『ラ・ラ・ランド』"La La Land"(2016)

(2023/08/27記) (2023/08/27 amazon prime) ラ・ラがLAである事を冒頭で明かすのがあの渋滞で、そこから、昔と変わらないままの 街が描かれる。二人とも成功はあの地ではなくそこから外へという所まで含めて夕景、 もしくは朝焼けの空が似合う街。 古き良きものへの愛が溢れてた。 オールドファッションがそこかしこに溢れた夢物語の最後はさながら『追憶』のようで。 と思っていたらラストセッションのCity of Starsは卑怯だな。 その曲が運んでいくのは懐かしい、あり得たかもしれない未来、もしくは過去。 4seasonsで章分けした時点で最初から結末を提示してくる辺りも好み。 お互いの自らの言葉がお互いに降りかかってきてそれ故に一歩踏みとどまってしまう お互いとか。 図書館の使い方もまさかそんなな上にあのクラクションとか、渋滞で選ぶ道がもう その道を選ばなくても良くなったと同時にもう違う道を選んでいるという意味にも なっている所とか。 積み重ねた結果のプラネタリウムの夢心地がああいう演出になるのも好きだしと 言い出したらキリがないな。 バーグマンだったのはカサブランカ絡みの場所だったのね。

『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』(2019)

(2021/07/23記) (2021/07/23 at NHK録画) テレビアニメのその後、6人のAqoursがAqoursになるまでの物語。 冒頭の全力のAqoursで満腹になってからの初の6人のAqoursをああ描いた時点で 始まったこの物語。 μ'sと同じようなシチュエーションから違う選択をしたAqoursがどのような話に していくのかと思ったが、見事にそれに対する回答を見せられた感じ。 本編同様にSaint Snowあってこそたどり着いた所まで含めてAqoursらしいというか。 一年組は善子もルビーも少しだけ成長して、でも花丸はいくら食べても成長しない とか、最後のステージの片翼衣装と歌詞の意味とか、好きな所色々。 イタリアパート、沼津と同じ場所としてそっちを選んだかあというのはまあ しょうがないか。 それこそ海沿いの街はいくらでもあったのにとも思ったが、まあ鞠莉に縁が ありそうな場所となるとそうなってしまうわな。 月は初登場時てっきり反対派として出てきたのでは、とか、実は鞠莉ママの 仕込みかとも思ったがどちらでもなかったようだな。 理亜とルビーの関係性はお互いがお互いを高め合うような感じがというのが テレビアニメ同様鍵になって、そこをキッカケに皆が気付き出すというのが またなぞっていて。 μ's達の映画の時には正直に言えば『映画けいおん!』との対比で一つの形を 語る事が出来たのだが、こちらは多少はその延長線上に感じる部分はあれど、 テレビアニメ同様にその呪縛から離れてるのが良いな。 うん、何か同じような事をぐるぐる語り始めそうになってきたのでここは ひとまず閉じることにしよう。 さて、これから身も蓋もない事を書こう。 そして、一晩経った。 昨夜あれこれと思った事をまとまらないままつらつらと書き連ねたが、結局の所 それからもAqoursの事を色々考えていた。 この作品の一番の良かった所は、それなんだなとふと気づいた。 ホントに身も蓋もないがその為の作品だったんだなとふと気付いた。

『ライアーライアー』"Liar Liar"(1997)

(97/08/14記)  もう思い切り笑わせてもらいました。文字どおり椅子から転げ落ちるほど 笑わせていただきました。特に、あの嘘をつけない時の表情と言ったら! この映画は本当に誰にでも薦めちゃう!  実は今までジムキャリーの出ている映画を観て、それほどとは思わなかっ たのですが、(観たのは『マスク』と『バットマンフォーエバー』)、この 映画を観て考え方が変わりました。今までは自分勝手に暴走している奴と言 う印象だったのだけれども(特に『マスク』)、やはり地はスタンダップコ メディアン。共演者達を本当に笑わせているんだもの。そういうのが直に伝 わってきていたのが、この映画に好印象を与えている要因の一つになってい るのでしょうね。  しかし、あまり人が入っていなかったのが残念だった。

『ライトスタッフ』"The Right Stuff"(1983)

(96/11/03記) Right Stuff・・・正しい資質を持った男達の物語 彼らは、世界中の誰もがなし得なかった栄光を求めて、自らを鍛えぬきます。 時には屈辱に耐えながらも。ともすれば科学のモルモットに見られかねない状 況でも。時には仲間達の力を借りて。  そして、そんな世界へ、次々と仲間達が進路を変えていく中、ひたすら自分 の信念で、世界の先を見ようとする男がいます。  そのどちらもが正しい資質を持った男達であり、私達をその先の世界へと誘 うパイロットでもあったのです。

『ラストコンサート』" Last Concert (Stella)"(1976)

(97/01/12記)  人生に疲れ、日々をただ過ごしているだけのピアニストが、旅先で死が近い 少女と出会う。最初のうちは、自分とは関係ないと思っていたが、その少女の 生き生きとした姿を見て、自分の中で眠っていた生きることへの情熱が蘇る。  一方、その少女は、父親を探していた。遠い昔に母と別れた父親を。しかし、 やっと見つけた父親のそばには、自分の居る場所はもはや無かった。そこで初 めて自分を見守ってくれていた人の存在を知る。  そしてふたりは生活を始める。ピアニストは、少女のために曲を作ろうとす るが・・・。  私はあまり感情を表に出せない質です。楽しいときにも笑えない。悲しいと きにも泣くことができない。嬉しいときにも喜べない。  しかし、映画を観ているときだけは、素直に歓喜し、泣き、笑い転げる事が 出来る。  故にか,私は泣きたくても泣けなかったりしたとき、感情を開放するのに、こ の映画を引っ張りだして観ることが多いです。  そしてそういう時には、この映画のテーマ曲とステラのテーマが、頭の中で、 リフレインを始めるのです。

