクションのみで、 他はむしろ話を組み立てていくことの面白さのみを追求していて、それがとて も快く感じられるタイプの作品でした。 そう考えてみると、マックイーンは別格として、セカンドロールにジェームズ ガーナーがくるのは至って自然な流れだよなあ。 「夕陽に立つ保安官」なガーナーだもの。(^^) あと、もうひとつは、常に誰か対誰かという関係で登場人物が存在していると ころ。 まあそこから外れている時もあるにはあるのだけれど、そこには明確な意味が あってそれがまたキャラクタを立たせてくれるんですよね。 ホント心地よい映画でした。 kaname(CXE04355)

『タイタニック』"Titanic"(1997)

(97/12/14記) とうとう、待ちに待った『タイタニック』を観ました。(97/12/20 at ワーナーマイカルシネマズ海老名 SCREEN7[THX])  まずは観てください。できるだけ事前の情報を排して。そして、 できればスクリーンの出来る限り大きな映画館で。  そして、この映画を好きになったら、話しましょ。 (以降、ネタばらしがあります。観ていない人は読まないで。)  そう、できれば大きな映画館で。 それは、決してタイタニックが沈んでいくスペクタクルを観るため ではなく、あの、エンディングを観るために・・・。  ですよね・・・。もう、あの光景が見えたときには、私は涙でぐ しゃぐしゃでした。「反則だぁ、反則だぁ」と心の中で思いながら、 その一方で、「またこのエンディングを観るためにきっと映画館に きてしまうんだろうな。」とも考えていました。  前半は、ひたすらタイタニックの巨大さを見せつけられながら、 気がつくと、ラブストーリの中に入っていました。人形である時と 人間的である時のケイトウィンスレットの表情の違いに、驚きなが ら。そして、レオナルドディカプリオの今までとは打って変わった 大人の表情にも驚きながら。やはり、二人はうまいとしか言いよう が無かったです。  そして、至福の時間が過ぎた後、タイタニックが沈みはじめます。 最初は実にゆっくりと、そして徐々にパニックを増していきながら。 その、徐々にの中で苦しみながらあたりをただ朦朧と歩き回ること しかできなかった、設計者と船長、そして、「女子供を」をあくま でも追考しようとしたあげく、乗客を撃ってしまい、死を選ぶ乗組 員。ここら辺でも、もう泣くしかなかったです。特に、設計者は観 ていて痛かった。  そこで、さらに気付く事実。今、船に乗っている人は助からない。 それは、映画の奇跡は望めない史実を元にした映画であるが故に、そ れがはっきりとわかってしまった。それからは助からない人達が逃げ まどうのをただ観ていることしかできなかった。これはとても辛かっ たです。  そして、段々とわかっていく結末。やはりこうなるのかと思いなが ら、パニックが終わります。  そして、ただ一つだけ気になっていたことが解消され、ああ、この 映画はこれで終わるんだな、と思って観ていると・・・。  今まで観ていたものがすべて、涙となって流れ落ちていくことを、 止めることはもはや出来ませんでした。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『ダイナソー』"Dinosaur"(2000)

(2000/12/31記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『ダイナソー』を観ました。(2000/12/30 at WMC板橋 スクリーン8)  ディズニーのアニメーションを観るのは、『ファンタジア』(昔のほうのみ) 『ムーラン』に続いての3本め。『トイストーリ』や『バグズライフ』も実は 観ているけれど、これらはPIXERの作品というイメージが強いので・・・なん て考えていたら、ようやく、これがPIXERではないディズニーの初のフルCG アニメーションであることに気づきました。で、・・・実写合成がかなり入っ ているからフルCGではない・・・というか実写にCGを合成している実写映 画というのは今や普通に実写映画だから、単純にこれは実写で人が出てこない からCGアニメーションに分けられるのか?  という本筋とはどんどんかけ離れていく興味と、最近見た雑誌の中で、実は この作品はあのポールバーホーベンが監督する企画であったという話を読んで、 「バーホーベン色が強いディズニー映画?」という大いなる期待(けれどもマ クドナルドが関連商品を出しているのだからそれは無理か(笑))から、とて も観たかった作品でした。  あとは、この作品を今回観た劇場、ワーナーマイカルシネマズ板橋のTHX 認定スクリーンである8番スクリーンが約半年経って最近の調子はどうなのか のチェックという意味もありました。(笑) (というわけで長い前置きを終えて、短い本文では内容に触れるので改行しま す。)  さて、期待していたバーホーベン色の強いディズニー映画(笑)というもの はまったく見られず、まぁそれはそれである程度予想はしていたものの、出発 点を間違えていたためか、何故かこの話を「地球に隕石が落ちてきて氷河期に 入ってからの話」と勘違いしていたので、ちょっとだけ拍子抜けしてしまいま した。(^^;(というよりは、もう少し大河ドラマ的な話だと思っていた。(^^;)  しかしながら、逆にこの時代の時代設定を使ってのひとつの小さな物語とい うものが出来うることを想像していなかったが故に、「こういう話もありなん だ」という目から鱗的な思いもさせてもらいました。  そして一方で、それでも人間が本能的に怖がる闇の怖さというものも、話の 中の前半ではかなり雰囲気を出せていたし、その部分も良かったかな。(そし てそういう意味で、この劇場を選んだのはある程度は正解だったのですが・・・ 真面目に劇場の品質という観点で見てしまうと、オープン当初と同じで、その 劇場本来の良さをいまだ半分も引き出せていない・・・相変わらずな宝の持ち 腐な状態のままであったのはとても残念だったのですが。) 2000/12/31(日) kaname(CXE04355)

