(2024/05/02記)
(2024/05/02 Amazon prime)
これは良い意味で裏切ってくれる作品だなあ。
それこそ見えているもの聴こえているものに対する違和感が繋がり始めた途端に意味を
持ち始める事の心地よさが洪水のように押し寄せてくる。
これってそういうふうに聴こえるけれどが何だったのか?
何故このカットはそのアップで終わる?とか。
オプラウィンフリーショーとかジークフリート&ロイとかもすんなりではなく一回
引っかかってからスッと通るこの感覚。
改めて思い返すと見えてくる意味。
自信の無い兄とちょっとウザく感じる妹が物語の終わりでどう見えるか。
その一方で見え隠れするように見える悪意もみようによっては全方位に喧嘩売って
いるようにも見える。そこをどうとるか次第でこの作品がどう見えるかが変わるのかな。
(2019/06/17記)
(2019/06/11 at AT-X録画)
相変わらずれんちょんに弱い駄菓子屋。そこにつけ込んだのはなっつんか。
なっつんホントに兄ちゃんの事好きだなあ。
兄ちゃんはあともう少しで話さんばかりの活躍。
置いていかれるかとも思ったんだがそれどころでは無かった。
ひか姉も置いていかれるかと思った。
沖縄テイストなBGMへの切り替わりではない融合していく感じの入りがまた心地良い。
なっつんひか姉までうまく利用してる。
布団叩きや飛行機、牛とかうまく混ぜてくる。
いつになく頼りになる先生だったがフラグが立った途端に。
ホントあの家は一番下に優秀要素が集中しているな。
なっつんからしてみたら同い年の初めての友達かもしれないのか。
そのなっつんが泣くのは判るがひか姉は扱いがあまりにも酷かったからとも思ったが
楽しかったんだね。
と言う訳で、れんちょんで始まりれんちょんで終わるこの独特の間で癒やされるこの
作品を堪能させていただきました。
『ノックオフ』"Knock Off"(1998)
(98/11/29記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)
『ノックオフ』を観ました。(98/11/29 at 銀座東劇)
これも、観たいな観たいなと思っているうちにもうじき公開が終わりというこ
とで、同じくもうじき公開が終わりな『リプレイスメントキラー』とどちらを
観ようかと悩んで、結局こちらを観ることにしました。上映館が東劇だったっ
て事も、大きな理由の一つになるのかなぁ。
(さて、以降内容に触れます。)
いやぁ、やはり吊るわ、飛ぶわ、滑るわ、ずれるわの上に、『ダブルチーム』
と同様な爆発するわが加わって、楽しかったぁ! やっぱツイハークは好きだ
わ。(^^)
前にヴァンダムとツイハークが組んだ『ダブルチーム』では、始まりはおと
なしめだったけれど、今回は最初から全開ツイハーク調。
そのうえ、そのオープニングシーンに出てきた奴が謎。まぁ、なんとなくは
わかるんだけれど、最後まである種謎のまま、主役クラスの活躍をしていると
言う。(笑)
そして、その他にも、スーパー(だったかな?)にいた女刑事や、本社から
派遣されてきた女性、そして、ヴァンダムの相棒も、脇役なんだけれど、脇役
じゃないみたいな使い方をしている。
それが、最後のクライマックスでメチャメチャ活きてきてるんですよね。そ
れが気持ちよい。
ヴァンダム君も延々とアクションシーンでさぞ楽しかった事でしょう。そし
てそのアクションシーンは、『ダブルチーム』の時よりもいきいきとしていま
した。
あと、CGの使い方も好きだな。お金をかけられる分、しっかりと遊んだん
じゃないか? アレが最後まで続いたら、少々食傷気味になっていたのかもし
れないが、ちゃんと引き際も心得ている。最後だってやろうと思えば出来たの
に、あっさりと終わらせたのは見事でした。
ホント、ヴァンダムはハリウッドに戻らずにこのまま香港でツイハークと撮り