『ラストサマー』"I Know What You Did Last Summer"(1997)

(98/05/30記 at FYOUGA 2番会議室)  『ラストサマー』を観ました。(98/05/30 at 池袋シネマサンシャイン1)  しかし、この投げやりな邦題はなんとかして欲しいよなぁ、なんて思いつ つ、けれども同じ脚本家の『スクリーム』はなかなか面白い映画だったので、 期待半分くらいで観に行ったのですが、結果としては、結構楽しかったです。 (以降、ネタバレあり、こういう場合のネタバレってかなりネタバレだったり します。(^^))  しかし、邦題は全部カタカナ表記にするか、もしくは、「I KNOW」とでもし た方がの方がよっぽどセンスあると思うぞ。タイトル付けた人って、もしかし たらこの映画観ていないんじゃないかな?  と愚痴愚痴言うのは置いといて・・・  まず、私の中で理想的なオープニングと言うのがありまして、それは、くね くねと曲がる海岸線を道に沿って映し出すシーンがあるということ。  これは、私の大好きな『ファールプレイ』と言う映画のオープニングシーン が凄く素敵で、それを思い出してしまうせいもあるのですが、とにかく、こう いう始まり方をしてくれる映画は、たいてい好きになってしまう。  そんな始まり方をした時点で、結構気に入ってしまいました。  そして、本編。 結構、細かいところでいっぱいミスディレクション(わざと間違った方向に人 をひきつけたりすること)を使っていて、そういう小技の連発だったのはとて も好きです。ただ、そのせいで結構地味な話になってしまったのだろうけれど。  しかし、もう少しうまい俳優か演出家を使えば、もう少し面白くなりそうな気 はしました。きっと脚本は面白いのだろうな。  なんて、そんなことを思いながら観ていたのですが、クライマックスの犯人 の最後のあの一言!! 大爆笑してしまいました。(さすがに周りは静かだっ たけれど。)そうか! この映画でやりたかったのはそういうことだったのか!! と。(笑) それから一人爆笑の渦の中、予想通りの展開になってくれたのでした。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『ラストサムライ』

(2003/12/27記 at FMOVIE 2番会議室)  『ラストサムライ』を観ました。(2003/12/27 at ヴァージン シネマズ六本木ヒルズ スクリーン7) この作品を観に行くにあたって、一番惹かれた理由はやはり渡辺謙 の評判かな。 何はともあれ、お気に入りのスクリーンでかかっているうちに観に いってきました。 (以降、内容に触れます。) まずは、いきなりの「ゲティスバーグ」、「第7騎兵隊」、そして 「ウィンチェスターM73」ときて、とどめが「約束の地」サンフラン シスコ。 ここまで象徴的な西部劇のアイコンの連続が、主人公オルグレンが 西へ向かうきっかけとなっていくのはさすが。 この導入のうまさにはホントに参りました。 そして観客を引き連れて訪れた地、「日本」の描写は、まさに異国 の人間から観た未地の世界。 そしてその地で出逢う逆賊である勝元たちの描写は、まさにアメリ カ映画、西部劇で描かれてきたアメリカインディアンさながらの 感情移入の許さなさ。 それが、オルグレンが囚われの身となると、一転してそのオルグレン を今度は日本人から見た異人そのままの存在にしてしまうという描 写のうまさ。 これは、日本人には絶対できない描写だな。 そして、この「お互いがお互いの目から見て理解できない存在」 という事を示した事から始まる「理解できない存在を理解していく 過程」はまるで『ジョーブラックをよろしく』のように、ゆっくり と丁寧に、静かな時間の流れの中で進んでいく。 この時間が、またこの上なく心地よいのだ。 お互いが、お互いを理解するのに劇的なものはいらない。 ただただ、そこにはお互いの中で流れる静かな時間があればそれで いいのだと言わんばかりに。 その後、物語を進めていくにあたって多少の強引なハリウッドエフェ クトが出てきたりはするのだが、ただ時間は、ゆっくりと流れていく ものだということは決して忘れ去られる事はない。 そしてここからは、言葉で説明するよりもいくつかの映画の題名を 並べるだけで済ませるべきかと思う。 『七人の侍』、『ワイルドバンチ』、そして『レッドサン』。 特に『ワイルドバンチ』は・・・卑怯だ。 そんな事されたら、涙が止まらないじゃないか。 たとえ、馬の駆り方が日本人のそれとは違っていても、ここぞとい うときには絶対に主人公に銃弾が当たる事がなかったにしても、 せっかく振った伏線を、有効にいかせていないにしても、それこそ 他にも挙げればきりがなくなるような状態であっても、それでも、 この瞬間だけは間違いなく至福の瞬間であった。 エドワードズゥィックに感謝の気持ちをこめて。 kaname(CXE04355)

『ラストマンスタンディング』"Last Man Standing"(1996)