『ダイハード2』"Die Hard2"(1990)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  考えるまもなくどんどん展開していく話と、派手な爆発!! 最後はライ ター一つで滑走路に照明をつくってしまうところも好きです。 KANAME(CXE04355)

『ダイハード3』"Die Hard with a Vengeance"(1995)

(95/07/01記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室) (ネタバレあります)  『ダイハード3』を観ました。劇中のマクレーンと同様に寝不足と二日酔い 状態の中朝8時35分(!)の回を観て、すっかり酔いも寝不足も吹っ飛んで しまいました。 (以降、ねたばれっぽくなります。)  それにしても今回の『3』は例の『ナカトミビル占領事件』から約1年後の 話だったのですね。すると『2』の話はなかったことになってしまう。  なので私は、勝手に一部分を曲解して、『3』を『1』と『2』の間の話と 思い込む事にしました。すると『3』のエンディングがなにかとても微笑まし く見えてしまいました。(ほっとしてしまったというか・・・)  私にとっては『ダイハード 11/2』といったところでしょうか。  内容としては、『1』のような緊迫感も『2』のようなスピード感もちょっ と少ないかなとは思いましたが、とてもボリュームのある話を、ワンエピソー ドずつじっくり見せていて、それはよかったと思いました。  それにしても、ジェレミーアイアンズも、その妻役のサムフィリップスもと てもクールでよかった。特にサムフィリップスは・・・・・いいなあ。一言も しゃべらないところがまた素敵。(あ、趣味に走ってしまった。(^^;)  ただ、今回は、今までの孤立無援のヒーロー的なものと違い、相棒もいるわ 、足を引っ張る奴はいないわというのがちょっと寂しかったかな。仲間が多い のは良いけど、一人一人があまり出番が少ないので、なにか物足りない気がし ました。  あと、今迄と違うところは、西海岸から東海岸に移ったことですねえ。マク レーンはあんまり東海岸は似合わないような気がしました。  また、ワンフレーズだけの『雨に唄えば』とか途中からメインテーマになっ てしまう騎兵隊ものの映画で(たしか)よくかかる『ジョニーが凱旋するとき 』(だったかな)など思わずニッとしてしまいましたが、今回は音楽も地味目 だったような気がしました。  しかし、どんどん死ななくなってそれを十分自覚し始めたマクレーンが、次 は何に巻き込まれるのか? それが楽しみですね。(ゴジラと対決か?(笑)) KANAME(CXE04355)

『ダイ・ハード4.0 』"Live Free or Die Hard"(2007)

(2007/06/23記) 『ダイ・ハード4.0』を観ました。 (2007/06/23 at MOVIXさいたま スクリーン12) 久々のシネコン巡りネタはさておきさっそく感想など。 (以降小数点以下は省略しますがネタバレはあります。) いやぁ、堪能しました。 冒頭からデジタルシェードがきつくて、これはカジノ ロワイヤルよろしく過去の回想シーンかと一瞬思ったが ずっとそのままだったのは残念。 気を取り直して観ていくとそれは状況の世界観に繋がっ ていたのでまあしょうがないといえばしょうがないのか。 今のブルースウィリスとジョンマクレーンとの違和感も 最初はあったが、それは(少し変質していたとはいえ) 間違いなくマクレーンだったので、ほどなく話に入り 込むことができた。 冒頭の自分が何の映画を観てるんだろうと混乱してし まうくらいの『ダイ・ハード』っぽくなさも、それで 救われたかな。 振り返ってFOXロゴがシステムダウンして始まるタイトル ロールはなかなか良かった。 そんなこんなで始まってほどなくのインドアファイトは しっかりスピーディと行われていて良かったなあ。 今度のバディもまたステレオタイプに陥らないバランス 良いキャラでした。 むしろ「3」のサミュエルLジャクソンよりも良いくらい。 今までも無いことはなかった映画ネタは今回はある意味 今回の作風に近いセレクトか。 ワーウィックのモデルがあからさまに彼の人をデフォルメ であるのには笑った。 しかしスパイディネタまで出てくるとは。 まぁ、それにしてもマクレーンのタフさ(死ななさ)加減は 相変わらずすごいなぁ。しかも決して一方的な強さではなく 文字通りぼこぼこにやられまくった上というのがとても マクレーンらしい。 マイのタフさ加減も相当なものだったが。 マクレーンのひとりぼやきが無くなったのはマットをそばに 置いていくうえで必要だったのかもしれないがちょっと寂し かったかな。 最後にあの曲が流れなかったことくらいに。 規模は、まぁビルから空港、地域一体というふうに徐々に でかくなってはいたけれど、今回は完全にフィールドが 合衆国の半分くらいになってしまったので、次があると したら世界規模か宇宙規模しかないよなぁ。 などときりがないのでこの辺で。 いやぁ、ホント語りたく…いや語り合いたくなる作品でした。

