『ガールズ&パンツァー最終章 第3話』(2021)

(2023/11/08記) (2023/11/08 amazon prime) 折も折で劇場公開は見逃していた本作をようやく鑑賞。 この密度の濃さは心地良いなあ。 有利な地形とはいえ駆け引きできるようになった知波単は強いなあ。 そして相手が強ければ強いほど映える西住殿の判断力。 但し、故に見える弱点を突いてくるのはある意味当然の流れで、後一歩の所までと なったその次にはもうこの状況となったか。 色々と先々に関わりそうな他会場は過去の対戦相手で、まあ大洗が未勝利な相手が 来そうな予感を残した戦闘。 さて、これで4話観れそうだがどうしようかな。

『悲しみよこんにちは』"Bonjour Tristesse"(1957)

(2023/09/17記) (2023/09/17 ザ・シネマ放送版) ジュリエット・グレコが本人役で歌っているのがまた良くてね。 というほど実はこの作品を観ている訳ではなく、たぶん初見がジーンセバーグが 亡くなった時にテレビで放送されたのを観て以来。(だと思う。) 原作に造詣は無く、接点としてはそのタイミングで観たという事とジュリエット・ グレコのこの曲が好きだという事くらいかな。 現在がモノクロで回想がカラーというのはカラーパートの表現力の粗さが当時の カラーフィルムでの限界でもあるという意味でも良い味を出しているのが好き。 結果的にはその時にしかできないものが作品に味を出す、いや文字通り色を残すという所。 さて、久々に観た感想だが、初見時の年齢でこれを面白いと見れるほどではなかったかな。 そういう意味で今回観た感想はといえば、あのラストシーンに持っていくまで素晴らしさよ。 過去と現在を提示しながら、その違いと、一見変わらないものとがそこに集約するのかという所。 彼女もレイモンもそれを微塵も感じさせない、いや、けど何か違うというのがねえ。 個人的には彼女が見ているものを一切見せずに彼女の表情と聞こえているものだけを 延々と提示しているシーン。そしてラストシーンに尽きるかな。 誰にも悪意はないし、悪意とも感じていない中で、それが何をもたらすかも想像せずに いた結果なんだよなあ。

『シン・仮面ライダー』(2023)

(2023/05/01記) (2023/05/01 at TOHOシネマズ日本橋 スクリーン3) あれ、私はもしかしたら水星の魔女の最終回を見せられているのか? という冗談はさておき、シン・ウルトラマンの時もそうだったけれど、やりたかったのは あのルックでのアクションだったんだなあ。 それほアクションに限らずか。 キービジュの時点であの青空背景の仮面だよな。黒背景の全身、バストショット だったかな?とか白背景とかね。 トンネルでのアクションはむしろ原作を想起させたな。 暗闇に光る赤い眼の数々。 さて、ここらへんから少し中身を。 これでようやくわかった…と言って良いのか分からないが、シンって真だったのかな。 今川泰宏の真マジンガー衝撃Z編とかの真、というかあのジャイアントロボ的な スターシステムつかったもの。 石ノ森特撮作品をスターシステム使ってというのは良かったな。 Kの使い方もそうだけれど、キカイダー原作の最後の方考えるとそうなっても おかしくないんだよなあ。 そうすると緑川ルリ子が何者かというのも自ずと答えが出てくる。 まあ、ネット上ではKと名乗っていたりすることもあったりジローよりイチローの方が 好きな身としては仮面ライダーの振りしてキカイダーしてくれたのはとても嬉しかった。 まあそんな感じで、映画というよりは色々なことを思い出させてくれる作品として シンウルトラマン同様楽しませてもらったかな。 ーーー以降2023/07/30追記ーーー (2023/07/26 amazon prime) 劇場で鑑賞してからこんなに早くに観ることができるとは思ってもみなかった。 とはいえ、テレビフォーマットの記憶に基づいたカットが多い作品でもあったから、 実際にそのサイズで見直すまでがこの作品かなという意味ではよかった。 まあいざそういう目で見てみるとテレビフォーマットへの拘りは シンウルトラマンの方が強かったかな。 こちらはそれよりも石ノ森作品全般の落とし込みの方が強かったかな。 特に暗いシーンは顕著に漫画のコマを見ているかのようなシーンは多かった。 そういった演劇的な舞台のようなシーンとテレビ放送での当時を思い起こさせる シーンでこの作品は出来ている。それを改めて強く感じた。 言い方を変えれば、天才のカット割という事だものな。石ノ森作品のという意味で。 話変わって、初回鑑賞時にも思っていたけれどたしか書きそびれていたことを。 浜辺美波のキャスティングって、あの素に戻った時の等身大の彼女で 選んだんじゃないかなと強く思った。それほどまでのインパクト。 同じく書きそびれていたであろう事。 2号へのバトンタッチの仕方は好きだな。 それが冒頭のアクションシーンでの戦闘員破壊からの一貫した描き方の帰結と いう意味でも。 そしてここからが死神グループとの戦闘という事とまずはコブラ男…じゃなくて コブラオーグというあたりも。

『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)

(2021/05/07記) (2021/05/07 at ムービープラス録画) ネスケ懐かしい。 それはさておき寄り道無しでレギオンが襲来してから倒すまでにほぼ専念している この作品。 頭である事も終わりである事も必要無い分余計な事にも気を囚われずという事も 加わって、ホント面白い。 3への伏線で大きいのはあれくらいだし変に日和るものもいないしで3部作中一番 面白くはあるのだけれど、歪みだらけの3が一番すきというのが何というか。 123と並べてみると嬉しい、面白い、好きなんだよなあ。 飛行形態から着地してスライドしながら撃つプラズマ火球。

『ガールズ&パンツァー最終章 第2話』(2019)

