『メッセージ』"Arrival"(2016)

(2024/05/03記) (2024/05/03 Amazon prime) この2つの話を結びつけたのは天才だなあ。 まあ話は一つではあるのだけれど。 そして原作も未読なのでどこまでがこの話なのかもわからない。 ただ、それをこうやって映像化された事が素晴らしい。 まさに作中でやっていた事の一つであり2つでもある。 元々映画というものも小説というものもそういうものだからね。 タイトルは原題の持つ意味から随分と本質を削ぎ取ったものになっていてこれは もったいない。とりあえずHANNAHからだな。 Aの話もBの話も割と最初から答えが提示されていた。 片方はそこに辿り着く話だときづいていたがもう片方はそれが答えとは思っても みなかった。 彼らからしてみればもどかしいと同時にいつか辿り着く事もわかっていたので…と いう事をこれから彼女は何度も噛み締めるのだろうな。 この命題は割と永遠に考え続けられるものであるが故に、これから先も思い出す事に なるのだろうな。 それは作中の彼女も同じでという所まで含めて天才だなあと思う。

『メメント』"Memento"(2000)

(2024/05/05記) (2024/05/05 Amazon prime) 記憶を手繰るようにセーブポイントを遡っていく。 いかにもハードボイルドな展開を匂わせながら始まって、まさかこんな形に 行き着くとは。 徐々に提示される、自分は上手くやっているという思い込みが、実はこんなに もチョロく騙されまくっていたという事を。 そしてそれどころでは無い大仕掛け。 ある意味あのメモは正しいんだよなあ。但し根本的に間違っているだけで。 いや、まさかこんなにお茶目な作品だとは思ってもみなかったよ。

『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』(2020)

2021/08/10記 (2021/08/10 at Amazon Prime Video) テレビアニメ開始当初からずっと話を聞いていたボ卿とついに対峙するリコ達。 駆け引きも何も無くただ目先の興味にのみ貪欲であり続ける事を本質的に理解 していなかった。 もはやあれはそれ以外本人のかけらさえも残っていないのでは。 てっきり先にアレを壊してから望んでくるかと思ったがそんな余裕など無かったか。 カウントは装置側の寿命の話かと勘違いしていた。充電残量だったのね。 中にいる何人もというのは取り込まれた者のような気もするがその中に母もいるの だろうか。

『劇場版総集編 メイドインアビス 【後編】放浪する黄昏』(2019)

2020/02/24記 (2020/02/23 at BS11録画) 本当にエグい話になるのはここからだったな。 けれども本当にエグいのとリコ達が遭遇するのはこの先という。 テレビアニメの最終回のアレはやはりこの映画という形の方がしっくりくる。 リコ不在はどちらの形でも良かった。 というよりは前編同様にどちらも最初から存在していたかのようだ。 ボ卿にしても誰にしても人間性は喪失しても目的意識だけは残っているから始末に おえない事を続けているのだろうなというのはわかっていてもそれでも。

『劇場版総集編 メイドインアビス 【前編】旅立ちの夜明け』(2019)

2020/02/23記 (2020/02/23 at BS11録画) さてテレビアニメで観てから随分と経ったので忘れている所やら当時誤読した事を もう一回したりとかしながら観ていた。 わざと教えなかったのだな。色々と。 レグの正体は何となく分かったような気がしたがこれも分からないな。 こういうオーゼンを見たからこそこの先が生きてくるんだよなあというのは とりあえずテレビアニメ分までは見たからこその感想か。 しかしそのテレビアニメ当初からこのクオリティだったからまったく違和感が ないしダイジェスト感すらない。 こんな、どちらを取ってもバランスの良い作品なんてそうそう巡り合えないよ。 ホント、作り手に愛されている作品だ。

『名探偵コナン 世紀末の魔術師』 (1999)