(97/04/06記) (ネタバレあります) 『ラストマンスタンディング』を観ました。(at 新宿オスカー)  この映画は、自分自身が観る前に、さんざんいろいろな人に「ひどい。」と 聞いていたのですが、仮にもあの『用心棒』のリメイクがただで終わろうはず がない! ましてや監督がジョンフォード直系の監督サムペキンパの直系とも 言えるウォルターヒル! 『ストリートオブファイヤ』並みの無駄を省いたテンポのいい展開、『ダブル ボーダー』でみせた師匠サムペキンパ『ワイルドバンチ』へのオマージュの仕 方。 そういうものを過去に作ってくれたウォルターヒルですから・・・。  けど、観てきた人が言うんだからなあ、と期待半分で観に行きました。  結果としては、やはり設定にオリジナリティを出すために苦労しているのが 見えたけど、メリハリの効いた展開は健在。(ライクーダの音楽も効いてる。) その、時代設定(禁酒法時代の西部)に苦労した甲斐があってマシンガンも派 手に使ってくれたしね。  そして、主人公の好敵手として最もいいポジションに置かれたクリストファ ーウォーケン! これが良かった! もう最初から最後まで一人でいっちゃっ てます!! もうこれを観れただけでもこの映画を観てよかったと思う。もう 一人で楽しんでいるんだもの!  あ、けどブルースダーンも結構おいしかったかもしれない。本来ならあまり 良い役では無かったところにブルースダーンが配置されていて、「あれ?」っ て思ったけど、この話の展開ならば納得できるぞ!  そう、強いて言うならブルースウィリスがちょっと一人できれいすぎて、そ れがちょっと辛いところか。けど実はアメリカ映画的なヒーローじゃないんだ よね>『用心棒』の三十郎。これを観て初めて気がついた。

『落下する夕方』(1998)

(98/11/23記 at FJMOVIE 4番会議室)  『落下する夕方』を観ました。(98/11/22 at シネスイッチ銀座1)  私がこの映画に惹かれたのは、ポスターのイメージ、菅野美穂の評判の良い 事、そして、同じ江國香織の原作の映画化である『きらきらひかる』をとても 好きだったと言う3つが大きかったのだと思います。そして、『きらきら・・・』 が薬師丸ひろ子主演だったのに対して、この『落下する・・・』は原田知世が主 演していると言うのも、とても気にさせてくれた一面であったと思います。 (以降、内容に触れます。)  その、映画を最初にイメージさせた『落下する夕方』のポスター。そこから イメージされる色がオレンジと言うか黄昏色だったので、ファーストショット でいきなり出てきた「青」と、その後、リカが「青」と言う色にこだわってい る事に対して、凄く違和感を受けてしまって・・・。  そこで受けた違和感は、話の後半にかかるまで、ずっと消えませんでした。 そして、リカと健吾の会話の中に時々存在する台詞的な台詞にまで違和感を覚 えてしまって・・・。  なんて思いながら観ていたら、出てきた菅野美穂=華子。 彼女は、その、ちらっと出てきた最初のシーンの、声の調子、表情、しぐさ、 すべてが、「華子」でした。(ええと、原作の方は読んでいないので、この場 合、この映画のキャラクタとしての華子です。)  「あれ? こんなに魅力的な子だったの?」ってくらいの天真爛漫さは、他 に比べられる相手がいないくらい。  そして、それから出てくるいろいろな人たち、浅野忠信だとか、国生さゆり だとか、木内みどり、そして中井貴一が、何か、凄く存在感があって、良かっ た。  主役の二人、原田知世、渡部篤郎が、終始受け側にまわっていて、それで余 計、周りの魅力を引き立てていたっていうのもあるかもしれません。  そうやって、ふたりだけ空回りをしている世界を作り出したのでしょうね。 なんだかピントの合わない感想になってしまいました。 〜〜〜〜〜 98/11/23(月) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『ラッシュアワー』"Rush Hour"(1998)

