『渚にて』"On the Beach"(1959)

(2018/08/18記) 『渚にて』"On the Beach"(1959)を鑑賞。 (2018/08/17 at シネフィルWOWOW) 1964年にはもう核戦争後なんだよな。 子供のいる母親の前でその話はあまりにも。 こういった作品なのにアメリカ人が異邦人扱いされてる所が多いのが面白いよな。 まあこの時点ではもう少数派なのだが。 逆という意味ではドワイト艦長と家族の関係もそうだ。軍務に付いていたばかりに 生き残ったという。 レースシーン。 いくらこの状況とはいえ凄いなあ。 スクリーンプロセスも懐かしいが。 さて、随分と久しぶりに観た。 見始める前はほとんど覚えていないなと思っていたがわりと覚えてた。 ただEDがああだったというのは忘れていたな。 ネヴィル・シュートの原作も好きで持っていたのだが最後に読んだのもまた随分と昔。 読んでみるかな。こちらはEDちゃんと覚えてる。

『ナバロンの要塞』"The Guns Of Navarone"(1961)

(2018/01/02記) (2018/01/02 at NHK-BS 録画) こちらはJリートンプソンとディミトリィティオムキン。 原作は有捨山くりん…じゃなくてアリステア・マクリーン。 とてもらしさが光ってるよな。 ここらへんの作品は本編観るよりも前に曲ばかり散々聴いていた口だからやはり音楽の ほうが耳に残る。 立案者でさえ不可能と思うような作戦の為に集められた6人のスペシャリスト。さらに それぞれの思惑も様々ありという中、作戦は成功するのか。 まああれだけむちゃくちゃな状況であったからこそ侵入できたりとか、偶然が 重なったればこそ上手く行った部分はあるけれど、それ以上に彼らだからこその 最後の運を使うことで成し遂げられたとか、その為に幸福の遺伝子を持つものが 代償になったり(けど彼も生き残っているあたりで彼の持つ幸運が鍵だったとも 見えなくない)話とキャラの関係性の作り方が上手いよなあ。 何よりも彼らにとって幸運だったのは、当初のリーダーが途中負傷退場した事で、 崖登ったら後はやること無さそうな主人公が先頭に立つことになり、それが 幸いした部分が実はかなり大きいと言うのがまた。 怪我しなければ全滅してた可能性が高かったという皮肉。 まあ皮肉は彼らの本来の職業との関係にもあるのだが。

『ナイトメアビフォアクリスマス』"Nightmare Before Christmas"(1993)

(at Niftyserve FMOVIE 3番会議室) 1.『ナイトメア...』に関するコメント(94/10/04記)  私の『ナイトメア..』に関する思い出(?)をお話しします。 去年の12月に仕事でロスから車で1時間ほどの山に囲まれた田舎町に1週間ほど 滞在した時の話です。  そこでは12月ということで、家という家がすべて電飾で飾られていました。 ホテルが丘の上にあったので、特にそこからの夜景は圧巻でした。そして、食 事のために夜、電飾で囲まれた町を車で移動していると映画館(アメリカの映 画館!)が見えました。そこの看板に"THE NIGHTMARE BEFORE CHRISTMAS"の文字 が...。  結局仕事の都合で観る事はできなかったのですが、もう、これだけで私がい かにこの映画を観たくなったか分かっていただけると思います。そしてアメリ カの人たちは、そういう環境でこの映画を観ているのです。 そういう思い入れを交えて観ると、この映画はより一段と楽しく観れるのでは ないでしょうか? 参考までに
2.『ナイトメアビフォアクリスアス』を観ました(94/10/23記)  待ちに待った『ナイトメア...』やっと観る事ができました。おお、や はりティムバートンの世界だ。けれども、同時上映で『フランケンウィニー 』をやるのは普通の人にはちょっと濃いんじゃないかなと思いました。  そして...、なんてスムーズな動き! 特にサリーの動きは感動物でし た。あの動きは私にとっては、例えば『白雪姫』や『T2』以来の感動物で した。とても自然な動き。(他に人間的な背格好をしたキャラクターがいな かったからサリーだけが余計そう見えたのかもしれませんけれども)  それから私個人の意見ですが、ティムバートンが本当にやりたかったシー ンは夜の町でジャックにむけて高射砲が撃たれるシーンじゃないかと思った のですが。(ティムバートンのゴジラ好きは有名だし、あのシーンだけちょ っと違和感があったもので。)  あと、しいて欠点(?)をあげるとすれば、クリスマスシーズンのアメリ カの田舎町は、あのクリスマスタウンやリアルワールドよりもきれいです。 (けちをつけてごめんなさい! けど本当にきれいなんだよ!) 以上、ちょっとひねくれ者のKANAMEでした。

