『シェイプ・オブ・ウォーター』"The Shape of Water"(2017)

(2024/03/19記) (2024/03/19 Amazon prime) 腐り落ちていくものと再び芽吹き始めるものとの対比。 緑というのはそのどちらをも連想させる。 生きる事が下手な登場人物達。見せかけだけの誰もが幸せな時代。すがりつけた何かの 違いがその人達を形作る。それしかコミュニケーションの方法を知らないもの同士。 何も持っていないものは何も失わない。 どれも違うなあ。何と言えば良いのだろう。 タイトルの意味はそうだったのねと割と早いうちに分かるがそれだけではない。 冒頭のモノローグだけでがっちり心を掴んでくる言葉遊び。もしくは単語の多様性を 利用した複合的な意味。 芽吹いた所から取り戻せた所へのくだりは大好きだが、 もしかしたらそこで 消えたのではと思っていたものが残っていて最後の希望に繋がるとは思っても見なかった。 彼の最後と対照的で、彼から奪って彼女に与えたと見るのはちょっと意地悪か。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』"John Wick: Chapter 4"(2023)

(2024/03/19記) (2024/03/19 Amazon prime) EDロールの後、何かあってもおかしくないなとは思っていたが、まさかそうくるとはねえ。 さて、前作から少し間が空いてしかも時間も増えてどうなる事かと思っていたが、 まったくブレないな。 そこにドニーが加わるのだもの。凄いわ。 いくつか垣間見える原点も期待を裏切らないし、それが徹頭徹尾である事も証明して 見せた。 様式美という名のルールと映像をひとシークエンス毎にしっかり堪能させてくれる。 それこそ凱旋門のあれなんてまさに、とか、階段ってやっぱりそういうものだよね、 とか、そんな所まで含めて。

『ジョン・ウィック:パラベラム』"John Wick: Chapter 3 - Parabellum"(2019)

(2024/03/03記) (2024/03/03 Amazon prime) まあ、そうなるわなあ。 しかしあれで物言いがかかるとはなあ。 どこに行っても有名人だがそれでも初見の者達には実力を見誤られてるのか。 さて、これでようやく敵味方がはっきりとなった上で、その行為を後悔させにいく事に なるのかな。 彼女が犬好きだったのはもしや。

『ジョン・ウィック:チャプター2』"John Wick: Chapter 2"(2017)

(2024/03/02記) (2024/03/02 Amazon prime) 冒頭のシークエンス、てっきりジョンウィック相手にまた同じ事した奴が居たのかと 思った。(誤読) 無茶苦茶完全な続編じゃないか。これだけ地続きな作品も珍しい。まるで最初から 存在していたかのよう。 その冒頭、銃抜きでこれかよと感嘆していた所で締めでの銃。 もはや毎度の事ながらオクトーバーフェスタもびっくりな群衆でのガンアクション。 さらに進化したクリーンな決闘を挟んだりとか。 話戻ってシナリオを完全に把握したオーダーとか、どこに行ってもお帰りなさいと 言われるプロフェッショナルぶり。 燃えよドラゴン、もしくは黄金銃な鏡の間とか次々と目の前に盛られていく贅沢な料理。 果てはここまで見せておいて、次は完全に孤立無縁の全面戦争の開幕での引き。 素晴らしいな。

『ジョン・ウィック』"John Wick"(2014)

(2024/02/25記) (2024/02/25 Amazon prime) 『修羅雪姫』から『ジョン・ウイック』というのは良い流れだった。 『ピンクパンサー3』もこの前観たばかりだし。というよりここに落ち着くのが 自然な流れか。 本作が好かれているというのはたしかによく分かる。 ほぼほぼプロフェッショナルしか存在しない上に、その一つ上をいくのがジョン・ ウィック側。まあこういうのを観ているとまた『ブラックラグーン』を観たくなるが それはそれとして。 ジョン・ウィックの手数の少なさの徹底ぶりがテンポ良くてこれも気持ち良いんだよな。 「行動不能→確実な後処理」を機械的にこなしていく流れ。 最初の30分でもう心鷲掴みにされていたし、何ならデイジーパートだけで世界は 完成されていたよ。 これは大事に一作づつ観なくちゃだな。

『修羅雪姫』(1973)

(2024/02/24記) (2024/02/24 Amazon prime) やっぱり面白いなあ。 魅せるべき時の見せ方。やり過ぎなくらいの拘り。 ともすれば、既に落ちぶれた者、仇として撃つ前に死んでしまった者、 撃ちきれなかった者となるのかと、よりによって今までは何のためにという所に 落ちるのかと思いきや、こう来たか。 因果応報を生き切るあたりも良いよな。 以降の数多の作品に残る匂いを思い出しつつこうやって観る事ができるのもまた幸せ。

『修羅雪姫』(2001)

(2024/02/24記) (2024/02/24 Amazon prime) 冒頭から少しの間は今更観たことを少々後悔してしまったが、そこから先は面白かった。 後悔したのは主に演出面。 ただし、それ以上に脚本や計算された作り込まれた部分の良さに面白さを感じたという 感じかな。 それ故に、作り込めなかった部分が余計に目立って、観ていて歪さも感じた。 例えば、ここから5年後くらいの伊藤英明や釈由美子を知っているからこそ感じる 台詞やちょっとした所作の拙さとか。

『シモーヌ』"S1m0ne"(2002)

(2024/02/18記) (2024/02/18 Amazon prime) 本作の存在を知ってからもう20年以上経つのか。 それからまさか結局観ることなくこれだけの時間が経って、そして出会えるとは。 当時この新作を本当に楽しみにしていたものな。 ということはさておき、今観ても、いや今だからの面白さもあるのかな。 厳密に言えばこのシモーヌ程ではないがモーションアクター的なもので当時既に アンディサーキスがやっていたゴラムがこれに近いと言えば近かったし、 それより後の時代となるがホログラムのライブという意味では既に初音ミクどころか Vtuberが単独で武道館ライブとかどころか、中の人がいないAI的なものまで今や 身近な所まで来ている今となっては、この作品の顛末すべてが微笑ましい。 この頃だったからこそ成立できた作品だもの。 という所もさておき、作品としても堅実で好みだ。 娘の存在がどういう形で救いになるかの匂わせも最初からあったし、彼女が見ていた ページがピュグマリオンという匂わせとか、女優の膨大な資料の中で見間違いで なければアーネストボーグナインがちらっと見えた気もしたし、監督の作品全般に 流れる実現可能な未来の匂いもそこかしこに感じるし、何よりもアルパチーノが 本領発揮しているものな。 芝居じみた演技より自然過ぎるくらい自然な演技が本来の彼の魅力だもの。 監督共々ノってるなと思った作品でした。

『劇場版 呪術廻戦 0』(2021)

(2023/01/03記) (2023/01/03 Amazon prime video) 良い感じに本編との間に隙間があって、かつ、この作品としては完結してる。 さらには本編を別の視点でこれからは見る事になるという理想的なファースト ストーリーだな。 以降はこの視点前提で見る事になるのか。 2年達の活躍は今作品の京都組くらいになるのかと勝手に誤解していたが、 がっつり関わっているんだな。 逆に五条先生関連はもう少し出てくるかと思っていたら匂わせ程度だった。 言い方を変えれば、公開からここまで時間が経っていても一切情報入れなければ こんなにも楽しめるんだな。 劇場版という事で、やはりバトルの空間の使い方が心地良い。 集中できるから引きでもちゃんと間が持てて距離感のコントラストがより つけられる事の強みよ。 たらしは血筋か?

『ジョゼと虎と魚たち』(2020)

(2022/08/12記) (2022/08/12 at Amazon prime video) 実写の方は公開当時から気にはなっていたものの観る機会もなくけっこうな歳月が 立ち、ふとこうやってアニメ化されるということを聞いたものの、これも縁がなく 時間が経ってしまった。 それがようやっと出会えての鑑賞。 その実写の時はほとんど内容は知らなかったもののチラチラと見かけたカットから たぶん好きになるんじゃないかと思っていた。 そしてこのアニメの公開時にはもう少し踏み込んだ内容と、そして原作者が 田辺聖子ということを知り、益々観たくはなっていた。 と、ここまで前置きしておけば内容についても話せるかな。 結論からいえば、実写の方は間違いなく好きになったんじゃないかなと思う。 内容は色々と変わっているとは聞いているがそれでも。 ただ、そう思えてしまうくらいにこの作品を好きになってしまったがゆえに たぶん観ることはないだろうなあ。 原作は読むかもだが。 内容は色々と聞いていてステレオタイプ過ぎるかもと思っていた部分がここまで すんなりと心に入ってくるとは思わなかった。 理屈も何もなく恋してるという感じ。 たとえ時代は変わっても、周りが虎だらけであることは変わらない。 無意識に振りかざされる言葉の刃物。 そんな中で何度も心折れて、傷ついている。 それを超えてその先に出会った時の素直さ、夢中になっている様に心惹かれる。 どう表現すればよいのだろう。上手い言葉が見つからないよ。 さて、観てしばらく経って落ち着いてきたので再開。 結局今日もう一本観ようと思っていたものは観ないことにした。たぶんこの作品に 引きづられて駄目だ。 ジョゼの目に惹かれたのかなあ。厳密に言えば表情。心の変化。 それは他の子たちも同じでその言葉は駄目だと判っていてもつい口に出てしまい 後悔する。そんなことの連続だ。 溢れそうで、でも踏みとどまっていたものが堰を切ってしまい。 お祖母さんが良い。最初は何かあるんじゃないかと思っていたらそういうことか。 ちゃんと見てることは見ていて、だから道頓堀のあの看板なんて言葉が出てくる。 それでおお、と思った所であのポーズしたのが彼女のラストショットという アクセントの付け方。 これらが言葉にしてしまうのがもったいないくらいの心地良さで入ってくる。 言葉にしてはいけないとばかりに。

『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』(2021)

(2022/08/13記) (2022/08/13 at Amazon prime video) ロンドロンドロンドではなく、続編。 どんなことになるのかなと思ったら、卒業のためのやり残したこと、敗者ではなく 再び前を向くための儀式を行いたかったということかな。描いていなかった 彼女側からみたあの理由とか。 作品としても映えるのはテレビアニメではなく劇場だものな。 より舞台劇らしい展開。 ただ、スケールがスケールであるがゆえに舞台劇的なカット割や構図のような 舞台劇臭さはテレビアニメの方が強く、この劇場版は元々は舞台から派生し、 その表現方法から独自の道へと進んでいった映画色の強いもの、映画で描かれる 舞台となっているのは面白い。 などといろいろ書いたが、詰まるところはテレビアニメでは言えなかった、何故 連絡を取ろうとしなかったかのもっと素直な理由をちゃんと 告げさせたかっただけなのかなとも思った。

『少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド』(2020)

(2022/01/04記) (2020/01/04 at Amazon prime video) バナナちゃん視点の総集編というか再編集版かなと何となく思っていたけれど、 そうでもありそうでも無かった。 なんとなくそれに気づいて、どちらかといえば舞台らしくハコを変えての再演と 気持ちを切り替えて見ていた。 そこそこ時間も経ってどこが同じで変わっても悩まず、けど思い出しながら 見ていました。 勝手に脳内再生してる分存在しないバージョンも頭の中に産まれて楽しめるのが 再演された舞台の楽しみ。 どうせならここまで俯瞰にではなく、例えばもっと場ななちゃん主観とかの方が 面白かったかなとかね。 そう、ロンド○ロンド○ロンドであった理由がなんとなく分かった。 ○は伏字だったのね。(違うしそれだけじゃない) 話戻って、再構成された事で華恋の役割がより明確になったのかな。 より具体的に台詞で示された。 もしかしたら単に忘れているだけかもしれないが。 さて、これがどう劇場版に繋がっていくのか。

『シドニアの騎士 あいつむぐほし』(2021)

(2022/01/02記) (2022/01/02 at Amazon prime video) 第九惑星戦役をリアルタイムで観て以来だからホント久々のシドニア。 オチアイが考えていた事をああもあっさりおばあちゃんが解決してしまった あたりは上手いよなあ。 まああの手の話に関しては色々あるけれどここは置いておく。 オチアイがあそこで星白ではなくつむぎと言っていたらというのがこの作品の すべてだったよなあ。 ノリオがまさかのだったな。 シドニアをバックに2機発艦は燃える。 そこもまたオチアイの誤算か。それとも。 もずくからさらに次へとも思ったがそれは無かったか。 ララを思い出せたのはオチアイの救いか。 緑川、まさかねえ。 今までがあったからこその艦内デートにしても、少なくとも10年で変わったものに 対して、目的が先鋭化していたが故に気づかなかったオチアイ。 しかしまあ小林のどんな無茶振りにも応えるメカニックは凄いと思う。 とてもノスタルジックでロマンチックなのはルックだけではなくキャラたちの 人間関係もというのがこの作品の好きな所なのだよなあと再確認させていただきました。

