『プロメテウス』"Prometheus"(2012)

(2023/09/02記) (2023/09/02 amazon prime) 匂わせは所々にあったが、ウェイランドコーポレーションの名前が出てくる タイミングであのテーマが初めて流れるのは良い。 そして、奴が出てくるのは。 紛う事なき『エイリアン』の世界だったな。 デビッドの世界に対する手触りとか、雇われ達の雰囲気とか、残るのが彼女達で あったりとか。と思っていたら彼女だけになった。 まあみた感じだとテラフォーミング目的で人類作って、完了したから排除と いうようにも見えるけど、その前に自滅したのか。 まあ母星には影響なさそう。という意味での彼女の目的地は正しいし、 デビッドは面白いなと思ったのかな。 まあ彼は母星目指す振りして地球に戻ろうとしてる可能性もあるが。 デビッドが彼に何を言ったのか。 何かしらこの状況を作り出す事を言ったのだろうな。というのを裏付ける彼の 親殺し感。 あの医療機器使ったアレからの脱出劇パートの触感はまさにエイリアン だったな。 カメラとの距離感といい生々しさといいある意味一番の見所でした。

『ブレット・トレイン』"Bullet Train"(2022)

(2023/08/19記) (2023/08/19 amazon prime) 終わってみれば面白かった。 いや、この言い方はちょっと違うか。 素直に面白かった。 頭出しでもしかしたらこれ観たのは失敗したかなと思った。 分かりづらい登場人物と出来事、人間関係。 過剰な装飾に包まれたキャラクターの紹介にちょっと辟易しかけた。 それが整理されていく。 ウザいと思ったていた、分かりづらいと思っていたものの全貌と必然性が明らかに なっていく心地良さ。 この状況で一人だけ異質な主人公を演じるブラット・ピットという存在がこの物語の 指標となって、それが巡り巡ってお前、ホントに巻き込まれ型主人公だったのかと判った 時からの爽快感よ。 幸運不運、運命の意味。 最後に少しだけ気づいて終わるのも心地良い。終始見せてきた彼の運の良さはもう蛇に 噛まれるくだりでは確定したものな。 対する幸運な少女は彼に関わったことが不運だった。 最後に出てきたのがサンドラ・ブロックで、だったら主人公キアヌはと一瞬だけ 考えたが、この役はどう見てもブラット・ピットだったな。 "I have a bad feeling about this."という台詞を久々に聴いたよ。

『プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第3章』(2023)

(2023/04/07記) (2023/04/07 at TOHOシネマズ上野 Screen7) 今回はいつにも増して前情報ないなあと思っていたが、ある意味仕込み回に徹した 回ではあったな。 しかしこうなると、もう話を終わらせない訳にはいかないような。まだまだ 引っ張ると思っていたのだけれど。 それぞれの腹の中は見えたような気はする。叔父上は割とそのままのような 気もするが、兄上はAかBかなと思っていたけれどBかなあ。彼が新大陸から 連れてきたのは彼だけじゃない…ような気がする。

『プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章』(2021)

(2021/10/01記) (2021/10/01 at 池袋グランドシネマサンシャイン シアター7) まさかそう来たか。 割とわかりやすいアイコンで動いていたからなあ。 終わってみれば故にアクション重視だったのもうなづける。 色々見られていたのは後々に関わってくるか。 そしてそれは共同戦線のフラグでもあるかもね。 一方にはどの程度バレているのか。 そもそも今回プリンセス初見だった可能性もあるし。 続きが楽しみだ。

『プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第1章』(2021)

(2021/05/02記) (2021/05/02 at Amazon Prime Video) テレビシリーズの時も十分かっこよかったけれど、また一段とカッコ良いOPじゃないか。 そして早々にある意味このエピソードからの出来事に対するメタとも聞こえる台詞が。 ただ、それはイコールこの作品の核でもあるのだよなあ。故に最後までその言葉が 甘美な香りを残す。 それは差し置いても、彼女だけでは絶対に出ない答えを聞く機会、救われる機会を 得る事となる。 プリンセスは報われた。 そして彼女とはもう一つの顔で接し続けていたが、それは彼女の事を心底思えばのこと。 もしくは感傷。 それにしても、あの一瞬の間は見事でした。それだけでDだけが気づくという シチュエーションが成り立つほどに。 さて再起動の第一章。 どうやら今回の敵はノルマンディー卿とはならなさそうで。

『劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い』(2017)

(2020/08/30 at Amazonプライムビデオ) 2020/08/30記 「ドライ!!」の状況から「プリズマ☆イリヤ」へと繋がる物語。 「ドライ!!」が今までのプリズマ☆イリヤからあそこまで変わってしまった世界に 突入していたのである程度覚悟はしていたが、ここまで本来のFateシリーズに近い パラレルワールドから来ていたとは思わなかった。 そりゃこれはテレビアニメの続きではなく劇場版にするわ。 ほとんど士郎のターンだったものな。 そしてこの士郎が成し遂げようとしていた事を、この士郎の知らないイリヤが これから叶えるかもしれないという事か。 この桜まで見てしまうとHFの第3章は余計に来るものがあるだろうな。 そしてやはりFateシリーズで一番好きなのはこれだなと改めて。 まあ本編あって初めて成り立つではあるけれど。

『プロメア』(2019)

