『ローサのぬくもり』"Solas"(1999)

(2001/03/24記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『ローサのぬくもり』を観ました。(2001/03/24 at 有楽町シネ・ラ ・セット)  (以降、内容に触れます。)  たしかに、地味ながら非常に力強く語りかけてくる作品でした。そ して、その力強さが、前半・後半・そしてその後のそれぞれで別種で ありながら、すべてにおいて納得させるまでみせてくれる。  これはたしかに凄いと思う。  前半の良さは、ひたすら独りであることの痛さを、登場人物すべて がひしひしとかんじさせてくれるところ。各々がお互いを理解できず、 からまわり。それが、観客である自分達にとっての異邦であるが故に、 余計感じさせてくれる。この部分は、つい最近同じような異邦の地を 体験してきたが故にか、余計リアリティを覚えたような気がする。  それが、後半ひとつのきっかけで一転して別のものに変わる。 理解できなかったものが理解できた瞬間、この作品は別のものへと 変わっていく。実はお互いが、言葉なくしても理解できる事を知り、 同時にその説明のために言葉がいらない事を見事に表現してくれる。 そのために必要なことは、時間であり、きっかけである。それを見事 に表現してくれる。そしてそのために必要だったのが物語の前半で あった事が余計に嬉しい。  と、ここで物語が終わり、余韻にひたるだけでも良かったなぁと思 うその後が始まる。最初は当惑。  しかしそれが、本来ならば妥協で終わっても良かった部分までも ひとつの回答を出すためであると知ったとき、この物語はまた別のも のへと変わる。そして、そこで諦めることをせずに先に進んでいった 事が正しい事を見事に証明してくれることで、この作品の真価をみせ てくれる。ここまで、この作品が描ききってくれた事に、この作品の 本当の素晴らしさがある。  このように、一見地味なようでいて、実は深いものをみせてこの 作品は、たしかに素晴らしい。 kaname(CXE04355)

『ロードオブザリング』"The Lord of the Rings"(2001)

(2002/04/15記 at @nifty FMOVIE 12番会議室)  『ロードオブザリング』を観ました。(2002/04/13 at WMC板 橋 スクリーン5)  日本での公開前の評判も、公開後の評判も、これだけ良いものは なかなかないよなぁと思いつつ、さらには、予告編にもそそられて ・・・という状態で、あとは「いつ観るか?」だけだったこの作品。 ようやく観てきました。  なお、前週までは、わりとどこの映画館でも朝一番の回があった のですが、この週はようやくひと段落したようで、私が観たのも 11:00の回。 お客さんの入りも午前中ということもあって、ひと 段落していました。 (以降、内容に触れます。)  この作品の原作からインスパイアされたものの多さに関しては、 前々から耳に入ってはいたものの、この作品を観ることで、それが いかに多いものであったかを再確認することができました。  なぜならばそれは、どのシーンも、どこかで似たものを観たことが ある、もしくはそういう誤読する要素に満ちあふれたものであったか ら。  しかしながらそれは、他の模倣というわけではなく、逆に原点への 回帰に見えるんですよね。一番判りやすい言い方をすれば、インスパ イアされてできたものが、この作品に反映される、もしくはされてい るように見える事で、原点に対して恩返しをしているというのが一番 近いかな。  で、それが決して模倣に見えないのは、この最終形態たる作品が、 ひとつの物語としてきちんと成り立っていることと、単なる「どこか で見た場面」ではなく、それが複合され咀嚼されており、さらには しっかり、監督たるピータージャクソンのスタイルとなっていること。 これは、凄いなぁと思いました。 さらには、ニュージーランドでロケされたという風景と、この世界に 存在しない架空の世界の融合が、非常に成功しているというのもプラ スに作用。 その他にも、非常に長い作品であるにも関わらず、長さを感じさせな いところとか、文句のつけようがありません。 キャラクタ・キャスティングについても、文句なし。 さらにいえば、クリストファーリーって、他の映画でもほとんど 似たような台詞言ってるじゃん、というのがまたなんとも。(^^; あとはもう、個人の好みの問題のみでしょう。 まぁ例えば、この作品にもう少しドロドロしたものを求めていたら、 物足りなさを感じるでしょうし(しかしその場合には、長い物語を ここまでテンポよくみせることはできないでしょうし)まぁ、その 手の話を始めたらキリはないか。(^^; あと、前情報として、字幕に対しての不満が聞こえていたのですが、 これに関しては、実は先週まで準英語圏に仕事で行っていた関係で 耳がまだ英語仕様であったため、そんなに字幕を気にすることなく 流していました。ただし、たまにエルフ語等がでてきた時には、日 本語字幕と英語字幕が共存していて、ちょっと困りましたが。(^^; というわけで、「二つの塔」が、早くも楽しみです。 kaname(CXE04355)

『ロードオブザリング 二つの塔』"The Lord of the Rings The Two Towers"(2002)