『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』"Zack Snyder's Justice League"(2021)

(2021/05/28記) (2021/05/28 at Amazon prime video) ああ、もうもはやIMAXスクリーンで観たくなるこの画角よから始まって、元作品も 観ていてさらにこの長さであるにも関わらずあっという間感。 POWER OF LOVEとか言っておいておまえがそれをやるのか。 6人それぞれの主役感が長くなった分増してる。 厳密に言えばBVSな3人はそれまでもあったけれど、それでもこの活躍っぷり。 それぞれのシーンをじっくりと堪能できるのが良いな。しかもこちらのほうがしっくり 来る。 で、あの夢だよ。おもいきり正夢になりそうでむちゃくちゃ楽しみだな。

『劇場版「SHIROBAKO」』(2020)

(2021/05/03記) (2021/05/03 at Amazon Prime Video) あれから4年。 思わぬ形で劇場アニメと関わる事になったムサニ。 作るという過程は同じだがあれを経てさらに4年経ても変わった所変わらない所 ありながら進み続けていく。 この作品らしい作品だった。 テレビシリーズとの対比をいかしたOP。 よく三女をあれでOKしたよなあ。 突如として入る劇場版展開。 答え合わせとして展開する公開3ヶ月前からのリテイクシーン。 バウスシアターの存在する2020年2月という世界。 シネマシティのaスタでも音響調整していたなあ。 作り手すべての思いと生活の上に存在する作品。 いつかこれを映画館で観たいなあ。 観るとしたらやはりTOHOシネマズ上野の2番スクリーンあたりか。

『ジャスティス・リーグ』"Justice League"(2017)

(2020/05/24記) (2020/05/24 at Movie Plus) バットマン相変わらず面倒くさい奴だ。 それなりに皆コミュ障だけれど。 パワーバランスとしてはスーパーマン強すぎたので出てこなかったけれど 居なくなったら無敵じゃんというのを踏まえて良い構成だったな。 アトランティス人には協力取り付けていたけれど今回は出番なしだったか。 アマゾネスの方はけっこう被害大きかったよな。 翻って人類はそんなに大ごとにはなっていなさそうだったな。 ゴッサムハーバーに大穴空いてもそれほどでは無かったし。 さて彼らもチームを作ったしそっちもまだ手をつけていないから楽しみだな。

『新幹線大爆破』(1975)

(2020/05/17記) (2020/05/17 at NHK-BSP録画) タイトルを出すまでの焦らし方とそこからの軽快感よ。 そこから早々に最初のトラブルがこれだものな。 その上何かしらやらかしそうな乗客やらパニック映画の王道の片鱗を見せ始める。 ところが、徐々に犯人側の描写に力が入り、警察はやる気だけ空回り。 拗らせるだけ拗らせといて。 それでも何とかいう所で誰も予想のできない展開へ。 え?それってありなの? という所から誰も勝者のいない結末へと向かう。 山ほどあったそれらしいものも全部投げ捨てて。 主役が誰なのだか、最初から分かっていたのにね。 私が映画に求めているものがすべてある。そんな作品でした。

『ジョーズ』"Jaws"(1975)

(2018/01/01記) (2018/01/01 at NHK-BS) やはり劇伴最高だな。 この年のジョン・ウィリアムズは『大地震』があって『アイガー・サンクション』の 後にこの『ジョーズ』で前年が『タワーリング・インフェルノ』で次の年に 『ファミリー・プロット』で、好みとしては『ファミリー・プロット』や 『アイガーサンクション』となるのだけれど、それを加味してもやはりこの劇伴は良い。 この作品で個人的に好きなのはやはり三人のキャラクターの付け方かな。基本ラインは 変わらないのだけれど場所場所でお互いの立場が色々変わってくるんだよね。それも ちゃんと理由があって。 フラグと呼ばれるテンプレートに収まらないドキュメンタリータッチの人間臭さも良い。 クイントが昔の事を完全に思い出しているんだろうなと言う時の行動が好きだ。 クイントはたぶん恐怖にかられてるかもしれないのに、それを示すのはスロットルを 弛めない手のみ。パニックには陥っていないがパニックに陥ってもいるあの状況。 何か不安げだったブロディが腰に銃をつけた途端に自信を取り始める部分。変わったのは ほんの少しなのだけれど、こういう所が後々の結果に影響してくる。 対してフーパーはたぶん監督の分身なのだろうな。一番客観的にものが見れている。 シニックで取り乱さず、と言いつつも彼の一度の失敗が結局のところ後々の事態を招くと いう三人三様。 まあ事態を悪化させた一番の原因は島全体の死活問題とサメ問題の天秤の掛け方で 失敗した市長だけれど、自分の判断を間違えたばかりに島そのものの存続に関わる こともあり得たからこそ。 それぞれが皆大なり小なりそこで油断しているんだよな。 奴を見誤ったところ。 まあ何よりもあんなタイミングで誘って結果的にあそこをエサ場にしてしまった 彼女とそれを促した彼に尽きてしまうのだが、彼らからしてみればそんなこと 分かるかよなのだけれど。 有名な「見せないことで見せ場を作る」という点において、それは冒頭から 徹底していたんだな。まあ冒頭は意図的か。 薄暗い中、シルエットのみで走っていく彼女と追う彼。 表情もその細かい仕草も分からず。 あと、家で見る時特有の話で言えばやはり、時計を見てしまうな。 フーパー登場のタイミングとか、海上に舞台を移すタイミングとか。 しっかり根回しした後での海上パートなのでその後は一切地上に戻らない。 その分集中してイベントが発生してくれる。

『G.I.ジェーン』"G.I.Jane"(1997)

(98/02/11記 at FYOUGA 2番会議室)  『G.I.ジェーン』を観ました。(98/02/08 at 新宿ピカデリー2)  最初この映画は「デミムーアの映画」と言うイメージが多くて、観ることにやや腰が ひけていたのですが、観て良かった!  この映画は間違いなく「リドリースコット印の映画」であったし、なおかつ、今まで あまり好感を持っていなかったデミムーアも見直すことが出来たので。 (以降ネタバレっぽくなります。)  少々話の急展開に悩んでしまったところはあったのですが、絵のみせかたは、全部 リドリースコット。「おお、リドリースコットしてる〜。」なんて思いながら観てい ました。音楽の使い方とか、ぱっと入るスロー、そしてSEALの訓練全般や一人で 鍛えているシーン。リドリースコットの作品を観るのは久しぶりだったので(『1492 コロンブス』とか『白い嵐』とか最近のものをまったく観ていない(^^;)何か懐かし くなっちゃいました。  そしてデミムーアは、今までの映画は『ゴースト』を除いてどれも、(演じている キャラクタのせいもあるのか)今一つ好きになれなかったのだけれど、このジョーダ ン・オニールはすごくはまっていたように思います。彼女じゃなければできない役 だったように思う。  あと、またリドリースコットの話に戻ってしまいますが、一方で、「これは、 リドリースコット版『トップガン』だなあ。」とも思ってしまいました。 弟トニースコットの撮った『トップガン』を、リドリースコット流のスタイリッシュ な映像と、力強い女性を中心にすえた話に置き変えると・・・。  そうやってみてみると、やはり私は弟トニースコットの作ったものより、兄リド リースコットの作ったものの方が性にあっているなあと再確認したのでありました。 かなめ(CXE04355)

『JM』"JM"(1995)

(95/04/30記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  『JM』はすっかり気に入ってしまいました。  危惧していた『マックスヘッドルーム』寄りにも『ブレードランナー』寄り にもならず、W.ギブスンに近い線でできあがったあの世界は、よかった。  話の内容は、原作といわれているギブスンの初期短編「記憶屋ジョニィ」と いうよりは、今までのギブスン作品の総括的な感じの世界で、例えば予告編で 「ジョニィ!」と叫ぶあの女性は『ニューロマンサー』からの借り物のようだ し、ジョニィはカウボーイ的な事までしてしまう。 後半の舞台『橋』にいたっては、一番最近の『ヴァーチャルライト』だものな あ。 『橋』は思わず声をあげそうになったぐらい嬉しかった。あんな物をつくるな んて。 まあ『底』すべてを作り出すよりは楽だったかもしれませんけどね。(『底』 を作ったら『ブレードランナー』になっていただろうし。)  というように構築された世界はギブスンの世界でありながら、キャラクター の方はギブスンお気に入りの「成長途上的なタイプ」のジョニィではないし、 最強の女性キャラクター「モリィ」は名前すら出さないし、そのかわりに「叫 ぶ」ジョニィと「人並み程度」のジェーンが出てきて、・・・まあこれは、自 分のキャラクターに対する愛着かなともみてとれるし。(モリィはみんなのお 気に入りだから、出さなくてよかったと思います。)  そういう意味で、とてもぜいたくに、(ギブスンが)手間をかけた映画だと 感じました。(『エイリアン3』の没脚本が役に立ったノかな?)  そして、もう一つのお楽しみ、JACKED-INの世界ですが、 これはロバートロンゴがアーティストだからでしょうか? よかった。ICE とかウィルスアタックとか、自分のマトリクスがロバートロンゴ的なのがなん かすごくしっくりしてたし・・・。(それでキアヌ=ジョニィはスーツを着て いるのか。)  ギブスンの世界が好きな人間が作ったんだなと感じたし、それがこの映画を 私の好きな世界へと持っていったんだろうと感じました。 P.S.4/15は、初日だというのに、さすがに映画館はがらがらでした。

『シェルブールの雨傘』"Les Parapluies De Cherbourg"(1964)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  全編を歌で覆い尽くすという設定が凄いと思い、さらにそれでいておもしろい。  頭にこびりついて離れないあの曲。ガソリンスタンドでのあのラストシー ン。忘れられません。                            KANAME(CXE04355) 以降2019/01/04追記 『シェルブールの雨傘』"Les Parapluies De Cherbourg"(1964) (2019/01/04鑑賞 at NHK-BSプレミアム録画) 冒頭からトップギアに入れるこの作品。 全編台詞にメロディがついていることでまず注目されがちなこの作品だけれど その音楽の使い方も好きなんだよなあ。 メロディ付きの台詞回しにだけではなく登場人物達そのものに対するツッコミを ここまで入れられる作品というところも別の意味で面白いのだけれど、それが この作品としてのテーマ曲に台詞が載った時だけ正気に戻るんだよね。 もちろん各々の背景や気持ちはわからないでは無いのだけれどそれでも感情移入は 出来ないところでつい入れてしまうツッコミすべてを帳消しにするこのテーマ曲の かかっているパート。 ホントに歪んでいて素晴らしい作品です。

『ジェレミー』"Jeremy"(1973)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  この映画は中学生の頃、TVで2回ほど観ただけですが、とても好きです。 ごく最近になってビデオ化されているのを知ったのですが、それはまだ未見です。  この映画はまずロビーベンソンの歌うオープニングから入ってしまいます。 中学生当時のもう一つの趣味がエアチェックで、よくNHK−FMやらFM東 京で映画音楽がかかる番組だけ結構エアチェックしてました。そんな中で流れ ていたものの中にこの曲があり、感激したのを覚えています。高校生になって から、当時初めて買ったウォークマンで外で聞いた初めての曲がこの曲でした。 地下鉄のホームにいたのですが、曲に合わせて滑りこんでくる電車を見て妙に 感動したのを覚えています。この映画のオープニングにも確か電車の走るカッ トがあったので余計感動したのかな?  そして、(たしか)『ワンオンワン』のロビーベンソンと『リトルモー』 や『カリフォルニアドリーミング』のグリニスオコナーがとても純粋でみず みずしかった気がします。ロビーベンソンがチョークを探しに行ってグリニス オコナーと出会うシーンやロビーベンソンが街角で道ゆく人と競争をするシー ン、初めてのシーン、そして空港での別れ。  昔はこんなせつない恋がしたいなあと思っていた事をふと思い出してしまい ました。 KANAME(CXE04355)

『ジェレミー』(その2)"Jeremy"(1973)