(2019/06/28記) (2019/06/28 at キノシネマ立川高島屋S.C.館 シアター1) 女子率9割っていうのは予想外。 この作品そんな事になっていたのか。 と言うところ以外の細かいネタバレは後に回してまずは本日オープンのこの キノシネマ立川。 イメージとしては映画館というよりは大手の試写室とかプライベートシアターと 言う感じだったかな。 天井が低いのを逆手に取った映写室との関係性とか音響としての落とし所のある意味の 品の良さとか。 前方に充分な遊び場を設けているのでたぶん前の方がより快適に見られるかも。 全席両肘掛けとカップホルダー付きで余裕があるのも見始めてみると予想外に 楽だったかも。 デパート系の建物における動線の細さと言う奴もそもそもが客席数が少ないから それほど酷いことにはならないかも。 同じくほとんどスペースの無いロビーもこれなら心配ないかな。 ただし物販だけは酷いことになりそうなのが心配といえば心配か。 作品は選ぶかもだがこの感じなら立川でも戦えるんじゃないかなと思った。 そのうち客層とか作品とか自然と棲み分けられるんじゃないかな。 と、ここまで書けばネタバレしても良いかな。 光子力研究所。 それはさておき冒頭はキンプリかと思ったぜ。 この最初の印象は少し間違っているけれどあながち間違っていなかった。 そして今までのTRIGGER中島かずきのコンビネーションよりも、より新感線っぽさと いうか原点回帰な雰囲気が増したかな。 それはアニメーションという意味でも極力シンプルなもので躍動感を出していく感じが また原点回帰っぽい。 原点回帰という意味ではけっこうなハードSFプラスバカというのも色々と原点だよな。 まあ主人公の行動原理が一貫してるからもう勝手には話しは転がっていく。とか 一つ一つに同じ言葉をつけたくなるよ。 あまり書くとしつこくなるのでこれくらいでやめておく。 シンプルで楽しい。 これに尽きるな。

『Fate/stay night [Heaven's feel] 第一章 I.presage flower』(2017)

2019/01/01記 『Fate/stay night [Heaven's feel] 第一章 I.presage flower』(2017) (2019/01/01 at BS11録画) 冒頭から今までのFateシリーズ以上に絵の情報量に圧倒されたな。 ここまで愛されてるのかと言わんばかり。 そして今まで想像していなかった展開。 うわ、ホント間桐は人選間違えたな。 これはある意味今までがあったからこそ出来る作品でもあるのだからな。 と、思っていたらそこまで飛ばすのかよ。ホント潔いなあ。 これは面白くなってきた。

『ブレードランナー2049』"Blade Runner 2049"(2017)

(2017/11/02記) (2017/11/01 at TOHOシネマズ日本橋 スクリーン7) もし続編を作るのであれば10年前に邦訳も刊行された「ブレードランナー2」の 映画化であると思っていたので今回の2049に関しては当初かなり懐疑的でした。 そして今回は早々に席が埋まっていたということもあるけれど月始めということで プレミアシートでの初鑑賞となった。スクリーンに対してはメチャメチャ良い ポジションだったし、ゆったりできたのだが両サイドにあるついたてで思い切り 篭ってしまっていたのが何とも。 ただし、今回に限って言えば周りから隔絶された感じか作品にマッチしてかえって 良かったように思った。 集中は出来たからね。 と、これだけ無駄話をしておけばネタバレしても大丈夫かな。 その前に一言だけ。 予想を大きく超えて楽しむことができたし、これからも楽しめる作品でした。 (以降ネタバレが入ります。) 前述のような心持ちで望んでいたということもあるかも知れないけれど、まさか こんな手で来るとは思っても見ませんでした。 元々の原作である「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」ではなく 『ブレードランナー』の続編としてというのはあるかなと思っていたけれど、まさか 前作を一回バラバラにした上で新しい血を注いで再構成したものを続編として 成り立たせてくるとは思っても見ませんでした。 ここまで前作に愛情溢れるものになっていようとは。 冒頭の目は素直に喜んだものの、明るい場所でのシーンが始まったときには 少なからず違和感を受けたし、前作の世界が一回壊されて別のルールの世界に なっていたのには少々戸惑ったものの、それがどんどん結実していくに連れ もう何も言えなくなってしまいました。 その後も例えば二人が格闘している最中に背景で溺れかけているデッカードとか、 出会ってそうそう格闘に入った後に酒でも飲むかになるくだりとかレイチェルの あのシーンで急に人形臭くなったりとか思わず突っ込みたくなるところは多々 あったけれど、KがジョーになってまたKに戻っていく様なんかはもうなんとも 言えないし、ARと生身の整合しそうでしない部分が後に伏線と化したりとか、 もう読点付けるのがもったいなくなるくらい何から何まで大好きだ。 レプリカントの先の話として、AR持ってきたり、さらに彼らの子という存在が何を もたらすかという着眼点がまず目からウロコだった。 最後にその後どのような事態になるかというリスクを冒してまでもデッカードを 彼女の元に連れて行ったのは、彼女と記憶を同じくするものとしてそう したかったからそうしたのだろうな。 そうそう、ウォレスを通して改めてタイレル博士が天才であった事が証明されたと いうことがなぜか嬉しかった。 どちらかというとウォレスの小物感が出てきたことに気分を良くしただけかも しれないが。 ということでとりあえず。 (以降2020/05/23追記) (2020/05/23 at Movie Plus録画) 生態系が崩壊した2020年代ってまさしく。 さて2回目の鑑賞。 なのでこれが何なのか知ってからは初の鑑賞。 初見の時もそう感じたが、見事なまでにあの作品の延長線上の世界。 太陽の光の元に向かったあの世界から再び夜の世界に戻される。 そして始まる世界のアップデート。 けどまだPANAMは存在する世界。 同期のシーン、彼女と彼女のズレがまた意味があって面白い。 「レイチェル」と発する言葉がなんて耳馴染みのあるメロディか。 何故あの場所にとも思ったが、オールドファッションな世界に浸るならたしかに あそこは最適だ。 最後にその曲を流すのは卑怯だよ。