(2019/06/16記) (2019/06/16 at TOHOシネマズ上野 スクリーン3) 公開二日目の2回目以降にも関わらず予約開始直後すぐに席が埋まっていった理由が 何となく判った。リピーターか。 それは良いのだけれどたぶんすでに複数回見ているからと言って予告CM終わる くらいまでの人の出入りの多い事。 本編始まったら静かになったのは良いけれどそれでもなあ。と言い出すと始まらないが これでネタバレまでの尺を稼げたので良しとしよう。(いや良くない) さすが第二話。状況説明が必要ない分一段と濃くなってる。 まずはBC戦。 相手の強みの中に弱みを見出して戦っていく様はどちらが敵チームか分からなく なるようなものだったけれど、それを利用していたのはそもそも自分た達だし むしろ正攻法で来られていた方がその綻びに気付かずに苦戦していたかも。 劇場版では遊園地の立体迷路止まりだったが今回は本格的な庭園。転進が容易な 空間さえあればむしろこの戦いの方が戦車の本分を発揮できるというものだ。 それにしても皆身体が柔らかいなあ。 そして各チームの一回戦ダイジェスト。 どれも見てみたいものばかり。まさにライバル達が技有りで勝ち進んで様は 心地良いなあ。 川島家は初だったかな。 昭和度で言えば西住家の比ではない。というか比べるな。 リニューアルしたポコミュージアムの彼女と再会する場として登場。 金かかってるなあ。 そして人居ないのも相変わらず。どこまで持つか。潰れるまで有効なパスポート。 で、今回後半は2回戦の相手となる知波単戦。 彼女達が進化するキッカケはやはり福田からか。 そして進化した知波単と戦いの場となったのはアマゾンっぽいジャングル。 一番イヤな相手となった知波単は戦いながら更に進化して、遂に福田の力なくしても 一つの新たな言葉を産み出した。 ここに行き着く過程が素晴らしい。人間気の持ちようだとはよく言ったものだ。 変態戦車も登場。あれは後から思うとある程度見越していたのかなあとも思うけれど 思いつきの瞬発力が売り物のあんこうチームだからなあ。そこはわからん。 そして誘い出す場所としてそこを選んだか。 話がうまく繋がっているのは良いねえ。 自分達が苦労した場所は相手にとってもたやすくはない。

『華麗なるヒコーキ野郎』"The Great Waldo Pepper"(1975)

2019/01/03記 『華麗なるヒコーキ野郎』"The Great Waldo Pepper"(1975) (2019/01/03鑑賞 at NHK-BSプレミアム録画) どちらかと言えばインパクトがあるのは前半中盤のスタントで、今回も久々に 観るまではそちらの印象なのだけれど、ホントに美しいのは最後の 空中戦なんだよな。 CGではないスタントでの翼上のシーン。 さすがに彼女はもうほとんどマネキンにしか見えないけれど、ロングショットは そうでないところもあるからなあ。音だけで彼女の最後を表現するのも 好きだったりする。 彼がここでは救助に行っただけなのが後々に響いてくる。 そして単葉機での逆宙返り。 フラグ立てまくるし最終的な判断はウォルドに委ねた上でのあれたからな。 いきなりではなくて複数回チャレンジの上というのもリアルだったかな。 奇しくもあの場に客が走り出すきっかけを作ってしまったのが彼だったのか。 煙草からの協力しないで見ているだけで好き勝手な観客のシーンは何度観ても苦しい。 見世物じゃない見るなはもっともであると思う一方で、見世物を見に来る人達が ホントに期待しているのはそこでもあるのがまた。 話戻るが私にとって初の石膏で固められた状態でのキスシーンはこの作品でした。 で、最後の空中戦。 冒頭協力してくれた子供の家族にする話がここで三度戻ってくる。 エルンストはウォルドの噂を昔から知っていた訳ではなく、もう飛べないの事を 知っていたからこそ今回の申し出をしたようだな。 いつか誰かがをずっと待っていたのか。 『明日に向って撃て!』で描いた消えゆく西部に対する視線をこの作品では 複葉機時代の戦闘機乗りに置き換えてやりたかったと言うのがここで明確になる。 勝負はついたが二人共もはや本質的に帰る場所などない。だから雲間に消えていった のだろうな。 それこそブッチとサンダンスのように。

『カサンドラ・クロス』"The Cassandra Crossing"(1976)

(2018/01/01記) (2018/01/01 at NHK-BS 録画) パニック映画全盛でポリティカルフィクションも同様のこの頃にこの作品の目の 付け所は異彩を放っていてとても良かったのだけれど、個人的には音楽に力負け してる感が強いんだよなあ。 ジョージPコマストスとジェリー・ゴールドスミスのタッグはとても好きなんだが、 音楽の方に心持って行かれてしまう。

『ガールズ&パンツァー最終章 第1話』(2017)

(2018/01/03記) (2018/01/03 at TOHOシネマズ上野 スクリーン2) 目の高さとしてはG列辺りがベストポジションだったかな。この作品を観るには 手頃な大きさ。 それはさておき、6章分けした理由とそれでも映画館にかけることにした理由は コレで判ったかな。 そして、ここまで時間がかかった理由も。 基本的にはテレビアニメのフォーマットで話を進めていくのだけれど、その内容は ある意味映画館で観ることを楽しむ事に特化されている。 目も耳も至福の時間。4DXもこれならありだな。映画館って楽しいよって事を改めて 示してくれるのは、前作である劇場版が映画として至福の扱いを受けたことに対する 恩返しみたいなものだろう。 前作と同じように劇場版という感じにしなかったのは映画館としての可能性を 拡げたかったからというのもあるかも知れない。 とは言ってもこの作品みたいに注目されていないからと言って大事にされずに雑に 扱われたら元も子もないからなあ。 あと、一方で今回私の隣がそうだったのだけれど、映画館来てから時間の合うものに 飛び込んだらこれだったと言う人たちには物足りないかも知れない。え、ここで 終わり?が第一声でした。まあそれは長かろうが帝国の逆襲でさえ そうだったんだからという話を始めると、また長くなる。 と言ったことは置いといて以降はネタバレつきの感想。 時間かけただけのことはあるねえ。練り込み方がまた半端なくて面白い。 廃校廃校がモチベーションの核であった今までとは打って変わってまさかの桃ちゃん 公開処刑な戦う動機。 事前に特番でその情報知っていたから良かったものの、知らずに映画館で知って しまったら一人で笑い死んでいたかも知れない。(笑) この悪意の一歩手前な笑いの取り方がとても水島監督らしくて大好きだ。 さらにまさかここでマークIVが見られるとは。 それに合わせてキャラまで投入。ここで桃ちゃんをさらに削るに来る。(笑) イイ話なんだけれどねえ。(笑) 各キャラのニックネームが海賊で、当然のようにムラカミもいるあたりが好き。 しかし艦底が無法地帯ってさすがスケールのデカイ学園艦だけのことはある。 あいつら廃校騒ぎ知らなかった? そして海賊ものと言えば連続活劇の定番の一つ。すでに小ネタは出ているが 楽しませてくれそうだ。時代劇も西部劇もやってるからね。このシリーズ。 で、BC自由学園。 うわあ策士だなあ。良くあれだけの学校が知名度無しで存在していたなあ。まあ、 マリーさんの人望なのだろうけれど。 副官なあの二人はオスカルとアンドレか。 話変わって一回戦開始冒頭で聴ける各戦車の走行音が今まで以上に聴き取りやすい カット割りになっていて、これも至福だった。 あそこまできれいに分かれていればどこの映画館でも違いを楽しめそう。 逆に映画館ごとに違いを楽しめる音源にもなっている。 まあ違いを楽しむといえば砲撃音も同じくだが。話また戻ってマークIVの活躍。 今までどの戦車も出てきて速攻役に立つことも多いが、今回はまた見事。さすが 菱形戦車としか言いようがない。土壇場での参入が対策の綻びになっているあたりも 良い。 こんな感じですでに本編よりも長いこと感想を書き続けているがその作品の魅力は まだ語り足りない。 これでこそのガルパンだよなあ。 6作に何故分けたと当初思っていたが、あと6作しか無いことが今はもったいなく 感じている。 (2020/02/23追記) (2020/02/23 at チャンネルNECO録画) 今回はヘッドホンでの視聴を行なったがやはり面白いなあ。 FPSゲームライクな視点での船底シーンとか、いつもの戦車アクション以外にも 楽しませてくれるものが多い。 さらにキャラの深掘りとかまだ見ぬ戦車達ならではの活躍の場とか話の広げ方に 愛情とほんの少しの悪意が愛おしい。

