『異人たち』"All of us strangers"(2023)

(2024/04/21記) (2024/04/21 TOHOシネマズ池袋 スクリーン8) 元々は大林宣彦の映画化でその存在を知ったものの別の作品経由で山田太一の原作と 接する事となり、むしろそのシンプルで乾いた部分を好きになっていた 「異人たちとの夏」が映画化されたと聞いた時から楽しみにしていたこの作品。 (まわりくどい) 厳密に言えばそのあらすじを聞いてさらに期待値は上がった。いったい どういうものになるのかホント楽しみになった。 と、いう訳で、初日とはいかなかったが初週に観に行きました。 原作とは国も性別もという所は気になっていたものの、さらには時代も違っていたのは すっかり失念していた。 そうか、今を起点にすればあの時代に関わる事になるのね。 そして、今とその時代という事を考えれば、この改変はむしろ自然だよな。 改変と書いたが、たしかエンドクレジットではBased on Story?だったような気もした。 一方で、原作のここはそのまま嵌め込んできたというシーンも多かった。 ビルを見上げるとというのはおおと思った程度だったが、まさか川の字を見れるとはね。 改変の話で言えばキャッチボールをそう落とすかとか今半が地元のモールの グリルとかまあ色々。 お盆はハロウィン?とも思ったがそこらへんは微妙な時期かな。いずれにせよ その時点で夏は無くなったのか。 ある意味一番大きな改変は状況説明員でもある第三者目線がなくなった事かな。 これは良い改変だったと思う。 原作の一つは冒頭にも書いたようにシンプルで状況説明するようなものが極力 省かれている点。 そんな中でも唯一の拠り所がなくなった事で解釈の自由度はさらに上がった。 このシンプルさって脚本家だからこその魅力だとも思っている。演出次第で自由に なるところ。 そういう意味ではこういう形での映画化ってまさに本望だったんじゃないかなと 思っている。ここまでくると妄想だけれど。 と、ここまで書いてまだ肝心な所を書いていなかった。 日本人的な死生観(で正しいのか?)をどう落とし込むのかだったが、結果として 彼も救われることになるとはね。 ここには一番やられました。 そして、同じ事も人によってその人や時代背景そのほかによってここまで受け取り方が 違うんだなと再確認させられました。

『犬王』(2021)

(2024/01/29記) (2024/01/29 Amazon prime) 時期的には「東京喰種 Re:」の方が先ではあったけれど、女王蜂、アヴちゃんの 「どろろ」OPの「火炎」がインパクトが強い。 「平家物語」はサイエンスSARUの山田監督版が記憶に新しい。 湯浅監督といえば、私の中では「ピンポン THE ANIMATION」でありあの何もかもが 溶け合うようなクライマックスや主人公2人の関係性などが強いし、本作のキャラ デザインはその原作者である松本大洋。 ここに挙げたものすべてが奔流となって物語を形作っていた。これを気に 入らない訳が無い。 対比としての藤若の所作の綺麗さはその他の対比と相極まって目を引く。

『インセプション』"Inception"(2010)

(2023/08/26記) (2023/08/26 amazon prime) エンドロールの終わりにあの曲はやはりニヤリとさせてくれる。 三層目入って早々に、ん?これはEmpire Strikes Backかと思いきや007だよなあこの スキーアクションとその音の付け方はとなる辺りが好み。 序盤からのコンゲームものの仲間集めの軽快さとか、かと思えば常に追ってくるモルの ファムファタルっぽさとかそれだけでも十分なのにそれがノーランの映像感世界観の中で 起こる心地よさ。 第一層時点ではそんなもんだよなあと思っていた体感時間の違いが深層に潜るに 連れてのというギミックが、コブとモルの生きていた時間の話だけではなくタイム リミット4がけのクロスカッティングというある意味人間が体験できる永遠と刹那の 両方で生きている辺りは本当に見事というしか無い。 夢とは言え世界に階層があるのはアンバー好きとしても通じるものを感じた。 そういえばこの前観たブレットトレインは新幹線にブラピと真田広之だったがこちらの 冒頭はレオと渡辺謙だったなというどうでも良い話。 キリアンマーフィー当て書きなオッペンハイマーというノーランのインタビューを 聞いてついこの作品を見たくなったのでした。 ピートポスルウェイトを久々に見た。