(99/01/02 FYOUGA 2番会議室掲載後、同日加筆修正)  渋谷パンテオンの年越しイベントで、『ラッシュアワー』を観てきました。 (98/12/31 at 渋谷パンテオン)  こういうイベントなどで、通常より先に観てしまうと、話したくても、なか なか話ができない。そういう辛さが、今回このイベントで観た三本の映画『ラッ シュアワー』『交渉人』そして特に『スネークアイズ』は、大きかったかな。  まぁ、年越しで、こんな三本のお気に入りの映画を出会うことができたのは、 嬉しいことではあるのですが。  さて、まずは、その『ラッシュアワー』から。  この映画の、アメリカでの興行成績の良さは、既に伝え聞いてはいるものの、 ここ最近、続々とハリウッド進出している香港の映画人たちの、ハリウッド側 の使い方を見ていると、確かにその魅力は十分にわかってはいるのだろうけれ ど、結局他の出演者とのバランスを取る意味で、ある程度は殺さざるを得ない と言った部分で、誰も皆もったいない使われ方をしているなぁというのも頭に あって、どちらかと言えば、不安ではあったのでした。 そんな心持ちで観たのですが、・・・。 (以降、ネタバレあり。)  いや、まず驚いたのは、音楽を担当しているのが、ラロシフリンだったとい うこと。久々に聞く名前だったので、なんか懐かしいって感じとともに、そう いえば『燃えよドラゴン』もラロシフリンだったなぁといったところで、ここ はこだわってるのかなぁと言う感じも覚えました。ラロシフリンの音楽をバッ クに登場するジャッキーチェン。本人はどんな気持ちだったのでしょうか?  それはおいといて、ただし、メロディラインは、やや007調が入っていて、 そういう物を耳聡く感じてしまう私には、ちょっと辛かったか。まぁ、それも じきに気にはならなくなりましたが。  続いてが、クリスタッカーのパートに移って、いきなり出てくるクリスペン。 なんか、このクリスペンの使われ方も、好きだなぁ。兄貴のショーンペンもそ うなんだけれど、このクリスペンも、何に出てきてもクリスペンだから、ある 種の安心感(といったらいいのか?)があるんだよなぁ。  そして、クリスタッカーのキャラクター。 今までのこの手の映画の流れで行けば、無茶やるけれど、ここぞと言う時頼り になると周りに信頼されている奴と言うのが多かったのだけれど、こいつは、 周りからも、あんまり信頼を得ていない。相棒でさえ、なんか信頼していない。 (笑) ただまぁ、実力はあるというのが、難点といえば難点か。  そして、そういう奴を、この事件に絡ませる過程の言うのも、また面白かっ たです。  そしてようやく最初に挙げた、ジャッキーチェンの扱いはどうだったかと言 う点ですが、まぁ、確かに「こんなもんじゃないぞ」って思いはあったものの、 クリスタッカーとのコンビネーションは結構良かったかな。『リーサルウェポ ン4』でも、けっこう浮きまくっていたクリスタッカーが、バディムービーで、 こんなにバランスよく仕上がる相手がいるとも、思ってもみなかったし。  一方のジャッキーチェンも、香港ではある種孤高の人だったのが、ハリウッ ドに来て対等に扱われて、それもバランスの良さに繋がっているのかな?  そして、クライマックス。  やはり二人が対等に見せ場があって、バランスよく仕上がっていました。 各々に役割があって、それをきちんとこなしている。それが、結果として、 長めのクライマックスでも、だれさせずに緊張感を保てていて、良かったです。  この部分を抑えられたのが、この映画が面白かった一番の要因なんじゃない かなって思いました。 〜〜〜〜〜〜 99/01/02(土) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『ラットレース』"Rat Race"(2001)

(2002/03/28記 at @nifty FMOVIE 6番会議室)  『ラットレース』を観ました。(2002/03/25 at 機内上映)  この作品、ロードショー公開時にも観たいなと思っていたのですが、 残念ながら観ずに終わり、なかば諦めかけていたので、機内上映で かかったのは嬉しかったのですが、それよりも。  私の「機内上映で観たい映画オールタイムベスト」は、迷うことなく 『フライングハイ』。(^^)  そしてできれば、観終って、飛行機から降りて、コクピットを見ると、 しっかり(以下略)なんてことをやってくれたらもう最高。  まぁ今回はそこまでは行かないものの、同じZAZの映画なので、 もうそれだけでも十分に楽しめました。(^^)  そして、私もまぁそんなに機会がないので実態としてどうなのかは 分かりませんが、機内上映で笑い転げている人間が何人もいるのって、 今回初めて体験しました。もちろん私もその中のひとり。(^^) そしてそういった鑑賞の後には、心なしか機内の空気もなごんでいる ように思えるんですよね。それもよかった。 (以降内容に触れます。) ある意味ものすごくオーソドックスだけれども、決して期待を裏切ら ない。 それが実に心地よく決まっていました。 手慣れたものであり、かつ飽きさせない展開。複数のエピソードの バランスの良さ。 導入部のやや強引な部分を除けば、もう後は最後まで勝手に突っ走って くれる気楽さ。 そして、ネタの選び方も見事。アイラブルーシーのくだりなんて、 これはあってもおかしくないとじゅうぶん思えるし、もしあったら、 絶対やりたいだろう参加者は! といいたくなるような事の連続に、 ただただ感服していました。 あと、好きなのは、やはりヘリコプタのあたりかな。 私ってこういう人なの、という紹介を終えた後に、けどちょっと ついでだから寄ってみようかな・・・からのええそうでしょうよという ような展開がツボにはまってしまいました。(^^) そしてそして、最後には、そうだよなぁこういう終わらせ方しなきゃ なぁというようなものをしっかりと持ってきて、そこでさらに各々の エピソードを収束させてしまうあたりも・・・もう好きだなぁとしか いいようがない。 あとおまけでといえば、飛行機の微妙な揺れが、しっかりと相乗効果 出してる部分もしっかりありました。 しかしなぁ、返す返すも、オートパイロットクラスがなかったのが 残念といえば残念。 それでも、十分満足させていただきました。 kaname(CXE04355)

『ラブソング』"甜蜜蜜"(1996)