『ガールズ&パンツァー 劇場版』(2015)

(2015/11/21記) 『ガールズ&パンツァー 劇場版』(2015)を鑑賞。 (2015/11/21 at 立川シネマ・ツー aスタジオ 極上爆音上映) 期待はしていたが、ここまでやってくれるとは。 さすが水島監督! まさに映画館で観るための作品。 そして観たいものを明確に的確に揃えて見せてくれる。 これぞ最高のアトラクションだったな。 そしてシネマツーでの極上爆音上映は初めてだったが、たしかにこれは単なる爆音では なく、ベストチューニングされた音響環境下での上映というのが相応しい。 センシャラウンドファイナルと言っていたのも納得だわ。 初めて観る人たちのための3分間の講座もとても判りやすくて、この作品を楽しむ ための最低限の知識が整っていた。 うん。 これらすべて最低限これだけは欲しいよねと本来望んでいいものなんだよね。 それがすべて揃っている。 さて、それではもうそろそろ内容に触れよう。 冒頭はテレビアニメ最終回の続き、全国大会で優勝した大洗女子がチハタン学園と 組んで聖グロリアーナとプラウダ組とエキシビジョンマッチを行っている所から 始まる。 珍しく大洗組有利な状況。 ここからテレビアニメを彷彿とさせ続ける戦いが始まる。 大洗という一つの街を今まで以上に生かし切った精密で巨大なアトラクションな この第一戦目のホントに濃いこと。 話の流れからもフラッグ戦がどういうものかとそれぞれのキャラクターの なんとなくな紹介。 お互いのピンチとチャンスの果てには一つの様式美。 一方でこれはテレビアニメで見たものの轍を踏めば約束された勝利のための縁起物 みたいなものだからなあ。 完全な信頼を得たみほの元にチハタン学園というお荷物を積んだある種のハンディ キャップ戦の結果でのこれはけして悲観的なものではない。 だがしかし。 何この底なしの罠は。 あがいてもあがいても先が見えない。 4倍近い数の差の上にそれ以上の基本的な性能差と経験の差。 まあそこに至るまでの一転して牧歌敵なあれこれもまた良かった。 それまでとは打って変わっての自然との触れ合い。 少しだけここに至った本来の姿を見せるみほ。そしてまほ。 まあこれがラストへの大きな伏線に繋がるとは思っても見なかったよ。 そしてもしかしたらオトナ帝国って水島成分のほうが強かったの? なあんて思いながら見ていた。 話戻して、3番目の大きなシークエンスとなる対大学選抜戦。 ここに駆けつけたメンツも含めたこの最後の戦いは、確かに冒頭が前哨戦に 過ぎなかったことを感じさせるのに十分過ぎるくらい濃かった。 ホント何という戦車への愛情。 そして数多の作品へ惜しみなく注がれる愛情。 私は一番分かりやすい1941ネタくらいしか判らなかったけれど、徐々に言葉少なに なって、まるで子供の頃のように遊ぶ西住姉妹に至る姿は、もう涙なしでは 観られなかった。 それが彼女の強さの源。 しかしテレビアニメ放映当時まさかと予想していたけれどさすがに出さなかった 反則兵器やら、形式説明前の前振りを見事に生かしたあれやら繰り返しと なりながらそれが形式美となりテンポを生み出す各チームの戦略の数々がまた涙腺を 刺激する。 プラウダチームのあれってまさに昨年の黒森峰プラウダ戦のあれな状況で、そこに 涙するのがよりによってカチューシャだなんて。 サンダースのあのろごはあきらかにサンダーバード意識していたりとか。そういえば 各校が集まるシーンのばらばら っぷりがまた良かったな。 それこそチハタン組の夜行列車に至るまで。 もしくは継続高校のあれはもういろいろと反則レベルだったり。 何だろうもう一つ一つが愛おしい。 ホント凄いな。 ここまで待った甲斐があったものです。