『E.T.<20周年アニバーサリー特別版>』"E.T. The Extra-Terrestrial"(2001)

(2002/05/26記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『E.T.<20周年アニバーサリー特別版> 』を観ました。 (2002/05/22 at ユナイテッドシネマズ入間 スクリーン5)  これだけの有名な作品ではあるものの、実は初見。何故か観る機 会に恵まれない作品でした。 公開当時は、ちょうどあまり映画を観ていない時期だったのが発端 で、その後のリバイバル時も食指が注がず、かといってビデオなど で観てしまうのももったいないかなと。スピルバーグ監督そのもの をあまり好きではないというのも、ひとつの要素としてありました。 それが、ようやくこの記念バージョンという形で、しかも公開終了 直前となって観ることができたのでした。 (以降、内容に触れます。)  何というのが一番ふさわしいのでしょうか? 「ここまで(良い意味で)映画として成りたっている作品とは思っ てもみなかった。」 「(今までの情報から)エンターテイメント性、もしくはメッセー ジ性の強い作品なのでは、という思いこみがあったけれど、実は、 ものすごく静かで、パーソナルな作品であった事にびっくりした。」 「こんな映画を撮ってしまったら、もう恐くて映画撮れなくなって も、おかしくない。本人の才能に限らず、すべての要素がうまく 解け合ってひとつの作品になっている。」 「たしかに、このドリューバリモアは可愛いしこの映画でも特別な 存在として光っている。」 うーーん、こうやって書いてみると、その後のスピルバーグ監督の 作品に対してどういう印象を持っているかよく分かるなぁ。(^^; しかしながら、『ジョーズ』と『1941』は大好きなものの、他 の作品に対しては個人的に今ひとつ(だけれども面白いと思ったも のはいくつもある)という感を拭えなかったスピルバーグ監督だっ たのですが、この作品を観て、何かその理由が判ったような気がし ます。 これはもうこの作品の呪縛から逃れる事は出来ないだろうなという こと。そしてたぶん、実際にそうなってしまったのではないかとい うこと。 それくらいに素晴らしかったし、それ故に以降の作品に関しては抵 抗が出てしまう。  何がそこまで、といわれると、明確なものを出すのは難しいので すが、あえて言うとすれば、「全てが揃っている」というのかな。  前述のドリューバリモアを始めとする「芸達者な子供たち」でも 「たどたどしい子供らしさ」でもない、「自然な子供たち」のキャ スティングと、魅力の引き出し方とか。  『未知との遭遇』のトリュフォーのポジションをより進化させた ピーターコヨーテの存在感とか。  素材が素材な故に、大仰になりそうなところを、実は対象がE.T. ではなく、例えば「異国の子供」であったり、それこそ「隣町の子 供」とか、「近所に住んでいる謎の老人」みたいな形に話を置き換 えても全然不自然にならないほどの、丁寧でウェルメイドな話の作 り。  それでいて、しっかりと、たとえばE.T.とのシンクロを表現する シーンで使われた、あのドラマチックなキスシーンを入れたりして いるのがなんとも言えなかったりするんですよね。  あのシーンが一番好きだなぁ。というよりは、もしかしたらああ いう部分を、私がもっとも「映画らしい」と受け止めているのかも しれない。  黒澤明に、キューブリックに、そしてトリュフォーに暖かく受け 入れられたこの小さな映画に、今ようやくこういう形で出会うこと ができて、本当に良かったと思いました。 kaname(CXE04355)