『ブルースブラザース』"The Blues Brothers"(1981)

(2016/12/29記) Amazonプライムビデオでの鑑賞。 何年ぶりかも何度目かも分からないが久々だったと思う。 特に冒頭なんかは実写でやるよりアニメや漫画的なものでやった方が効果的なネタ、 飲み屋で与太れば面白いけどそれをそのままやられてはという感じのことが 続いている。 ように見えるのだが、JBが出てくるあたりから様子が変わってきて アレサフランクリンのパートぐらいになればもうノリノリ。(死語) けどカットごとの繋ぎは相変わらずやる気ないし。 なんてことはあれど二人のテンションの低さと不思議なテンポが産み出すものは とても魅力的。 ローハイドやイパネマの娘なんかの使い方も好きなんだよな。 監獄ロックに至っては言うまでもがな。 今はなかなか出来ないんじゃないかというネタも好きだし、個人的にはモールを ショートカットするあたりも良いよなあ。 徹底してしつこいぐらいに続けるというパターンがここから始まって、 パトカーのスタックやローリング、パレスホテルのライヴの宣伝、 果ては警察消防軍隊まで投入してのテンションの低いクライマックス。 そこでイパネマの娘というのが好きなのさ。 そしてキャリーフィッシャーの使い方。 詰まるところは兄弟揃って二人とも。 っていうオチのためだけに登場なんだけれど、正直に言えばこの キャリーフィッシャーが一番好きだ。

『ファーゴ』(1996)

(97/05/05記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  ようやく『ファーゴ』を観て来ました。(5/2 高田馬場東映パラス)  この映画の登場人物達は、みなどこか狂っている。何かに固執していたり、 いろいろと。  その狂気が物語をどんどん狂わせていって破綻していく。真っ白な雪景色の 中でそれが展開していくのが何とも説明のつかない感情に襲われました。  そんな中で唯一正気を保っているフランシスマクドーマンド。逆に彼女は感 が良すぎて、それがまた何かおかしい。 とてもよかったのですが、何とも説明のつかない映画でもありました。 97/05/05記 kaname(CXE04355) http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/

『ファイトクラブ』"Fight Club"(1999)

(99/12/06記 at Niftyserve FMOVIE 2番会議室)  『ファイトクラブ』を観ました。(99/12/04 at 池袋シネマサンシャ イン4番館 先行オールナイト)  雇われ監督でしかなかったと言われている初監督作の『エイリアン 3』は置いといた話で、圧倒的な「賛」の声が多かった『セブン』と、 打って変わってそれを上回る圧倒的な「否」の声が多かった『ゲーム』。  そのどちらもが、まったく違った理由で好きだった私としては、 今度の『ファイトクラブ』で、デビッドフィンチャーがいったいどんなアプ ローチをしてくれるのか? それが一番の興味の対象でした。  あとは、ここ最近の作品選びのうまさには信頼があるブラッドピット は、今回も(興行的ではなく、作品的に)当たりくじを引いているのか と、宣伝用のスチルなどでぱっと観たところ、本当にはまってるなぁ と感じたヘレナボナムカーターが、いったいどんな役どころで出てく るのかも興味の対象ではあったのですが。  そんな事を考えつつ、混雑を避けるために、最も眠くなってるだろう なぁと言う時間帯の2:20AMからの池袋での先行オールナイトで観て 来たのでした。(予想どおりの空き具合だったのでこの点では当たり でした。) (以降、『セブン』『ゲーム』の内容にまで触れるような話になるので 未見の方は気をつけてください。)  その、『セブン』で映像作りのうまさ、映画を成立させていく上での トリックのうまさ、と話のテンションの維持の仕方のうまさを見せつけ て、あの「絵のようなエンディング」まで持っていき、そして『ゲーム』で は、同様の手法で、観客の最も「こうなって欲しくないエンディング」 を、やはり最後の最後まで望みを失わせないまま見せつけてくれた。  そういったところが、私がこの監督を凄く気に入っている所である のですが、この2作で、既にここまでやってしまったフィンチャーが、 いったい次にどんなアプローチをみせてくれるのか、またクオリティ の高さが保たれているのかが、今回とにかく一番の興味でした。  さて、まずは、また最初からやってくれましたねぇ。  『セブン』の時には、ジョン・ドゥが計画を成立させていく過程、『ゲ ーム』では、やはり、「ゲーム」を進めていく上でポイントとなる部分 が、カイルクーパーの作った見事なオープニングロールで提示され、 どちらもエンディングを想起されるものを、最初から提示してくれま したが、今回は、カイルクーパーの手のかかったものではなかった ものの、いきなりエンディングの中のワンシーン。  いきなり提示された話の断片が、話が進んでいくにしたがって 頭の中で形をなしていく。  こういうタイプの映画って言うのがまず好きなんですよ。それを 今回も(しかもまた違う形で)やってくれたのに大満足。  そして、頭の中でなしていく形の中の違和感が、別のものとして 再結成されていく瞬間の面白さ! そして、そこまでとそこからの 畳みかけ方のうまさ!  今回のエドワードノートンとブラッドピットの関係は、暴露される 直前まで、別の解を考えていたので、まさに「またやられた!」 という感じでした。(3戦3敗)  そして、そこにキャスティングの良さが加わっていくんですよねぇ。 ブラッドピットの芸達者ぶりは、また例によって「以前とは似て非 なる者」だし、エドワードノートンも、今まで意識して観たことは 無かったのが、これですっかり株を上げたし、予想以上にはまっ てたヘレナボナムカーターにも大満足。 『ゲーム』のデボラカーアンガーのはまり具合もなかなかでしたが、 それ以上だわ。 ミートローフやジャレッドレトも良いし、ホント言うこと無いです。  で、一番気になっていたラストシーン。 ノートンがピットをだますトリックは、少々納得行かなかった部分 があるにせよ、今回のラストはなんてロマンティック!(ただし、 2コマほど遊んでいるという話だし、その遊びの2コマを入れた 事で、このラストにまったく別の意味付けがされていることを、 思い知らされもするのだが。。(笑))  今度はこう来たかぁと、唸らされてしまいました。 いよいよダレるかなと思ったところで、いきなりエンディングに 走っていくタイミングもばっちりでしたしね。  あと、予告への「石鹸」の出方で、何か『ソイレントグリーン』 的な部分があるんじゃなかったと思いこんでいて、その宣伝に は少々食傷していたのですが、実は全然関係無くて、まぁ、 それは余談ですね。 というわけで、これでようやく、今後のフィンチャーに心おきなく 期待する事ができるようになりました。 次回作が楽しみです。 kaname(CXE04355)