『台風クラブ』(1985)

(2001/10/01記 at @nifty FMOVIE 6番会議室)  『台風クラブ』を観ました。(2001/10/01 at Video)  いやぁ、久々にバービーボーイズを聴きました。東京ドームや 代々木第一体育館にも行ったものなぁ。 …なんてことは置いといて。(^^)  この人ってホント、子供から観た大人の描き方がうまいよなぁ。 そしてもちろん、子供達の描き方も。  子供(というか中学生)の頃考えてた事って、今思うと明らかに おかしかったもの。なんでこんな事を考えこんでいたのかとか、な んでこんな事をしたのかって。  けど、それって、実は自分なりに、自分の属している世界を必死 に理解しようとしていたからなんだ。思いきり思いきり背伸びをし て必死に理解しようとするのだけれど、それ以上に、大人の社会は 複雑にみえて理解不能。それに一生懸命自分だけの言い訳を考えて 自分というものを作っていく。他人ではない自分を。  ならば、今の自分は、それをみつけることができたの?といえば、 いつのまにかそれを忘れてしまっていた、というのが真相。  けれども、その忘れてしまっていた事をこの映画は思いださせて くれる。  昔、自分がどんなにおかしかったかってことを。そしてそれは何 故だったかってことを。 kaname(CXE04355)

『タイムリープ』(1997)

(97/08/14記)  久々に観た今関あきよし監督の映画。『グリーンレクイエム』以来かもし れない。原作もそこそこ売れていたらしく、なんか客層がとても若かったの は久しぶりでした。  内容としては、約一週間と言う時間の枠を細かく区切って主人公にタイム リープさせて、本来の時間軸がどうなっていたのかを考えさせながら話が展 開していくのがとても面白いアイデアだと思った。今までもそういうのはあ ったけど、ここまでテンポよく、細かく区切っているのはなかったと思う。  そしてその主人公を表情豊かな佐藤藍子が演じているのもプラスになって いる要因だと思う。大きな目が感情をストレートに表してくれる。  あと、知り合いが画面上に登場すると言うのは、初めてではないけれど何 か不思議な、そしてちょっぴり嬉しい気分になれますね。  そしてその事はおいといても、この映画は懐かしい昔の自分を思い出させ てくれるようで、それがとても心地好かったです。

『太陽を盗んだ男』(1979)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  私はこういう映画が好きです。沢田研二がどんどん追い詰められて行き、 髪の毛もごそっと抜け、そして最後の・・・。松田優作の遊戯シリーズとか よりも好きなのは、きっと主人公の設定なのだろうな。  しかし、あの発電所のシーンだけがちょっとテンションが落ちてしまった ような。                           KANAME(CXE04355)

『太陽を盗んだ男』(その2)(1979)

(2001/09/30記 at @nifty FMOVIE 6番会議室)  『太陽を盗んだ男』を観ました。(2001/09/29 at DVD) まず、画質はたしかに凄くきれいです。手間かけたと言いきっている だけのことはあります。今まで観た中でも一番鮮明なような気がする。  そして、特典映像もいろいろついていましたが、やはり延々と自作を 語りつづける長谷川和彦がなんとも印象的で、良かった。これを、他の DVDと同じように、本篇に被せた音声のみの収録にせずに、独立したひと つのものとしてくれたのが、また良かった。つい画像や本篇に気を取ら れてしまう、ということなしに、しっかりと語りを聞かせてもらいまし た。  で、今回また観ての感想ですが、やはりこの映画は凄いエネルギーの 塊だと思いました。  扱っているもののスケールのでかさは、あまりにも大きすぎて実感が わかないものの、それに執着、もしくは関わっている人間のエネルギー が強すぎる。山下警部と城戸誠。このふたりのエネルギーは、扱ってい るもののエネルギーをある種凌駕するものにみえて、逆にたしかに、こ のふたりのキャラクタのエネルギーの持っていきどころとしては、これ しか無いような気がしました。  そして、そのふたりのエネルギーが臨界点に達して収束したかに見え たところで、クライドバローを気取る城戸誠のカット。  ここから、この作品の真の爆発が始まります。今までのある種のリア ルさをすべて破壊するエネルギーの爆発。それまでの話のテンションを 遥かに超える爆発。  ここで爆発できたことが、この作品が真に凄いところで、真骨頂だと いうことを、ホント、今更言うまでもなく再確認できました。  あとは、そうだなぁ。今回映像が鮮明ということで、わりとどこらへ んで撮影したかが20年以上も経っているとはいえ、今まで良くわかる ようになっていたのが、別の意味で面白かったかな。しかしまぁ、よく ここまで撮影できたよなぁ。 kaname(CXE04355)