(98/09/06記 at FYOUGA 2番会議室)  『ラブソング』を観ました。(98/09/05 at キネカ大森3)  ロードショー公開時には、何度も何度も予告編をみて、気にはなっていたのだ けれど、そのまま観損ねていた作品で、いつか観ようと思っていたところへ、こ のキネカ大森で『食神』との2本立て。「これは行かねば!」と行ってきました。  しかし、やはり同じ考えをする人はいるようで、またFYOUGAの知り合いとバッ タリ。(笑) しかし、今年何度も映画館で知り合いと会ってはいるが、同じ人 とは会わないのが、映画の趣味って誰もが皆微妙にずれてて、100%同じ映画 が趣味の人っていないんじゃないかと常々思っているのと一致してるようで面白 い。 ・・・と話がずれましたね。(笑)  『ラブソング』は、観ている時よりも、観終わってからじわじわとくる作品で した。 (以降ネタバレあり)  さて、オープニングシーン。「あ、こうやって出会った二人の話が始まるんだ な。」と思ったら、レオンライがよっかかっていた相手は、あっさりとどこかに 行ってしまう。 これが、最後に一番「やられた!」って思っちゃいました。だから余計、観終わ ってからじわじわといろいろな事を思い出してしまう。これがなくても十分好き だったこの映画が大好きになってしまった一番の原因かもしれません。  そう、最初は、そこで外されて、まぁ、普通に出会いがあって、といった感じ で進んでいるな、なんて、斜に構えてみていました。 そのうち、言葉よりも微妙な空気の出し方で話が進んでいくようになって、引き 込まれていったのですが、はまりだしたのはポー親分が出てきてからかな。 とにかく、あのネズミといい、相手の言葉だけで察してしまう部分といい、なん ともいえない部分を持ってるこの人が出てくるだけで、良かった。  そして、いつかはそうなると思っていた最後も、うまく言葉で言い表せないの ですが、好きです。 〜〜〜〜〜 98/09/06(日) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『ラブライブ!The School Idol Movie』(2015)

(2016/02/12記) 『ラブライブ!The School Idol Movie』(2015)を観ました。 (2016/02/11 at WOWOW) 深夜テレビアニメの劇場版としては興行収入20億円突破したり、果ては中の人たちが 紅白で歌うに至るまでとなった本作品。 テレビアニメの方は結構好きだったのだけれど、私にとっては映画館に観に行くと いうまでの熱を持つ種類の作品ではないなと思っていたらこのヒットだったので 心動いてはいたのですが。 ある意味納得できるような内容でした。これもまた正当派ファンムービー。 さてこれだけ場所とればネタバレつきで話せるかな。 前半ニューヨークパートは正統派なハリウッド映画を彷彿とさせる幸せな作り。 劇伴とか展開とか。 そして観る前にはこの作品は劇場版アイドルマスターと比較することになるのかなあと 勝手に思っていたのですが、むしろこれは映画けいおん!を意識したものになって いました。 まあ卒業旅行シーズンにかたやロンドンかたやニューヨークだものね。 けいおん!がわりと音楽やちょいとおりゃれめな映画のオマージュであったとすれば、 本作は古き良きハリウッド映画、ミュージカルに対するオマージュに溢れていた。 ただまあティファニーをコーヒーショップか何かと勘違いしていたあたりはやりすぎ だったかなと。 あと、今回何気なく携帯電話を意識的に封印していたあたり、最初は引っかかった けれど結構好きだったりします。 そしてさらには高校の卒業式から3月の終わりの間までの出来事をかなり凝縮して いたことに対して、これはもうすべて夢かもしれないと意図的に言わせて、 じゃあこれはいったいいつから夢を見ていたの?に繋げたあたりは本当に見事でした。 テレビアニメの二期は特に夢みたいな展開ばかりだからね。 けど、どちらとも取れるようにしていたあたり、うまいなと思いました。 そしてもう夢でもなんでもかまわなくなった状態でのライブに至るまでの後半戦。 見事でした。 彼女たちをそれでもスクールアイドルであることにこだわらせたところからのあの クライマックス。 ベタなんだけれど、古き良きハリウッド映画だよね。 本当に見事でした。