『ファイナルカット』"Final Cut"(1998)

(2000/09/16記 at Niftyserve FMOVIE 2番会議室)  『ファイナルカット』を観ました。(2000/09/15 at 渋谷シネマソサエティ)  ジュードロウ死亡! と、いうこのキャッチだけでインパクトがあるこの作品は、わたし的には逆に 「原題(もしくは邦題)ってなんだっけ?」「いつ公開なんだろう?」という 状態ではあったのですが、いやぁ、気づいてよかった。(^^)  祝日の夕方7時の回だったので、もう少し混んでるかなと思ったのですが、 意外や3割程度の入りでちょっと寂しかったのですが、観てきました。 (以降内容に触れます。)  事前に想像していた感じだと、かなり嗜好のわかれそうな作品だと思ってい たのですが、これが意外とあっさりとした、それでいて面白い作品でした。  たしかに、前半は、「これはきついなぁ」と思うシーンもあったし、そもそ もの内容そのものも、(自分の家の中とはいえ)盗撮することで、その場の人 間関係を壊していく話ですから、あまり気分が良くは無かったのですが、一方 で、意外と飽きさせることなく見せ続けてくれてるなぁと思っていて、その状 態になれてしまったところで、あれ?と言う間の急展開。  今まで、そこに映し出されていた悪意は、実はまったく別の目的だったので したという展開で、今まで溜まってきた悪意も、ある種心地好く抜けていくと は思ってもみませんでした。 2000/09/16(土) kaname(CXE04355)

『フィフスエレメント』"The Fifth Element"(1997)

(97/09/06記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『フィフスエレメント』を早々と観てきました。(9/5 at 渋谷パンテオン 「ベッソンナイト」)  今までのベッソンの作った映画とはちょっと毛色の違った映画でしたが、 ところどころ出てくるベッソンらしさ。これには楽しませてもらいました。  そしてゴルチエのポップな衣装やジャンメビウスジローなどが手を加えた 美術設定を始めとする、ビジュアルな部分も、映画の始めから終わりまで、 目を楽しませてくれました。きっとベッソンは普段からカラーの夢を観て いるに違いない!  観ることが出来て良かった! そんな映画でした。 (以降ネタバレ)  今回のブルースウィリス演じるコーベンダラスはもろにベッソン本人の、 外観的自己投影が入っていましたね。(特に髪の色や形なんか)  それを観て、とても嬉しくなってしまった。  この話はベッソンが16才の頃に書いていた小説をベースに作られている と言うことでしたけれど、たぶん、その頃書いた主人公ってかなり自己投影 が入っていたんだろうなあ。  と言うのは、実は私も18才くらいのときに、(今から思うととても恥ず かしいのですが)小説、(と言うよりはお話かな)を書いていました。まぁ、 ここに書いてある文章を読めば、その才能のなさは一目瞭然なのですが、そ れはおいといて・・・。(^^;  その時書いていた主人公(「要」と言います。実はこれが私のハンドルの 由来だったりします。(^^;)は、もろに自分、しかもかなり理想化された環 境の自分でありました。さらには、「映像化するんだったら(爆笑)、自分 もしくは自分の分身にやらせなくちゃ気がすまないだろうな、なんて事も考 えていました。(^^;  だから、今回のブルースウィリスの「外観」は、とても嬉しかった。同じ 事考えてらって。  そのブルースウィリス。今回はかなり『ダイハード』入っていましたね。 フロストンパラダイスでのクライマックスで。 さらに、そこに、ベッソンの得意な「その道のスペシャリストの小気味良い 描き方」が加わって、さらに楽しかった。  ベッソンがウィリスを選んだのは、きっとこれらの二つの理由なのだろう なあ。きっと。  そして対するミラジョボォビッチ。彼女はワイルドな部分は良かったの ですが、「超人的な部分」はやはり何か今ひとつでした。特にそれが感じ られたのが、ブルースリーばり(笑)のアクションを見せてくれるシーン。  あのシーンは、オペラのディーバとシンクロしていて、ベッソンらしい シンクロもみせてくれたし、面白かったのですが、一方で、何か違うとも 感じてしまった。それがちょっとばかり残念でした。  そして、ゾーグ役のゲーリーオールドマン。 ところどころ『レオン』を髣髴とさせるシーンがあって良かったのですが、 (特に、その最後などはね。) ひとつのチェリーが・・・、のシーンが 今ひとつだったのが残念。あそこが良ければ本当に楽しかったんですけれど。  一方で、観客(特に女性)に大受けだったのがルビーロッドでしたねえ。 何かやるたびに笑いが起きていた。あ、ええともちろん私もランディングの シーンなんかは大笑いして観ていました。  そうそう、そうえいばあの将軍、どこかで見た事があるなあと映画を観て いる間中ずっと思っていたのですが、ブライオンジェームスだったのですね。 『ブレードランナー』の頃から比べると、随分スリムに感じられたので気付 きませんでした。  そして、ベッソンらしさについて。 ところどころものすごくベッソンらしかったり、過去の作品を思い出させる シーンがあって、それはとても面白かった。  まずオープニング。今度もやるかなと思ったら、またやっていましたね。 今度はアステロイドベルト(かな?)から地球を逆さまに俯瞰する構図で した。  そしてその直後の「1914年」は『グランブルー』の冒頭を思わせたし、 ブルースのタクシードライバーとしてのスペシャリストぶりは、一連の作品 に共通したもの。対するエイリアン部隊の「サブキャラスペシャリスト」た ちが、どこか間抜けなのも例えば『レオン』でのマフィアだったり、DEA の刑事たちだったり。  けれども、一番らしかったのは、やはりフロストンパラダイスでのオペラ シーンからクライマックスへと至るシーン。ここは良かった!  ただし、その一方で、ベッソン作品のもうひとつも持ち味、主人公達に感 情移入させて、観客の感情をひきづり回すあの感覚はほとんどありませんで した。  もっとも、「ハリウッド映画に憧れつづけるフランス人の監督」であった ベッソンが、今回は本当に「ハリウッド映画を作ろう」としたがために、そ の部分はいらないものとして、切り捨ててしまったのではと思っていますが、 その目論見は見事に成功しているので、今回はそれで良かったと思います。  それにつけても、今回の一番のお気に入りはやっぱり、この世界観なのだ ろうなあ。  カラフルに埋めつくされた未来。狭くて息が詰まりそうだけれども、自動 シャワー・冷蔵庫・タンスなどの小技の効いた小道具。  おまけに屋台が家にまで出向いてくれたりもする。(しかも船で!(^^))  さらには、何と言ってもゴルチエのデザインする衣装は良い! 特に好きなのはスチュワーデスの制服だな。(当たり前か。(^^;) 私が観たのは、ベッソンナイトと言う事で、映画が終わった後には、襟川 クロさんがトークなんか少ししてくれたのだけれども、その時に、あの制服 を来た女の子が二人出てきて、クロさんに、「胸の所が少し余っている。」 とチラっととかされていたけれど。うん、あの制服は良い! kaname(CXE04355)