『太陽に灼かれて』Utomlyonnye Solntsem(1994)

《その1》 (95/09/01記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  『太陽に灼かれて』をやっと観てきました。素晴らしかった!! なんであ んなに人々が生き生きとしているのでしょう?  連日満員の状態で、一度は観るのを断念したこの映画を、最終日の最終回、 土壇場になっても観ることが出来たのは、熱心に薦めてくれたmさんのおかげ です。本当にありがとう!! KANAME(CXE04355) 《その2》 (97/05/18記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『太陽に灼かれて』を観て来ました。(97/05/04自由が丘武蔵野館) この映画を観たのは今回で2度目。けど素晴らしかった!  以降ネタバレあり  初めて観た時よりも、主人公達の思惑がはっきりしている分、大佐や男(ま た名前忘れた)のにやりと笑う笑顔の意味がわかってよかった。あとは、その せいでかやはりナージャの存在がやや浮きぎみに見えた事かな。(それでもナ ージャは可愛いし、この映画に無くてはならない存在だけど。)  この映画を再び観る機会を与えてくれたぼのぼのさんに感謝します。 kaname(CXE04355) http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ P.S.この映画を初めて観た時の感想を発掘したのでそれも掲載しておきます。        〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  まず、驚いたのはどちらかというとヨーロッパというより、アメリカ映画の ような音楽の使い方。とはいってもリュックベッソン程ではないですが、それ があの映画に実にしっくりあっていることに驚きました。  などと思っているうちに、大佐が出てきてタンクの演習を辞めさせ、航空機 がその上を通りすぎるシーン。このシーンで私はこの映画の虜になりました。 素晴らしかった。これが最後の大佐の泣き声を一段と効果的にもしてるのです よね。  そして、そこから先のナージャ。本当に現実的でしっかりとした存在感を持 っていた。たとえ他の大人すべてが演技しているように見えていたとしても、 彼女だけは本当に自然で奔放なのが凄かった。ほかの素晴らしいところがすべ てなかったとしても、彼女だけで充分すぎるくらいだった。(まさに『シベー ルの日曜日』以来!!)  そして、大佐、マルーシャ、男(男の名前は覚えられないもので忘れてしま った)との関係や、スターリンとの関係、あの大きな家に住んでいる化石のよ うな人々。毒ガス演習、革命と言う名の太陽(^^)、そして最後の非情な秘密警 察、そして自殺。  本当に感動しました。(95/11/05記)

『太陽の少年』"In the Heat of the Sun"(1995)

(97/04/23記) (ネタバレあります。)  『太陽の少年』を観ました。初めはなんとなく遠くから眺めていたのですが 気がついたらどっぷりとその世界に浸っていた。そういう映画でした。 (以降ネタバレあり)  鍵を開けるのが得意で、鍵を開けつづける主人公。後になって気付いたので すが、私はこの設定でロバートAハインラインの『夏への扉』を思い出してい ました。  『夏への扉』の冒頭で、主人公の飼い猫護民官ピートは、家の外が冬景色し か見えなくなると、主人公に家中の扉を開けさせます。「この扉はきっと夏へ と向かう扉なんだ。」と信じて。  そして外が冬景色だとわかると、また別の扉を・・・と言った感じで、ピー トは冬の間中、「夏への扉」を探しつづけるのです。  この『太陽の少年』の主人公も「鍵を開け、扉を開く。」と言う行為で、自 分自身の夏への扉を探しつづけていたように見えました。  しかし、実は主人公がいる現在が夏だということに気付かず、最後に開けて しまったのは夏の終わりへと向かう扉でしたが。

『タオの月』(1997)