『隠し砦の三悪人』(1958)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  「痛快さ」に於いて、この映画を越えるものにめぐりあった事はありません。 次々と訪れる難題。それをかわしつつ敵陣の中を突破していく。その素晴らし さと牢に繋がれた姫の台詞!!  そして、「裏切り御免!!」でしょう。 KANAME(CXE04355) 以降2006/12/30追記 縁あって手に入れたこの作品のシナリオを先日読んで以来、 また観たい度が高まっていた『隠し砦の三悪人』を久々に 観ました。(2006/12/30 at ビデオ) 前述のシナリオがまた面白くて、本の時点でも十分楽しめる ものだったのですが、本編はというと。 既に何回観たのか分からなくなっているぐらいの作品だった のに冒頭の細かいところ・・・まぁ脚本に書いてある部分は 既に思い出していたけれど、(そのままの意味の)背景やら はすっかり忘れてしまっていました。 というよりは私が過去に観た他の作品に脳内汚染されて 別シチュエーションが頭の中に残っていたんだろうな。 で、そういうこともあってか、最初のうちはやや本に 負けているような気もしていたのですが、これが徐々に というか、雪姫が付いてくる二人を追い払う辺りから 俄然映像化されたもののほうが面白くなってきた。 文章で表現されたものから想像されるシーンよりも 実際に映像化されたもののほうが面白くなってきたと いう奴ですね。 もうそこからが面白い。 涙流しながら観てました。さらにかの「○○御免」の時には ほとんど嗚咽に近いような状態でした。 (このシーンは本読んだ時も感極まったのですけれどね。) モノクロを生かした美しい映像も時代劇らしからぬ部分の 多い音楽も、そして何よりも画面一杯に満ちあふれる エネルギーをしっかり堪能させていただきました。 やはり今でもMy most favourite 黒澤作品だなこれは。 (そのうち、また裏ベストのほうも観ようかな。) 以降2019/01/04追記 『隠し砦の三悪人』(1958) (2019/01/04鑑賞 at NHK-BSプレミアム録画) この作品に関してだけは何度観ても同じ感想ばかりだなあ。 好きな所、気に入っている所、ああ、ここらへんは他作品でオマージュされてるよなあ。 ここは毎回泣いてしまうとか。 そして最終的にはやはりこの作品が大好きだと言うことを再認識するのでした。

『火星のカノン』(2001)

(2002/10/20記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『火星のカノン』を観ました。(2002/10/12 at シアターイメージフォーラ ム2)  名前は前々から聞いていたものの、なかなか観る機会のなかった監督=風間 志織の作品と、オープン当初から気にはなっていたものの、足を運ぶ機会の無 かった映画館=シアターイメージフォーラム。 こういった組み合わせに対して、足を運ぶ機会が出来るというのはひとつの幸 せといえるのだろうな。 何にせよ、一生かかってでも出逢える作品に限界の無い映画というものと向き 合っていられるのは、それ以前の幸せとして存在してはいるのですが (以降、内容に触れます。) 何はともあれ、こうやって出会う機会を持つに至ったこの作品。 まさかここで、ふたつの懐かしさに出会うとは思ってもみませんでした。 その懐かしさとは。 ひとつは、自分の住む空間がスクリーン上に映し出される感覚。 劇中に出てくるスーパーは家の近所だし、小学校はやはり近所に心当たりがあ る。で、主人公が勤めるチケットショップ周辺(ここも心当たりあり)の電柱 に記載されている電話番号やら、他にもいろいろ心あたりのあるものを見てい ると、劇中の世界と自分の世界の、それぞれの世界に対して、作品を観ている 心とは別のところで、内容とはまったく関係なく地図が出来あがっていくんで すよね。そしてこれがずれていると、話と関係なく妙に違和感を感じてくる。 滅多に味わえない感覚です。 実はこれ、以前にも似たような感覚を味わっていまして、その作品とは市川準 の『東京兄妹』。こちらは実家周辺でしたが、当時はまさかこんな感覚をもう 一度味わうとは思っても見ませんでした。(まぁ、広義でいえば、『007は 二度死ぬ』でも味わう事が出来るんですけれどね。(^^)) 続いては作品の雰囲気。 ちょうど10年前後昔の一時期、中野武蔵野ホールで会社帰りに映画観る習慣 を持ってまして、それは当時の勤務場所やら仕事の忙しさのひと段落やらいろ いろな要因があった上での事だったのですが、ちょうどその時よくかかってい たのが、当時のインディーズ系の邦画で、それこそ監督や出演者が、毎回舞台 挨拶に来るような作品。 その後、縁が無くなって、その雰囲気を味わう事はついぞ無かったのですが、 そういった作品と同じ雰囲気を持つ作品に久々に出会ったような気がします。 そういえば、そういう時期の一番最後の頃に出会った作品のひとつに『裸足の ピクニック』なんかがあったなぁなんて事も、今はもう昔の話。 と、余談の部分が長くなってしまった。(^^; まぁ、そんなこんなで新しい物を通じて懐かしい物に出会うなどということわ ざの逆みたいな体験をしながら観たこの作品ですが、奇しくもこの作品そのも のが、たぶん明確に狙いとして持っている「作品が現わす世界の生々しさ」と 妙にマッチしていて、そういう意味でも面白かったです。 この男のイヤらしさは、たぶん男が(少なくとも私は)最も嫌悪するタイプの 男のイヤらしさだったし、それに引き釣られる女の描き方も、最後の最後にホ ントに見事に表現してくれました。 アレをやっただけでも、ホント凄い。 そして、それを引き立たせるために配置された男女二人のポジションも、ホン ト無駄が無くて見事。 まるで、キャラクタの性格づけと配置をした時点で、あとはすべて彼らが勝手 に動いて成り立ってしまったかのような作品でした。 kaname(CXE04355)

『風の歌が聴きたい』(1998)

(98/08/08記)  『風の歌が聴きたい』を観ました。(98/08/08 at テアトル新宿)  観た後、久々に地に足がついたように感じました。足の裏に自分の体重を 感じたり、自分の視線の高さから、自分の背の高さを感じたり。  また、街の中にそよそよと吹く風が肌に感じられたり、雑踏の中の人の声 までもが、なぜかとても優しいものに感じられたりもしました。  そして、それはとても、心地よい事でした。  そういったことを忘れていたことを、気づかされ、そういった感覚を蘇ら された事は、とてもうれしいことでした。

『ガタカ』"Gattaca"(1997)