『フェイク』"Donnie Brasco"(1996)

(97/12/07記)  『フェイク』を観ました。(97/11/23 at 新宿文化シネマ1)  ジョニーデップとアルパチーノ。渋いよなあ。けど手堅くみせて くれるのだろうなあと、期待して観てきました。 (以降ネタバレあり)  まず意外だったのはアルパチーノの役柄。FBIのマフィアへの 潜入捜査の話だったので、絶対にそういう役柄ではないと思ってい た役柄をアルパチーノがやっていたのが、ちょっと意外でした。  しかし、それが凄く味があって、良い! アルパチーノが演じて くれたのは、ハードボイルドな渋さではなく、初老にさしかかった 人間としての渋さでした。そのうだつのあがらなさ、どんどん周り に置いていかれる、それでも自分をなんとか保とうとする、その 哀しさを見事に演じきっていました。さすがとしか言いようがない。  ジョニーデップも今回は脇に徹していました。  ただ、事実に基づく故なのか、終わりの方の展開のあっけなさが 少し寂しかった。それが残念でした。

『フェイス/オフ』"Face/Off"(1997)

(98/02/28記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室) 『フェイス/オフ』を観ました。(98/02/14 at 新宿ミラノ座)
(左から)襟川クロさん、通訳の人、ジーナガーションさん、ジョンウー監督、通訳の人
もうこれは、公開前から観たくて観たくて、それでとうとう先先行オールナイ トを観に行ってしまったわけですが・・・。 普段なら諸手を挙げて喜んでしまう映画なのに、今回は今一つ乗ることが出来 ませんでした。かなり期待が大きかったというのも、あるのですが、それ以外 に、私にとってはちょっと観る時期が悪すぎたようです。 しかし、アクションシーンに関しては、白眉ですし、これを読んで観る気をな くしてしまったらとてももったいない作品なので、これ以降は観ていない人は 読まないでください。(ネタバレもあります。)  観る時期が悪かった。この最大の要因は、この日、午前中に『ゲーム』とい うめちゃくちゃインパクトのある作品を観てしまったことにあるのでしょうね。 インパクトの強さでは、あの作品は今年一番の作品でした。  そして、もうひとつは、元旦から『CURE』を観たせいなのかどうかはわ からないのですが(^^;、最近、特に1月に『ワイルドバンチ』を観て以降、ハ リウッド的予定調和してしまう作品に嫌悪感を抱くようになってしまったから ではと思います。さもなければ、こんなひねた観方はしないと思う>自分 などと言い訳はおいといて作品の感想。  まず、冒頭でも書いたようにアクションシーンに関しては、もう素晴らしい の一言です。冒頭の空港しかり、中盤のトロイの仲間のアジトしかり、クライ マックスの海上しかり。ただし、これも『ワイルドバンチ』を観て日が浅いせ いか、スローモーションの使い方に関しては、ちょっと比較してしまうところ があった。そのたびに自分に嫌悪感をおぼえていました。  あと、アーチャーがトロイの仲間達に抱いていく感情、また、トロイがアー チャーの仲間達に抱いていく感情は、もういうことないです。もう、これが観 たかったから観にきたのだと言う感じ。  そんな中で、一番お気に入りのシーンは、"Somewhere over the rainbow..." もうこのシーンだけでももう一回観に行きたい。  ただし、残念だったのは、まずひとつ。 アーチャーになってからのニコラスケイジがあまりに貧相過ぎて、可哀想にな ってしまったこと。トロイの時のニコラスケイジは、「これぞニック!」と言 う感じで良かったのですが、こういう役をやるには、本当に向かないんじゃな いかと思いました。うまいといえばうまいのだろうけれど。(^^; ふたつめは、アーチャーの家庭や職場がステレオタイプすぎて、下手なTVド ラマでも観ているような気分にさせられてしまったこと。その延長での、顔の 交換にいたる過程が、ただ話を繋げていくだけのシーンで終わってしまい、中 盤に中弛みが出来てしまったこと。ただし、ステレオタイプな部分を後半トロ イが次々と壊していく過程はとても楽しかったですが。  そして最後は、始めにも言ったあまりにもハリウッド的予定調和な終わり方。 予告編でも「失うものは何もない。」って言っていたじゃないか! それがこ の終わり方で良いのか?と思ってしまいました。(あの子の使い方は、とても 好きなのだけれど。未来も予感させて。)  もし、ジョンウー監督が、今後もこういう終わり方の映画をとってしまうの なら、ハリウッドに行くべきではなかった、もしくは、少なくともブエナビス タで映画を撮って欲しくはなかったと思わざるを得ません。 けれど、それでも好きなので、複雑な心境です。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『フェイス/オフ』"Face/Off"(1997)