(99/05/04記 at Niftyserve FMOVIE 2番会議室)  『名探偵コナン 世紀末の魔術師』 を観ました。(99/04/24 at ヴァー ジンシネマズトリアス久山 スクリーン1)  今回、この作品を観たのは、たまたま観に行った先で観たかったスクリー ン、4/23に出来たばかりのシネコン、ヴァージンシネマズトリアス久山 (福岡)のTHXシアターで、かかっていたのがこの作品だったと言うのが 大きくて、以前、やはり出来たばかりのワーナーマイカルシネマズ小樽の THXシアターで、『ドラえもん』がかかっていた時には、意地で観なかっ たものの、ちょっとは後悔していると言う過去もあったと言う伏線もあり ました。  などと行った感じで、悪い作品だとは思ってはいないものの、期待せずに と行った感じでの鑑賞でした。 (以降、内容に触れます。)  さて、この作品でもTHXは生きていましたね。さすがに音の廻りは 並みでしたが、爆発シーンは腹にずしんと来るし、音楽の通りも良い。 元々アニメーションは、輪郭の境界の分離がいいので、発色の良さも生 きてました。前述の『ドラえもん』の方が、絵的には凝っていたみたい なので、以前観る機会を逸した事がちょっと悔しかったりして。(笑)  そして、話のほうも、語り口で、子供に媚びているなと思ったのは、 クイズが出てきたワンシーンだけで、他の部分は、週刊誌への連載時並み のテンション(TVの方は観ていないので判らない。)を見せてくれて いました。  展開は読めるものの、ロマノフ王朝話を、ああいう展開に持って行ける のは面白いなと思いました。 kaname(CXE04355)

『メインテーマ』(1984)

(2007/03/03記) 24時間まるごと薬師丸ひろ子 ということで、『メインテーマ』を観ました。(ただし後半のみ) この作品を意識して「観よう」と思う事はあまりないのですが、 観だすとやはりはまってしまう。そういう作品のひとつです。 先日『バブル…』を観たせい…だけではないのですが、今となっ ては、薬師丸作品の中でもこの映画が一番時代を背負ったものに なってしまったかな。ファッションにしても台詞にしても、それ こそこの映画のすべてが。「薬師丸さんも眉毛、太!」 (まぁけれども『バブル…』の若いメイクよりはやはりこちらの ほうが良い。薬師丸ひろ子のメイクといえば『翔んだカップル』に 尽きるのですが…ってこれはまた別の話。) サントラも久々に聞くといいなぁ。これも懐かしさというものが 多分にあるのだとは思うのだけれど。 そして、今観るとけっこう男目線だよなと思えるシーンの数々。 なのに男ふたり(財津和夫と野村宏伸)は台詞も棒読み。 さらに財津和夫に至っては演技もその間もホント大根。 雰囲気女優な女ふたり(薬師丸ひろ子と桃井かおり)もおかげ で引き立っていました。 けれども、この作品に対しては何よりも森田芳光に尽きるかな。 これこそが森田芳光といった感じで。 小物のわざとらしい使い方にしても同じテクニックの使い方に しても、ホント森田らしいというとこの作品を思い出します。 この頃は、まだ学生映画のノリがかなり残っていたし、それと 商業映画的な部分のマッチングの危うさ加減が好きなんですよねぇ。 しかしホント好きだよなぁ、この雰囲気。 一方でこのなぁなぁさ加減ユルさ加減に対して苦笑しながらも そういう映画を愛してやまない自分が今ここにいるのはこういう 映画に育てられてきたからかもしれません。 これは角川映画世代の宿命なのか。

『めぐり逢い』"Love Affair"(1994)

(95/06/14記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  シネマカリテで『めぐり逢い』を観てきました。もともと、ケーリーグラン トとデボラカーの『めぐり逢い』は好きで、どうなっているかなとは思いまし たが、スクリーンで観てよかった。こういう映画って、やはりスクリーンサイ ズの方がいいなあ。  最初は、現代風にアレンジしてお茶を濁すだけかもしれないとも思っていた のですが、舞台が船に移ってからのすばらしい景色と、そして、ケーリーグラ ントとデボラカーを完全に意識してるのではないかと思われるほどの、ウォー レンビーティとアネットベニングの演出及び演技! アップの時のライティン グや、船の中での衣装など、ホントに前の『めぐり逢い』を思い出してしまい ました。  しかし、あの役ってウォーレンビーティにぴったりの役ですよね。彼が噂通 りのプレーボーイだということは(たぶん演技では実際より抑えているのでし ょうけれど(^^;)納得できてしまいます。  その彼が今回口説き落としたキャサリンヘップバーン! あんなに年を取っ て、しかも小さくなっていたのですね。それでも、若き日の面影があって、な にか彼女を観ただけで、満足してしまえるくらい、存在感がありましたよね。 そして、あのストーリー!  多少の時代背景による差はありますが、展開としては、前のものとまったく 同じでそれでもきっちり感動させてくれるところは、やはり、すごいと思いま す。  それにしても、東京での公開がもうすぐ終わってしまうのは、ちょっと残念 ですね。 KANAME(CXE04355)