(2003/03/05記 at @nifty FMOVIE 12番会議室)  『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』を観ました。 (2003/03/04 at 渋谷パンテオン)  怒涛の展開だった前作が、どのように次作へと続いていくのか? 今回の作品の一番の楽しみはそこでした。 (以降、内容に触れます。)  まず、本作のオープニング。 ある意味意表をついた、あのシーンからの始まり。 おかげで、前作のテンションを取り戻すのがとても早かったような 気がしました。前作鑑賞を前提としたうまい方法ですね。 それからは、物語にただひたすら身を任せるのみ。 話がどんどん展開していった前作に比べ、今回は3つに別れた仲間 たちをじっくりと描いていく手法に変化。 あきらかにパートが別れた事で、それぞれのキャラクタをより明確 になりました。 そのおかげで主役のフロドの印象がやや薄くなったものの、前作で は十分に主役を張っていたし、最後もやはり主役として復活してく れるでしょうから、これで良かったかな。 そしてスケール感が慣れてきた世界で、今度繰り広げられるのは 「物量」。 圧倒的な物量に対する絶望感や悲壮感は描ききれたかというとやや 甘かったかなと思うものの、それに浸る間を与えずに物語を進めて いくのにはやや仕方なかったかなとは思いましたが、それ以外は、 ほぼ満足できたかな。 エルフ族やエント族に部分が、個人的にはもう少し際立たせてくれ ても良かったのにとは思った。 そして、続きを暗示するゴラムの歌で終わっていくこの話の続きが 楽しみです。 kaname(CXE04355)

『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』"The Lord of the Rings : Return of the King"(2003)

(2006.4.9記) 『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』 "LORD OF THE RINGS : RETURN OF THE KING" (2003) (2006/03/31,2006/04/01 at フジテレビ) (三部作で)ここまで来てホント中だるみ無しですね。というよりは もう無駄な説明いらなくなったために、本当に思う存分話を進めてる という感じ。  その中にいるのは、もう主役としては役をなさないほどのキャラクタに なったフロドとそれと入れ替わるように今まで足をひっぱっていたりも した活躍する仲間たちという構図。  ここまで引っ張ってきた甲斐はあったなぁと思える作品でした。

『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 特別編』 "The Lord of the Rings : Return of the King Special Extended Edition"(2003)

(2006/12/25記) 『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・ エクステンデッド・エディション』を観ました。 (2006/12/24 at NHK-BS2) 劇場公開版を観てその後原作を読んで、前者がけっこう ダイジェストだったなぁと思ったが、このSEE観るとホント まだまだやりたりないこといっぱいあったんだなぁと実感。 当然、劇場公開版でも映画としては十分満足できるもので はあったのですが、元の、あの長い物語を知ってしまうと それだけでは済まなくなってしまうのはよくわかる。 (まぁそれでもまだ足りないのではあるけれど。) そのせいか、それとも映画としてのリズムを崩してでも 描きたかったからなのか、それともテレビで観ているか らか、さながらテレビのミニシリーズのような雰囲気に なっているように感じました。 しかし、劇場公開版は、どちらかといえば前半ひたすら フロドたちという感じだったりそのフロドが原作と比べ るとヘタレ感が強かったのだけれど、このSEEはホント 「指輪戦争」描きたかったのね、とばかりに指輪戦争の 描写の増えた事! フロドも前よりは強かったかな。 補って欲しいところを補っていました。 そしてじゅうぶん満足させていただきました。

『ロードトゥパーディション』"Road To Perdition"(2002)

(2002/11/03記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『ロード・トゥ・パーディション』を観ました。(2002/11/2 at T・ ジョイ大泉 シアター9)  これも上映開始から早一ヶ月。小さい劇場ながら、お客さんもほとん どいないし、自分の前の席に座っている人もいない。気分はほぼ貸し切 りのプライベートシアターという感じで気分良く観てきました。 ちなみに、この監督の前作『アメリカン・ビューティ』は残念ながら未 見。 (以降、内容に触れます。) 何というか、とても良く出来た映画だ。 こういう映画を観るのは気分が良い。 決して言葉で多くを語ることなく、流れるような感じでみせてくれる。 すべてが重みを持っていて、その重みをすべての登場人物が理解してい る。このような形で決まってくれれば言うことなかったのになぁと思わ れた作品がいったい何本あることか。(あえて名前は挙げるまい。) たぶん原作であるグラフィックノベルを雰囲気までうまく取り入れたの ではないかなと思う。 そう思うのは、間違うことなくこの作品の根底には小池一夫の「子連れ 狼」と同じ血が流れているから。 これを観ていて、逆に思い出してしまった。基本的な設定以前に、この 世界観というか雰囲気が同じだということを。 またもや余談になってしまうが、この作品を観る直前に観た『ピンポン』 が同じく劇画が原作でしかも白一色で囲まれた時間が至福の瞬間である というのは、奇妙な偶然なのだろうか? kaname(CXE04355)

『ローマの休日』"Roman Holiday"(1953)