(2004/08/14記 at @nifty FMOVIE 6番会議室) 『ジェレミー』を観ました。(2004/08/14 at ビデオ)  男の子がいて、女の子がいて、出会って、別れるまでの物語。 男の子にも、女の子にも、得意な事があったり、家庭の事情があったり、親しい 友達が居たり居なかったり。  ふとしたきっかけで出会い、近づき、そして別れていく。  そんなありきたりの物語。  観るべきものは、何も無い。強いていえば、当時のニューヨークの自然と風景、 男の子と女の子の家庭環境や背景が時代に即したものであると行ったところか。  当時の青春映画のスター、ロビーベンソンが主演し、グリニスオコナーが共演 している。 ロビーベンソンには『ワンオンワン』という映画もあったし、グリニスオコナー には『カリフォルニアドリーミング』や『リトルモー』なんて映画もあった。  まぁただそれだけと言ってしまえば、それまでなのではあるのだけれど、この 映画を観るとき、私にはそれだけでないものがある。  中学生の頃、初めて観た時に感じた事。そして現在に至るまでの、この映画に 関するあまたの想い出が。  今観ると、思わず照れてしまうような部分や、映画としてもう少しやりようが ある事など、今の自分であるから感じられる事もたしかにあるのだけれど、当時 の自分は別の眼で観ていた。  そして、今の自分がある。  それこそ、当時から今に至る自分の行動の中で、「あ、これは(^^)」と思い 当たる節まである。知らずのうちにいろいろと影響を受けていた事。 まぁこれは今思うとかなり恥ずかしい事ではあるのだけれど。  私にとって、この映画というものはそういうものだ。  そして、この映画に限らず、すべての映画は私にとって多かれ少なかれそう いうものかもしれない。  そう思い出させてくれる映画である。  そして...  こういう映画と今でも出会う機会があるという事は、とても嬉しい事でも ある。 kaname(CXE04355)

『シカゴ』"Chicago"(2002)

(2003/04/29記 at @Nifty FMOVIE 2番会議室) 『シカゴ』を観ました。["Chicago"(2002)] (2003/04/29 at お台場シネマメディアージュ シアター1)  近年の『ムーランルージュ』といい、ミュージカルな作品、 しかも良質なものが増えていくということは個人的にもとても 嬉しい。 やはり、ミュージカルもなくちゃね。(^^) というわけで、楽しみにしていた『シカゴ』でした。 (以降内容に触れます。) キャサリン・ゼタ=ジョーンズが凄く良い! こんなに舞台映えする女優さんだとは思ってもみませんでした。 ただし、あまりにも良すぎて、逆にスクリーン上でよりも、生舞台 で観たいという思いが強くなりすぎてしまい、それが映画を観てい る目としては凄く惜しいと感じました。  対するレニーもなかなか頑張っていましたが、ゼタ=ジョーンズと 並ぶとやや食われ気味。  まぁそのかわりというのも何なのですが、彼女と一緒ではない腹 話術のシーンは出色でしたけれどね。(^^) しかし、やっぱりこういった作品が増えていって欲しいなぁと強く 思いました。 kaname(CXE04355)

『四月物語』(1998)

(98/03/15記 at FJMOVIE 4番会議室)  『四月物語』を観ました。(98/03/14 at 渋谷シネアミューズWEST)  初日の初回に観に行ったのは、事前情報ではそういう話はなかったものの、 「もしかしたら岩井俊二や松たかこの舞台挨拶があるんじゃないか?」と言う 下心があったのですが、残念かな今回はそういうものはありませんでした。  まぁ、そのかわりと言ってはなんですが、今回のこの映画のパンフレットは 凝っていて、価格も2,000円。どういう形態になっているかは映画にひっかけて あるのでとりあえずここでは話しませんが、その中身は、なかなか読みでがあ るものでした。  さて、そんなこんなで観に行った『四月物語』ですが、できればこの映画は、 三月から四月にかけてのよく晴れた土曜日もしくは日曜日の昼間に、ちょっと 人が多そうなところで観るのをお薦めします。そうすると、また少し幸せにな れます。 (と、ここでこれ以降はネタバレありということで引っ張る、(笑))  今までの岩井俊二の作品を、どちらかと言うと、レコードのアルバムみたい なものだとしたら、今回はベスト版、それもシングルカットされたものばかり を集めて作ったベスト版で、岩井俊二らしい場面場面を印象づけるやり方が、 何度も何度もこれでもかこれでもかと言わんばかりに出てきて、どちらかと言 うと今までは、ひとつのストーリーを作るためにバランスを考えて行っていた 作業を、「よし、じゃあここはこういうことやっちゃおうか?」とばかりのそ の場のノリでどんどん撮っていったような、そんな感じを受けました。  ですので、非商業映画(というか自主映画)として作ったと言うのは凄くう なずけます。  ですから、今まで話全体のしかけを楽しんでいた部分は、今回はなくなって しまったものの、すごく気楽で、嬉しくなっちゃうようなものばかりで良かっ た。その最たるものは『生きていた信長』ですが(笑)、もちろんそれ以外の 細かいしかけすべてに喜んでいました。  あのオープニングの見送りから、引っ越してきたばかりの部屋、桜吹雪等等、 気に入ったところをあげてみたら、きっとそのまま全部の場面をあげちゃうん だろうな。  そんな感じで幸せになりながら映画館から出てきたら、陽の光が暖かくて、 歩く人達も少々春の訪れを感じさせてくれて、映画とのデジャブを感じさせて くれました。本当は、一面の桜吹雪か、もしくは人気のない所にざあざあと降 り注ぐ天気雨なんかがベストなんですが、そこまで求めるのは、ちょっと無理 かな。 しかしもう、いつのまにか春になっていたんですね。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『60セカンズ』"Gone In 60 Seconds"(2000)

(2000/09/03記 at @Nifty FMOVIE 2番会議室)  『60セカンズ』を観て来ました。(2000/09/02 at ワーナーマイカルシ ネマズ板橋 9番スクリーン 先行レイト)  私が中学生の頃TVでかかっていた映画の中で、『バニシング IN 60"』 は目玉作品のひとつでした。  そういう時期に観たその作品は、今となっては同時期に観た他の作品と、 細かい内容は既にゴチャゴチャになっていて、思いだせない部分も多いけれ ど、この『バニシング・・』のリメイクである『60セカンズ』は、そのオ リジナルの基本的な情熱を思いださせてくれるには、十分な作品でした。  しかしながら本当にすべては記憶のかなたで、例えば車泥棒が主人公であ るという設定じたいもすっかり忘れていたし、中に出てくる、例えば跳ね橋 を車でジャンプ、とか、犬の○○話とかも、残り時間がシーン毎の冒頭に出 てくるなんてところも、オリジナルにあったような気もするし、なかったよ うな気もするし、と言った程度の記憶。 ただ、そういったところもすべて、あの時期観たいろいろな作品のエキスで あり、ストーリー設定は変わり、話の時代も変わってはいるものの、リメイ クとして、そしてひとつの作品として、十分な作品となっていました。  ひたすら疾走する車と風景。そしてエンジン音。  余計なこと(そりゃジェリーブラッカイマーが絡んでいるので多少あるし、 監督のドミニクセナ自身も、自分の色をやや出しすぎるきらいはあるものの) は二の次で、この作品は、すべてがひたすらそれを楽しむ事に集中できる、 いや集中して楽しむために作られた映画だから、ホント、面白かった。  その、オリジナルの精神を受け継いでいるこの作品は、リメイクとしても ○(まる)でした。  そして今更ながら、なんでこの作品のリメイクやインスパイアされた作品が、 この10年位のリメイクブームに存在しなかったのかを、ふと思ったりもして しまいました。 実は、唯一危惧していたアンジェリーナジョリーも○(まる)でしたし。(^^) kaname(CXE04355)

『地獄』(1960)

(2001/01/31記 at @Nifty FMOVIE 6番会議室)  『地獄』(1960年制作の中川信夫監督のほう)を観ました。(2001/01/29 at DVD)  たまたまHMVでDVDのタイトルを眺めていたら、『東海道四谷怪談』や 『怪猫猫屋敷』などの諸作品と一緒に、このタイトルがあるのをみつけて、 前々から観たかったということもあり、思わず買ってしまいました。 (奥さんは『憲兵と死美人』のほうをみたがっていたのですが。(^^;)  で、その日のうちにさっそく鑑賞。 (以降内容にふれます。)  まず一番は、「悪魔のような友人」のデフォルメの仕方でしたね。(^^) 舞台的な登場のしかたや影の付け方が、「キャラクタ設定に偽りなし」って 感じで、凄く気に入りました。  そして、対する主人公である天地茂の状況に対する流され加減も、予定 調和ではあるものの、物語の進行役として、感情移入も逆に突き放しもで きない微妙なところにうまく収まっていました。  と、そちらの方のインパクトはとりあえず置いといて、実は、今まで聞 いていたこの映画に対する評判って、後半(というよりはクライマックス?) の地獄描写ばかりだったのですが、実際観てみると、それよりも、そこへ 行く過程と、その中で関わっていく人達の設定のうまさの方に目をひかれ ました。  人と人との絡みあい具合が、ホント、見事でした。 それが、クライマックスのしかけで見事に結実していて、これはやられたな という感じ。  そして同時に、ここまでのものを嫌味なく淡々に、という作品が、なんで 最近はまったくといっていいほどみなくなってしまったのかという思いが、 あらためて起きました。今となっては「昔」という括りで表されるこれらの 作品群が持っているものって、決してお金がかかるわけでもなく、ただただ ウェルメイド(この表現は語弊あり?)であるだけなのですから。 kaname(CXE04355)

『地獄の黙示録 特別完全版』"Apocalipse Now Redux"(2000)

(2002/02/17記 at @Nifty FMOVIE 2番会議室)  『地獄の黙示録 完全版』を観ました。(2002/02/17 at T・ジョイ大泉 シアター5)  まず、このT・ジョイ大泉は、去年の12月に東映の大泉撮影所の一部を 開放して作られたシネコンなのですが、初めて足を運びました。 そして、今回入ったシアター5は、なかなかに私好みで土曜日のかきいれ時 だというのにほとんど人がいないのがもったいないくらい。 個人的には板橋のワーナーマイカルよりも良いかなと思っているので、機会が あればぜひ足を運んで欲しい所です。 とはいっても、交通の便は決して良いとはいえないし、そういう意味では 非常に難しいところではあるのですが・・・。 という余談は置いといて、今さら前置きを説明することもないこの『地獄の 黙示録』を新たなシーンを復活させて再編集したこの特別完全版を観てきま した。 (以降、内容に触れます。) で、前段ではあまりネガティブな話になってしまうので触れなかったのですが、 どうもここ最近のコッポラというと、もう『ゴッドファーザー』をサガとして 再編集してしまった人間として、「絶対に信用してはならない」というレッテ ルを勝手に(というか一方的に)張りつけていました。 作品研究用のテクスト作りなら百歩ぐらい譲ってもいいけれど、あの再編集の 仕方はあまりにもひどすぎる。 そのコッポラが今度は『地獄の黙示録』にまで手を着けたということで、当初 はっきりいって物凄く不安でした。 しかしながら、去年の東京国際映画祭の評判がすこぶるいいので、これは観て こようということで観に行ってきました。 さて、オープニング。 私にとってリアルタイムの『地獄の黙示録』というのは、まず、映画を観る前に、 FMなどで特集組んで流していたりもしたサントラをとにかく聴きまくっていた。 だから私の頭の中には、映画の効果音付きの"The End"や"Suzie Q"、そして有名な ワルキューレの騎行等が当時もこびりついていたんですよね。 それが、あのオープニングで、全部復活しました。とにかく音で覚えていた。 が、一方で映像のほうは覚えていたりいなかったり。 ただまぁ、あまりそこには固執せずに、"Apocalipse Now Redux"というひとつの 作品として観ることに意識せずに専念してはいましたが。 とはいいつつも、オリジナルとの比較の話になってしまいますが、当時思っていた 「この映画は難解なんじゃなくて話を端折り過ぎてるだけなんだ。」というのが、 今回のものを観て、改めて強く感じました。個人的には、とても中途半端に感じて いた部分が、今回すっきりとした感じ。 もし、こういうものを短くするのなら、変にダイジェストな話にしないで、もっと 混沌とした部分のみをピックアップして提示したほうが、例え当時の普通のお客さ んに受け入れられなくても、映画としては良かったような気がする。 それくらいに、今回のものの混沌とした部分、もっと判りやすい言い方をすると 人間の行動矛盾をクローズアップしてくれたのが、とても良かったと思いました。 まぁただ、最後にそれをカーツ自身がほぼ言葉にしてしまったこと自体は、うーー ん、まぁしょうがないかなといった感じではありましたが。そこらへんは、オリジ ナルよりも、よりコッポラらしさが出ているかなと感じましたが。 オリジナルは、我を失っているという感じでしたし、当時まさにそのような状態 だったみたいですからね。 そうそう、また最初の音楽の話に戻っちゃいますが、今聞くと、歌詞のある曲では なく、音楽のほうは、まさに当時の音楽って感じがすごく強くて、何か懐かしかっ たです。『幻魔大戦』なんて、これとかなり似たようなアプローチしたたものなぁ。 最後に、「相手を裁くという意識が存在した時点で、それは敗北を意味する。」と いうような台詞があるのは、この特別完全版が2000年度の制作であることを考える と、まさに今を暗示しているようで、逆に言えば過去の繰り返しに過ぎないという ことを示していて、とても興味深かったです。 kaname(CXE04355)