『めぐり逢う大地』"The Claim"(2000)

(2002/12/18記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『めぐり逢う大地』を観ました。(2002/12/15 at シネマスクエア東急)  マイケル・ウィンターボトム監督による、『日蔭のふたり』以来となるトマ ス・ハーディの作品の映画化。  好きな監督が、その作品群の中で一番気に入っている作品と同じ原作者の作 品を映画化すると聞いたら、やはり期待してしまうでしょう。(^^)  ウィンターボトム監督の作品はそのいずれもが好きな作品ばかりなのですが、 やはり一番始めに観て凄くインパクトを受けた『日蔭のふたり』は一番のお気 に入りということもありこちらも期待に満ちた状態で観に行きました。 (以降、内容に触れます。)  しかし、その『日蔭のふたり』を払拭してしまうくらい、この作品は良かっ た! ウィンターボトム監督は、『日蔭・・・』以降以前もいろいろなタイプの作品を 撮り続けてきたけれど、やはりこういう物を撮らせるのが一番うまさを感じる。 ホント、うまい。 何よりも、キャラクタの作り方と距離の取り方が良い。 主要登場人物たる二人の男と3人の女性各々の思惑と思いが、表裏混じって表 れてくる様はなんとも言えません。 特に、最後のディロンの姿を見た時のルシアは、その引き金を引く手伝いをし た自分と、その奥底に眠っていた本当の心・・・と書くと安っぽく聞こえるけれ どうまく表現できなくて申し訳ない・・・を見事に表わしていたように思う。 (そのシーンをさらにああいう形で壊してしまう事の凄さ!) それが、各者各様に入り交じる様は観ていて幸せでした。 「人間」を表現する事がホントにうまいウィンターボトム監督のまさに本領発 揮という感じでしたね。  ミラも本来こういう作品で正当に評価されるべきだよなぁ。これを観てしま うと、ベッソンと関わってしまった事がホントもったいなかったと思うくらい 良かった。  そして、ここにナスターシャ”テス”キンスキーを持ってくるというのはな んともいえません。(^^) 何が欲しいのか何が観たいのかを見透かされている感じさえしてしまう。 あと、やはり連想して=思い出してしまったのが『天国の門』。 同じ匂いを感じました。 時代的な近さがそう思わせるのか、良き時代の象徴の中にいたはずなのに、好 むと好まざるとに関わらず運命に翻弄されてしまうことになってしまう登場人 物達に近いものを感じるのか。 燃え盛る炎のイメージがダブってしまったのかもしれません。 で、唯一心配していたマイケルナイマンの「いつもの」音楽ですが、ポイント を押さえてくれた事で、それほど気にはなりませんでした。 『ひかりのまち』の時は、どうしてくれようかと思った>ナイマン。 と、話はそこらじゅう飛びまくっていますが、今は、ただただこの作品の中に 埋まっていたい。 そんな思いにさせてしまわれた映画でした。 kaname(CXE04355)

『メトロポリス』 (2001)

(2001/06/03記 at @nifty FMOVIE 16番会議室) 『メトロポリス』を観ました。(2001/6/3 at 池袋HUMAXシネマズ4 CINEMA1) 手塚治虫のあの『メトロポリス』を映画化って事で、手塚治虫の作品を、 「漫画」という分野ではなく「手塚治虫」という別の分野として捉えている 私にとっては、特にこの『メトロポリス』というだけで感無量。 まぁ、とにもかくにも観に行って来ました。 (以降、内容に触れます。) あ、これは本当に「未来の記憶」の断片だ。 『メトロポリス』そのものをストレートに映画化せずに、そこに手塚治虫の 「未来の記憶」をこれでもかとばかりに詰め込んで。 もしかしたら、記憶違いのものもあるかもしれないが、目の前に存在するの は、間違いなく手塚治虫の「未来の記憶」の断片。いや、それは手塚治虫の 作品を愛した人間の「未来の記憶」の断片かもしれない。 記憶に対する、未来に対するノスタルジィであり、センチメンタルでもある ものの洪水。 それらは、断片をモンタージュされており、そういう意味でも「記憶」その ものである。 未来を想いながら、とうとう次の世紀を見ることのできなかった手塚治虫が、 人々の記憶のモンタージュの中で、ほんの少し微笑んだかのような映画。 それが、この『メトロポリス』という映画だった。 そして、KENICHIという綴りを覚えて微笑みかけるティマに、未来を感じて 記憶を感じて涙する。 そして、すべてを失った人たちが、力強く、そしてほんの少し過去に囚われ ながら、この物語は終わる。  それこそが、私の惚れた 手塚治虫 だったんだよなぁ。 kaname(CXE04355)