『なごり雪』(2002)

(2002/09/28 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『なごり雪』を観ました。(2002/09/28 at 有楽町スバル座) 大林宜彦の作品を観るのは、ホント久しぶり。(もしかしたら『風 の歌が聴きたい』以来?) 時間が合ったので、初日ながら観てきました。 お客さんの入りはあまり多くなく、年配の方の比率が他の作品より はずっと多かったかな。久々に、上映前から高イビキを掻いて寝て いる人もいて、なんだかそういうのも含めていい雰囲気。 (以降、内容に触れます。) 説明過多なだけにも見えてしまう、大林作品特有の礼儀正しさにも 懐かしさと気恥ずかしさを覚えつつ、物語に入っていく。 音楽も大林さんだなって感じの使い方。今回は本人がメインで手が けているのか。 意思表示をしない、いや、仕方を判らない主人公は、最後まである 意味もどかしさを覚える。 しかしながら、積み重ねた想い出が産み出す一瞬の奇跡。 この奇跡のために主人公は雪子に呼び出されたのを知るこの一瞬は、 やはり大林さんの真骨頂でもあったな。 そんな心地よさを胸にして、映画館を後にしたのでした。 kaname(CXE04355)

『ナショナル・トレジャー』"National Treasure"(2004)

(2005/03/20記 at Production Note of ...) 考えてみると、このシネマツーに来たのは内覧会以来。 お金を払って中に入ったのは初めてだ。 しかも今回も前回と同じ最大スクリーンのシネマaでの観賞。 映画が始まるまでの間をブログ投稿原稿など書きながら過ごす。 館内の座席に付属したキャンドルライト調の照明は、以前感じた ようなきつさは感じなかった。 昼光の中から入ってきたせいなのか、それとも慣れなのか。 ベストポジションである中央やや後ろはリザーブシートになっていたので、 はぼ中央付近での観賞となった。 予告編の中に本日初登場(?)のシスの復讐予告編などに喜びながら、 ドルビーのstompトレーラーで音の確認。 やはり個性的な音作りだな。 映画館ではなく、音楽を聴く会場のほうが近い音作り。 個人的にはthx基準を目指した音のほうが好きなのだが、こういう音もたまには面白い。 そして今回のナショナルトレジャーはこちらのほうがあっているかな。 短いテンポで畳み掛けてくる感じにはあっているかも。 さて本編観賞。 本日公開の作品だけあってフィルムの痛みなどもなく全体的に可もなく不可もなくという感じか。 煙やガラスなど半透明や透明なもの、もしくは髪の毛の質感などもthxよりは少しだけ落ちるかな という感じで悪くはない。 まあ本編の内容に関しては、 「アメリカ人がアメリカ人の子供たちの為になると思って作った冒険活劇」であり これを他国の人間にみせて何になるのかと思うようなもの。 新興の金持ち大企業のプロモ映画を他社の人間が見るようなものでもある。 ただし、クリストファープラマーを観る事ができます。 それだけかな。 (2005/03/20鑑賞@立川シネマツー シネマa、TOHOシネマズ府中 スクリーン2)

『ナチュラルボーンキラーズ』"Natural Born Killers"(1994)