(2006/01/03記 at Production Note of ...) 『ローマの休日』"Roman Holiday"(1953) (2006/12/24 at フジテレビ) 久々に観るせいなのかデジタルリマスター版のせいなのかとてもクリアな 映像。  で、吹替えで観るのは久々だなぁと思っていたら、池田昌子の声が妙に若い。 と思ったら、たぶん昔の吹替えのままなのね。ということで、広川太一郎の 理髪師も久々に堪能させていただきました。  といった部分は置いても、やはりこの作品は特別だわな。 この作品に影響を受けた映画に限らない幾多の作品に思いを馳せ、 久々の逢瀬を楽しませていただきました。

『ローレライ』(2005)

(2005/03/21記 at Production Note of ...) 今回は、箱の評価も兼ねての鑑賞なので、まずは箱がらみのところから。 絵に関しては疑問符が多かったが、音はけっこううまく出してたかな。 音に関しては、もっと出来るなと思う部分はあれど、 さすが立川THXとスカイウォーカーサウンド! なかなかのものでした。 が、絵に関しては監督の意図なのか、ざらざらした絵が多く、 さらにはCGっぽさをいままでの樋口作品以上に全面に 押し出しているのが痛し痒しといったところか。 まるでスクリーンプロセス上で、映画ではなく 舞台演出的な芝居をさせている部分も多かったかな。 すべて意図的なのだろうけれど、これは本当に観る人を 選ぶなぁ。 そして内容は、 キャスティングがテレビの2時間ドラマの域を出ず、 特に柳葉敏郎をキャスティングしたのはあれがやりたかった だけなのかというのが何だかなぁとは思うものの、 スタッフの陣容だけは総力戦といった感じなのと 話とドラマが、・・・まぁ本当に燃えさせてくれるわ。 たとえラピュタだったりガンダムだったりヤマトだったり Uボートだったりその他のものだったりしても、 この熱さは好きだな。 もう好きだなとしかいいようがない。 他にもいろいろ言いたい事はあっても、 好きだなとしかいいようがない。 これは 今までの蓄積がそう感じさせるのだろうな。 と分っていても。 やられました。 (2005/03/20鑑賞@立川シネマシティ シティ2)

『ロストインスペース』"Lost In Space"(1998)

(99/01/11記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『ロストインスペース』を観ました。(99/01/10 at 池袋シネマサンシャイ ン6)  とにかくテンポの良い予告編と、久々にアニーブラックバーン似な(笑)ヘ ザーグラハムに惹かれて、観に行きました。 (以降ネタバレあり)  まず、そのテンポの良さを期待していたら、出鼻をくじかれてしまったのは 痛かったです。オープニングの状況説明を、画面一面の字幕で半分、そして台 詞と画面が急に入って半分、と言う方法は、中途半端で居心地が悪かったです。  そのせいか導入部の少佐のエピソードは、どこかで観たようなものにしか見 えなくて、残念でした。  そして、ロビンソン一家を次々と紹介していくくだりも、少し引いて観てい ました。豪華な顔ぶれだなぁと思ったのと、次女の娘の特徴のある声は気には なりましたが。そして、久々にアニーブラックバーン似なヘザーグラハムもね。 (笑)  それが、だんだん調子に乗ってきたのは、やはり地球から離れての最初のク ライマックスあたりかな。100%SFなビジュアルだけの世界になってから は居心地が良かった=期待していたものを観れたかな。  しかし、登場人物ひとりひとりのいろいろなエピソードを一つ一つ丁寧に描 きはじめて、無理やり詰め込まれたような状況になったので、また失速。こう いう部分でまたテンポが落ちちゃう。  と思っていたら、私がSF的にとても好きな話の展開になって、ようやく話 に乗りました。こうなってからの話の展開はまた格別で、多少無理があっても 許せちゃう。(^^) 頭のどこかで、あ、こんなエピソードに近いものが、昔 「スペース1999」で有ったなぁ、なんて思いながら。 かなめ(CXE04355)

『ロッタちゃん はじめてのおつかい』"Lotta Leaves Home"(1993)