『7月7日、晴れ』(1996)

(2003/10/07記 at @nifty FMOVIE 6番会議室)  『7月7日、晴れ』を観ました。(2003/09/28 at SkyperfecTV! フジテレビ721) 本広監督のデビュー作ということで前から観たかった作品でしたし、 この作品が劇場でかかっていた時期に何回も予告編を観ていて公開 当時も興味をそそられてはいました。 その割には機会に恵まれずにいたのですが、今回この機会に観るこ とができて良かった。 (以降、内容に触れます。)  川面をなめてそのまま前方のヘリにティルトパン。 こういうのは本当に好きだよなぁ>本広監督。 他にも、スローで前から迫ってくる車のショットとか、今観ると本 当に当時かららしかったんだなぁとあらためて思わされました。 また、らしさでいえば、キャストも過去・・・じゃなくて未来の作品へ の重複が多かったな。 小木茂光、甲本雅裕、高杉亘、そして升毅。 またこういった面々が、やはりこちらでも脇で画面を締めるのに使 われていて、とても面白かった。 さらに題材も、初めのうちはホイチョイプロ三部作モドキをドリカ ム使ってやっているなぁという感じだったのだが、まぁ(基本路線 は外さないもの)こんなに甘〜い話を描けるのも、やはり本広監督 らしいよなぁ。何気なしのCGオンパレードも然り。 それでも、不覚ながら泣かされてしまいました。 kaname(CXE04355)

『七人の侍』(1954)

(2005/03/27記 at Production Note of ...) 何度見ても、やはりまず技術的なことに惹かれるわな。 奥行き方向の構図といい、マルチカメラといい、話の転がし方といい。 どうしても「おお、まるで教科書のような」という感慨を浮かべてしまう。 しかしまあ、何度見ても話の長さに関しては、ちょっととは思う。 まあかなり省略はしてるし、それが魅力のひとつではあると思うのだけれど。 今回はやはり勝四郎はいいなあと思った。 どうみてもあの中ではひとり浮世離れした格好をして、行動をする。 彼主体のシークエンスとなると途端に変わる曲調。 笑う一歩手前、というよりは笑うに笑えない世界へと突入する。 シリアスな中に笑いを持ち込む他のキャラクタたちと違い、 彼は周りに翻弄されることで世界を構築する。 同じく翻弄されるコメディリリーフの与平のほうが、この世界に 根を下ろしているという意味でははるかにまともに見える。 いやぁ、いいなぁ。 (2005.03.26@新文芸坐) P.S. まぁ服装でいえば七郎次のかすりのほうが異様といえば 異様なのであるが。毎度思うがどうみてもバカボンだよなぁ。

『シックスストリングサムライ』"Six-String Samurai"(1998)

(99/04/04記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『シックスストリングサムライ』を観ました。(99/04/02 at 渋谷PARC O SPACE PART3)  これは、予告編の、いかにも(!)な胡散臭さに惹かれちゃいました。(^^) 核戦争後の荒野に、ギターと刀を持ってさすらう黒縁眼鏡にスーツの男なんて、 いいですよね。(さ、さすらってはいないか。(笑))  そして、かかる映画館も、パイプイスに座って体育館ノリで映画を鑑賞でき るSPACE PART3という胡散臭さ。これは、この機会に映画館に観に 行かないと! と言う事で、観てきました。 (以降、内容に触れます。)  いやぁ、オープニングからサービス満点! いきなり話が始まってるじゃな いですか! しかも、最初からアクションを惜しげもなく見せてくれて、音楽 も全開! こういうのって好きです。(^^)  主役のジェフリーファルコンも、全米のクンフーチャンピオン(?)だけあっ て、刀を使ってのアクションシーンのきれいな事!  少々シーンの使いまわしもあったような気もするのですが、それはまあ良し としよう。(飛び蹴りっぽいシーンね。)  そして、この手の映画で恐れるべきは、話としての整合性を持たせようとす るために出来る中弛み。  しかし、多少はそういうシーンはあったにせよ、それを押え込むかのように、 ひたすら同じスタイルを追い求める力技は大好きです。(^^) 唯一、子供をあやすシーンだけはちょっと「どうかなぁ?」と思いましたけれ ど。  そして、一番好きなシーンは、やはりソ連軍とのくだりかな? 今まではそんなに大人数が登場するシーンもなかったのが、ここで一気に「わ さっ」と出て来て(これも期待通り(^^))、さらには、今までの音楽とは打っ て変わって重層なポルカの調べ。(笑)  あのシーンだけは、何か繰り返して観たい気もするなぁ。(笑)  そして、終わり方も、まぁ好きなタイプの終わり方でした。  あと、やはりこれは映画館で観て良かった!と思ったのが、力技で見せてく れるテンポの良さは良いものの、話の切れ目がはっきりし過ぎている部分。 これは、ビデオだとちょっと辛いかもしれないと思うような部分もあったには あったのが、映画館で観れて良かった部分かな。 まぁ、映画館で観れて、良かったです。 〜〜〜〜〜〜 99/04/04(日) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 P.S.ギターの使い方もお約束をすべてはたしていて、良かったです。

『6デイス/7ナイツ』"Six Days Seven Nights"(1998)

(99/02/14記)  『6デイズ/7ナイツ』を観ました。(99/01/02 at 池袋東急)  この映画で、気になっていたのは、もちろん久々にだらしない系のハリソン フォードというのもあるけれど、やはり次回作がガスヴァンサント版『サイコ』 と言うアンヘッシュ。あの『サイコ』をリメイクしようだなんて、物凄く勇気 のある試みの中で、彼女は本当に合うんだろうか? と言う興味で、アンヘッ シュを観てみようなどという少々捻くれた根性で観に行ってしまいました。(^^; (以降、ネタバレあり。)  まず、本筋と関係ないアンヘッシュの話。あ、彼女はイメージぴったりか もしれない。この映画で言うと前半のNYのシーンを除けば、私の中にイメ ージとして残っているジャネットリー演ずるところのヒロインに近いかなと。  さて、本筋の話。  自分の撃った弾で自滅する海賊たちも好き(?)なのだけれど、どちらかと いうと、「ハリソンフォードと過ごす無人島の旅」的なアトラクションで、 久々にこういうハリソンフォードも見れて良かったなと言う感じでした。彼の 演じる一番好きなタイプの役柄は、やはり苦悩するヒーローじゃないヒーロー。 デッカードやジョンブックであり、逆にジャックライアンやDr.キンブルなど は止めて欲しいと思ってしまう口なのだが、そういう目からすると、この『6 デイズ・・』の親父のほうが、好きかな。役柄としては。 (あ、結局本筋には触れていないかも。(笑)) かなめ

『シティオブエンジェル』"City Of Angels"(1998)

(98/09/13記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『シティオブエンジェル』を観ました。(98/09/12 at 川崎チネチッタ1)  実はこの映画館、初めて行ったのですが、椅子がスクリーンにきちんと向いて いて、さらには前の人の頭が気にならないように、椅子のお尻の部分が低くなっ ている。そして上映中は周りの明かりがきちんと消えてくれるし。  さて、その『シティオブエンジェル』ですが、ヴィムベンダース監督の、あの 『ベルリン天使の詩』をベースに作られた、と言う話を聞いて、実はだいぶ不安 になっていました。果たして、あの話がハリウッドでリメイクされてちゃんと成 り立つのだろうかと。  しかし、上映が始まる前にちらっとだけ読んでしまったプログラムの冒頭では、 なんとヴィムベンダース自身が誉めている。 と言うわけで不安半分、期待半分と言う形で作品を観たのですが・・・ (以降ネタバレあり)  この天使の世界を、ここまでうまく描けているとは思ってもみませんでした。 『ベルリン・・』とは違い、カラーが大部分を占めているのですが、それでも全 体的にとても静かなトーンで話が進んでいく。  そして、それがセスの決心と共に躍動感溢れる世界へと変わった時に、非常に 効果的に響いてきます。ただ、セスの決心のシーンでのみ流れるモノクロ映像の シーン。これを観て、やはりここの天使も「色」と言うものも認識できないのだ ということが判ったのですが、それならもう少し前半にモノクロを多用して欲し かった。天使の目で物を観て欲しかったなというのが少々残念でした。  さらには、同様にして、では誰に視点を置いての話なのかというのも今一つつ かめなかったような気がします。メグライアンにしても、ニコラスケイジにして も、どちらも中途半端な気がして。だったら、カシエル役の視点で話を進めると か、もう少し話全体に拠り所があると良かったのですが。  しかし、それでも「生きている時のセス」は良かったなぁ。そして入れ違いに なってしまうマギーも。 あと、もうひとつ。 材木を積んだトラックが出てきて、反射的に『ふたり』(リンゼイワグナーとピ ーターフォンダの方じゃなくて大林宜彦のほうね。)を思い出してしまいました。 そして、家に帰ってからビデオで観直してしまったのは私だけか。(笑) 〜〜〜〜〜〜 98/09/13(日) 〜〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto:  CXE04355@nifty.ne.jp  takashi.miyamoto@nifty.ne.jp  kaname@a2.mbn.or.jp URL:  http://member.nifty.ne.jp/kaname/  http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/  http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/theater/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『シベールの日曜日』"Cyble Ou Les Dimanches De Ville D'avray"(1962)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  シベールとの遊園地のシーン、とても好きです。そして、最後の教会も。 KANAME(CXE04355)

『シベリア超特急2』(2000)

(2001/01/31記 at @Nifty FMOVIE 2番会議室)  『シベリア超特急2』を観ました。(2001/01/31 at 新宿シネマカリテ3)  噂の『シベリア超特急』のほうはいまだ観ていない(というよりは既に バージョンが多くてどれを観るべきか迷ったと言うのもある(^^;)ものの、 果たして何を持ってしてあの「噂」に結びつくかは本作品でも味わえると いう話を聞いたということもあるし、近場の映画館であるワーナーマイカ ル板橋でかかるということもあって、観る気になっていたのですが、いざ 観ようと思った1/29には既に同館での上映は終わっていて・・・、で、そ れでも、まだ新宿でかかっているとの事だったので日をあらためて、観に 行く事になりました。 (以降、内容に触れます。)  さて、始まってみると、商業映画としては工夫がない(というかあか らさまに無理があるような気がする)低予算ロケーションでテンション が下がり、オーソドックスな人物紹介に熱意だけが空まわりしているよ うな中で、マイペースな水野晴郎に乗れず、表面だけのうすっぺらな台 詞と展開にかなりテンションが下がっていたら、ようやく思いいれと内 容が合致してきたダンスシーンの登場。このシーンあたりから、キャス ティングというか、女優さんたちの使い方のうまさが出てくる。日本に はまだこんなに財産があることをこういう形で観れたのはすごく良かっ たかもしれないなぁ。  ・・・などといった事や、グランドホテル形式の事件だと、やはりオ リエント落ちになるんだろうなぁとか思いつつ、『ポチョムキン』の階 段落ちをどうやってみせるかと思えば、まさかここまでそのまま再現し てしまうとは!と言う事に面白がってみたり・・・  ・・・しているうちに、クライマックス。 けど、どうやってまとめるんだろうと思ったら、  「反則技」 それはないんでないかい?(笑) そこからはホントやりたい放題で・・・ 楽しませていただきました。(^^) ただ、少しだけ残念だったのは、「なんで笑ってるの?」ってくらい 他の観客たちの笑いにはついていけませんでした。キャストや監督の 思いや熱意とは別に、笑いが起こっているように見えるのが、少しだ け悲しかったです。 kaname(CXE04355)

『死亡遊戯』"Game Of Death"(1979)