『メリーに首ったけ』"There's Something About Mary"(1998)

(99/02/07記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『メリーに首ったけ』を観ました。(99/02/06 at ワーナーマイカルシネマ ズ新百合ヶ丘 スクリーン3)  この映画、アメリカでは公開当時、じわじわとボックスオフィスに上がって きて、口コミでボックスオフィス1位になったという近ごろでは珍しい作品。  ホント、どうなんだろうってずっと楽しみにしていました。なにせ近ごろは 当たり役ばかりのキャメロンディアズが出てますから、期待しないわけにはい かない。(^^)  けどなぁ、アメリカで当たっても日本人好みかどうかはまた別だからなぁっ て不安も少しあっての鑑賞でした。 (以降ネタバレあり)  まぁ結果としては、結構楽しかった。そして思い出すともっと楽しい作品で した。 なにせオープニングの木の上の○○までは、まぁこういうのも比較的ありかな と思っていたのですが、ラスト・・・!! そんなのアリ?って終わり方がと ても好きです。「おおーー」って思ってしまった。(^^)  そして、それはおいといても、本筋の話のほうの結末も、好きです。わかっ ていても、それはそれ。(で、それはそれで納めておいて、アレ!だから好き なんですよね。(^^))  あと、ゲタゲタ笑っていたのは取り調べの所だなぁ。途中で抱えているアレ が何なのか判ったのだけれど、まさか、あの前振りのアレが、ああなって、あ そこで生きてきたの?って思っていたら、もう一つ振られていたものがあって と言う展開が好きです。ただ、すぐ出られちゃったのは、納得行かん、と思っ ていたら、実はああだったという。コレも気づきませんでした。 あと、「ヘアジェル」は、さすがに「普通気づかんか?」って思ったけれど、 それでもなにか「わぁー」だったし、考えてみると、こんな抽象的な表現ばか りで、読んでいる人が、私が何を言っているのか判るのだろうかと少し疑問。 (笑)  しかし、やはりメリーがキャメロンディアズだったのが、この映画の品位 (?)を保てた一番の理由でしょう。 私もやっぱりメリーには何かあると思う。 〜〜〜〜〜〜 99/02/07(日) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『メンインブラック』"Men In Black"(1997)

(97/12/07記) 『メンインブラック』を観ました。(97/11/29 at 渋谷パンテオン)  この映画は、映画館の予告編で衝撃的な出会いをしていたので、 本当に楽しみでした。予告編で見せられる映像を見て、「これで面 白くない訳がない!!」  さて、果たしてどうだったのか? (以降ネタバレあり)  正直言って、予告編その他にあまりにもいろいろなシーンが流れ 過ぎていたため、ちょっと不安ではあったのですが、それでも面白 かった!! ただし、予告編を観て期待していた方向の面白さ、大 活劇的な面白さではなく、昔よくあった『スティーブン・スピルバ ーグプレゼンツ』の雰囲気を持つ映画としての面白さを久々に観れ たと言うことで。 『グーニーズ』『ヤングシャーロック』『インナースペース』など など。ある時期毎年の様に観る事が出来た、スピルバーグ印(けど 監督はしてないよ)と言う映画群は、決して一歩抜きんでる面白さ は無いものの、小粒で、安定した面白さを持っていました。それが 久々に帰ってきたと言う感じ。  そして、そこにダニーエルフマンの音楽と、ボーウェルチのプロ ダクションデザインと言う、ティムバートン的なちょっぴりレトロ な要素も加わって、なかなか楽しめました。  ただ、これもスピルバーグプレゼンツの他の作品と同じで、オチ の処理がいま一つ。最後のあのシーンはいらなかったよなあ。そし て「宝石の中の銀河」はエドモンドハミルトンのキャプテンフュー チャーシリーズ『太陽系七つの秘宝』を思い出したのですが、逆に 「『太陽系七つの秘宝』を映画化した方が良いんじゃないの?」と 思ってしまった。  それにしてもトミーリージョーンズは本当に旬の俳優になってし まったなあ。良いわあ。そしてウィルスミスも。(^^)