(2000/02/01記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『エッタちゃん はじめてのじてんしゃ』ならぬ『ロッタ ちゃん はじめてのおつかい』を観ました。(2000/01/29 at 恵比寿ガーデンシネマ1)  さて、ここで問題です。『エッタちゃん はじめてのじてん しゃ』と言うのは、実はとある有名な映画の事なのですが、さ てその映画の邦題はなんと言うでしょう? 正解は末尾に。(^^)  と、くだらない事はおいといて、まずポスターからして他の 作品を寄せ付けないインパクトを持つこの映画。公開開始から 非常に気になっていたのですが、ようやく観に行ってきました。 (以降内容に触れます。)  さて、この『ロッタちゃん はじめてのおつかい』。 まずはとにかくこの主演の女の子のキャスティングの勝利なんで しょうね。そして、登場人物がホントに北欧系の良い雰囲気を持 つ人達で、これでまた、ほのぼの度アップ。  文字どおり、絵本から出てきたような世界を、見事に再現して るかなって思いました。  ただし、この作品の中の主要エピソード3本のうち、最初の 「お引越し」と中盤の「クリスマスツリー」のエピソードはホン トに良く出来てるなと思うものの、最後の「イースター」に関し ては、撮影時期が前2本に比べるとけっこう時間が経過していて、 主役の女の子が成長してしまっているのと、舞台となる場所が、 この原作者の地元のテーマパーク内というのが、ありありと判っ てしまう事、そして前2エピソードで固定したキャラクタと言う お約束の中での話になってしまっていると言う3つの理由で、 やや興ざめした感はありました。 それでも、オチの落とし方は、3本とも見事なのですがね。(^^)  あと、この作品はあくまでも、「日本で言えば『まんが日本昔 ばなし』のようなポジションにあたる作品」であり、それが異国 の地で評判になったのを見に行った、と言うスタンスで接する事 で初めて成り立つ作品ですので、そこを履き違えてしまうと、さ らに、やや辛くなるかなとも思えました。  などといろいろ言っていますが、なんだかんだ言っても面白 かったというのは素直な事実。  もう一作品映画化されていると言うので、これもまた楽しみ です。(^^) −−− で、そうそう、オープニングで話を出した『エッタちゃん はじ めてのじてんしゃ』ですが、正解は、『明日に向かって撃て』で した。(^^) かの有名な、「雨にぬれても」をバックに、自転車に戯れるブッチ・ キャシディ=ポール・ニューマンとエッタ・ブレイス=キャサリン・ ロス。そして、その二人を眺めるサンダンス・キッド=ロバート・ レッドフォード。  数ある映画の中で、屈指のこの名シーンで、エッタ=キャサリンは 初めて自転車に乗ったと言う設定なのでした・・・。  まぁ、それがどうしたと言われればそれまでなのですが、私は このシーン大好きなんですよ。(^^;  などと、ほとんど『ロッタちゃん』とは関係無く、今回はしめさせ ていただきました。(^^; kaname(CXE04355)

『ロボコップ』"RoboCop"(1987)

(2017/08/13記) (2017/08/13 at イマジカBS) どこかの図書館が民間企業に事業委託した時真っ先に思い出したのがこの作品だったが、 まさにそのままのことが起こったのは何とも。 というところは置いといて、吹替版観たのも音声上の都合でテレビ放映用にカットした 版を観たのも初めてだったかもしれないが、特にこの時期のバーホーベンの作品は こういうフォーマットもしっくりくるんだよなあ。 ところどころ雑な展開でも勢いで押しきってしまうところや、一方で妙な拘りを見せる ところなど一つ一つが好きだなあと思い出させてくれる。 その雑さ加減がまた無慈悲なテレビ用カットで余計にテレビ映画っぽくなっていて面白かった。 それがはまれば好きな人が増える作品になるし、テイストはまったく変わらなくても 嫌われてしまう作品があることがまた好きなんだよなあ。 どこを切ってもバーホーベンなんてのは昔もそんな話していたっけ。 やり手なのにED209に拘るところとか、そのED209が常にポンコツな所とかもなんというか リアルだし、まあキャラクター達すべてが人間臭いのも好きだし、何だろう、80年代映画愛に 詰まった作品だなあとあらためて思った。

『ロボコップ』"RoboCop"(2014)

(2014/06/04記) 『ロボコップ』(2014)を観ました。 (2014/06/04 at 機内上映) ED209。 そしてあのスコア。 それだけで十分だよ。 (と、既にネタバレしてるような気もするが以降はもう少し) さながら、How to make a ROBOCOPと言った作品だったな。 そして改めてバーホーベン版の凄さを感じた。 あちらは冒頭数分でこの作品の最後まで語り尽くしてしまったような小気味良さが あるからなあ。 逆に同じようなアプローチをせずに愛情ある掘り下げを行った作品と強く感じた。 デトロイトとかED209とかマーフィーとかニュース映像の使い方とかもうなんと 言ってよいのやら。 強いていえばオムニの後釜がすんなり綺麗すぎたかな。 そこらへんオリジナルはどうだったか忘れた。(笑) まあそんなんでもED209ははずせないものね。 ちゃんとロデオライドしてるし。 いやあ幸せな映画です。 投稿者 kaname 時刻: 16:18

『ロミオ&ジュリエット』"Romio & Juliet"(1996)

(97/05/05記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  オープニングからのコマ落としによる話の急展開がとてもよかった。それを 延々と続けて、そしてロミオとジュリエットの二人が出会うシーンでスローな 曲が流れる。これは効果絶大でした。これをやりたかったから登場人物達の服 装なんかで原色が多用されていたのか。もうここまでで、「観てよかった。」 と思った。  そしてクレアデーンズの登場シーンのかわいい事! 予告編にも出てるシー ンなのですが、あのシーンから始まるのはとてもよかったです。何か人形のよ うな感じで。  一方ディカプリオを観るといまだに『ギルバートグレイプ』を思い出してし まい、ちょっと話への集中心が欠けてしまった。それでも十分楽しめたけれど ね。  そして、確かオリジナルにはない(と思った)死にゆくロミオを見つめるジ ュリエット。これは良かったと思う。最後の行動への理由付けがよりはっきり なされたような気がします。 97/05/05記 kaname(CXE04355) http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/