(98/04/04記 at FYOUGA 2番会議室)  再び『フェイス/オフ』を観ました。 が、これほどまでに最初と観た印象が違うとは思ってもみませんでした。さら には一度観ているにも関らず、終始感動しどうしでした。凄い!  最初観たときは、ロードショー公開前の先行オールナイトだし、さらには、 監督ジョン・ウーにジーナ・ガーションまで来てのプレミア興行。そんな中で緊 張していたからなのでしょうか? 凄く冷めた目で観ていました。 長いと思っていた部分、ちょっと冷めてしまっていた部分、いろいろあった初 見の時が嘘のように、この芸術とも言えるほどの奇麗な作品に素直に入り込み、 感情を動かされていました。 もちろん、初見の時にも大好きだったあの部分も、「おお」と息を飲むほどの 素晴らしさ! こんなに映画を観て泣きつづけていたのは、たぶん『Love Letter』以来だっ たかもしれません。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『フォードフェアレーンの冒険』"The Adventures Of Ford Fairlane"(1990)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  絶対、間違ってもこの作品を押す人はいないんじゃないかな? でも好き! 『ダイハード2』のレニーハーリンの作品なんだけど、何というかものすごく ばかばかしいぞ。何じゃこの『ロックンロール探偵』ちゅうのは。 何か、頭の中がぐちゃぐちゃになってしまいました。 KANAME(CXE04355)

『フォールームス』"Four Rooms"(1995)

(96/01/03記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  『フォールームス』を観てきました。Q.タランティーノとR.ロドリゲス の短編が入っているオムニバス映画と言うので期待していましたが、なかなか 面白かったです。  (以降、多少ネタバレが入ります。要注意!!)  全4話のこの話、最初の2話の監督は、ちょっと知らない人だったし、どち らかと言うと、2話とも昔どこかで観たような雰囲気のショートストーリーで、 またその枠を出ないまま終ってしまっていて、ちょっと物足りなかったです。  それに比べて残り2話は、ほぼ期待通りの出来でした。  まず、先に4話めのタランティーノの監督した話。 相変わらずですねえ。オープニングの饒舌で客を引き込み、切れの良いクライ マックスで終らせてくれるという所は。  ただ、それが短編だと、何かもの足りなさを感じてしまいました。けど、落 ちは絶品でしたね。さすが!!  そして3話めのR.ロドリゲスの監督した話。 この監督の作品は『エル・マリアッチ』をすでに観ていて、そのアイデアと絵 の見せ方のうまさは知っていたので期待していました。そして、今回のこの作 品はやはりテンポもよかったけど、やはり、アイデア・絵の見せ方がとてもよ かった。  「この映画は、監督の頭の中に最後の絵があって、それを見せたいがために、 話を構築していったのだな。」 と言う風に感じました。そして、それがうまく成功している。 やはりこの人は凄いなあと感じさせてました。  けど、ふたりとも、やはり長編でみたいなあ。短編だとアイデアの見本市で 終ってしまっていて、なにか物足りなさも感じましたし。 KANAME(CXE04355)

『フォローミー』"The Public Eye"(1972)