『Love Letter』

(at Niftyserve FMOVIE) その1 ('94/12/23記)  Sさん、sさんこんにちは。KANAMEといいます。 『LOVE LETTER』、岩井俊二監督と聞いて出てきました。  まず、私はその『打ち上げ花火・・』を観て、その作風をすっかり気に入っ てしまったうちの一人です。(TV「あっぱれさんま・・・」の山崎裕太が主 役、名前忘れちゃったけど相手の女の子がとてもかわいかった。作品の内容は もし知りたければ教えます。うまく説明できる自信がないけど。)  そして『undo』は今年の10月に銀座で1週間だけ(!)レイトショー 公開され・・・、私は見逃してしまった。これは主演:豊川悦司、山口智子で 、内容は・・・上に同じ。この『undo』は、来年春頃ポニーキャニオンか らビデオ発売されるらしいです。(#1004参照)そうですよね、Yさん!  と言うわけで、私は『LOVE LETTER』を楽しみにしているうち一 人なのです。そうでうか。北海道でロケしてるんだ・・・。  以上、実は個人的な『LOVE LETTER』の方がもっと好きなKANAME (CXE04355)(注・男)でした。誰かくれないかなあ・・・。 その2 ('95/03/26記)  朝、独り暮らしを始めたばかりアパートの一室をでると、昨日から降り続い ていた雨が、雪へと変わっていました。  一面の雪景色!  ああ、今日は神様がくれた、特別な一日の始まりに違いない。そう思いまし た。  脳裏に浮かぶのは、天空を見上げる中山美穂のさびしげな顔。そして、「拝 啓藤井樹様・・・」という中山美穂の声・・・。  そう、私はそんな幸運に包まれて、『Love Letter』を観に行く事ができた のです。  降りしきる雪は、遠くなった都会へと進む電車の車窓の外を、白一面に変え ていく。  私は、この映画をずっと待っていました。去年、深夜のテレビで『打ち上げ 花火、下から見るか、横から見るか』の再放送を観て、衝撃をすでに覚えた時 からずっと・・・。その監督・脚本がこの映画と同じ岩井俊二です。  電車を乗り換え、地下の世界へと突入しました。そこは、つい最近死の匂い に包まれていた世界です。乗り慣れたはずの電車は、いつもと違ってみえまし た。  そして、雨まじりにも見える雪の降る銀座へ。  そして、やっと観る事ができました。私個人にとって今年最大の期待作にな っていた『Love Letter』を。  期待に違わぬ作品でした。オープニングの中山美穂のアップから、本当に嬉 しくて涙を流していました。そこは、あのテレビドラマで観たのと同じ、セン チメンタルでノスタルジィな世界でした。最後まで涙を流し続けながら観てし まいました。  是非観て欲しい映画です。 (長くなるので、以降のネタバレこみは次回に持ち越します。) その3 ('95/04/06記)  ああ、わたし〜の恋は〜♪ 今日、仕事中に、この曲が隣の職場から流れてきました。  明日の打合せのための資料作成のために、パソコンの上をなでていた指は、 いつしか止まり、顔はうつむき加減になり、目頭は熱くなっていました。  藤井 樹は、今もあの山で、歌い続けているのでしょうか? この曲を。  岩井俊二監督・脚本の『Love Letter』を観てきました。私はこの作品にか なりの期待を寄せていたのですが、そして、それ故に自分の目がとてもきつく なっているのを感じていたのですが、そのすべての不安を吹き払うぐらい、予 想以上の素晴らしい映画でした。  この映画は、意識的にある作品を意識して作ったかのようなシーンがふたつ ありました。意識されたであろう作品は、『ふたりのヴェロニカ』。意識され たであろうシーンは作品中ワンシーンだけの、樹と博子(中山美穂二役)の邂 逅のシーンと、樹が自分の名前を持つ白樺の木に耳をよせるラストに近いシー ン。『・・ヴェロニカ』のどのシーンにあたるかは、『・・ヴェロニカ』を観 た人ならわかっていただけると思います。  そして、やはり『ヴェロニカ』のように根底に流れているのは人の死と、生 きたいと願う心のような気がしました。  そしてこの外見的双子の二人は、一瞬しか巡りあうことができずに、手紙と いう顔の見えないメディアによって会話を続けます。藤井樹(男)に関する思 い出について。  パソコン通信をやっている人間にとってはどきっとさせられました。一生顔 を合わせる事もない何人もの、何十人もの人間と、会議室、RT上で繰り広げ られる映画というものに関する事を、一種の思い出のように語り合う自分とい うものに完全にだぶってしまいました。自分が思いを秘めているものに関して 語り合うという姿に。姿が見えない事によって、始めて語ることができる思い を。  私が、初めて観た岩井俊二監督のドラマ「打ち上げ花火、下からみるか、横 からみるか」は、この『Love Letter』と同様に、失った遠い日々への郷愁に みちた話でした。私がこの監督の作品に一番期待していた点は、この語口と、 表現のしかたでした。その点においても期待通りのものを観る事ができました。  遠い日の懐かしい出来事。昔はうっとうしかっただけだと思っていた人間が、 思い出すにつれて、なにかが違っていたことに気付き始め、そして最後に、実 は自分に恋をしていたからだと知った瞬間。  自分の寡黙なフィアンセが、最後は松田聖子のあの曲を歌いながら消えてい ったと知った瞬間。  この瞬間のふたりの表情が、いまだに忘れられません。 書きたいことはつきないのですが、この辺で。また、散文になってしまいまし た。とても、好きな映画です。 Kaname(CXE04355) その4 ('95/06/23記) 『Love Letter』(ネタバレあり)  『Love Letter』をまた観ました。そして、またこの映画について、少しば かり話をしたくなってしまいました。  やはり岩井俊二監督の作品というのはいいなあ。なにか、自分の甘い過去を 振り返っているようで。自分が得られなかった思いを追体験しているようで。 これが岩井俊二監督の持ち味なのでしょうね。  それに、結構、人によって感情移入する相手が違う=自分と重ね合せて見る タイプの話だという所も、やっぱり気に入っている理由のひとつなのでしょう ね。  それは、今の樹だったり、過去の樹だったり、博子の方だったり・・・。  氷の中に閉ざされたとんぼのように、山の中に閉ざされた樹は、死して2年 経って、その中学時代からずっと本の中に閉ざされ続けてきた想いを、開放す ることができたのですよね。ずっと、「青い珊瑚礁」が流れていた時代からの 想いを。 そう、私は死んだ樹に共感していたような気がする。 また、散文になってしまいましたね。いつまでたっても上達しないや。 KANAME(CXE04355) P.S.その1  あと、この会議室でこの作品について騒ぎまくったおかげで、いろいろな人 から、RTCとかオフとかメールとかで(もちろんこの会議室でも)この映画 に対する思いを聞く事ができて、ホントによかったと思います。(内容をここ に書けないのが残念)  私に感想を聞かせていただいた皆さま方、私の(強引な)勧誘に屈して観に行 っていただいた皆さま方、ありがとうございます。m(_ _)m (単なる、いちファンがこんなだいそれた事を言ってよいのだろうか?) P.S.その2  3月25日から公開されたこの映画も、東京での上映は6月30日でおしま いです。 しかし、また横浜方面とかでも上映されるみたいだし、・・・想いはつきない なあ。 その5 ('95/07/02記)  こんばんは、Yさん。遅レスになってしまいましたが、レスありがとうござ います。m(_ _)m そして信用してくださってありがとう。(それは違うか。 (笑)) さて、 (引用部につき削除)  私は、樹には樹からの想いをずっと胸に抱いていてもらいたいなあと思いま した。山の中で(たぶん凍りついてる)樹もきっと樹の夢を見続けていること でしょうから。 (引用部につき削除)  たぶん博子ではなく樹のことを思い出していたのでしょうね。博子と出会っ た時には、すでに「松田聖子が嫌い」と樹は秋葉にも言っていたのですから。  また、自分も好きだった女の子とリンクしている曲って、時折ふと思い出し ては、その思い出に浸ってしまうもので、樹もそうなのではと勝手に解釈して ます。(^^; KANAME(CXE04355) その6 ('97/02/21記)  『Love Letter』については、実はこの他にもいろいろと書き込みをして、 当時の3番会議室を読んでいた方には随分迷惑をかけました。(^^;  今回、そう思っているテキストをわざわざ載せたのは、そういう自戒の意味 も含んでいます。(結構恥ずかしい。(^^;)  まあ、それはさておいても、この映画はたぶん一生忘れることはできないで しょう。私に数多くの『出会い』を与えてくれた映画だから・・・。 その7 (2016/10/08追記) 映像制作会社ROBOTの記念イベントにて鑑賞。 今観ると、思っていたより完成された作品ではなかったのだなと思った部分も あったりするのだが、それよりもこんなにもいろんなもの詰め込んだ作品だったとは 思わなかった。 もっとシンプルな作品だと思ってた。 出来ることすべて詰め込んだみたいな渾身の作品じゃないか。 そういう意味でとても幸せな処女長編だったんだな。 情報量では以降の作品の方が多いかもしれないが、とにかく詰め込んだという 感じでは圧倒的だった。 それは篠田昇の撮影も同様で、ふたりの未完成な部分も含めて、逆にこの作品の魅力に なっている。 それにしても、何度みても現在から過去に切り替わるあのシーンは凄いな。 好きで好きで仕方がない。 そこからはもうぐずぐずだった。 何度観ても変わらない。 フィルム、さすがにかなり痛んでいたな。 そせてさすがに映写も久しぶりだったのかな。 そんなことも含めて幸せな時間でした。