『生きるべきか死ぬべきか』"To Be or Not To Be"(1942)

http://productionnoteofkanames.blogspot.com/2010/09/to-be-or-not-to-be1942.html (2010/09/06記) 『生きるべきか死ぬべきか』"To Be or Not To Be"を観ました。(2010/09/04 at シネマヴェーラ渋谷) 今年観た映画としては2本目となる訳だが、ある意味とてもタイムリーな作品だったと言えよう。 とは言え、何故かという話を始めると下手をすると本編より長くなるので、ここでは省略する。いずれ機会があれば 思う存分書こうと思う。たぶん…。 さて、本編。 初見で情報を持っていても十分に楽しめる作品だが、初見の楽しみにも満ちた作品である。 故に以降ネタバレに向けて改行。 まず最初に提示された場面は確かにこれからいろいろな状況を想像させるものであったが、そこから連なるいくつかの 場面は単純に繋がるものではなく、これからどのように繋がっていくかが読めない。 これからどこへ向かおうとしているか判らない。 それがある出来事から話は一気に話は転がり出す。 転がりだした話はあっちに繋がりこっちに繋がり、しかもどこに向かっていくかも判らない。 まさに気の抜けないスクリューボールコメディな状態。 そして、それがまさに絶妙なカットの連続で物語を形作っていく。 例えばビリーワイルダーだったらもう少しここを付け加えるだろうなあとか、メルブルックスなら…とか、いろ いろ思いつきはするけれど、どれもプラスアルファであって、それはきっとルビッチにとっては不要のものだった んだろうなあ。 そして、それ故にであろうか、今観ても古さをまったく感じないんだよな。 そりゃフィルムの傷み具合はけっこうなことになっているが、変な流行り廃りに流される事のない立ち位置に居る。 余計な情報が無いのだろうな。 う〜む。 これ以上何を語れば…というかこれ以上語るには最初から最後までを逐一語らなければならないぞ。 強いて挙げるとすれば、名台詞の途中で席を立つような奴がいたらまず疑え、と言ったところであろうか。 (何を?)

『119』(1994)

(94/11/??記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  まず、内容に関しては・・・もう皆さんの言うとおりです。竹中直人の映画 に対する(特に小津映画に対する)愛情がにじみでているような作品でしたね 。あの存在感のある赤井英和がめずらしく標準語を話しているせいか抑えられ ているのがよかったし、今回は自分自身で笑いを取ろうとしない竹中直人とい い(そのかわり他の人たちが絶妙な間で笑いを取っていましたが、・・・特に 岩場のシーンが)、そしてやや悲しげに微笑む鈴木京香への愛情あふれるアッ プ。とても良かったです。  さらに切り取られた絵がとても暖かくきれいでした。津田家、鴨下家の中で はいうまでもなく小津ショット。船の上では若大将調で。そして海、海と自転 車、桜並木・・・、数え上げればきりのない暖かなシーン。  本当に信頼できるスタッフと楽しみながらとった映画だと思いました。  ここから先は少しネタバレにあたるかもしれません。  竹中直人の映画に対する愛情は別の所にも出ていましたね。例えばパンフレ ットの後半は町案内だったり(これは監督は関係ないのかな)、出演者の一人 がそこだけカメラを回したかのようなシークエンス(彼はこのシーンには出て きません)とか、相変わらず 役者ではない方が何人か顔を出していたり・・・ 。 本当にこの映画は気に入ってしまいました。 注)「出演者のひとりがそこだけカメラを回したかのようなシークエンス」とは 、とある生物が出てくるところです。そして、私がここでカメラを回しているか と思ったのは塚本慎也(字を忘れた。)あの這いまわるような生物の目から見た シーンは、お得意ですからね。

『いつも二人で』"Two for the Road"(1967)

(95/09/07記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  この時代の映画って大好きです。ブレイクエドワーズにヘンリー マンシーニのコンビも好きだし、オードリーヘプバーンのあの表情 がとっても好き!!  時代と場所を変え人生を旅行に変えて綴っていくあの手法も私は とっても大好きです。                               KANAME(CXE04355)

『犬神家の一族』(1976)