(95/05/20記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  『フォローミー』を観ました。まずは、この映画をもう一度観る機会を与え て下さった、コナフキンさん、及び、テアトル大崎さん、ありがとうございま す。  実は、この映画、私の知る限りでは、もうほとんど観る機会のない映画なの ですよ。  私は、16〜17年前に一度観て、惚れ込んでしまったのですが、その後、 14年くらい前に昼間にTVで一度やって、またずっと沈黙。  そして、2〜3年前に、突如TVで深夜に2度程やって、また沈黙。  ビデオにもならない。映画館にもかからない。けれども、ホントにいい映画 なのですよ。この事に関しては、個人的には不思議でなりません。  というわけで、今回私が観たのは、2〜3年前にやったTV放映時に録画し たものです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  さて、話の内容ですが、イギリスの一流の公認会計士が最近の奥さんの行動 に不信感を持ち、探偵に調査を依頼するのだが・・・、という1972年製作 のキャロルリード監督、ミアファロー、トポル主演の映画です。 (ふふふ、これだけじゃさっぱりわかんないでしょ。)  この映画は、話自体が全体的に回想の連続という形で進められているのがと ても面白いと思ったし、  それよりも何よりも、セリフなしの音楽と映像だけの一連のシーンが、なん というかとても愛おしいのですよ。  言葉なぞ使わなくても、わかりあえる。  そういった感じなのですね。これを観て以来、私は初対面の人は目を見て、 微笑みかけるようにしています。(ただし、女性のみ。(笑)) 本当に、 とてもロマンチックな映画で、 私にとって、とても愛おしい映画です。 そして、もし見かけたら、是非観て下さいね。  もう2度と観る機会がないかもしれないから・・・。 Kaname(CXE04355) <『フォローミー』に愛を込めて・・・ '95.5.20> ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 《追記》  その後、この『フォローミー』と言う映画は、日本にはもうプリントがない =日本の映画館で上映される事はまずない、という事を知りました。大変悲し い事です。 ('97/03/22) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー <さらに追記(2006/07/29)> 『フォロー・ミー』を観ました。(2006.7.29 at SKYPERFECTV! スターチャンネルクラシックで放映されたものの録画)  はたしていったい何回観たのかさえもう分からなくなっている ほどのこの作品。 私がオールタイムベストを聞かれると必ず挙げる作品の一つです。 それを、先日7/26にスカパーにて放映されたものを録画して 久々に観ることができました。 妻ベリンダ(ミア・ファロー)の最近の行動を不審に思った ロンドンでも名だたる公認会計士チャールズは、思い悩んだ 末に探偵を雇う。 そして・・・。 原題は"THE PUBLIC EYE"。1972年の作品。 原作はピーター・シェイファーの舞台劇。これを『第三の男』 などで知られるキャロル・リードが映画化(遺作)。 主演は古くは『ローズマリーの赤ちゃん』、そしてウディ・ アレンとの一連のコラボレーションで知られるミア・ファロー。 そして『屋根の上のバイオリン弾き』や『007/ユア・ アイズ・オンリー』などのトポル。 そして何よりも、音楽が007シリーズや『野生のエルザ』 『ダンス・ウィズ・ウルブス』『ある日どこかで』など、 有名どころを数えるときりがないジョン・バリー。 (以降、ネタばれがあります。) さて、今回録画したものは以前私が録画したものと比べて 字幕に細かい違いがありました。 大きいところで言えば「マカロン」を「クッキー」などと 訳していたり「パーキンソンが死んだ」事になっていたり。 どちらも原語を聞く限り以前の訳のほうが正しい訳であり 作品にも合っていたものなのにちょっと残念でした。 作品を一回観てから訳せばこんなことにならないと思うのは 以前の訳で何度も観ている人間のひいき目か。 あと、劇中何本か流れるフィルムがあるのに、最後の クレジットで流れるのは『ロミオとジュリエット』だけなのは この作品だけがパラマウントの作品で、それ以外のものは ユニバーサルの作品だけだったんだなぁということが オープニングのユニバーサルマークで今更ながら分かりました。 と、ここまではさておき、毎度観ながら思ったり書いたりする 事は、自分が何故この作品をここまで好きかという事。 適度に聞いた皮肉の面白さや103分という時間でうまく まとめられているなんて事はとりあえずおいといて、 ここにあるのは自分の理想だからなんだろうなぁ。 こんな風に人と分かり合えて、楽しい時間を共有できたら こんなに楽しい事はない。 もっともこの作品にはそこに行き着くまでの過程という ものがあるのだけれど、それもまたよし。 それが、最初に観たときから変わらぬこの作品に対する感想、 いや想いだな。 ロンドンという街で、異邦人であるベリンダが、どこにも自分の 居場所が無くひとりになれる場所を探す日々から、実はこの街は 人と過ごす事ができればこんなに楽しい街に変わるんだよという 発見へと変わっていく様が何度観ても好きだ。 最初、たしか中学生の頃、昼間か深夜の映画枠でこの作品と 出会ってからの一貫した想いです。 というか、そのまま大人になってしまいました。(笑) で、さらにその想いが、ある日東京で現実に起こりました。 (と、この話は知っている人にはもういいよと言われるかも しれないが。) 十年以上も前、Niftyserveの映画フォーラムの中でのこの作品を 好きな人たち同士の会話から、「ならば東京をロンドンに 見立てて、『フォロー・ミー』さながらの場所巡りをしよう じゃないかという話になり、結局計3回の疑似フォロー・ミー 体験オフへと繋がったのだな。 ここには遊覧船もペパーミントパフェも植物園も迷路も 水族館もあるのだな。パブは残念ながら居酒屋に変わって しまったが。(笑) ちと苦しかったけれど食べ物の名前のついた通り巡りモドキも あった。 夕陽は結局観なかったような。 そうそう、残念ながらマカロンは届かず、けれども額で ゆで卵は割った。 美術館は行かなかった。(上野の森で集合はしたが。) 映画館も行かなかった。(それ以外で散々映画を一緒に 観る機会のある集団だったから。) 同じ趣向の人が好きな事を好きなだけ楽しめる。 こういう趣味の集まりこそがまた(曲解すれば) 『フォロー・ミー』的ではあると思う。 だからこんなにオフ好きになったのかな。(笑) さて、最後にこの映画に関して語る事があるとすれば いつか映画館でこの作品を観てみたい。 最近ますます旧作を映画館で観る機会は限られているので なかば諦めかけているのではあるのだけれど。 いつかきっと、ジョン・バリーのこの音楽に包まれて 映画館の暗闇の中でのひとときを味わう事がでければ。 それが夢です。