『ロリータ』"Lolita"(1962)

(2002/04/07記 at @nifty FMOVIE 6番会議室)  『ロリータ』を観ました。(2002/04/06 at DVD)  それは、可笑しければ可笑しいほどに、哀しいくらい人間臭い喜劇。  俗に知られているこのタイトルの意味が、この作品に対してマイナスイメー ジを持たれてしまうことが、とても悔しくなるくらいに、この刃物は切れ味が 鋭い。  もはや、神がかりの域に達しているピーターセラーズさえも霞んでしまう、 ジェームズメイスンを始めとするすべてのキャストと、そして、もはや名前を 挙げるまでもないスタンリーキューブリックには、ただただ感服するしかない です。 2002/04/07(日) kaname(CXE04355@nifty.ne.jp)

『ロングキスグッドナイト』"The Long Kiss Goodnight"(1996)

(97/05/05記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『ロングキスグッドナイト』を観て来ました。レニーハーリンは『ダイハー ド2』『フォードフェアレーンの冒険』は大好きなんですが、『クリフハンガ ー』に激怒し(笑)、『カットスロート・・』は観てない状態。そんなわけで 観に行こうかどうか、少し迷ったのですが、予告編に釣られて行ってしまいま した。結果としては「面白かった。」  まず、最近(に限らずかもしれないけど)嘘吐きな予告編の多い中、この映 画の予告編は嘘もついていなかったし、「予告編を観てよかったので映画を観 に行く。」は正解でした。  そして本編。  やはり奥さんが主役だと、監督と言うのは主役を魅力的に撮れるのでしょう か? 本格的なアクションヒロインとしては私としては文句無しにクールだと 思いました。かっこ良かった。そして、話としての説明のため以外でジーナデ ービスが画面上の脇役になることもなく、気持ちよく観る事ができました。観 おわった後も釈然としない部分はまったくなく、楽しかったと言う感じ。  ただしひとつだけ。  モーテルのTVに私の大好きな映画『ロンググッドバイ』のワンシーンが流 れるシーンがあるのですが、これが何故ここで流れるのかまったくわかりませ んでした。少なくともこの映画に出てくる人物に、あの映画を思わせるキャラ クタなど一人も出ていませんし、あの映画に関わるようなところなどひとつも なかったように思う。もの凄い違和感を覚えました。もし何かお遊びの伏線だ ったとしても少なくてもこの映画は観るのを楽しんで、ああ面白かったで後は 何も残らない映画でしょう。意味のない事はしないで欲しかった。  まあ、そんなところがあっても、やはり楽しめた映画でした。 97/05/05記 kaname(CXE04355) http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/

『ロンググッドバイ』"The Long Goodbye"(1973)

(at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)

1.『ショートカッツ』から『ロンググッドバイ』へ

('94/10/14記)  新宿武蔵野館シネマカリテで11月26日から12月23日まで「ロンググ ッドバイ」"The Long Goodbye"が上映されます。私はこの映画がとても大好き です。誰かが「一本だけ映画を勧めてくれ」と、もし言ってきたらこの映画を 勧めるでしょう。(残念ながら私の周りには、そういうことを聞いてくれる人 がいないのです。悲しい。)それほど惚れ込んでいる映画です。  私がこの映画に出会ったのは、中学生の頃。実は、既に原作を読んでいまし た。この原作はRaymond Chandler、映画化されたもので有名なのは「三つ数え ろ」など(他にもいろいろと映画化されていますし、他の映画も好きですがあ えて書きません)、もっとわかりやすく言えば、ハードボイルドの2大有名探偵 の一人フィリップマーロウのシリーズの中の一作です。そしてこの「長いお別 れ」(早川文庫)という小説は、そのシリーズの中で誰もが認めるBEST OF BEST の作品であり、さらについでに言わせてもらえば、私にとっては、この小説を 超える小説は今の所存在しません。この小説を読んでからも、ハードボイルド 小説はいろいろ読んだのですが、結局どれも気に入らず、ハードボイルドとい うジャンルの小説はとうとう読まなくなってしまいました。ジャンルが違う物 はいいのですが、そのジャンルの物はつい比較してしまい、そうすると..読む 気が失せます。  それはさておき、それだけ気に入った小説であり、つい期待して観たのです が、基本的なストーリーラインはだいたいあっているのですが、その内容は、 まったく別のものでした。主人公のキャラクターとか、世相とか、いろいろと 。  しかし、この映画は原作と別のものとしてみれば、とてもスタイリッシュで 皮肉に満ちています。ロバートアルトマンらしい作品です。そういう意味で、 ハードボイルドというジャンルの映画としてはもっとも正統派だと思っていま す。  そして、一番好きなシーンは、"I lost my cat."というシーンです。このシ ーンについて多くは語りません。  そういう訳で、この映画は傑作です。是非観ましょう。