(98/05/09記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『ガタカ』を観ました。(98/05/09 at 恵比寿ガーデンシネマ1)  ふいに、懐かしい人に出会う事が出来て、おかげで、映画の筋とはまったく 関係無いところで、涙が溢れて止らなくなってしまいました。その、懐かしい 人とはアーネスト・ボーグナイン。先日のアカデミー賞授賞式でも、そのお顔 を拝見することが出来てとても嬉しかったのですが、久々にスクリーンで観た 現在のアーネスト・ボーグナイン。  今までもこういう体験はあったけれど、涙が出てきて止らなくなったのは 初めてかもしれません。・・・あ、なんかダメだ・・・また、涙が止らなく なっている・・・これじゃ何も書けないので少々お待ちを。 (ついでに以降ネタバレありの改行)  その、アーネスト・ボーグナインは、ガタカの清掃業者のリーダー役とし て、何度か顔を覗かせてくれました。目が・・・昔の面影が有るんですよ。 ってこれ以上書くと顰蹙買いそうなので、本編の話。  この映画は、全米公開前、SONY PICTURESのホームページでたまたま見つけ て、その、他と違った匂いの映像に惹かれて、以来、今日の鑑賞まで、本当に 待ちわびていた作品でした。 この点に関しては、その最初の印象はとても正しかった。パンフレットを読む と、撮影監督が『二人のヴェロニカ』などキェシロフスキ監督と一緒に仕事を していた人。衣装デザインは『シザーハンズ』などティムバートン監督と一緒 に仕事をしてきた人。美術監督は『数に溺れて』などのグリーナウェイ監督と 仕事をしてきた人で、音楽は、同じくグリーナウェイ監督の映画でおなじみの マイケル・ナイマン。そのうえ、この映画の脚本・監督のアンドリュー・ニコ ルは、この映画の企画当初から、完全にこの映画で構成される世界をイメージ していたらしく、たぶん集めて来た人も、結果として出来た世界も、イメージ 通りのものだったのでしょう。懐かしくて寂しく不安な未来世界を、思いどお りに描いてくれていました。この、得も言われないような雰囲気はとても好き でした。  そして、その世界観以上に、キャスティングが良かった。イーサンホークは 前作『恋人までの距離<ディスタンス>』も凄く良かったけれど、この『ガタ カ』でも、運命まで決められたかのように錯覚させられる未来で、ひとり可能 性を信じる主人公を、見事に演じてましたし、それ以上に、やはりジュード・ ロウでしょう。あの、最後の気持ちは痛いぐらいに判った。「良かったな、お 前」って言ってやりたいくらいに。  ただ、残念だったのは、私は最後まであの捜査官が弟だったとは気付かなく て、おかげで途中「なんでこんな強引な展開になるんだ?」と思うようなシー ン、例えば踊ろうとしたところから逃げ出すシーン、などが結果としてそうい う印象を抱くシーンになってしまった。それさえなければ、本当にもっと気に 入っていたのに。  以上、この映画を、4:50の回の恵比寿ガーデンシネマで観て、帰りに夕 日を浴びる同ガーデンプレイスが、とても『ガタカ』してるなぁと、思ってし まったかなめでした。(今回は特にバラバラな感想だ。(^^;) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『勝手に逃げろ/人生』"Sauve qui peut /la vie"(1979)

(95/05/02記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  『勝手に逃げろ/人生』を観てきました。けっこうよかった。  実は、これ、イザベルユベールが出てるって事で、急きょ観に行ったのです よ。イザベルユベールは『愛・アマチュア』で気に入ってしまったので。  そしたら、若き日のイザベルユベールより、ナタリーバイの方が気に入って しまった。  う〜ん、これは自分の年齢のせいなのかあ。  あまり、ゴダールの作品の批評をすると突っ込みが厳しいのでやめとくけど、 スローモーション、ストップモーション、少し前の時間を思い出すようなイン サート、突然の関係ない画面のインサート、音声の主観的なずれ、突然のナレ ーションとかが多用されてるのだけれども、それが、すべて人間への主観的な 入力という感じで、全然しつこくなくて、面白かった。(意味が通じるかなあ 。)  後半の一部を除いて、ほんとに飽きさせないなあと感じました。  馬とか、フォーミュラマシンとかは少し驚いたし、突然の風景のインサート はどれもほっとする映像ばかりで、ほんとに自分にあったリズムの映画だった と思いました。  以上、自転車を漕ぐナタリーバイは、いいなあと感じたKaname(CXE04355)で した。

『カプリコン・1』"Capricorn One"(1977)

(2008/11/28 at NHK-BShi)   (2008/11/29記) NHK-BShiにて鑑賞。 やっぱり最後は目頭うるうるでした。 ピーター・ハイアムズの面目躍如なアクションシーンと我が最愛なるエリ オット・グールド、「ヨセミテ」なブルベイカー船長夫人=ブレンダ・バッ カロや行方不明になる友人、「映画ならこういうシーンは…」な編集長や、 いざとなったら頼りになるカレン・ブラック、そして来週にはNHK-BS2で 『タワーリング・インフェルノ』も控えるO.J.シンプソンなどなどと再会し つつ、やはり最後はジェリー・ゴールドスミスなんだよなぁ。 『オーメン』とこの『カプリコン1』の2つの愛のテーマはホントにもう…。

『ガメラ』(1995)

(95/03/22記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室) (注)ネタバレあります!!  3/18のオフで観た、『ガメラ』の感想です。この『ガメラ』は、この会 議室にも沢山書き込まれている事からもわかるように、大当たりでした。まる で、昔の心が戻ってきたようで、とてもよかった。  まず、「大映」製作の『ガメラ』を、「東宝」の配給で、「東映」の映画館 で観る事ができるなんて!  まあ、昔だったら考えられない事でしたが、なんだかとても嬉しい。(もち ろん、それが何を意味するのかは、わかってはいますが。)  そして、伊藤和典の脚本! まあ、私も底が浅いので詳しい内容は書きませ んが、私はこの人の書いた脚本が好きなのです。  と、ここまでは個人的思い入れですが、ここから先は観ての感想です。(ネ タバレ多少あり)  まず、予想通り、実際にこのような事が起こった場合の自衛隊、政府、マス コミなどが、起こしそうな行動が、いろいろと出てきて、それがよかった。い きなり、秘密裏に開発した兵器や、最初から全員のベクトルが一つになったよ うな行動はない。それでいて、SFしているのは、ガメラとギャオスの存在だ けだというのが、とてもよかった。  というわけで、話は結構しっかりしていると思いました。  そして、カットカットの絵がとてもきれい! 特に夜と夕焼けが多用されて いて、印象を強くしていました。夜は、福岡ドームのギャオス捕獲作戦から、 ガメラが上陸しギャオスが逃げるまでのシーン。夕焼けは、東京タワーで巣作 り(?)をするギャオスの映えるシーンが特に印象的でした。  あと、気に入った所は、  ガメラとギャオスが、各々口から火球、超音波を発するまでの貯めの時間を しっかり写した映像(とてもビデオゲーム的。)  一回しか見せなかったけれども、ガメラの回転ジェットのシーン!  ギャオスの超音波から、中山忍を守るガメラ。(他にもたまたま人がいたけ ど、きっとおまけでしょう!)  コンビナートの爆発に巻き込まれて、死ぬギャオスと死なないガメラ。  一匹目のギャオスがガメラの張り手一撃で、あっさり死ぬ所。  ビルの谷間を、羽をたたんで飛ぶギャオス。  宇宙にまで飛び出て、大気圏突入までしても、燃えないギャオスとガメラ。  その上、ほぼ一直線に地上に落ちてきたのに、地上にまったくダメージを与 えないガメラ。  セガールの娘(名前忘れた)が、まが玉を持つことで、ガメラと一心同体 (?)になってしまう設定は、なにか『マップス』を思い起こさせるし。 (注・『マップス』という漫画があるのです。)  なんか、そんなところで、お気に入りのシーンがいっぱいあって、けど、2 作目は絶対作ってほしくないし、『ゴジラ』の方は、早く有終の美を飾れるレ ベルの作品を作ってほしいなんてことも考えていました。  以上、オフの企画をしていただいた、kさんにお礼を言いながら書きおわる Kaname(CXE04355)でした。ありがとうございます。 ーーー (2021/05/06記) 『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995) (2021/05/06 at ムービープラス録画) フォアローゼズと純米酒になってる。 という細かい所はさておき、久々に観たがやはり脚本の面白さは変わらない反面、 良くも悪くも金子監督らしい自主制作っぽい拙い演出がたまに目立つのが引っかかって しまうのが残念だよなあ。 初見時は特撮パートがここまで描けるんだという所ですべて掻き消されて熱くなってた けれど、そこも時が経ってしまうと見劣りする部分、もっとこうすればと思う部分も 出てくる。 今回映画館ではなかった事もあるかもだけれど。 あと、最初に書いた演出面の不満はこれも良くも悪くもG3で噛み合う事になるの だけれど、それはまた別の話。これも久々に見たらどうなるだろう。 レストアは音響面まで含めて非常にうまくいっていると思った。 こうやってまた綺麗な形で見られるのは良いな。