(97/12/14記 at Niftyserve FJMOVIE 4番会議室)  『タオの月』を観ました。(97/12/13 at 新宿ピカデリー2)  私の場合、雨宮慶太の映画って言うのは、完全に自分と同調して いて、観る前に何の不安もないんですよね。同様に同調している監 督っていうのは、岩井俊二と北野武。共通点はと言えば、もう、撮 る前に完全に頭の中に映像を想像して撮っているであろう事。そし てその撮られた映像の嗜好。さらには各々が使う音楽の嗜好も、私 の好みだったりします。(各々違うんだけれどね。)  そんな訳だったので、この映画は、少々落ち込んだ時に観ようと 思っていたのですが、上映期間が短いので、急遽観に行ってきまし た。  そして、今回も 予想通りの映像とリズム。安心して観る事が出 来ました。大満足です。 (以降ネタバレあります。)  やや難を言えば、永島敏行の役、酔狂には、もう少し格が欲しか ったなあと言うこと。自分の後頭部をぺたぺたと叩く仕種が何度か あったのですが、この仕種は『七人の侍』での志村喬の仕種そのま までしょう。どうしてもイメージが被ってしまうんですよね。そう すると明らかに永島敏行には格が足りない。しょっぱなからそうい う所はひっかかってしまいました。  あと、谷啓が領主の役で出ていましたが、いつかギャグ飛ばすん じゃないかと、少々構えてしまった。ラストのシーンなんて絶対落 としそうな構図の真ん中に谷啓がいて、ちょっと辛かったです。(^^;  さらには、れんげ役の吉野紗香がどうにも幼すぎて(と言うか本 当にそういう役所なのだから当たり前なのだが)、冷めてしまって いました。やはりこの役どころは、もう少しだけ年上の女の子か、 もしくは男の子の方が違和感なかったように思いました。  しかし、それでもそれでも、森山祐子の殺陣を観られただけで 満足です。(^^) 阿部寛の殺陣もなかなか良かったけれど、それ でも森山祐子の殺陣は良い。(^^) アレだけでも観れて満足です。  やっぱりいいわあ、森山祐子。(何か『ゼイラム2』の時の感想 と同じオチのような気がする。(笑)) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『たそがれ清兵衛』(2002)

(2003/03/05記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『たそがれ清兵衛』を観ました。(2003/02/15 at 新宿ピカデリー2)  公開後の評判が良かったので楽しみだったのですが、ようやく今 になって観ることとなりました。 (以降、内容に触れます。)  何か、ナレーションの付け方次第では、記録映画にでもなってし まいそうな、ものごとに対する丁寧な描写。 というよりは、この『たそがれ清兵衛』という今まで自分が手がけ たことのないジャンルの企画を手に入れた山田洋次監督が、まるで 新しいおもちゃを手に入れた子供のように、嬉々としてスクリーン 上で試行錯誤を繰り返している様を見ているかのよう。  それは、岩井俊二が『リリイシュシュのすべて』で、ジョージ ルーカスが『スターウォーズ エピソード2』でDLPという新し い表現方法を手に入れ、浸りきっている様に通じるものがあるよう な気もします。 ただし、山田洋次はあくまでも山田洋次で、たまに出てくる唐突な 自己主張が、その様と最後まで噛みあわず、それがとてももったい なかったような気が。 それにしても、クライマックスの田中泯のシーンは、撮っている側 の思い入れとそれを上回る存在感で、本当に見事でした。 ただ一ヶ所、刀を振りかざす際に田中泯がカモイに目をやるショッ トの挿入がどうもタイミング悪く、それが、その後の切られ方に対 する単なる布石なのか、もしくは最初からそのつもりで田中泯が戦 っていたのかが今ひとつ判らなくなってしまい、それが残念でした。 kaname(CXE04355)

『他人のそら似』"Grosse Fatigue"(1994)

(95/04/30記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  『他人のそら似』を観てきました。これは面白かった。  ミシェルブランは『仕立て屋の恋』しかみてないし、キャロルブーケは『00 7/ユアアイズオンリー』でしかみてないと思ったし、他にいろいろ出てくる人 々は、ほとんどわからなかったけど、話として、これはいい!って感じですか ね。  なにせ前半はすごくテンポよく話が進んでいきます。なんだなんだって感じ で。  で、ようやく前半の真相が明らかになってくると、今度はBORN IDENTITYの 話になり、最後はフランス映画談義になって、とってもうれしくなるエンディ ング。 よかったなあ。 Kaname(CXE04355) P.S.ミシェルブランってああいう人だったのね。そしてキャロルブーケは・・ ・。 いいなあ、あの性格、惚れてしまいそう。

『ダブルチーム』"Double Team"(1997)