(97/10/05記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『死亡遊戯』を観ました。(97/10/04 at シネセゾン渋谷)  観る事じたい十数年ぶりでしたし、劇場では観たことがなかったの ですが、無茶苦茶かっこいいオープニングですねえ。すっかり忘れて いました。  007シリーズのジョンバリーの音楽と、それに合わせたやはり0 07の特に『007二度死ぬ』を思わせるようなオープニングタイト ル。もうこれを観る事が出来ただけで、もう満足していました。 (以降ネタバレ)  それにしても、後半の格闘シーン以外はまったくゼロの状態から、よ くあそこまでのものを作ることができたと思います。代役が似ていない とか合成や過去の作品からのインサートショットがいかにもであるにし ても、一介のどじょう狙いではなく、きちんと作品としても観られるも のになっているのは凄いと思いました。  それにしても、あの「怪しい老人の扮装」の事はすっかり記憶から、 なくなっていました。あのパロディをいくつ観たことか。(笑)  しかしやっぱり「残されたショット」の後半の格闘シーンは、凄い ですね。セリフ一切なしの息を抜けない格闘の連続は本当に凄いと思 いました。  そして最後はやはりオープニングと同じで、過去の作品を使用した これまたかっこいいエンディングロール。 ホント、今回の上映を観に行くことが出来て良かったです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『下妻物語』(2004)

(2004/08/14記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『下妻物語』を観ました。(2004/07/03 at 渋谷シネクイント) これはまず何よりも予告に惚れたなぁ。 しかし、これは観賞後にパンフを読んだら、あのNTT東日本のガッチャマン CMを作った人なんだぁということである意味納得。 しかし、それ以上に本編に惚れ込んでしまう事になるとは、よもや思いません でした。 なんというか、あるべきものが、あるべき時に、あるべき場所に常にある心地 よさというか、かゆいところに手が届くサービス精神というか。 こういう時間を味わえる幸福を、この作品は与えてくれました。 これは、同じ文化圏の背景を持っていないと得られない感覚かもしれないある 意味の既視感。  たとえそれでも、今はこの感覚に浸っていたいと思う。 そう思わせてくれる作品でした。 kaname(CXE04355)

『ジャッカルの日』"The day of Jackal"(1973)

(2005/11/12記) 『ジャッカルの日』を久々に観ました。(2005.11.12 at テレビ朝日) いやぁ本当にいいよなぁ>『ジャッカル・・・』のエドワード・フォックス ここまで息着くひまなく、人情絡めずの世界の主役として、しっかりと存在感 出していました。 そしてこの世界ではフレッド・ジンネマン監督の演出がまた合うこと! 『真昼の決闘』といいホント、この手の作品はうまいよなぁ。 久しぶりに、「映画一本観た」という充実感を思い出させてもらいました。 いやぁ本当によかったわ。 p.s.これであと続けて『フレンチコネクション』なんて観た日には、しばらく 何もいらないなぁなんて思っちゃいそうだ。

『ジャッキーブラウン』"Jackie Brown"(1997)

(98/04/11記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  例えば、3年前なら、『レザボアドッグス』『パルプフィクション』『ジャッ キーブラウン』の3本を観ることができて、どれが良いかと聞かれた場合、迷 わず『パルプフィクション』と答えていたように思う。  しかし、今ならば、『ジャッキーブラウン』。そう、私は答えます。それは、 決して私個人の嗜好が変っただけではないと思う。 と言うわけで、『ジャッキーブラウン』を同映画の先先行オールナイト企画、 「タランティーノワンダーナイト」で観てきました。(98/04/10 at 渋谷パン テオン) (以降ネタバレあり)  まぁ、とは言っても、今回の企画で『ジャッキーブラウン』は思ったより受 けていなかったとは思う。しかし、『パルプフィクション』なんかも、昔初日 に観に行った時は、ほぼ満員の映画館の中で私ひとり笑い転げているという、 悲しい状態を体験したこともあるので、どう捕らえていいのかはまだわかりま せん。  そんなことはおいといて、私はこの映画が好きです。相変わらずのタラン ティーノ的と言ってもいい、音楽の選曲のうまさや、配役の妙は相変わらず。  それでいて、前2作とはまったく違ったテイスト、どちらかと言えばオー ソドックスな展開なのが、私の好みにあっているのだと思う。  そして、あらためてタランティーノって映画好きなんだなと思いました。 「俺はこういうのも好きなんだ。」と言うのを見せられたような気がする。 さて、そんな中で、今回もキャスティングは良いですよねぇ。まず、一番の キャスティングの良さはロバートフォスター。まぁ、パムグリアも良いけれ ど、この人なしではホントに成り立たなかったんじゃないかと言う良さだっ たように思う。あの、なんとも言えない余韻と言うか、最近味わった事がな かったよなぁ。  そして、ロバートデニーロも、確かにデニーロでしか成り立たないんじゃ ないかというくらい良かった。「昔は切れる奴だったのに」と言う言葉が凄く 生きていたもの。  まぁ、サミュエルLジャクソンはタランティーノ映画にはまりすぎている くらいはまっているのでいうことないです。  あ、マイケルキートンも、マイケルキートンだったとしか言いようがない ですね。(『バットマン』の頃のマイケルキートンに近いかな?)  比較的おとなしかったブリジットフォンダも、『ダーティメリークレイジー ラリー』を観ながら、「馬鹿な男」とつぶやくところは最高でした。(笑) (父親に向かってそれはないだろう。(笑))  また観に行こうかなぁ。きっとまだ何か隠されているような気がする。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『Shall we ダンス?』(1996)

(96/04/14記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  やっと『Shall we ダンス?』を観て来ました。評判通りの映画で とても楽しませてもらいました。『ファンシーダンス』『シコふんじゃった』 の路線からちょっと大人びた雰囲気になって、また楽しい映画になっていてよ かったです。 (以降ねたばれあります。)  例によって、周防監督らしく、導入部は説明的な内容をうまく消化していま したね。そしてその世界になれて来た所で、感情を動かす話が動き出す。毎度 ながらやはりうまいなあと思いました。  そして、あいかわらずの竹中直人の飛ばし方。今までのような年齢設定にち ょっと、と言った感じから、今度は今までより(たぶん)出番は少ないながら 楽な感じでとてもよかった。  そして、役所広司もすごく役が似合っていた。まじめで、頼りなさそうで、 けど、どんどんダンスの楽しさに惹かれて行く様は、なかなかでした。  そして、草刈民代はきれいでしたね。黙っての演技の存在感に対して、しゃ べる方はなんとなく違和感を持ちましたけど、見とれる存在でした。  あと、ちょっと残念だったのは、柄本明の存在がちょっと中途半端だったか なというところでしょうか。  さて、この映画はいろいろな点でとても親近感を覚えてしまいました。それ らを《余談》としてあげておきます。 《余談》 1.『フォローミー』  人に突っ込まれる前に、まずこれは書いておきます。 この会議室でも以前話が出ていたので、はっきり言って探偵事務所が出て来る あたりからみがまえてましたが、いざ出て来ると、やっぱり嬉しかったです。 植物園のシーンのポスターだったのですね。けど、ミアが眼鏡をかけていたの は美術館のシーンだと思っていたのですが、それがちょっと不思議。そして、 トポルは・・・トポルだなあ。(^^)  そういえば、水上バスも画面の中にちらっと出て来たし、怪しげなダンスホ ールもありましたね。そして、主人公がたまたみかけたひとに興味を持つまで はつまらなさそうにしていたところ、夫婦の離婚の危機を救う探偵と言うのが 出て来る所、主人公(?)がねっからまじめで経理関係の仕事をしている所な どこじつけようと思えばいくらでも出て来ます。  あとは、サントラのレコードがちらっと出て来ましたが、・・・欲しいぞ! (笑) 2.予想通勤時間約2時間  オープニング付近からおもわずあっと思ってしまったのは、役所公司の通勤 ルート。彼は朝5時半に起きてひとりで食事をし、自転車で狭山が丘駅へ。そ こまでは予想で10〜15分でしょうか? そして西武池袋線で池袋まで急行 で約40分。それから、水上バスの見える会社という事は(たぶん隅田川ぞい のどこかでしょう。)まで約40分くらいかな。電車の待ち時間等含めて、約 2時間と行った所でしょうか?  さて何でこんな事が想像がつくかと言うと、私も西武池袋線の利用者だから です。(^^; 私はあの狭山が丘から3駅奥の「入間市」に会社があったりしま す。ちょうど主人公と反対方向に通勤しているわけですけど。(^^; (ちなみに私の通勤時間は1時間半です。って誰も聞いてないね。) 3.「岸川ダンス教室」の場所  まあ、そう言ったわけなので、あのダンス教室の場所もたぶん想像がつきま す。狭山が丘は急行が止まる駅ですし、同じグループの二人は王子と十条とい うことで石神井公園かひばりが丘、たぶん石神井公園だと思うのですが、どう でしょう?(ああ、とってもローカル) 4.ハーフステップ  これは、言葉を聞いただけでは思い出せませんでしたが、実際の足の動きを 見て、思い出しました。「あ、これは!」  実は私、学生時代手品のサークルに入っていまして、年に一回もしくはそれ 以上サークルの発表会というかたちで、ステージに立っていた事があります。 その中のある一品目で、ちょっと踊りもどきの動きを取り入れたいと思い、一 時期入門書なんかを買って練習していました。(^^; その中で一番覚えていた (というか取り入れた)のが「ハーフステップ」でした。(他は忘れた) (ちなみにその時はファッションショーの映像なんかも研究していました。) だから(というわけでもないか)、たまに歩き方が・・・。 5.青木(竹中直人)の歩き方  実はいまだにこれが抜けません。会社なんかで、実は私もああいう動き入っ ていたりすることがあります。(^^;(ただし、手振りまでは入らない)  気分が乗っている時って、つい歩きながらああいうことをしてしまったりす るのです。結構やってる本人は楽しいです。あ、逃げないで!(^^;  というわけで、個人的に思い切り楽しませていただきました。やはり、周防 監督侮りがたしと行った所でしょうか・・・。(^^; 〜〜〜 KANAME(CXE04355) 〜〜〜 '96/04/14 (Sun.) 〜〜〜

『シャレード』"Charade"(1963)

http://productionnoteofkanames.blogspot.com/2011/03/charade1963.html (2011/03/20記) 『シャレード』を観ました。(2011/03/20 at TOHOシネマズ府中 スクリーン7) 初見は中学生でテレビ放映、以来の大好きな作品でレーザーディスクとかも持っていたりもするのですが、観るのは 久々。 映画館では一回くらい観たかもしれないがもう忘れた。 ヒッチコックばり(といっていいのか?)なOPから一気に引きこまれて振り回されるこの話ですが、キャストがジョージ・ ケネディ、 ジェームズ・コバーン、ウォルター・マッソーと無駄に豪華でしかも皆悪相。 それがかのケーリー・グラントまで思い切り悪相に撮っているあたりやはりスタンリー・ドーネンだなあと思ったりもするのは 何度か観た後だったな。 そして、実はそれ以上に喰えないのがオードリー・ヘップバーンだったりするのがまた良いのだな。 ケーリー・グラントとオードリー・ヘップバーンに歳の差がある設定だと気づいたのも何度か見てから。 なにせ初見が中学生だからどっちも同年代に見える。 本当に若い頃のケーリー・グラントを当時知らなかったというのもあるのだろうな。 ヘンリー・マンシーニの音楽もまた見事。『ティファニーで朝食を』('61)だったり『ピンクの豹』('63)だったり皆この 60年代。 このころのマンシーニは本当に大好きだった。 ケーリー・グラントの洗えるスーツネタはこっちだったか。『北北西に進路を取れ』とごっちゃになってるんだよな。 ケーリー・グラントとジョージ・ケネディの屋上対決。夜になるまで待ってからというのんびりさ加減もまた好きなところ。 フランス語と英語を使ったネタも豊富なのだがあまりよく判っていない。 今回聞き取りやすかったので結構字幕観ずに見れたのだがさすがに仏語はなぁ。(パルドンしかわからん(笑)) 切手のあのシーンは初見の時の(頭の中の)繋がり方ががドンピシャで気持よかったのを観るたびに思い出す。 それ以上に、あのバーソロミュー氏が電話に出るあのシーンが秀逸か。 カメラの切り替えし、カッティングの一つ一つが無駄にカッコイイんだよなぁ。 オードリーの尾行シーンは何度観ても笑える。どう見てもその格好パリの街でも目立ち過ぎだろう。 スパイ、エージェントネタも緊張感ほぐすのに効果的な演出。 まぁこれもそれ以上にケーリー・グラントが名前変わるたびに繰り返すミセスネタは笑える。 しかも最後の最後のオチがね。 けどまぁいろいろあれど、やはり面白いのはサスペンスフルなチェイスシーン、そしてクライマックス(パレ・ロワイヤル? ←そもそも判っていない(笑)) 奈落の底に足から落ちるって何度観てもものすごく痛そうなんだよなぁ。と毎回思う。 そして毎回笑えるあのラストカット。 ピーター、アレクサンダー、アダム、ブライアン。 呪文のような締めくくりのこの作品はやはり何度観ても楽しめる作品だということが再認識できた。