『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(1999)

(99/03/10記 at Niftyserve FJMOVIE 4番会議室)  『ガメラ3』を観ました。(99/03/06 at 渋谷 渋東シネタワー2)  この日は初日、しかも、この4スクリーンある渋東シネタワーでは初日限り、 最大スクリーンの2(825席)での上映。  しかも、この作品で渋谷が破壊対象となると聞いては、この日この場所で観 に行かない訳には行きません。(^^)  試写会を観た人間の前評判のぱっとしなさに一抹の不安を感じながらも、そ れでも、一度続編を作ってしまった作品の結末を、いかようにして着けてくれ るのか? そして、それ以上に、やはり今度の作品も前2作と同様、面白いも のになっているかが一番の興味でした。 (以降ネタバレあり)  さて、そういう形で足を運んだこの作品ですが、以外や以外、初日にも関ら ず、4ワリ程度の入り。観る方にとっては、結果としてこの上なく贅沢な状況 に、一方では違和感を覚えながらも、鑑賞へと至ったのでした。  そして、すっかり気に入ってしまいました。 確かに、『ガメラ』の時の「よくやった!」もないし、『ガメラ2』のように、 「よくそこまでやった!」もない。  けれどもそこには、観たかった風景があり、観たかった結末があり、そして、 何よりも、私はこういった「最初に思いついた光景が結末としてあり、そこに 向けて、すべての物事が集約していく映画」って言うのがめちゃめちゃ好きな のです。  イリスとの戦いで、前肢まで失い、消耗しきっているガメラ。周りは一面の 火の海で。そして、そんな状況のガメラに対して、大量のギャオスが世界中か ら集結してくる。  そんな、絶望的な状態でも、決して戦う姿勢を崩そうとしないガメラ。  もう、この情景が観れたこと。この情景まで話を持ってきた事。そして、こ のシーンを、この作品の永遠の結末にしてしまった事だけでもう、大満足です。  これ以上仮に話が進んで、天使でも降りてきた日には怒りますよ。(笑)  そして、いろいろな事をやろうとして、かなりの部分が消化不良なまま終わっ ているのも、私的には、逆に「ここはきっとこうなんだろう。」なんて想像し て楽しんでる。(もちろん説明のつきようがない部分もかなりありますが、ま ぁそれは置いといて。(笑))  あと、このシリーズを通じて、一瞬だけ垣間見えた金子修介も良かった。 前田愛が、最初に祠に入るシーンの中で、本当にワンショットだけだったので すが、それでも良かった。  結果的に、樋口さんの『ガメラ』、伊藤さんの『ガメラ2』と来て、金子修 介の『ガメラ3』となったのも、このガメラシリーズを閉じる上で良かったか なと思います。  一方特殊撮影部分。 ラストの京都駅に至るまでのイリス&ガメラも、ほとんどCG丸出しの部分 もあって嬉しかったのだけれど、やはり燃えたのは渋谷のほうかな。  その中でも一番のお気に入りは、やはり渋谷センター街でしょう。 画面奥から手前に来る爆発があって、炎をバックに飛ばされる人影。(笑) 『ID4』のNYでは車が飛ばされてましたが、やはりセンター街で飛ばされ るのは人しかないよな。(笑)  そして、過去に私が観た巨大生物映画の中で、この渋谷のシーンほど、スケー ル感のあるものは、なかったかもしれない。見せる部分と見せない部分のバラ ンスがとても良くて。  これも、かなりのお気に入りな部分です。  最後に、どうせなら渋東シネタワースペシャルエディションとか言って、渋 谷のシーンだけ、画面上の音響効果と関係なく、実際の方向から振動とかが聞 こえて来たりするのがあったりすると、また面白かったのだが、さすがにそれ はないな。(笑) 〜〜〜〜〜〜 99/03/10(水) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (2009/08/23追記) 久々に『ガメラ3 邪神(イリス)覚醒』を観ました。(2009/08/23 at BS11) 放映の冒頭で、「作品中に不適切な表現が云々」のテロップが入ったが、やはりこれは 前田愛のあんなシーンやこんなシーンに対してなのだろうな。(笑) 何度観ても渋谷や空中戦、京都駅などのシーンはいいよなぁ。(さすがに今観るとな ところは否めない部分はあるけれど) そして自衛隊や報道パートのクオリティは1作目から本当に手が込んでて観ていて 楽しい。 今まで気づいていなかったけれど、キャンプで男を森の中へ誘ってミイラ化してた のって仲間由紀恵だったのね。 しかしまぁホント、前田愛以外に対しては適当な扱いが多いよなぁ。 まるで年齢制限でもあるみたいだ。(笑) それでも、この作品はあのラストシーンがあるからこそ愛せる。 炎上する京都市内をバックに世界中から飛来するギャオス相手に片手を失いながら 挑もうとするガメラ。 「私はガメラを許さない」からそこに至る。これこそがこの作品の神髄だよな。 ーーー (2021/05/08記) 『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(1999) (2021/05/08 at ムービープラス録画) フェチ全開だよなあ。隠す気もないくらい。 故にブレなく一番金子監督作品らしい作品となっているのだけれど。 あと、この作品の好きな所といえば言って見れば全滅エンドな所。 それもここでぶった斬るからねえ。この潔さがなんともいえなかったです。