(97/11/08記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室) 『ダブルチーム』を観ました。(at 東劇)  この映画を観たくなったのは、予告編を観て。 予告で出てきた格闘シーンで、「椅子がクルクル廻っている!」 わあ、ツイハークだよね、こういうの! って嬉しくなって観に行っ てしまいました。(^^)  で、観たんですが、ホントに楽しい映画だ! (以降少しネタバレあり)  で、観に行ったら、相変わらずじゃないですか! 導入部にやや 居心地の悪さがあるものの、気がついたらもうはまってました。そ んなところまで相変わらず。  それにしても、見せ場の連続で飽きさせないところと言い、壁、 ドア、ガラス等、破れる所はすべて破って(しかも隣まで破っちゃう) のアクションと言い、もう観ていてホントに気分が良い!  ヴァンダムのアクションは当然として、デニスロッドマンもアク ションがすごく奇麗で、これも観ていて気分が良かった。  対するミッキーロークも、「どうしたんだ?その体」と言うくらい に筋肉がついていて、「どうして?」と思っていたんですが、クライ マックスシーンがコロシアムじゃないか。(笑)そのうえ上半身裸に なるし。(笑)これは完全に『ドラゴンへの道』でしょう。(笑)  いやぁ、考える間を与えずに、次から次から繰り出される展開に 満足してしまいました。 もう、これからも、どんどんこういう映画 を作ってくれ!>ツイハーク!! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『たまこラブストーリー』(2014)

(2014/06/01記) 『たまこラブストーリー』(2014)を観ました。 (2014/06/01 at 新宿ピカデリー シアター6) 「けいおん!」の監督キャラデザの山田尚子堀口悠紀子コンビのTVアニメ 「たまこまーけっと」から派生したこの作品。 実は前回の映画の日(5/1)に行ければ行こうかなと思っていたのだが、叶わず 断念していたのですが、1ヶ月経った今日も変わらず上映していたので、 観に行ってしまいました。 この作品単体でも完結しているという話と、元のTVアニメより出来が良いという 評判だったので思わずというのはあったかな。 テレビの方はそれでも好きだったんだけれどね。 もう日に1回の上映だし、箱も小さいものになってはいたものの、日曜日の夕方、 やや空いているロビーな時間帯にも関わらず9割の入り。 年齢層は20代中心で男の子同士が一番多くて、次に男の子一人、女の子同士や カップルと言った感じかな? 女の子一人もいて、例えば私の隣は主役のたまこを意識したような格好の子 だったり。 さらにその隣は豚リスナーっぽかったがそれはまた別の話。(笑) 本編前のデラの話は松竹のモノクロロゴをうまく利用した入りで、ちょっと びっくりした。 やる気満々じゃないか。 というかホント、実写映画よりも実写映画を思い起こさせてくれるアプローチは 相変わらずだなあ。 そしてアニメーションというよりはマンガ的なアプローチの多さも。 それでいて、何よりもアニメーションなのだよなあ。 なんて思い出しながら本編も開始。 事前の予告を観る限り、たまこの名前を冠しているものの、明らかにもち蔵 主役だろうと思っていた。 実際序盤の主役は間違いなくもち蔵だ。 それが一大決心をして好きだという告白をたまこにした途端。 主役は完全にたまこになる。 いや、このたまこはやっぱり予測不能だった。 それまでは見事にたまこ。 たまこまーけっとの後にそのイメージを根本から覆すような「キルラキル」の マコがあったにも関わらず、100%なたまこ以外の何者でもないことにホント びっくりした。 もちろん洲崎西のあれでもないのは言うまでもなく。特にこれだけの特徴を 持った声の子にも関わらずすげえな声優ってと改めて感心した。 おっと。(笑) みどりちゃんも良かったな。 今回の作品からだと判りづらいキャラクターであったかもしれないが、 彼女は凄いな。 自分の好きな子にあんなアプローチをしてしまうだなんて。 まあテレビの頃からその傾向はあったけれど、それでもね。 たまこは、今まで考えもしなかったことに関して、考えに考え抜いて、最後 ちょっとだけみどりちゃんに変な力貰って一歩踏み出す。 あの終わり方は卑怯だよ。泣いちゃうよ。 思い出しただけでまた涙が浮かんできた。 最初というか終始コネタで笑わせ続けられて、最後あれだものなあ。 くっそう。 最後あれまでは、おう、噂通りいい出来だななんて思っていたけれどあれで完全に やられちゃったよ。 ホントこれでこそ王道の青春映画。 もち蔵にしてもみどりたちにしても、いやいや本当に青春映画してたねえ。 相変わらずのパースまで含めて山田尚子監督の魅力が詰まった作品でした。 いやこれは映画館で観られて良かった。 たまこ、頑張ったね。 <以降2015/05/23追記> 『たまこラブストーリー』(2014)を観ました。 (2015/05/23 at WOWOWシネマ) 去年、唯一映画館で観た作品。 今頃だったかな。 やはり改めて観ても本当にシンプルなラブストーリー。 それも、フランス映画みたいに小さくてちょっとこじゃれた雰囲気でというのを アニメーションでやっているのでさらに研ぎ澄まされてシンプルに。 心地良いんだよね。 たまに出てくるマンガチックなところが軽快感を出してくれて。 けどホントにまっすぐで。 しかし話には聞いていたけれど、二度目になるとみどりちゃんが一段と切ないなあ。 苦しいよ。 いとおしい作品です。 (以降2020/05/23追記) (2020/05/23 at WOWOW録画) ああそうか、そこでたまこの腕を掴めたから決心がついたんだな。 見るたびに体感時間が短くなっていく。 相変わらず音と光が心地良い。 もち蔵100個要らない。 やはりみどりちゃんに感情移入してしまう。