2.『ロンググッドバイ』に呼ばれて

('94/11/19記)  Gさん、こんにちは。『ロンググッドバイ』の話が出てきたのでおじゃました くなった、KANAMEといいます。  あのチャンドラーの描いた'50年代の小説の中のアメリカ西海岸を、'70年代に置 き換えてアルトマン風に調理したら、自然と「周りにいるのは変な人ばかり」にな ってしまったのだと私は思っています。  けれども、この映画化されたマーロウ物の中では原作の精神を一番消化している 作品だと思っています。本来のマーロウは『三つ数えろ』のボギーでも、『かわい い女』のガーナーでも、『おおいなる眠り』のミッチャムでもなく、やはりこの作 品のグールド=アルトマンが一番らしいと、私は思います。テリーレノックスも雰 囲気出ていたし・・・。  以上、最近 "THE LONG GOOD-BYE"の原書に手を出してしまい、その世界に浸りつ つあるKANAMEでした。(チャンドラーの文体は翻訳書よりも、さらにスタイリッシ ュでかっこいいですよ。) 11/25が待ち遠しい!

3.さらに再び・・・

('94/11/21記)  Gさん、こんにちは。再びKANAMEです。  Gさんも原書を読んでおられたのですか。私はあまり英語は得意でないので、 今まで翻訳本しか手を付けなかったのですが、つい最近「大丈夫だ」と人に勧めら れて読み始めたという状態です。けど、すごく思い入れのある小説だからでしょう か、他の原書はまったく駄目だけどこれだけはすんなり(といっても一度に2ー3 頁が限度ですけど)といった状態です。(もっと話したいのですが、この話を始め るとFADVの世界になってしまうのでやめましょう。)  また、ミッチャムは『さらば愛しき女よ』だったと思います。『チャイナタウン 』はチャンドラーではなかったような・・・。  後は、観ていないのですが、1人称映画(鏡の前でだけ主人公の姿が写る!)『 湖中の女』(マーロウはロバートモントゴメリ)とか・・・。またチャンドラーは マーロウものから離れれば、結構な量の映画の脚本も書いているというし、観てみ たいなと思ってはいます。

4.さらに会話は続く・・・

(94/11/26記)  それはさておき、私にとっては待ちに待った『ロンググッドバイ』を新宿シネマ カリテで観てきましたので、それをアップします。  まず、過去に誰も書かれていないようなので新宿武蔵野館シネマカリテについて 書きますと、場所は新宿武蔵野館のあるビルの3F(武蔵野館は6F)なので駅か ら地上に出ることなく映画館に入る事ができます。(地下街とつながっている)  広さは、普通のショッピングビルに強引に強引にワンフロアに映画館を三つと小 さな美術館とカフェテリア(?)を詰め込んだだけあって狭かったです。『ロング ・・』がかかっていた『3』は約80席と3館のなかで一番狭い、なにせ中野武蔵 野館より狭いんですから。けどまあ床にはそこそこの傾斜はついていたしそんなに 見辛くは感じませんでしたけど。  入り口は三館とも一緒のもぎりで『渋谷ルシネマ』や『恵比寿ガーデンシネマ』 のように整理番号式でした。(ただし整理番号はスタンプではなく別の整理券をく れます。)ただし時間指定はできないみたい(?)(確認していないのでわかりま せんが)  客層は映画館のもくろみ通り学生風が多かった。この映画ではそこそこアベック 、そこそこ年寄り、1名ほどもろアメリカ人と言う感じのおじさんと言った感じで した。  そして頭に来た事。予告まではそこそこだったのだが、本編が始まるといきなり ピンぼけ! もう少しで切れる所だった! いい加減にしろと言いたい。(後半は 目がなれてしまったのか大分ましになったが。)  さて、ようやく映画の中身に入ります。(ちなみにこの映画はテレビで2度(十 数年前)、そしてレーザーディスクで何度か観ています。)  まず失敗したなと思ったこと。