(2007/02/17記) 『犬神家の一族』を観ました。 (2007/02/17 at スカイパーフェクTV! 日本映画専門チャンネル) 久々に観ました。少なくとも20年以上ぶりとホント久々だったので すっかり忘れているわ。 (以降ネタばれに繋がる内容になりますので一応注意) やはり奇麗だ。というのが一番の感想。 大野雄二の音楽に酔い、市川崑演出の映像美に酔い、そして 高峰三枝子に酔わせていただきました。 でもオープニングの「愛のバラード」はぶつ切りだったのね。 ちょっともったいなかった。一方ロールの文字は相変わらず 良い。 そして市川崑の世界は気持ちよいわ。 映像にしても展開にしても数々の伏線(予兆)の張り方に しても。 特に伏線の張り方は二回目以降のほうがその細やかさを堪能 させてもらえる。(まぁ原作による部分もあるのだろうけれ ど。) 川口晶の「げっ」(だったかな)もいいなぁ。 島田陽子の美しさも素晴らしい。 そして何よりも、金田一が犯人の名を告げた時の高峰三枝子の 口元の素晴らしいこと! これだけでもこの作品を観る甲斐があるというものです。 そしてそれ以降は高峰三枝子に釘付け。 いやぁ、本当に良かったです。

『犬神家の一族』(2006)

(2008/02/19記) 本日市川崑追悼テレビでかかっていた『犬神家の一族』(2006)を 観ました。 (2008/02/18 at TBS) しかし、何故よりによって2006なのよ。(まぁ長編としては遺作 になってしまうのだろうけれど。) などと思いつつ… ううむ。 話には聞いていたけれど、予想以上だったなぁ。 下手に市川崑オリジナルとほぼ同じようなカットが続くだけに役者の 格落ちや頭の中に焼き付いているものとの差が気になってしょうがな かった。 そのうえ、あの神のようなカット割りがだらだらしたものになってい たり画面の鮮明さがおどろおどろしさを消し去ってしまっていたりで ますますううむ。 唯一、オリジナルと違っていたエンディングの静かな部分が市川崑の 去り際の挨拶のような感じに見えて物悲しく感じたのでした。

『今、そこにある危機』"Clear and Present Danger"(1994)

(94/12/17記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  こんにちは、KANAMEです。今日は『今、そこにある危機』を観てきました。結 構面白かったですよ。  まず、この映画はあまり期待していませんでした。あの予告編はひどい。あの 予告編を信じてはいけない。(友人がこの映画の予告編のモニターをしたらしい のですが、もっとひどかったようです。)  ハリソンフォードが『逃亡者』で、もうアクションシーンが無理である事を見 せてしまっていたので、アクションシーンもあまり期待していませんでした。ハ ンソロ、インディが好きな僕にとって、あれは悲しかった。この映画も彼のアク ションシーンが多ければ、きっと同じ感想で終わっていたでしょう。  前半の、車が襲われるシーンはそういう意味で面白くはありませんでした。特 に無意味なスローモーションのせいで、彼の「老い」を余計感じさせられてしま いました。  しかし、後半はウィレムデフォーがしめてくれたので、とてもよくなりました。 彼は、『時の翼にのって』の時といい、話をとても引締めてくれる。  そして本編は・・・、さすがフィリップノイス監督!あの『ブラインドフュー リー』から、『パトリオットゲーム』『硝子の塔』とだんだんレベルアップして きた彼がまたレベルアップしています。『パトリオット・・』より、よりサスペ ンスフルになったのは、この人のおかげではと思っています。あと、同じく『パ トリオット・・』といい、この映画といい、「船の浮かんだ海」のシーンはこの 監督はとてもうまいなあと感じました。好きなんでしょうね。  あとは、ライアンとリター(ハリソンフォードとヘンリーツァーニー)の電話 も交えたRT合戦(に私は見えた)は思わず笑ってしまった。(緊迫したシーン なのですが。) それにしても、電話とコンピュータはますます映画の中に進出 してきたな。『硝子の塔』もそういう映画だった。だから好き。そういう意味で、 NIFの中にいる皆さんには楽しみがひとつ増えたのではないのでしょうか。  というわけで、この映画はとても引き締まった面白い映画になっていたと思い ます。  以上、丸の内ピカデリー1の場内アナウンスが鼻声だったため、「風邪でもひ いたのかな、お大事に」と思ってしまったKANAME(CXE04355)でした。

『インタビューウィズバンパイア』"Interview with the Vampire"(1994)