(at Niftyserve FMOVIE 3番会議室) その1(95/02/08記)  私にとっては待望だった『ナチュラルボーンキラーズ』をやっと観ました。 やはりタランティーノはオリヴァーストーンでも消化しきれなかったように感 じました。  つまり、面白かったということです。これでまずはひと安心!(タランティ ーノはまだまだやってくれそうだなって事です。ああ、回りくどい言い方!)  まあ、私の大好きなタランティーノの脚本を私の大嫌いなオリヴァーストー ンが監督するということで、ちょっとどうかなって思っていた所へ、さらにタ ランティーノの脚本がいつの間にか原作扱いされてる! この情報を聞いた時 には、いくらあの『カリフォルニア』では見事はまっていたジュリエットルイ スがマロリー役をやっていてもタランティーノのうまみを台なしにしてしまっ ているのではと、はっきり言って不安でした。  といったかんじで観る前からタランティーノvsストーンの図式が頭の中か ら切れませんでした。映画が始まってからも、ああこの導入部のうまさはタラ ンティーノだけど、映像のうっとおしさはストーンだなあなんていう風に・・ ・。  実際、導入部はよかったけど、マロリーの両親を殺して二人で結婚の誓いを かわすまでのシークエンスは、タランティーノの悪趣味ではなく、ストーンの 悪趣味に満ちあふれていたような気がしました。(まあ、ある意味ではありふ れた展開だとういうことで飽々していたのかもしれません。)  ロバートダウニーJr.がでてきてからもしばらくはありきたりの展開が続き、 だめかなと思った所で、やっと話が動きだしたように感じました。英語の字幕 が出始めた辺りから、徐々に。  そこからは、もうほぼ乗せていただきました。まあ、ある種くどいくらいに 大衆の反応というシーンを観せられることを除いて。それがストーンの嫌いな 所なのですが。  特に今回は、トミーリージョーンズがよかった! 『逃亡者』『依頼人』と 私はあまり気に入らなかったのですが、今回はメークからしてよい! あそこ までいかさま臭いキャラクターをやってくれるとは思っても見なかった! そ して、当然のごとくジュリエットルイスは見事はまっていたし、(ただし、あ まり目立ってくれなかったのが個人的に残念!)ウディハレルソンも、ロバー トダウニーJr.もよかった。 キャストに関してはほぼ文句なしでした。  そして、最後には、またタランティーノ流のぜいたくなクライマックス(け ど今までと比べるとややスケールダウンはしてますが)が用意されていて、ま あ、結果としては面白かったです。  ああ、タランティーノがこれを作っていたら、よくも悪くも凄い物になって いたんじゃないかなあ、というのがちょっと心残りですね。  というわけで、念願の『記憶屋ジョニー』も、もう予告編がみれるようにな ったのがうれしいKANAME(CXE04355)でした。 その2 (95/02/12記)  Nさん、はじめまして。(だとたしか思ったのですが、間違ってたらごめん なさい。)KANAMEです。わざわざ名前を出していただいたのででてきました。  私は気にいらない部分は、今回みんなストーンのせいにしています。(笑) 「アイラブマロリー」については気に入らない(というかあそこまでやると気 分が悪い)のでタランティーノの悪趣味をストーンが悪意であそこまでのもの にしたと、勝手に解釈しています。  また、日本人レポーターの部分は「ストーンは来日すると、巣鴨でナンパし ている」と言う噂(笑)もあるので、あの女性は巣鴨でひっかけたのではと思 っています。  まあ、両方とも私の都合のよい解釈ですので、あまりお気になさらないよう に。 けど、タランティーノが原作だけだというのは、こういういい面もあるのです ね。  以上、タランティーノ大好きのKANAME(CXE04355)でした。

『ナッシングトゥルーズ』"Nothing To Lose"(1997)

(98/05/23記 at FYOUGA 2番会議室)  『ナッシングトゥルーズ』を観てきました。(98/05/23 at 池袋シネマサン シャイン2)  この映画は、映画館がガラガラなのも、ガラガラの映画館で観なければなら ないのも、どちらもとてももったいなかったです。きっと、もっと観客が多け れば、もっと楽しめたであろうし、こんなに良い映画なのに、こんなに観客が 少ないなんて少し悲しい。  しかし、ホントに外れがないなぁ>ティムロビンス (以降、ネタバレあり)  そう、最初の方は、ホントに観客が少ないのが、とても寂しかった。何か、 平日昼間の名画座にでも来ているかのような雰囲気で、面白いシーンでも、乗 り切れないようなところも多かったです。  それでも、ニックがTと会って一気にアリゾナまで連れて行かれるあたりと か、同業者の銀行強盗とのやりとりのくだりなどは、大笑いしていたのですが。  ところが、これが、Tの家に行き、「観ている自分たちが、実は想像してい た内容とは違う映画だった」事を知り、涙腺を緩ませられてからは、もう、思 いきり、笑わせていただきました。  そして、ニックが家に電話してからのどんでん返し。実はそんな展開になる とはまったく想像していなかったので、すごくほっとして、ラストへのたたみ 込みを観ることができました。さらには、Tに「貧乏人の生涯を取り戻せる」 と言われた後、「自分のところで雇うとかそういう類のこと」を一切口に出さ なかったニック! それが良かった。Tの言ったことの意味と、Tの実力を、 正しく理解したんでしょうね。  そして、さらにはちょっとした場繋ぎかなと思っていた小道具が、次々と、 伏線として収束していく終わり方も、とても心地好かったです。  もちろん、エンディングロールが終わってからの「アレ」も、「おお、こん な所まで。(笑)」と感心してしまいました。 そういうところは、本当によく出来た映画でした。 しかし、主役二人より目立ってどうするんだ>監督!(笑) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『七瀬ふたたび』(2010)