この映画を観る時期は原作である『長いお別れ』 を読むべきではないということをすっかり忘れていたこと。どちらも大好きな作品 なので直接比較をしたくなかった。比較をする時はどちらとも離れた状態で公正に と思っていたのに・・・。おかげで少し気がそがれたシーンがあった。冷静に見れ ば、原作と結末は違うものの、そのエッセンスはもっともチャンドラーの世界に近 いと思っているこの作品なのに思い入れが強過ぎて、というシーンが幾つかあった ので・・・。  そして新たに気が付いたこと。  まず、せりふの中に "Call me! Ronald Reagun!"というのがあった。さすがアル トマン!! きっとレーガンさんがハリウッドの俳優組合の何か役職に付いていた 頃だったのでは。(違うのかな。)  そして、エンドクレジットには出ていなかったので多分私の勘違いだと思うのだ けれども、ギャング(?)のなかの一人にシュワルツネガーにほとんどそっくりの 奴がいた。ちょうどいまのシュワルツネガーを若くして口ひげを生やした感じのや つだったが、まさか本人じゃないだろうな。  あともうひとつ。改めて観てみるとこの作品は松田優作の『探偵物語』の原形な のでは、と思われるぐらい雰囲気が似ているのだ。話の展開といい、笑いの取り方 (?)といい、終始スーツ姿で(但し帽子はなし)、ネクタイを外すのがたったの 1シーン、しかも遠目から見た物、といい、やはり口から離れない煙草、及びその 関係の仕草。この作品以前にこういったタイプのハードボイルドものの映画はふと 考えると心当たりがない。(私の認識不足・・ではないと思う)  そして、そう思って見てみると、やはり似ている。 ・・・というわけで松田優作の『探偵物語』のファンのみなさま、是非観にいって みてはいかがでしょうか?(けどエリオットグールドだからその辺を考慮して下さ い)  そして、観る度にいいなと思う所。  まず、音楽。最後に『ハリウッド万歳』が流れるまで "THE LONG GOODBYE" とい うジョンウィリアムス(!)の曲が何種類ものパターンでかかってくるのだ。オー プニングからして、マーロウのシーンとテリーレノックスと言う奴のシーンが交互 にあるのだが場面が切り替わる度に各々にひとりづつお抱えミュージシャンがいる ような状態になる。(両方ともというか曲そのものがすべてジャズ系)まずこれで ひっぱり込まれる。オープニングのうまさは『ショートカッツ』でも見せてくれた がまさにあのかんじ。ついでにいえばロスの街(郊外)は20年経ってもまったく 変わっていないのがよくわかる。  そして、猫。原作には出てこないのだがオープニングからラストまでマーロウは 猫のことで頭を悩ましている。本筋とはまったく関係ないのだが、マーロウの行動 原理になっている。(猫といったら『夏への扉』。すいません。)  最後にテーマ。ここから少しネタバレくさくなってしまうのだが、原作もこの映 画もテーマは『男の友情』であると思っている。中学生になったばかりの私が読ん だこの原作は未だに私の理想である。こう生きるべきだという意味で。これを読ん で1年ほど経って観たこの映画ではマーロウ自身は原作に近い信条を持っているの に周りが違っていた。それに対して最後にマーロウは怒りをぶつける。"I LOST MY CAT!"と・・・。すごくかっこよかった。それでもマーロウは自分を貫き通したこ とが。そして最後に『ハリウッド万歳』がかかり、アルトマン自身もまたハリウッ ドに対して怒りをぶつける。(この精神は『ザ・プレイヤー』でもあいかわらずだ った。)故にこの映画は大好きです。  最後に。なんでこれだけの映画がこんなに知名度が低いんだ!悔しい! 『長いお別れ』と "THE LONG GOOD-BYE"が人生のバイブルの(ただしあまり有効に 使われていない)KANAMEでした。(すごく長文になってしまった)