続けたほうが良いんじゃないかって思いました。
〜〜〜〜〜〜 98/11/29(日) 〜〜〜〜〜〜
かなめ (CXE04355)
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kaname@a2.mbn.or.jp
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(2002/09/16記 at @nifty FMOVIE 6番会議室)
『野良犬』を観ました。(2002/09/04 at NHK-BS2)
(以降内容に触れます。)
これもまた改めて観ると凄いな。
その昔、何かの番組で、アメリカの映画学科の講義で、丸々一本こ
の『野良犬』をベースに講義を進めていく、みたいなシーンを見た
事があったのですが、たしかにこれは全編教科書みたいな作品です。
まず導入部20分は、ほとんど台詞なしで、主人公の行動を追う
のみで進んでいく。しかも、冒頭の野良犬のシーンから、「暑さ」
をひたすらに強調し、話が進んでいく。
盗まれた拳銃に関するヒントが出てくるまで、まったく息をつか
せません。
その息のつかせ方もいいですよね。
「あたしゃね、これまでこんなに星空がきれいだなんて、今まで
ついぞ忘れていたよ。」(だったと思う。だいたいこんな感じ。)
これで、観客の緊張もふっと途切れるんですよね。粋というか
なんというか。
そして志村喬の登場。この手の役柄に関しては、ホントお手のもの
といった感じで、いいよなぁ。そうそう、対する三船もここでは初
々しい新米刑事を、違和感なく演じています。
球場のシーンも、今ではすっかり定番な見せ方となってはいますが、
それでも面白い。そしてここでも、冒頭から続いている「暑さ」が
ことさらに強調されます。
皮膚感覚を共有し続けるというのも、話を持続させる上での重要な
アイテムとして使われています。当時の映画館もまた、人いきれで
暑かったと思うので、効果倍増だったでしょう。
そして犯人たる遊佐の(存在が)登場。ただし本人は最後の最後ま
で出てきません。これがまた、最後の緊張を高めるためのひとつの
トリックとしても使われますがそれはおいといて。
ここからは、まだ「暑さ」も続いていきますが、人と人の対比が、
コントラスト豊かに描かれていきます。
同じ状況に陥りながらも、まったく別の選択をした遊佐と(三船演
じる)新米刑事。
遊佐の家族、(志村喬演じる)熟練刑事の家族、春美の家族、と
いった形で、いろいろなキャラクタの家族が登場します。
そして次の事件。ここで、今までのキャラクタたちにはない貧富の
差という対比が発生します。
主治医にさえ肌を見せるのをためらっていた、殺された女性と、
レビューガールとして「暑さ」の中、肌を見せることを商売として
いた女性。
狭い庭に掘立小屋を作って生活していた遊佐と、庭に家庭菜園のあ
る事件の現場。
さらに、雨ひとつ降らなかった「暑さ」にまみれたシーンが、雷の
到来と共に、雨の予感を感じさせ、これがまた春美の感情の発露の
シーンへと繋がり、さらには、この雨が涼しさを得るためのもので
はなく、さらに不快指数を上げる道具として使われていきます。
雨音で聞き取りにくくなる台詞。それを引き立たせる暗い画面。
そして、銃声。
そして話はクライマックス。
最後の謎解きは、今までと打って変わって爽やかな田舎の風景。
そこに一番似つかわしくない者として、遊佐が存在していました。
ピアノのある家の令嬢、花畑、子供たちの歌声、青い空。
すべてが遊佐とそれをとりまく環境と対比させられます。
そして手の自由が奪われ、号泣する遊佐。
しかしここで、決して遊佐に同調することなく生きていくべきだと
いう存在として、三船扮する新米刑事の存在が、最後に輝きます。
希望というものを最後に残していく存在としての三船が、ひときわ
映えていた作品でした。
kaname(CXE04355)