(94/12/31記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  こんにちは、KANAMEです。『インタビューウィズバンパイア』を観ました。実は あまり観る気がなかった作品なのですが(ニールジョーダンとハリウッドとの組み 合わせがどうかなと思ったので)・・・、さすがニールジョーダン!といったとこ ろでしょうか。面白かった!  ニールジョーダンには、ネタバレ厳禁(というようなことがパンフに書いてあっ た)の『クライングゲーム』で私を(わかっていても)「おう!」といわせ、最後 にはある種納得させられてしまったので、今度もそれができるかなと思っていたの ですが、心配無用、相変わらずのえろちしずむ(片仮名ではない所がミソ)あふれ る映像と、観客の期待を裏切らない驚きを見せてくれたので、とても嬉しかった。  一方、キャストの方だが、ブラッドピット(の役)が、最初の方は納得できなか ったのだが、これが実はトムクルーズと後半の彼自身を引き立たせるためだったと は。おかげで結果的に二人とも食い合うことなくいきいきしてた。(ブラッドピッ トは『カリフォルニア』でかわいそうなぐらいジュリエットルイスに食われてたも んね。と私は思った。)  また、トムクルーズはよく原作者のクレイムに耐えてまでこの役を自分の物にし てやり遂げたと思う。ミスキャストだなんてとんでもないと原作者にいわしめたの も納得できる。(注・原作は読んでない。)  そして最後は、クリスチャンWトゥルーロマンスWスレイターもちょっとばかし クールだったりする。  うーん、なんかこの会議室で書き込みが多いのが納得できてしまった。

『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 "Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull"(2008)

(2008/09/01 at 機内上映)   (2008/09/14記) 日本語字幕での鑑賞。 機内上映用に再編集されたものとのクレジットが冒頭にあり (だったと思う。) まぁ小さい画面で見るものじゃないな。 ネタをある程度耳にした上でだったのも残念。 冒頭のアレとアレには思わずニヤリものでした。 マリオンは何か戻ってきたという感じで良かったなぁ。

『インファナル・アフェア』"無間道"(2002)

(2008/01/29記) 『インファナルアフェア』を観ました。 (2008/01/28 at NHK-BS2) 噂には聞いていたけれど(という言い方は変か)確かにこれは面白い。 「シンプルで的確なものが積み重ねられたもの」はこんなにも気持ちの 良いものなのね。それはキャストにしてもストーリーにしても、それこそ スタッフにしても。 オープニングロールの中でクリストファー・ドイルが(今回は視覚効果 のみ)で出てきて、どういうアプローチになるのかなと思ったら、真に 正しい使い方をしていたし、まぁエリック・ツァンは当然としてすべての ピースがまさにはまっていたという感じ。 いや、たしかにオープニングロールでいったいどこに進んで行くんだろう という感じはあったものの、それさえも後から考えるとホント見事。 これはホント「香港映画」でしか出来ない事だよなぁ。

『陰謀のセオリー』"Conspiracy Theory"(1997)

(97/11/08記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『陰謀のセオリー』を観ました。(97/11/08 at 池袋シネマサン シャイン1)  この映画を観に行ったのは、予告編で「君の瞳に恋してる」が流 れたから。この曲を流されたら、観に行かないわけにはいかないじゃ ないか! ってくらい思い入れのある曲なので、「卑怯な宣伝だー。」 と思いつつもやはり観に行ってしまいました。 (以降、ネタバレあり)  まず、その気になっていた、「君の瞳に恋してる」ですけれど、使 い方としては、思ったより効果的には使われていなかったのが残念で した。  観ている最中、ずっと「なんでジェリーはジョナス達に殺されずに 生きているのか?」というのが、「知っていることを全て話せ!」の くだり以外に何もなくて、それがずっと最後まで不満でした。ジェリ ー演じるメルギブスンも、アリス演じるジュリアロバーツも良いだけ に、そこだけはすっきりさせて欲しかったのですが。  と、とりあえずクライマックスも過ぎて、もやもやーっとしていた 所に、あの粋なエンディング。「サノバビッチ」とつぶやくアリスが 良かった。そして、車の中の「君の瞳に恋してる」で、最後、ああ言 う形での引きでしょう!  それだけで全て帳消し! お気に入りの映画になってしまいました。  それにしても、『レディホーク』をあんな所で使うなんて。(笑) ドナー監督もお茶目な人だ。(笑) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