『Jam Films』(2002)

(2002/12/31記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『Jam Films』を観ました。(2002/12/31 at シネ・リーブル池袋1)  まぁ、率直に言ってしまえば、岩井俊二監督の新作が観たかったのですが (あ、そういえば「六月の勝利の歌を忘れない」をまだ観ていない。(^^;)、 まぁそれは置いておいて、TOLLYWOODのような短編専門の映画館でかかる作品 も好きですし、その昔は「えびぞり巨匠天国」を欠かさず観ていたぐらいで、 短編もわりと好きな身としては、「決まったテーマを持たない7人の作家によ るオムニバス短編映画」というのは結構興味のある作品でした。 さて、前置きをこれ以上長くするのも何なので、そろそろ本編の話。 (以降、内容に触れます。) まずは一本め 「the messenger −弔いは夜の果てで−」  北村龍平監督の作品。 「やりたいことはよくわかるんだけれど」の後ろに「・・・」をつけざるを得な かった作品。 残念だったのは、メッセンジャーの彼女が凄く雰囲気のある人であったにも関 わらず、彼女の声と喋り方ですべてが台無しになってしまったところと、その 彼女が最後に語るモノローグ。特にモノローグは、無しで潔く終えてしまうか、 もう少し考えてほしかったような気がします。 この2つの欠点が無ければ、もっと良かったのになぁ。 「けん玉」  篠原哲雄監督の作品。 最終的に、誰が一番幸福を手に入れたのか? それを、ここに持ってきたことによって愛すべき作品となったんだなぁと強く 思いました。 「コールドスリープ」  飯田譲二監督の作品。 この人、短編のほうがあってると思う。 いやぁ、筒井康隆をここに持ってきた時点で、大笑いさせていただきました。 それだけでなく、設定もなかなか良かったと思う。 「Pandora -Hong Kong Leg-」  望月六郎監督の作品。 この人は、逆に短編は苦手なのかなと感じました。 吉本多香美のキャラクタ作りにてこずっているように感じました。 ただ、逆に彼のほうの設定は秀逸だわな。(^^) 「HIJIKI」  堤幸彦監督の作品。 結構面白いなと思いつつ、観ていたのだけれど、「20才」で完全にツボには まり、しばらく独りで大笑いしていました。(^^; 次々と「観客の知らない事実」が積み上げられていく快感と、ひたすら横に広 く縦に狭い舞台が素敵。 それでいて、予告通りの結末を出した上で、不覚にも泣かされてしまうという のは一本取られましたという感じか。 「JUSTICE」  行定勲監督の作品。 これってたぶん、言葉で表現されてもさっぱり面白さがわからないような代物 を、見事に映像化してくれました。 そういう意味では飯田譲二の「コールドスリープ」等とは正反対の作品である にも関わらず、ショートフィルムの面白さを存分に引き出してます。 いやぁ、完璧です。 「ARITA」  岩井俊二監督の作品。 この中で、一番ショートフィルム慣れしているしうまい人なので、そういう意 味では無難な線にまとめたかなと思います。特に、テレビ時代にもっと面白い 作品を作っている事をしっている身としては。 しかしながら、まったりとした時間の流れから、一瞬にしてパニックを導き出 す所はさすがだなぁと感じました。 他の6人が同じ手法を取っていないので特に目を引いた。 と、個々に関してはだいたいこんな感じなのですが、面白いのが、七人が七人 とも割とオーソドックス手法を取っているにも関わらず、その誰もが被ってい ないところが、ショートフィルム入門編という意味でもすごくバランスが取れ ていたかなと思います。まぁ、これは元々長編に対するアプローチも異なる人 たちだから当たり前といえば当たり前か。 これも、今後続編という形で続いていくとだんだん引き出しが狭くなってくる かもしれないのだけれど、唯一今回手をつけていないのが短編専門の監督の手 による作品。 そこに手を出さず、あくまでも長編のうまい人たちによる短編作品にこだわる か切り替えを図るかが今後の見所かもしれません。 2002/12/31(火) kaname(CXE04355)

『13階段』(2003)

(2003/02/09記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『13階段』を観ました。(2003/02/08 at 池袋HUMAXシネマズ4 シネマ3)  原作はけっこう興味があったものの、未読。ただし、元々この原 作者高野和明が脚本を生業のひとつとしている人らしいので、江戸 川乱歩賞を取ったと聞いた当初から、映画化されたら観てみたいと いう思いはずっとありました。 で、できれば原作者の脚本というものでとも思っていたのですが、 残念ながらそれはならず。しかしながら担当したのが『誘拐』の森 下直だったので、別の意味で期待は出来たかな。この方も同作品の 脚本で城戸賞取った人であるし、実際、『誘拐』は面白かった作品 であるので。  あと、監督の長澤雅彦も、『ココニイルコト』が観たかったもの の観ずじまいだったのでようやくの初体験。こちらも興味ありでし た。 (以降内容に触れます。) いやぁ、面白かった。 話のテンポが良かったのかな。ハイテンションな部分はないものの 話の展開に無理を感じなかったし、エピソードのバランスも良かっ たと思います。もちろん、話じたいも面白かったですけれど。 さらに、サブエピソードの内容、挿入の仕方、タイミングも良かっ たんじゃないかなと思います。特に宮迫博之演じる死刑囚のエピソ ードが、重くなりすぎず軽くなりすぎず話の要所を押さえていたと 思います。  強いて言えばラストの冗長な部分で1ヶ所都合が良すぎるシーン があったのが残念。 指が動いて涙が流れるだけにしてそれに彼が気づくシーンのみで 白くフェイドアウトぐらいの方が良かったような。 あと、これは比較になってしまうのですが、顔の知れた役者が、 ポイントポイントでかなりでているにも関わらず、『黄泉がえり』 のようにめざとく見えずに済んだのは、主役である山崎努の存在 感なのかな。 kaname(CXE04355)

『シュウシュウの季節』"天浴"(1998)

(99/11/09記 at Niftysrve FMOVIE 2番会議室)  『シュウシュウの季節』を観ました。(99/11/03 at シネスイッチ銀座)  この作品の監督、ジョアン・チェンと言えば、『ツインピークス』が 一番印象に残っていたので、興味はあったのですが、予告編を観ると『太 陽の少年』的な青春映画の雰囲気。(ヒロインの女の子の雰囲気も近いし) それでいて、「純粋なラブストーリーが撮りたかった。」と、監督本人が 言っていたと言う話も聞こえてくるし、いったいどんな話が展開されるの か、まったく想像がつかない状況での鑑賞となったのでした。 (以降ネタバレあり)  さて、そんな状況で、やや考え込みながらの鑑賞となったのですが、 観てみて、そんな事はまったくの無駄だということが判りました。  うまいわ、本当に。  決してスタイルにこだわったりはしない、というよりは、むしろ、 あくまでもオーソドックスな撮り方をしているにも関わらず、その 「簡潔で無駄のない展開」や、同じく「無駄のない、ものごとのひと つひとつに対する表現のしかた」は、本当にこれが初監督なのかと 思わせるほど、良い映画に出会えたと言う満足感を与えてくれました。  最初にあげた『太陽の少年』は、好きな映画ではあるのですが、 いろいろなエピソードをやや詰め込みすぎな部分があって、ややだれ てしまったのですが、この映画が追いかけている事はただひとつ。  この「ただひとつ」であることが、その事に対してさらに重みを 増して行き、さらにはそのことに対してより深く没頭する事ができた ような気がします。  そして、最後に浮かび上がるのは、「純粋なラブストーリー」。 余計なものは、何一つない。  ジョアンチェンは、女優としても、割と好きなのですが、それ 以上に、監督として、惚れこんでしまいました。 kaname(CXE04355)

『ジュブナイル』(2004)

(2004/08/23記)  『ジュブナイル』を観ました。(2004/08/21 at DVD)  実は初見。(^^)  来週末(8/28)にTV(地上波)にて『リターナー』が放映されると聞いて、 急遽鑑賞しました。  映画館で共に見逃したついでに、同時期に鑑賞しようとは思っていたので。  ちなみにDVDはだいぶ前から持ってはいたのですが、まぁそれはそれ。 機会というものがありますから。  などというゴタクはこれくらいにして感想。  わぁ、これは間違いなく「岩井の子」だわ。  制作プロダクションが『LOVE LETTER』『undo』『PiCNiC』と岩井作品 に関わってきたROBOTである事に加えて、というか何よりも舞台が、飯岡!  この「打ち上げ花火 下から見るか、横から見るか」の舞台で、同じく 子供たちのひと夏を描くだなんて、私にはこのフレーズ以外思いつきません でした。  そのうえさらに麻木久仁子がでてくるわ主人公に絡む男の子のうちのひと りは外見雰囲気が似てるわさらには酒井美紀が出てるのもなんとなく嬉しい。  そして、このシチュエーションにSFが絡めば、これは本当にSFジュブ ナイル。  オールタイムベストな小説2篇のうちの1篇が「夏への扉」である私にとっ ては、ど真ん中ストライクな分野なので、これを好きと言わずとして、何を 言わんともがな。  しかし、本当にこれでもかと言わんばかりにSFジュブナイルの要素を詰め 込んできている。  少年時代のひと夏の淡い恋心なんて要素や仲間の少年たちとの関係は当然 として、ロボットや宇宙人、タイムマシンや空間転移、大人に知られてはい けない秘密や、逆に唯一の理解者である大人たちから今まで変人扱いされて いた大人の存在などなど。  これをまぁここまでうまくひとつにまとめあげてくれると本当に気持ちよい。  で、再び話は戻って、やはり私にとっては、「打ち上げ花火・・・」が巡り 巡ってこういう形で結実したと私は思いたい。  もちろんその大元として幾多の作品の存在があることは知っているけれど、 それでも、私にとってはやはりこの作品は紛う事なき「岩井の子」だわ。 k. (以降2016/10/08追記) 映画制作会社ROBOTの記念イベントにて鑑賞。 これもまた今観るとホントに好きなもの全部詰め込んだみたいな作品だったんだな。 ほんと処女長編という奴は。 こっちまで胸が一杯になってくるよ。 こちらも今となってはちょっと恥ずかしいのだろうなと思うんじゃないかという ところも随所に見掛けられるんだけれど、そこも含めてジュブナイル。 そして、子供達の成長の早いこと。 特に鈴木杏が鈴木杏になっていく様はなんとも言えない。 酒井美紀も『Love Letter』の直後に観るとなかなかに思うところがある。 幸せなひとときでした。

『ジュマンジ』"Jumanji"(1995)

(96/03/25記 at Niftysrve FMOVIE 3番会議室)  『ジュマンジ』を観て来ました。これは私にとっては久々の『テーマパーク アトラクションムービー』でした。  大画面で、観客も一緒に「きゃー!」とか「わー!」とか、同時体験を楽し む映画。  私にとっては『ジュラシックパーク』以来でした。こういう映画は本当に映 画館でみないと楽しさ半減してしまうので、後でビデオでなんて言わずに、 ぜひ映画館で観た方がいいと思いますよ。 (以降ちょっとだけネタバレ)  なかでも、あのいかにもな名前のハンターがよかった! 最後に「やっと おまえも男になったな。」と言った時、「あ、こいつはアランの親父じゃない か!」と気付きました。う〜〜ん、なかなかやるなあ。 あとは、やっぱりタイムトラベルものに付き物のエンディング。わかっちゃい るけど、時間を越えた再会というのはいいですねえ。 というわけで、思い切り楽しんで来ました。 これは『トイストーリー』も期待だな。(^^) 〜〜〜 KANAME(CXE04355) 〜〜〜 '96/03/25 (Mon.) 〜〜〜

『ジュラシックパーク2 ロストワールド』"Lost World"(1997)