『タワーリング・インフェルノ』"The Towering Inferno"(1977)

(2008/12/02 at NHK-BS2)   (2008/12/03記) NHK-BS2でのポール・ニューマン追悼ということでの『タワーリング・イン フェルノ』放映。 これでもかとばかりに出てくる数々のスター。 (まぁ劇中でもムービースターやTVスター云々の台詞も出てくるが。) そして、今回もどうやってヘリが展望エレベーターの屋根の上にオハラハン を下ろす事が出来たのかは分からなかった。 (まぁ他にも細かいところはあるけれど。) それにしても、ひとつひとつの言葉やシーンの哀しい事。 うるうるしながら観ていました。 カラオケに行くと、必ず"WE MAY NEVER LOVE LIKE THIS AGAIN"を探すけ れどいまだに一度も見つけた事が無いとか、語りたい事はいくらでもあるの だけれど、いざとなるとホントほとんど何も出てこないな。 ただただ映像に惹かれるばかり。 久々に堪能させていただきました。 (2017/01/30追記) (2017/1/29 at WOWOW 録画) 久々の鑑賞。 何度も観ているけれど、途中飽きるシーンがどこにもないんだよなあ。 それこそ狭い室内で単調に見える描写も多いのだけれど事態が切迫して進行している からそれどころではない。 特に開始後30分以上経ってから登場のオハラハンがそれ以降ほぼ休み無しに動き回る くらいに詰め込まれている。 音楽の付け方も過剰なところがないし、アクションに関しても、それこそアクション 監督がプロデューサーのアーウィンアレンであるところからも想像出来るように、 堅実な演出。 なのに、やはり面白い。 改めて思ったのはここの人間が皆プロフェッショナルに動いてくれることが 心地よいなということ。 例外もあれどそれは認識の甘さが招いたことであり、ミスはダグやオハラハンも している。 かといってそれを肯定はしないけれどね。 そこに目をつけたことはまでは分かるけれどそのリスクを解っていて何を 引き起こすかの責任を放棄し何もせずにいたことは許しがたい。挙げ句の果てが あれだからな。 一方で今回初めて感じたのは、これもまた今となっては失われた古き良きアメリカに なってしまったのだなということ。 そしてこの作品はフィクションであるから見ていられるのであって、現実であれば目を 背けたくなるような出来事であるということ。 現実に起こりうる話であることを理解しているから余計にそう思ってしまう。 音楽に話を戻すとこの時期のジョンウィリアムズは『ポセイドン・アドベンチャー』 『ロング・グッドバイ』そして『タワーリング・インフェルノ』というこれ以上無い くらい俺特のラインナップ。もうどうにでもしてと言いたいくらいだ。

『丹下左膳餘話 百萬両の壷』(1935)

(99/02/14記)  『丹下左膳餘話 百萬両の壷』を観ました。(98/12/27 at 大井武蔵野館)  私がこの作品に出会ったのは、その昔、NHK−BSが特集を組んだ、「黒 澤明が選んだ名画100選』の中の一本として。  当時は、この作品の名声も、監督のそれも知らないまま、観たのですが、 まさにびっくりしました。丹下左膳を大河内傳次郎が演じているのにも関らず この主役のだらしないこと! それどころか、登場人物の皆がだらしなくて、 故に非常にほんわかした雰囲気で話が進んでいくんですよね。尖った所もある のですが、そんなに気にならない。それどころか、本来あったであろうハズの クライマックスシーンの立ち回りも、フィルムが紛失しているのか、いきなり 話が飛んでエンディング。そもそもフィルムが傷みすぎていて、台詞は判らな いわ画面は傷だらけだはで、普通なら解読不能に陥っててもおかしくない。  けど、それでもこの作品メチャメチャ面白いです。テンポの良さと言うか、 間のうまさと言うか、脚本がうまいのか、もう既になんだかわからないけれど、 この話は面白い。  今、現存している割と新らしめの作品で、同じ事態に陥ったら、どうなん だろう? この映画ほどの輝きを備えている映画って、私は知りません。