『カラフル』(2000)

(2000/10/29記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『カラフル』を観ました。(2000/10/27 at シネリーブル池袋2) この映画、最近にしては珍しく「前情報まったくなし」の状態で望めた作品だっ たので、とても楽しみでした。しいていうなら「監督:中原俊」という情報の み。ただ、昔の作品は観ているものの、最近の作品には全然触れていなかった ので、「前情報」はないようなもの。  (以降、内容に触れます。)  さて、そんな形で出会ったこの作品は、何か久々に観た、とてもすがすがし い作品でした。  中学生を主人公にした、児童文学の映画化を、変に凝ることもなく等身大で さらっと、そして、毒のある部分もすごく自然体にさらっと描いてしまい、逆 に印象づけていく部分はホント『桜の園』の中原俊であり、『12人の優しい 日本人』の中原俊でもあるんだなぁということを、改めて思い出させてくれま した。  そんな中でも面白かったのが、やはり「看護婦」のくだりかな。 ちゃんと前振りまでしてやっているあたり、とても良いです。(^^)  各キャラクタのキャスティングも割と良かったかな。 特に唱子と進は、何か絵に描いたようなほどの雰囲気でした。  あと、大林宜彦の『ふたり』における「お姉ちゃん」みたいな部分をこ の作品では「天使」という形で持ってきているのも、途中で判ってはしまうも のの、判ってしまうことで興味を削がれる訳でもなく、 「ああ、やっぱりそうだったんだ。けど、それでも面白かったよね。」 という感触を持たせるあたり、やはりこの人は、この手の作品に心底向いてい るんだなぁと思わされました。 『カラフル』というタイトル通りの爽やかな色づかいなこの作品は、中原俊と いう監督によって作られたことが、ホント幸せな事だったよなぁ、と思わせる 作品でした。 2000/10/29(日) kaname(CXE04355)

『カランとアルジュン』"Karan Arujun"(1995)

(99/12/11記 at Niftyserve FMOVIE 2番会議室)  『カランとアルジュン』を観ました。(99/12/18 at キネカ大森2)  この作品、前から強力に薦めてくれる人が何人かいて、一方で、 たぶん一般上映は不可能なんじゃないかとも聞かされていたのです よね。(何故かはここではあえて書きません。(^^))  それが、何回かの局地的な上映をやった後に、どうやら正式な 公開が決まったらしく、今回はこのキネカ大森での一日限りのプ レミア上映。 と言うわけで観に行ってきました。それにしてもインド映画は 久しぶりだなぁ。 (以降、内容に触れます。)  前半、物語はチープさがやや目立つ様相で始まります。『ムトゥ 踊るマハラジャ』などと比べると、これでもかと言わんばかりサー ビス度も低いし、割と楽曲も控えめ。  そんな中で目をひいたシーンは、過去の記憶のインサート。 以前デビッドフィンチャーが『ゲーム』で似たような事をしていた けれど、こちらのほうがより効果的で印象的でした。  あとは、車の前に立つ母親と車に乗っている人たちとの対比で、 突如入る細かいカットわり。  油断していると、こういう場面が突如としてはいるので、なかなか 気が抜けないなぁ。しかしながらやや地味かな。  なんて思っているうちに前半が終わり途中休憩。熱狂こそして いないものの、この世界を観る事に、楽しみを感じ始めていた自分 にも気づく。しかし、この程度止まり?  なんて思っていたら、とんでもない! 徐々に居心地の良さが 加速していく後半。そして、機が熟した時。  最初からそれまでに至るすべてが集約する怒濤のクライマックス には、もう熱狂するしかないでしょう。突っ込めるところは、それ はいくらでもあるけれど、よくぞここまでノンストップで! とば かりに。そして今までの地味さ加減を吹き払うかのように。 ほどよい笑いと、爽快さのエッセンスの詰まったこのクライマック スシーンは、ホント、観る事が出来てよかったなぁとつくづく思っ てしまいました。 kaname(CXE04355)

『カルテット!人生のオペラハウス』"Quartet"(2012)

(2013/11/03記) 『カルテット!人生のオペラハウス』を観ました。 (2013/11/2 at 飯田橋ギンレイホール) 引退した音楽家たちが集うホーム、ビーチャムハウス。 ホーム存続のために、ヴェルディ生誕記念日のガラコンサートの練習に力が入る。 そんな中、新たにホームに入居してきたのは思いもしなかったかつてのスターであり…。 出だしの雰囲気からてっきりこのガラに向けての話がメインになるかと思っていたら、 ジーンが入居してから急にかつてヴェルディのリゴレットを歌った4人の話がメインに なってしまい、あれあれという感じになってしまった。 それまでにいろいろあった伏線っぽいものはいったい何だったんだ? いや最初から4人メインを考えていたならよかったのだけれど。 これはやはり役者としてかなりのキャリアを持っているという状態のダスティンホフマンには 初監督といえど周りが何も言えなかった…というよりそもそもエグゼクティブ プロデューサーもホフマンだからこれは誰も口出せないか。 まあ結果として人間ドラマとしての面白さはあるので良いと言えば良いのだが、どうも最近 こういう緩い作品に甘くなくなってるからなあ〉自分 などと言いつつ一番ひっくり返ったのはエンドロールで初めて判った脇役陣の豪華さだったの だが。 見る人が見れば至福の時間だったのだろうな。 最後に、見ている最中に「これは壊れたおもちゃが余生を送る場所が…」に置き換えた方が 話がすっきりするなあなんて思っていました。 けど途中で話が変わってしまったので…。

『華麗なる一族』(1974)