(97/08/05記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『ロストワールド』を観ました。(8/2 WMC東岸和田Screen5)  実は『ロストワールド』2回目で、しかも一回目はかなり観た後に怒って しまったので、今度は楽しめるかどうか不安でした。  結果としては面白かった。最初観たときには、思い切り期待していたので そのギャップに不満を感じたのですが、今度はもうどんなものなのかは判っ ていたと言うのが一番の楽しめた要因かな? 最初からそういう心持ちで観 ればもう少し楽しめたかもしれないのが残念と言えば残念だと言った所でし ょうか。 (以降ネタバレ)  たぶん最初観たときの一番の不満は、前作『ジュラシックパーク』での結構 魅力的なキャラクタ、イアンマルコム博士のキャラクタがすっかり変ってしま った所でした。  が、前作ではサブキャラクタとして魅力的だったマルコムも主役をやるキャ ラクタじゃなかったのだと言うことで、彼のキャラクタ設定に関するエピソー ドは一切頭の中から排除。彼の娘も、彼の彼女も単なるその場に居合わせた人 程度の感覚で観ることにしました。  で、人間達は恐竜が暴れまわるための単なる材料程度と観てしまうと・・・、 やはりこの映画は面白い。  最初のステゴザウルスのシーンから、本当に違和感なく恐竜は存在している し、次から次へと繰り出されるエピソードにすっかり楽しませてもらいました。  そして音楽も、例えばガラスのシークエンスなんかでもすごくうまく使われ ているんですよね。前は全然気付かなかった。 やはりこういうところは、さ すがジョンウィリアムスとスピルバーグのコラボレーションと言った感じでし ょうか。 最後のサンディエゴ上陸も、今回はちゃんと楽しめた。今までの映画で出て きた、どちらかと言えば緩慢な恐竜達にたいして、今回は明らかに狩りをす る猛獣と言う感覚で動いてくれるのは、やっぱりいいなあ。 と言うわけで、B級映画として観てしまえば、割と結構楽しめるんだなって ことが判りました。 kaname(CXE04355)

『ジュラシック・パーク3』"Jurassic Park III"(2001)

(2006.3.25記) 『ジュラシック・パーク3』"Jurassic Park III" (2001) を観ました。 (2006.3.11 at フジテレビ) 『・・・2』にはひたすら憤慨していたのですが、おお、その部分が見事に そのまま継承されている!(笑) 2で何よりも受け入れられなかったのはヒロインであるジュリアン・ムーアの ただひたすらに愚かな行動ばかりするトラブルメーカーであるところ。 悪意すら感じられるくらいのそのキャラクタ設定に殺意さえ覚えてしまうほど でした。 その部分が今回のティア・レオーニが見事にその部分を引き継がれているのが 何とも。(^^; まぁ2でかなり免疫ができていたのでそれほどの憤慨はなかったし、この キャラクタ設定の意図というのが、人間の愚かさをより際立たせるもので あるのだろうけれど、やり過ぎなのは、やはりなぁ。 劇場で観ていたら、きっと憤慨再びだったのだろうなぁと思いながら、 4も決して劇場では観たくないという決意を新たにしたkanameでした。

『ジュラシックワールド』"JURASIC WORLD"(2015)

(2015/10/22記) 『ジュラシックワールド』を観賞。 (2015/10/21 at 機内上映) 見事だなあ。 20年経ってもまた同じことを繰り返すバカさ加減とかあれから良くここまでに持って きたなといったところとか。 ジュラシックパークの出し方も良かったがやはり今までのシリーズで象徴的だった 恐竜たちの使い方がまた上手かった。 最終的に奴がもはや恐竜ではない何かになっていることで妖怪大戦争、もしくは キングギドラな構図に持って行ったのが特にね。 隠し玉としてのヴェロキラプトルとの邂逅もまた見事でした。 たぶんそのDNAの線はあるとは思っていたけれどそれをどうやって露見させるかと いうのがその手があったかという感じ。 で、しっかりまだ作れるようにネタを残したな。 怪我人は多かったけれど確実に死を描いているのはスタッフサイドだけなんだよな。 最後離婚の話の結末を描かなかったのも良かった。 これで判るだろがあるからあの二人に繋がる。 なんてかんじでいろいろ話がつきない作品でした。

『シュリ』"Shuri"(1999)

(2001/02/19記 at @Nifty FMOVIE 6番会議室)  『シュリ』を観ました。(2001/02/18 at TV)  ロードショー公開時に、結局観に行かなくて・・・で、近々近くの名画 座でかかると聞いて、今度こそ観に行こうと思っていた矢先にTVで放映。  映画館で観る機会まで待とうかなぁとも思ったのですが、やはり観てし まいました。 (以降、内容に触れます。)  観ていて、何故か『踊る大捜査線 THE MOVIE』を思いだしてしまいまし た。自国の国民に大ヒットという形になったこの2つの作品って、ある意味 外から観た日本と韓国のように見えて。  などといえるほど、韓国の事はまったく知らないのですが、あらためて 今の日本の国情って『シュリ』と比較した『踊る大捜査線』なんだよなぁと しみじみ思ってしまった。だからといって、それは映画の外の世界であって 映画の中の世界では、大好きです>『踊る…』  あと、話の中のしかけは、割と早くに判る(しかしそれ以前に俳優の顔の 認識がなかなかできなかったのだが…年を取ったなぁ>私)のだが、それで もテンションを下げることなく突き進んでいくところは見事。  それも、観る前には「アクションがもう少し多い」映画かと思っていたら、 割とドラマ的なしかけもわざとらしくない程度にいろいろと挿入されていて それがうまく結実していく。こういうところが、逆に『踊る…』を思いださ せたのかもしれません。  あと、都市部での話が延々と続いた後に、いきなりぽんと海の見える情景 に場面転換したのも、「ここからだよ。」っていう感じで良かったです。  そして最後にあそこに戻っていくのも、王道だよなぁ。  あと好きなのは、最後まで、あざとく彼女の心情をイメージさせるような ものを出さなかった事。それが、留守電からのエンディングをだれさせずに 終わらせることが出来たように思います。  これは、例え内容すべてを判っていても、楽しめる映画だなぁ。こういう 映画と出あえるのは、ホント幸せです。 kaname(CXE04355)

『ジュリア』"Julia"(1977)

(2008/02/21記) 『ジュリア』を久々に観ました。(2008/02/20 at NHK-BS2) リリアン視線で観るジュリアとその思い出。 最後に会ったジュリアの短く切った髪の毛の痛々しさ。 私生活でもハードボイルドなダシールハメット。 子供を捜すリリアン。 国境を越えるサスペンス。 … そしてジュリアのテーマに身を委ねながら思いに浸る時間を過ごしました。

『シュレック』"Shrek"(2001)

(2002/01/01記 at @Nifty FMOVIE 2番会議室)  『シュレック』を観ました。(2002/1/1 at 神戸シネモザイク4)  耳に入る限りの評判が良すぎて、逆に観るのが怖かったこの『シュレック』 ですが、観てきました。字幕版のほう。 しかし、2001年の初映画が『チャーリーズエンジェル』だったので、これ で2年連続キャメロンディアスが初映画ということになるのかぁ。 (以降、内容に触れます。)  最初というか出だしは、はっきり言って「これはお子様向けのお下劣路線 か?」と思い、ちょっと躊躇したのだけれど、徐々にそれが薄れていき、卿 のお城の入り口付近で、それは完全に打破された。 まぁ、そこに至るまででも、ピノキオのくだりとか、3匹の盲目ねずみ(って これは『007/ドクターノォ』のオープニングでモチーフとしても使われて いる。)が出てくるところとか、好きな部分はいろいろあるのだけれど、そこ からはホント楽しかったなぁ。  シュレックの得意技(展開は読めたけれど、そうくるか!(^^)とか)やら、 ホント楽しい。キャメロン似の風貌のフィオナ姫もなかなかよかったし、うち の猫にそっくり(^^)なドンキーもなかなか。妙にリアルっぽさとそうでない部 分を融合したような絵柄もいいよな。 唯一気になったのは、「オーガ」が「怪物」と訳されていたところ。どうでも いいと思っても、何か気になってしまうんですよね。 kaname(CXE04355)

『女王蜂』(1978)

(2007/05/03記) 初見はたしか小学生の時(曖昧)、タダ券もらって祖母と 池袋まで観に行きました。 さすがに最初に観た時には、はっきりいってあまり面白い とは思えませんでした。 というわけで、『女王蜂』を観ました。(2007/05/02 at NHK-BS2) (一応ネタに触れています。) 「いや、金田一君、君は間違っていなかったよ。」 今回も役者と映像に身を任せながらの鑑賞。 そのうえ、今回は高峰三枝子・岸惠子・司葉子のそろい踏みを 連夜の鑑賞の後に観ている訳だから想いもひとしお。 そして最後のこの一言にすべてを持っていかれてしまったの でした。 その後の加藤武の表情と展開も秀逸。

『夢野久作の少女地獄』(1977)

(2000/08/26記 at Niftyserve FMOVIE 2番会議室)  『夢野久作の少女地獄』を観ました。(2000/08/12 at シネセゾン渋谷 オールナイト)  この日は、シネセゾン渋谷で『少女地獄』『ドグラマグラ』『ユメノ銀河』 の夢野久作3本立てオールナイト。  なかなかの作品と呼び声高い『少女地獄』、そして原作を非常に気に入っ ている『ドグラマグラ』、そしてロードショー時に見逃してしまった石井總 互監督の『ユメノ銀河』ということで、実は原作に対する愛情が強いが故に 映画は敬遠していた『ドグラマグラ』を除けば、他の2作品は良い機会だっ たので、この際、と行って来ました。  で、もちろん、三本とも観たのですが、実は後の2作品は、かなりの部分 寝てしまいました(タルコフスキー的眠りではなく、単なる寝不足)ので、 今回はこの『少女地獄』をメインに書かせていただきます。  ただし、後の2作品についても、少しだけ内容に触れますので要注意。 (というわけで、以降内容に触れます。)  確かに、良いわ。(^^) やはり作られた経緯が故、ポルノ作品の色あいは強く、撮り方も、「どうだ かなぁ?」と思える部分も多々あったのですが、プログラムピクチュア的な 誇張も意外なほどなく、かなり自然な流れで話が進んでいくのも良かった。  しかしながら、割と話の積み重ねをしっかりしようとしているが故にか、 やや、だれてしまう所もあり。まぁ、これは、元の話を知っているが故もあ るかというような気はします。  ラストなんか、特にしっかりと、夢野久作しているし。(^^)  で、一方の『ドグラマグラ』は、意外なほど原作色が強いのに対して、思っ たほど抵抗感が無く、これは今度機会があればしっかりと観てみようと言う気 を起こさせてくれた作品でした。  これも、夢野久作っぽい作品でしたね。  で、『ユメノ銀河』ですが、これって、ひとつの作品として観なおせば、 面白そうな気はするのですが、なぜこれに「ユメノ」をつけたのかはかなり 疑問。夢野久作的毒がどこにもないようにみえます。もし仮に、この時代を 写したくてこの作品を撮ったのであれば、なんだかなぁとさえ思えます。 内容パクリでも構わないので、「ユメノ」は冠さないでほしかったというの が正直なところです。これも、その概念を捨てて、もう一度観てみたいな。 kaname(CXE04355)

『少林サッカー』"少林足球"(2001)

(2002/06/11記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『少林サッカー』を観ました。(2002/06/08 at 渋谷東急)  『食神』、好きなんですよねぇ。あの感じ。(^^) そしてその『食神』と同じくらい、誰に聞いても評判の良い 同じチャウシンチーのこの『少林サッカー』。 ということでまずは観なくちゃと観てきました。 (以降、内容に触れます。) まぁ、たしかに面白い! しかも、観客の反応の良いこと! 少々周りの反応が早すぎてちょっと悔しいかなと思う所も多々あれ ど、それでも、押さえる所皆押さえて楽しませていただきました。 話の導入部はちゃんと最後にしっかりフォローしてるし、本格的な 笑いの導入部は、またもや食べ物と絡めてというのも丸。屋台の饅 頭屋は必需品ですね。(^^) そして、目に燃える炎、意味のなさそうなアップから展開する予測 不能のシークエンス、最初は笑っていいものか迷ってしまうセクシ ーポーズ等など、日本の漫画ネタを散りばめて、やはりサッカーと いうことでいろいろと出てきた特殊効果。(笑) ただし、そういうシーンやシークエンスそのものは面白かったもの の、ドラマチックという言葉だけは、今現実に行われているW杯に はやはりかなわない。一撃必殺の技は持たない代りに、想像力が現 実の武器。 というわけで、この時期でなければ、もう少し楽しめたかな。 そして、『食神』に比べると、ストレートに言えば下品度が足りな い、奇麗な言い方をすれば上品にまとめ過ぎたかなという感が否め ないのが、ちょっと残念だったかな。 けれども、それでももう一回観に行こうと誘われれば、まず行くと 思う。そんな楽しい映画でした。 kaname(CXE04355)