http://productionnoteofkanames.blogspot.com/2010/10/2010.html (2010/10/02記) 『七瀬ふたたび』及び厳密に言えばその前に上映された『七瀬ふたたび プロローグ』を観ました。 (2010/10/02 at 渋谷シアターN シアター2) この作品、原作に対する想いは散々書いたような気がするし、それでもたぶん半分も書いちゃいないのだけれど、 今回はやめておく。 ただ、かなり好きだということだけここでは書いておこう。 さて、まずはプロローグから。 中川翔子監督、小中和哉脚本による10分程度の短編。物語のプロローグとして添えられた作品。 狙いとしては非常に良いと思う。構成、コンセプト共に○。キャスティングも良し。 ただし、特に映像表現が詰めきれていなかったのは残念。 イラストとの合成部分はもっと頑張って欲しかった。 まあキャスティングで七瀬の母親役に多岐川裕美引っ張ってきた時点で○なのだけれど、今まであまりちゃんとした形で 出てきていなかった七瀬の過去という切り口で最初に見せるというのも良いなあと思った。ちなみに本編には多岐川 裕美は出ない。 さて、本編。 まずはネタバレなしの感想。 正直に言ってしまえば原作を読んでない人にはあまり勧めたくない。 この作品だけで原作まで読んだ気になられるとそれはそれで嫌だ。 これを観て原作に興味を持つ人もいるとは思う。 でも、単体でこの作品を愛せ!というには、もう少し基本的な所で練り混みが欲しかったように思う。 けれども、原作を知って愛している人には勧めたい。 この作品を幾重にも楽しめると思うから。 (とはいっても前述の部分でひっかかってしまう可能性もあるが。) 少なくとも私はこの作品を愛した人と語りたい衝動にかられている。 続いて、ネタにあまり突っ込まないレベルで語ろう。既に観る気になっている人はここから先は観てからのほうが良いと 思う。 この原作は、ある程度忠実に描こうとするには映画という枠ではなかなか難しい作品である。 なのでどうするのかと思っていたら、冒頭から「あ、すげえ」と思わされてしまった。 ここを切り口にすれば、全体の再構成や話の取捨選択はかなり絞る事が出来る。 原作冒頭が割とオーソドックスにキャッチーなのでその線かと思いこんでいたからそうかその手があったかという感じだ。 能力表現の仕方は好きだな。原作を尊重したやり方だと思う。 前者(再構成)は伊藤和典の本領発揮、後者(能力表現)は小中和哉らしいやり方であると思う。 役者に関しては芦名星の無機質な感じは割とうまくハマっていたと思う。 警察サイドは思い切り安全牌な配役だったし七瀬の仲間たちもうまいところを持ってきた。 強いて言えば子役の子はもう少し小さい子の方が良かったかも。 で中身に戻って、脚本がもたらした構成の妙があったおかげで、原作テイストがかなりそのまま生きていた。 それがとても良かった。 しかし後半になるに従い、徐々に苦し紛れの展開打破が増えてくる。 それを映画という名の力業で処理出来ていればそれはそれで面白かったのだけれど、如何せん小中監督はあまり それが上手くない。 言ってみれば両者の食い合わせの悪さが出てきてしまったのだろうなあ。 ここが、誰にでもは薦められない理由である。 けど、それでも好きなんだよ。 これ以上は、本当に大きなネタバレになるのでまた改行。 そうか! そこに落とすか。 正直に言って七瀬が例えイメージだけでもキスシーンを迎えることが出来て、それだけが良かったね!〉七瀬、と いうことになりかねないと思っていたら・・・。 それだけを単に文章にしてしまえば残念に思われるだけかもしれないが、それが前にどのタイミングでどのように表現 されてたかというところと、テレパス、時間遡行者、そして「七瀬ふたたび」の3つを絡めれることで、やられた!と思ったよ。 もしかして途中の苦し紛れな部分もわざとなのかと思いたくなるくらいに。 いやあれはダメなのだけれど。 脚本読み込むか書き直すかすべきだったと思う。〉苦し紛れなところ さて最後にいわばジョーカーとして配置された吉田栄作の役柄。 私は良かったと思う。 チートキャラではあるが、強いが上に脆いところ。こういうところは本当にうまいな。