『乱気流 −タービュランス−』"Turulence"(1997)

(97/07/13記)  本日(7/13)、池袋シネマサンシャイン6にて、『乱気流 −タービュラン ス−』を観て来ました。初回に観に行ったのですが、映画館は同シネマサンシ ャインで上映されていた『もののけ姫』の観客への対応に追われていて、こち らの方は上映間近まで劇場係員が誰も居ないため入場できず、そこそこ集まっ ていたお客さん(映画館の約70%くらい)が怒り出す始末。  まあ、ちょっと険悪なムードだったのですが、予告編でいきなり『タイタニ ック』を見せられたためか、その後は素直に映画に没頭できました。  さて、その本編ですが、これが実はとてもおもしろかった! そのひとつの 理由には、この映画の本質的なところを出さずに、「あ、観たい!」と思わせ てしまうこの映画の予告編は、本編を観るときにも一切邪魔にならなかった。 良い意味で裏切ってくれた。 この映画はすっかり気に入ってしまいました。 ちょっと無理がある部分はあるけど、なかなか凝った脚本と、脇を固める、あ まり顔が知られていないけど、なかなかの俳優達の起用の勝利と言ったところ でしょうか。 (以降ネタバレあり)  まず最初からの展開に、「あれ?」と思いました。確かに犯罪者の護送中に 何かがあって操縦士とか全部死んじゃった状況でスチュワーデスがジャンボ操 縦する話だと言うのは知っていたけど、いきなりその犯人の逮捕のシーンから 始まる。しかも予想に反してサイコキラー系で、さらには無罪かもしれない。 ここで、どうなるんだ? って予想がつかなくなりました。犯人は『不法侵入』 なんかのレイリオッタ。このキャスティングがあとあと面白くさせていったん ですね。(ちなみに私は『不法侵入』も『グッドフェローズ』も観ていないの でレイリオッタは初見。)  そして、警部役もどこかで観た事あるなあ、と、後でパンフレット読んで見 ると、「あ、『プリティウーマン』の支配人だ。」と気付きました。そういや この人もその後見ていなかったなあ。まあ、この人も周りに見られているよう に、良い奴だか悪い奴だかわからない怪しい雰囲気の人なので、途中までの展 開を読めなくしていました。  で、場面変って、予告編で出てくるスチュワーデス、ローレンスホリーがレ イリオッタと知り合いなのかなと思ったら違ったり、とか、始めっから予測が つかない展開でした。けど、この時点では、それで「先の予測が着いてしまっ た。」と思い込んでしまった。  案の定、このホリー扮するテリーが、リオッタ扮するウィーバーに近づいて いってしまうくだりは、ちょっと「あ、この映画駄目かな。」と思ってしまっ た。(けど、それさえもクライマックスへの伏線に過ぎなかった!)  一方でもうひとり護送されている凶悪犯は、案の定FBIの護送捜査官を殺 して、それから操縦士・副操縦士が死んでしまって・・・、けど、あれ、ウィ ーバーはやはり良い奴だったのか?・・・、けど何のためらいもなく凶悪犯殺 したなあ・・・なんて思っているうちに死体をひきづっているウィーバーなん て言うショットが何気なく入って、あれ?、あれ? と思い始める。  そしてここからが面白かった! 途中操縦室を放り出してしまうホリーには 「待てよ!」って感じだったけど、ウィーバーは自分の置かれた状況に狂喜し てやりたい放題のサイコ野郎になり、最後の最後まで楽しませてくれるし、ホ リーは前述の心の弱い部分につけこまれながらも、どんどん強くなっていく。 乗客は最後まで生きているんだか死んでいるんだかわからないから、外では、 あのジャンボ撃ち落としちゃえなんて話もでてるし・・・。  そしてその一方で同じ路線を少し先に飛んでいるジャンボがいて、その機長 ボウエンが非常に落ち着いた状態でテリーに操縦の指導をしていく。あんまり 落ち着いているんで、最後までこの機長本職か? と思ったら、『炎のランナ ー』の主役の牧師さん、ベンクロスだったんですね。全然気付かなかった。こ の人も本当に久しぶりに観たからねえ。この映画は、本当にキャスティングが うまいなあと思った。少し先にLAXについて、一人で操縦室に残って指導し 続けるくだりなんかは、「あ、この人なら信頼できる。」ってかんじだもの。  けど、この映画で、やはり一番良かったのは、クライマックス。オートパイ ロットが壊されて、着陸にも失敗し、F−14に横に着かれて、もう駄目だっ て思ったときに、テリーが「生きなきゃ!」って、さっきボウエンに教わった 複雑な着陸シークエンスをもう一回チャレンジするところ。そして、その生き たいと言う意思が、F−14のパイロットに伝わって、着陸脚についていたフ ォードをバルカンで撃ち落とすと言う思い付きへと至らせるところ。  やったー! って感じで、後はもうサイコキラーだろうがなんだろうが恐い ものなし! もう許せない! って撃ち殺して着陸して、救助され、タラップ から下を見下ろすと、さっきの機長が傘持って待っている。もう、こういうの って大好き! 思わず感動してしまいました。ああ、観て良かった。  そういえば、LAXの近くにあるクラウンプラザって昔仕事で向こうに行っ た時に、泊まっていたホテルだし、確かその前の駐車場にも車を止めていた事 もあったっけと、そんなところが妙に嬉しかったりもしたのですが。 kaname(CXE04355)