(2007/01/22記) 『華麗なる一族』を観ました。(2007/01/21 at スカイパーフェクTV! 日本映画専門 チャンネル) まぁはっきりいって観る前はテレビドラマも映画と同時期に放映されていたこともあって あまり期待してはいませんでした。 しかし、始まってからはまぁ最後まで一気に観せられてしまった。3時間半以上もあり、 途中インターミッションまで入る作品なのに、この作品の黒さに魅せられてしまいました。 そしてその黒さを際立たせてくれたのが、冒頭からこれでもかとばかりに出てくる 登場人物たちのキャラクタを表すシュチュエーションと小道具、そして役者たちの演技など 映画的なものの数々。 言葉ではなく、そういうものでこの物語を語りきってくれた事がこの作品の魅力だなと 強く思いました。 最近ここまでのものはなかなか観れないよなぁ。  ホントは(放映時間が深夜12時過ぎから4時までだったので)全部観る気はなかった のに気がついたら4時でした。 …で、その日の昼に、今テレビでやっている「華麗なる一族」の第一話の再放送が やっていたので観たのですが…、ううむ。 映画もオリジナル原作ではなく小説原作であるから映画と比べちゃまずいのかも しれませんが(そもそも原作読んでいないし)、主人公変えてプロジェクトXもどきと 化している上に…言い出すときりがないのでやめよう。(笑)

『華麗なる賭け』"The Thomas Crown Affair"(1968)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  ミシェルルグランの曲に合わせて飛ぶグライダーとか、マックイーンと フェイダナウェイのぐるぐるまわるキスシーン。そしてちょっともの悲しい ラスト。  話の主軸の銀行強盗とは裏腹のこんなシーンが、やはりこういうものを普段 やらないスティーブマックイーンがやると、こんなにも素敵なものになるのか と感動していました。 KANAME(CXE04355) 以降2018/08/12追記 『華麗なる賭け』"The Thomas Crown Affair"(1968)を鑑賞。 (2018/08/12 at シネフィルWOWOW録画) OPワンカット目から心を奪われる。 2ndADに何気なくウォルター・ヒルの名が。 この作品、半分くらいはひたすら音楽と映像のモンタージュを楽しむもの。 そんな中でビッキーがトミーを追い詰めていく様を楽しむ。 彼女が目的の為なら手段を選ばないことを観客に見せた上でチェスシーンへと突入する。 そこに言葉はなくモンタージュ。 彼の弱みを見つけ追い詰めていく。 はたして彼の運命は。

『完全なる飼育』(1999)

(99/03/14記 at Niftyserve FJMOVIE 4番会議室)  『完全なる飼育』を観ました。(99/03/10 at テアトル新宿)  TVの世界で、和泉雅子を見いだしたりと、その世界での凄さばかり が聞こえてきた、和田勉。  しかしながらその映画での初監督作品、『ハリマオ』での失敗(と言っ ていいのか正確にはわからない。残念ながら観ていないので。)以降、 映画に関しては話を聞かなくなっていた和田監督が、今度は本来自分の 得意としている分野で撮ると聞いて、どうなるのかが凄く興味のあると ころでした。 (以降、ネタバレあり)  さて、本編。  竹中直人に関しては、たぶんこれが竹中直人に求められていたことな のだろうなと思われることを、見事にこなしていた、というのが、正直 なところ。こういう役柄って、今後の竹中直人にとっては壁になるのだ ろうなぁ。それとも気にせず自分の道を進んでいくか?  それよりも、ここで観るべきはやはり小島聖なのだろうな。和田勉が 撮った小島聖。抵抗、あきらめから、最後に至るまでの描写、変化が、 多分に男の願望的なところなのはさておき、その、それぞれの変化の部 分はとても良いと思う。なかでも駅のシーン。 これは、小島聖の演技、というよりは、その場の空気を本当に取り込ん でいるなと思えるシーンで、あの場に漂う、暑いけれど心地よい空気ま で感じることができたような気がする。  そして、この映画の本質的な部分については、あえて書かないでおこう。 〜〜〜〜〜〜 99/03/14(日) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『がんばっていきまっしょい』(1998)

(98/09/29記 at Niftyserve FJMOVIE 4番会議室)  目の高さに近いところにある水面を滑らかに疾走していく様って言うのは、私 が子供のころから見ている夢の原風景で、故にか、そういう様を観ると、安らぎ と昂揚を同時に覚えるような、そんな感覚に陥ります。  ましてや、そこに流れるような音楽が加わると、これはもう言うことはないで しょう。  水面を走るボートを終始捕らえる事によって起きる、水面を疾走するような感 覚と、主題歌『オギヨディオラ』を始めとする、リーチェの音楽に包まれたこの 『がんばっていきまっしょい』は、それだけで、既に居心地の良い映画でした。 というわけで、『がんばっていきまっしょい』を観ました。(98/09/27 at 徳間 ホールでの試写会) (以降、内容に少し触れます。)  私が好きなのは、最初の新人の選手権までは、個性の見えなかった5人の女の 子たちが、負けた悔しさを味わって、勝つ意思を見せはじめてから、徐々に個性 の見えてくるところ。  勝つことに対して、声をあげ、歯を食いしばり、涙を見せながら、意思表示を している彼女たちが、とても良かった。自分の感情を出せる、彼女たちが、とて も良かった。  あと、物憂いコーチとして中島朋子が出てきて、色を添えたのが嬉しかったな。 こういう役って、中島朋子はものすごく合ってると思う。 〜〜〜〜〜 98/09/28(月) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『がんばっていきまっしょい』(その2)(1998)

(98/10/18記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  どうやらこちら(FYOUGA)でも、この映画の話が出ているようなので、2回目の 鑑賞の話はこちらに書いてみようかな?(1回目の鑑賞は、FJMOVIEのMES 4の #03220に書いてあります。)というわけで、『がんばっていきまっしょい』を観 ました。(98/10/10 at 新宿東映パラス2)  試写会で観て、良かったので、今度は2回目の鑑賞。初日の三回めでしたが、 人の入りは8割ほどとなかなかの入りでした。  今度はしっかりと鑑賞前にロビーでサントラもゲット。鑑賞後に心残しのない ように、映画に望みました。  そして、鑑賞して間もない状態での2回めにもかかわらず、新鮮な心地よさで 観ることができました。  淀むことの無い心地よさ、それは画面のほとんどを覆いつくす水面のきらめき のようで。  そうそう、前回試写会の際に舞台挨拶に立っていた原作者の方が、違和感無く 保健室の先生としてスクリーンの中に収まっていました。  そういったところまで、淀むことなく映画のゴールへと向かっていったのでし た。  それにしても、中嶋朋子は良い。(^^) 〜〜〜〜〜 98/10/17(土) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