『ダンテズピーク』"Dante's Peak"(1996)

(97/04/06記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室) (ネタバレあります)  『ダンテズピーク』を観ました。(有楽町・丸の内ルーブル)予想していた ものを良い意味で裏切ってくれたのはいいのですが、若干詰めの甘さが目立つ 映画でした。 (以降ネタバレ)  この映画は、最初にポスターやらの宣伝をさんざん見てしまっていたせいか 、『ツイスター』のようなものを頭の中でずっと期待していたようです。  ところが観てみると全然違う。この映画の(たぶん脚本の)目指していたの は『ポセイドンアドベンチャー』のような、情け容赦のないパニック映画でし た。パニック映画の王道と言うやつですね。まあ、おかげで、逆に『ツイスタ ー』がそういうものが王道であった事を忘れさせてしまうほど、楽しめた映画 だったと言うことをあらためて思い出させてくれました。  まあ、そんなわけで、私が最初に頭の中で描いていた構図は見事に裏切られ 、そういう意味では非常に良かったのですが・・・、特に後半部分の見せ場で の詰めの甘さが若干の後味の悪さを残してしまいました。  まず、オープニングは良かった。 モノトーンの画面。火山灰が降り注ぐ中を逃げまどう車や人々。そして、その 次に飛んでくる火山弾。  ただ、ここでこれを使ってしまったことで、後半の同一光景に対して驚きが 無くなっていたのは、良いことだったか悪いことだったかはわかりません。 そしてそれから火山が噴火するまでのやりとりは、学術調査チームの動き等、 『ツイスター』と同じような展開を予想させ、「ちょっと二番煎じか?」と言 う空気を臭わせていました。ここでの風景の素晴らしさは良かったですけど。  ところが、このままこの映画は火山の噴火というものを甘い目で観させては くれなかった。容赦のない展開で話は突き進みはじめます。頑として山から下 りようとしない祖母。その祖母を心配し車を運転して山へと向かう子供達。  この時点では、それはいくらなんでも助からないんじゃないかと思ってしま った。  それでも、家の中にまで溶岩が押し寄せ、間一髪で湖へと逃げたは良いのの もう湖が酸化状態にまでなってしまい、ボートが溶けはじめ、さらには岸へ後 もう少しと言うところでボートが停まってしまい、さらには祖母が意を決して 湖の中に飛び込んでボートを引っ張っていき息絶えると言うあの展開は良かっ たのですが。そしてこの時点で、「あ、これは『ツイスター』じゃなくて『ポ セイドンアドベンチャー』なんだ。」と思わせてくれたのは良かったのですが ・・・。  岸でてっきり絶命したと思っていた祖母がもう一回林の中を逃げる最中に絶 命劇を見せられ、「二度もやるか?」と思ってしまった。  そしてさらに、川底でもやったタイヤの空転シーン。忘れた頃に出てきてあ っと言う間に終わってしまう犬の救出シークエンス(『インデペンデンスデイ 』をここで思い出してしまったのは私だけか。(笑))  何かここらへんから、詰めの甘さが目立ってきはじめた。 まあそれでも無人の街へと入り、炭坑へ突っ込み、食事もビーコンも揃って準 備OKとなったところでの落盤。これもクライマックスとしてはちょっと物足 りなかったかな? 私としては、多少「なんでこれで生き残ったの?」と言う 感じにするか、もしくはもっと無情にも主人公しか生き残れないような展開に なった方がよかったように思う。最後の、車の潰れていくシークエンスでも、 ピアースブロスナンがまったく痛みを感じさせない状態(まあ腕にガラスか何 かが刺さってはいたけど。)でストップしてしまったし。  というわけで、面白かったのですが、もうひとつ何かが欲しい、物足りない と感じた映画でした。 〜〜〜 kaname(CXE04355) 〜〜〜 〜〜〜  '97/04/06記   〜〜〜 http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/

『タンポポ』(1985)

(2006/01/03記 at Production note of ...) 『タンポポ』(1985) (2005/12/29 at WOWWOW)  時間帯のせいもあり、観ようとは思っていなかったものの、ついつい 観てしまった。  西部劇的なメインの話と、「食」というよりは「食欲」に関する これでもかとばかりに入ってくるオムニバス的なエピソードには、 ひたすら食欲をそそられてしまいました。  ただし、メインラインのオーソドックスな部分はとても好きなのだ けれど、サブラインには後半ちょっと飽きてくる感はあったかな。 「食」欲と「生」欲や「性」欲に交え方自体はとても好きなのだけれど、 まるでこれをやらないと死んでしまうとでも思い込んでいるかのような たび重なる挿入には、気持ちは分かるけれど、といった感じでした。 しかし、山崎努はホントいいよなぁ。