『Laundry』(2002)

(2004/03/21記 at DVD)  『Laundry』を観ました。(2004/03/14 at DVD) 公開当時は気になってはいたものの、縁あっての今回が初見。 窪塚洋介がはまっていそうだということと、優しいテンポと雰囲気に心惹かれる 部分があったかな。 (以降、内容に触れます。) ところが、実際始まると、求めていた雰囲気はあり、アイデアもいろいろと出てくる ものの、それよりも監督がやりたいことやイメージは分かるのだけれど、最後の 一押しが足りない事の連続のほうが気になって、素直にのめりこめない状態でした。 そして、それに輪をかけたのが窪塚洋介の演技。 過去の作品をあまり観ていなかったせいかもしれませんが、期待の方が上で、 役柄を演じているというよりは、本人が役を演じているというシチュエーションを 演じているようにしか見えず、それがこの作品の狙いとマッチしていないことを より際立たせてしまっていたように思います。 この作品なら、このポジションにはお客を呼べる主人公ではなく、作品により 入り込ませてくれるタイプの演技のうまい人が欲しかったかな。 そんな感じでやや観るのが辛くなりだしたところで内藤剛士が登場。 ここで話的にもアクセントがついたと同時に観ていても安心できる人がでてきた という二重の意味でようやく息をつくことができました。 そして、一方の「監督のやりたいことの押しの少なさ」も、(たぶんだんだん描き たい事の本質に近くなってきたせいか)だんだん饒舌になってきて、違和感も 消え始め...。 最後、どこに着地するかという部分で、余韻の残る良い着地場所をみつけることが できたことで、幸せな気分で観終わる事ができました。 ホント、アイデアはいっぱいあるのはわかるのだけれどという部分と、このポジションに 窪塚洋介ではない別の人を持ってくればということがちょっと残念ではあったけれど、 こういう題材がこういう興業形態で公開されてくれる事は、良い時代になったなと 思いました。 kaname(CXE04355)

『ランボー 最後の戦場』"Rambo"(2008)

(2008/06/15記) "Rambo"を観ました。(2008/06/09 at 機内上映) 日本語吹き替えはおろか字幕さえも望めない機内での上映で選んだのはこの作品。 言葉など分からなくてもスタローンの熱いメッセージが伝わってくる。 オーソドックスな展開を情け容赦の無い映像で伝えてくるこの作品は、かつてのスタロー ン、迷走する前のそれの匂いが感じられてこの血なまぐさい作品でむしろ清々しささえ感 じさせてくれる。 言葉の伝わらない環境を、台詞もろくに聞き取れないこの環境で観る事が出来たことで余 計に感じたのかもしれない。 シンプルでオーソドックスな描写で観るものを突き動かす。 これこそがスタローン映画の真骨頂なのだろうな。 決してゴールデンラズベリー賞の男だけではないスタローンを久々に観る事が出来て良かっ た。