5.話は広がる・・・

('94/12/24記)  Fさん、こんにちは。KANAMEです。  Fさんも『ロンググッドバイ』を気に入られたようですね。いいでしょう。16番 にもここにも書きましたが、私はあの映画が大好きです。  まず、RTでもお話ししたように、以前この会議室に書き込みをした後、パンフ をみたらば、やはりギャングの下端ででていたのはシュワルツネガーでした。当時 はWアーノルド・ストロングWと名乗っていたようです。セリフのない役で(自慢 の)肉体美を見せていましたね。(黄色いブリーフで)  また、アルトマンはハリウッドに限らず、すべてに対して物事に迎合しない精神 の持ち主なので(だと私は思っている)、同じ精神を持つ原作と見事にシンクロし て、きっとチャンドラーが脚本を書いてもここまで忠実にならなかったぐらいのマ ーロウ像が見事に出来上がったのだと思っています。ハリウッド批判うんぬんは気 にしなくても十分楽しめたでしょう?  あと、ラストシーンに関してはおっしゃるとおりだと思います。並木道、ジープ と言った小道具と通り過ぎる部分がそのままですよね。(といったわけで思い出し たように今『第三の男』を見直している最中です。それではまた。

6.『第三の男』へのオマージュ

('94/12/25記) Fさんへ。 RESの追加です。  前のRESの後に『第三の男』を観たのですが、今更ながらいろいろ気づいてし まいました。(またの名をこじつけとも言う。) (ここからは少しネタバレになります。)  私が思うに、『ロンググッドバイ』は『第三の男』をかなり意識して作ったので はと思ってしまいました。  まず、映画のテーマである(と私が思っている)「男の友情」と話のトリック、 そしてその結末。ただしハリー(『第三』)とレノックス(『ロング』)は、友情 よりお金という考え方は一緒ですが、ハリーは最後に目で主人公に「殺してくれ」 と訴えかけてる所が違う所かな。  そして、皮肉に満ちたセリフの数々。まあこれはハードボイルドの宿命だから当 たり前か。  他にもこじつけようと思えば、猫をキーにしたりとか。  などと『第三の男』を観て、また少し『ロンググッドバイ』が好きになってしま いました。まあ、話は尽きないのですが、この辺で。 ーーー以降1998/12/05追記(at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)ーーー  『ロンググッドバイ』を観ました。(98/12/05 at 新宿シネマカリテ3)  この映画をスクリーンで観たのは、4年ぶり、そして、4年前も同じ、ここ シネマカリテ3でした。  その時は、まだパソコン通信を始めて日が浅くて、そして、そんな時期に、 この大好きな映画にスクリーンで観る機会に巡り合えたんで、思い切りいろい ろな事を、当時の映画系フォーラムの感想の部屋に書き込んで、そして、いろ いろな人と話したっけ。あれからもう4年も経つんだって言う感慨もあったし。  そして、やはりそれ以上に、この映画のマーロウって言うのは、中学生の頃 に初めて出会って以来、ずっと自分の生き方の目標にしていたくらいなので、 いろいろと考えてしまうことも多かったです。自分はその目標に向かって、ち ゃんと進んでいるか?って。まだまだ先は長いなって。  それにしても、やはりこの映画は好きだな。ジョンウィリアムスの音楽の使 い方なんて、いまだにこれ以上のものはないくらいクールだし、エリオットグー ルド扮するマーロウに、なんとも言えず感情移入してしまう。  そして、レイモンドチャンドラーの原作とは、一見違ったマーロウ像を使っ ているように見せながら、その精神を寸分違わず描き出しているアルトマンの 手腕に勝る、原作物の映画化作品には、いまだに出会えないでいます。  またスクリーンで、出会うことができて良かった。 〜〜〜〜〜〜 98/12/05(土) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ーーー以降2023/05/27追記分ーーー (2023/05/27 角川シネマ有楽町) スクリーンでは25年ぶりの再会。 自分の好きを再認識する。 OPからそれこそ何度もパッチワークのように使われるモチーフはそこから先には 進まずに延々と繰り返される。 それこそドアベルに至るまでTHE LONG GOODBYEと謳う。 作中における自問自答のように。初めて違うモチーフになるのがハリウッド万歳。 それでかな、よけいにこの作品に於けるジョン・ウィリアムズの存在はいつも気になる。 音で言えば延々と続くのはそれだけではなく日常の音。風だったり、車の 行き交う音だったり。 まあ毎度の事ながら思うのはこの作品のマーロウこそが私にとっての理想の マーロウというか原作のマーロウに近い存在なんだよなあ。 そして最も原作の核に忠実に作られたチャンドラー作品だとも思ってる。 初めて読んだ時、初めて観た時、こういう生き方をしたいと思った。 少しは出来たかな。

ロング・ライダーズ』"The Long Riders"(1980)

(2006/08/13記) 『ロング・ライダーズ』を久々に観ました。(2006/08/13 at DVD)  最後に観たのはいつだろう。レーザーディスクも持っているから ここ20年以内、そして10年以上前といったところか。 しかし、やはりライクーダの音楽はいつ聞いても心地よい。 続けて『パリ、テキサス』まで観たくなってしまうくらいだ。 これって『炎のランナー』『ブレードランナー』連鎖と同じような ものか。(ただしこちらの場合はさらに『南極物語』まではけっして 繋がらないのだけれど。(笑) 話がそれた。(^^) そして、この作品で同じく思い出されるのが、ミネソタの銀行への 襲撃シーン。 師匠のサム・ペキンパ譲りのウォルター・ヒルによるスローモー ションとカットバックのオンパレードはいつ観てもしびれます。 最後に思い出されるのが、演じている兄弟と演じられている兄弟が 最初のうち誰が誰だか訳判らなくなる事。 コール・ヤンガー=デビッド・キャラダインは唯一特徴があるし、 ジェシー・ジェームズ=ジェームズ・キーチも役柄上割と早くに 判るのだけれど、あとはしばらく訳判らない。みんな髭面なんだ もの。(笑) 正解は、コール/ジム/ボブ・ヤンガーがデビッド/キース/ ロバート・キャラダイン、ジェシー/フランク・ジェームズが ジェームズ/ステイシー・キーチ、エド/クレル・ミラーが デニス/ランディ・クエイド、そしてチャーリー/ボブ・ フォードがクリストファー/ニコラス・ゲストでした。 さて判ったかな。(笑) で、この作品で特徴的なのは、ジェシー一派がとても人間臭く、 理由も持っている(南北戦争で敗北した軍人あがり)なのに 対し、ピンカートン探偵社は常に仕事として非情であり続ける事。 ピンカートン探偵社はジェシーたち追いつめる為に周りの人たちを 何のためらいも無く殺していくのに対し、ジェシーたちは常に 自分たちなりのルールがあるというのが、セオリー通りというか 彼らが西部のヒーローとして語り継がれていった所以である のだけれど。 そういった部分を、意外なほど淡々と描いていくのに、ライクーダの 音楽がまた合うのだな。 ウォルター・ヒルによる描きかたも、前述の銀行襲撃以外はオーソ ドックスな手法のみ使い、意外なほどおとなしい。 まるでウォルター・ヒルじゃないくらい、バイオレンスシーンも おとなしいんだよなぁ。 最後に、今更ながら気づいたのが、駅馬車に同乗する元南軍軍人が ハリー・ケリーJrだったということ。 キャラダイン兄弟からしてみれば親父のジョン・キャラダインとは 馴染みの人だろうが、こういうキャスティングは嬉しいわな。