『ショートカッツ』"Short Cut"(1993)

(94/10/10記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  "SHORT CUTS"を観てきました。3時間を超える作品。しかも、主要登場人物 22名という事で幾らこの手の集団劇が得意なアルトマン監督でも..と少しはダレる んじゃないかなと思っていました。この前の"THE PLAYER"では実際少しダレて しまう所がありましたから。  しかし、それは正に余計な心配でした。クールでスタイリッシュな昔のアル トマンが戻っていました。まったく関係のないばらばらの物語を、一度も淀む ことなく一気に見せてくれる。そして登場人物のキャラクターとその相関関係 も、わりと早いうちにはっきりとわかるため、不安を残さずにどんどん先へと 進んでいける。音楽の使い方も、それに貢献しているかもしれません。  その内容について言えば、泣かせる所で泣かせたかと思うと、次のシーンで 大爆笑と言った感じであり、話としての明確なエンディングがなく、この先どうな るのだろうといった所に多少興味が残るといった所です。パンフに書いてあっ たジョナサン デミの「唯一の欠点は短か過ぎることだ」というコメントが十 分納得できる内容でした。  そして私は"THE LONG GOODBYE"が大好きです。あの映画は'70年代のアメリ カ西海岸の雰囲気をアルトマン流に見事に映し出しているとよく言われますが 、この映画はそう言った意味では、その'90年代版といえるのではないでしょ うか。

『ジョーブラックをよろしく』"Meet Joe Black"(1998)

(98/12/21記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『ジョーブラックをよろしく』を観てきました。(98/12/19 at 109シネ マズ港北 シアター2)  邦題にちょっと引いていたのですが、それでも、一応観に行こうかなと思っ て観に行ったのでした。実はこの監督の作品、『ミッドナイトラン』が、私は あまり好みでなかったのでちょっと引いていたっていうのもあります。  ところが・・・。 (以降、ネタバレあり)  凄く細かいところまで神経の行き届いた、心地よい作品でした。少々長さは 気になるものの、オープニングシーンから、凄くいろいろな事、登場人物が何 を思って、何を考えているかを想像させてくれるんですよね。その想像のさせ 方が凄いうまい!!  その中で、オープニングシーンもそうだけれど、やはり一番大喜びさせられ たのは、「ピーナツバター」のシーン。最後、戸口からブラッドピットが見え なくなるかならないかの瞬間の表情!! もう、タイミングといい何といい、 絶品です。監督も凄いのだろうけれど、さすがブラピって感じでした。  そして、ブラッドピットと言えば、今回のブラッドピットのイメージに一番 近いのは『テルマ&ルイーズ』じゃないかな? ある種、凄く素なブラッドピッ トって、考えて見ると、それ以来観た覚えがなかったような気がします。  そして一方で、アンソニーホプキンスに対しての「完全に目下のものに対す る態度」が、これまたうまいなって思いました。  あと、また話は戻って、ひとつひとつのエピソードが、ものすごくいいんで すよね。後になって、それがどんどん相乗効果になっていろいろと出てくる。 たとえば、病院で出会った患者とのエピソード。まぁ、ある程度は読めるんで すけれど、それでも、どんどんシーンが重なって、そこに至るまでの過程が、 またうまいんですよね。  そんな中で一番泣けたのは、やはりケーキのシーンかな。アレも、パーティ 会場建設でのシーンから、少しづつ積み重なったうえで、あそこに至るって言 うのが凄く好きです。お互い愛してるのに、積み重なってしまったことが、一 気に爆発して、そしてそのことで固まっていくあのシーンは、本当に愛すべき シーンでした。  そうやって少しづつの積み重ねがあるから、もう、Death&Taxに至っては、 もう大爆笑させてもらいました。「ヨシッ!」ってにぎりこぶし作っちゃいま したもの。(^^)  そしてそこまである上に、最後もクレアフォラーニの表情で、彼女が何を考 えているかがかなり細かいところまで、判っちゃうんですよね。言葉も何もな しで。そのさじ加減が、何というか、凄い好きです。  というわけで、日米ほぼ同時公開のこの作品。化けてくれると嬉しいのです が。 〜〜〜〜〜〜 98/12/21(月) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『食神』"食神"(1996)

(98/09/06記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『食神』を観ました。(98/09/05 at キネカ大森3) いやぁ、いろいろな人から「面白い」って聞かされていて、本当に楽しみにして いたんですよ。この作品。しかし、見事にツボにはまってしまいました。(笑) (以降ネタバレあり)  実は本来あまり、コメディものの香港映画ってあまり好きでは無かったんです よ。今一つ、のれなくて。 で、しばらくは観ていなかったのですが、この『食神』で、それは過去のものだ とわかりました。 と思っていたのが、まぁ、前半の料理対決的な部分。 ・・・が、姉御が出てきて、「あれ、どこかで観たことがある?」と思った次の 瞬間に誰だか判って・・・、いやぁ、凄いわ。(笑) そこからは、完全にはまってました。あの歌(笑)といい、カメラに背を向けて、 二人で何してるんだろと思ったら・・・のシーンといい、とにかく、姉御はいい わ。(笑) なかでも、あの灰皿(というのか?アレ)で・・・のシーンが好きだな。お約束 過ぎる。(笑) ただ、ちょっと残念だったのは、あの最後正体(?)を見せてしまうのがなぁ。 (笑) ま。いいか(笑) 〜〜〜〜〜 98/09/06(日) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『親愛なる日記』"Coro Diario"(1993)

(95/05/14記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室) 『親愛なる日記』を観ました。  第一話の「ベスパに乗って」で出てくる、バケーションシーズンのローマの 町は、なにか、東京に似ているように思えました。(文京区とかあそこらへん の風景)それでなにか親近感が湧いてしまいました。  私も、休みになると、静かになった東京の街を意味もなく自転車で走り回っ たり歩き回るのが好きで、車通りの少ない煉瓦塀に囲まれた道とか、なにか気 に入っていたなあ。  そう思えたら、途端に気が楽になり、何でもやってくれ!と言う気持でみて しまいました。そしたらホントになんでもやるんだもの。(笑) いいなあ、 こういうの。 ホントにタイトル通り、親愛なる日記君ってかんじで。  笑えたのは、今まで軽快にベスパで走っていたのが、『ヘンリー』を観た途 端にどんっと落ち込んで・・・、というところでしたね。これも何か自分の経 験に重なるなあ。  けど、第二話でいきなり『ウェスタン』"ONCE UPON A TIME IN THE WEST"の テーマの話が出てきた時は一人で喜んでしまった。あの映画好きなもので。 (続編 "ONCE UPON A TIME IN AMERICA"よりずっと出来がいいと思ってるし・ ・・。)  で、最後まで観て、パンフレットを観ると、監督/主演のナンニ・モレッテ ィという人は有名な人だったのですね、知らなかった。  以上、私にとっての親愛なる日記は、このフォーラムでの発言すべてだなあ 、ときれいにまとめようとするKaname(CXE04355)でした。

『仁義の墓場』(1975)

(2003/05/04記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『仁義の墓場』を観ました。[『仁義の墓場』(1975)] (2003/05/03 at 三百人劇場)  同劇場での深作欣ニ監督全60作品中55作品上映という大規模 な追悼特集の中の一本。 これは混むかなと思っていたのでやや腰が重かったのですが、機会 があり鑑賞へと向かいました。 しかし思ったよりも混雑度が低かったので、今度は他の作品も観に 行ってみるかな。(^^) (以降内容に触れます。) 深作さんのこの手のジャンル物って、実に久々の鑑賞となったので すが、この躍動感と混沌をさらにごった煮にしてしまったかのよう な絵は、やはり凄いとしかいいようがないですね。 これだけのエネルギーを持ったものを観てしまうと、近年の深作作 品が見劣りしてしまうのはやはり否めないなぁなどとあらためて思 った次第。まぁ、逆にこのテンションで例えば『バトルロワイヤル』 などが作られていたらどんなことになっていたか想像しただけでも 凄いのですが。(^^) また、ここまで格好の悪い主人公を、時にはブラックユーモアまで 交えて、善でも悪でもないものとして観客に提示してくれるところ も見事としかいいようがない。 さらにこれまた近年からは想像できない渡哲也や田中邦衛のキャラ クタを観られただけでも良かったかな。さらにはこの二人、今も昔 も外見がまったく変わらないというのもまた。(笑)  そうそう、多岐川裕美も風船も、これが深作作品初出だったので すね。(途中見え隠れする風船にもしやと思ったのですが。(^^)) kaname(CXE04355)

『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを君に』(1997)

(97/08/12記)  これは、同TV版が不完全な(と言うか多くの人にとって納得がいかない) 形で終わったものに結末をつけるために作られたものとして、私は非常に納得 して観ることが出来ました。一度TV版を目にしてしまった人は、観た方が良 いように思う。  そしてこの話は、TV放映版で納得がいかなかった25話、26話のもうひ とつの結末として描かれているので、それ以前のTV版を観ていない人にとっ てはたぶんさっぱり判らないです。 (以降ネタバレ)  私はこの結末がとても気に入っています。TV版の25、26話では、情報 量が少ないながらも、彼らのやったことは昇華されて終わっているように見え たのだけれど、今回の話は、救いようのない終わり方、結局何にもならなかっ たと言う終わり方(少なくとも私にはそうみえた。)になってくれたのがとて も嬉しかった。まあ、いろいろな意味に取れる言葉「気持ち悪い。」で終わっ ているので、取りようはいろいろあると思うけれど。  また、このふたつの話をわざわざ映画館で上映したのも、観ている自分の居 る場所を画面上で展開させる上でとてもスマートな方法だと思ったし、(その 昔鳥山明が「Dr.スランプ」でジャンプを読んでいる未来の自分を描いていた が、それとおなじくらいスマートだと思った。)そこまでして観客と画面の中 を近づけた揚げ句に、ぽんっと、「ハイ、残念でした。」と突き放してしまう と言うやりかたも、とてもうまいと思う。  そういう意味で、「ああ、観て良かったな。」と思える作品でした。 kaname

『シンプルメン』"Simple Men"(1992)

(98/08/23記)  『シンプルメン』を観ました。(98/08/20 at Video)  実は映画館(飯田橋ギンレイ)で既に三年ほど前に観ていた作品なのですが、 その時は、あまり気に入っていませんでした。話の静かさが、なんとなく面白 さをそいでいるような気がしたから。  しかし、今回ビデオで鑑賞してみて、それでも気に入っている部分はあること を思い出しました。  たとえば、あのネッドの妹と自称する子のミステリアスさとか、唐突なダンス。 ガススタンドの兄ちゃんの行動やら。  しかし、この映画で一番すきなのはカレンサイラスです。ハートリー作品では ほとんど常連のサイラスですが、このサイラスが一番好き。 そういう理由で好きな映画になるというのも、また良い事かなって思います。

『シンレッドライン』"The Thin Red Line"(1998)

(99/05/04記 at Niftyserve FMOVIE 2番会議室)  『シンレッドライン』 を観ました。(99/04/30 at 立川シネマシティ シティ2[THX])  残念ながら、今までテレンスマリック監督の作品は観たことがなかった ので、その伝説とまで言われる人が、どのような作品を撮るのか? そして、果たして20年近いブランクで、果たして作品を撮れるのかが 興味の対象でした。ロードショー公開が始まってからの評判の両極端と いうのも、すごく気にはなっていましたし。 (以降ネタばれあり)  この話は、ある島に、船が来て、そして船が去っていくまでだけの物語。 そこには、人間が出てくるものの、それを観ている者は、何の思い入れも ない。ただ、人間という動物の動きを映し出すのみ。  その視点。 その場で行われているのは、戦争という行為にも関わらず、描かれている のは、丘陵をたなびく風、小鳥のさえずり。あくまでも、その場の人間の 五感が捕らえているもののみを描きだす事の心地よさ。  そして、たとえ何をしていようと、その場に見えるのは楽園の風景。 『プライベートライアン』を最近見直す機会があって、その時に感じた あざとさへの反感もあって、余計心地よさを感じてしまいました。 さながら環境音楽のように身を委ねた時のような、安らぎの時間。  こんな時間を思いもかけず与えられたことに、また、心の安らぎを感じた のでした。 そして、THXシアターは、この至高の時間に色を添えてくれました。 この監督の他の作品が、観てみたい。 かなめ(CXE04355)