『フォロー・ミー』"The Public Eye"(1972)

(2008/08/24 at DVD(2008.8.19 NHK-BS2放映版))   (2008/08/24記) 久々のテレビ放映。 そして私にとっては初めてのレターボックスサイズでの鑑賞。 というわけで、8/19に放送されたものの録画をようやく観ましたのであらためて 今回の感想など。 (2008/08/24 at DVD(2008.8.19 NHK-BS2放映版)) 最初のうちは(何せ何回も観ているので)そんなことしか考えていなかったのです が、まぁ今改めて観るといろいろな事を考えたりしながら観てました。 今更なのですがオルフェウスだけではなくピュグマリオンだよなぁということをい つもより強く感じさせられた事。 最初にであったのは中学生だったけれど、今や彼らの設定年齢を超えてしまったか ら余計にそう感じるのかな。 そして今の時代の人間にこの話を素直に受け入れてもらえるのかという事。 自分を尾けてくる人間に好意を抱いていくというシチュエーションを素直に受け入 れられるかということ。 何かそんな事を考えながら「自分も歳食ったなぁ」なんて思いながら観ていました。 けれども、それでもベリンダの告白パートを観ていたらみんな吹っ飛んでしまいま した。 やっぱり、あのシーンはとても楽しくて、そして心が痛くなる。 最初のうちはチャールズに感情移入していた(らしい)のに、気づいたらやはりジ ュリアン視点になっていました。 そして、ベリンダの気持ちを確認してからのジュリアンの行動に泣ける事! もう何度も観ているのにねぇ。 初めて観た時からジュリアンみたいになりたいと思い続けていたけれど、少しは近 づけたかな。近づけているといいなぁと思いました。

『フォロー・ミー』"THE PUBLIC EYE"(1972)

http://productionnoteofkanames.blogspot.com/2011/02/public-eye1972.html (2011/02/19記) (2011/02/19 at みゆき座) もしかしたらキャロル・リードはこの作品に自分の愛すべきものすべてを詰め込んだのでは無かろうか。ロンドンを 舞台にした愛すべき会話劇と映像と音楽。そして人々のすべての俗を。 三十数年前この映画に初めて出会ってからずっと、いつか映画館で観たいと思っていた作品なんだよな。 ようやく、それも封切り館の名を引き継ぐこの場所で観れた事はとても感慨深い。 ただ願っただけで何ひとつ役に立つことなど出来なかったのだけれどね。 さて、改めて会話劇…というよりは言葉遊びを楽しめる作品だなと再確認できました。 しかも、というよりはそれが故に会話の聞きやすいこと! 英会話の教材にできるよ。 今風の言葉遣いではないかもしれないが。 で、この作品の良いところは、その会話劇プラス室内の愛すべき小道具や食べ物、癖のある演劇的なエキストラに 至るまでの芝居を観た後に。 会話のない、音楽と映像による物語が始まるところなんだよね。 急に街は色づきはじめ、その何もかもが愛すべきものに! 自分のいる世界はほんのひとふりがあっただけでまったく違うものになっていくあの瞬間。 白のハンチングにレインコート、怪しい髭を生やした男が街を色づかせていく。 なんて幸せな! そして愛おしいこの作品に出会えた感謝をここに書き添えます。

『ブギーナイツ』"Boogie Nights"(1997)

(98/11/28記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室) 『ブギーナイツ』を観ました。(98/11/28 at 新宿シネマカリテ1) この映画、観よう観ようと思っていながらもどんどん後回しにしてしまい、気 がついたら、もうロードショー公開が終わりそうになっていました。このシネ マカリテでも12/4までの公開。というわけで、駆け込みで観てきました。 (以降、ネタバレあり)  それにしても、オープニングの流れるような人物紹介のつなぎは、見事でし た。そして、同じように一人ひとりバラバラな部分の話を流れるようにつなげ ていく部分は本当に見事!!  そして、時折見せる、もの凄くブラックな部分、たとえば、会いたくてしょ うがない息子から電話がかかってきた時のジュリアンムーアの表情とか、すっ げえ、ぐっと来ます。こんな事をさりげなくみせてくれるなんて、本当凄いわ。 しかし、ここまで70年代後半のアメリカ、およびアメリカ人のイメージその ままが見られるとは予想以上でした。汚さ加減が、見事そのまま。  この70年代後半の映画って、あきらかに壁にぶち当たっていて、先に進む 道をみなが失ってたんですよね。この77年の『スターウォーズ』が光明を見 いだし、それが80年代初頭の、MTVやSFXに彩られた、新しいタイプの 映画が出てくるまでは。  ところが一方で、現実世界のすさみ方に関しては、この70年代と言うのが 最後の、偽りが偽りとして通用した時代だったんですよね。  その、そんなところまで、明確にこの映画で表現されていたっていうのも驚 きでした。この映画って70年代を描いているフリをして、実は80年代を描 きたかったのだってことが判った時には、何か妙な感動さえ覚えました。  そして、反映→挫折→そして再生、と言う言葉にすると、すごくオーソドッ クスになってしまうような流れを、実に効果的に再現している。  最後、いろいろなことがあった仲間たちが、また集まって撮影を始めるとこ ろは、本当に胸がつまりました。 〜〜〜〜〜〜 98/11/28(土) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『不思議惑星キンザザ』"Kin-dza-dza!"(1986)

<その1> (94/12/18記 at Niftyserve FMOVIE 4番会議室)  こんにちは、KANAMEです。この前の忘年会OFFで紹介していただいた『不思 議惑星キンザザ』を観ましたので、感想を書かせていただきます。とても気に 入ってしまい、書くのが遅くなってしまいました。  まず話の内容ですが、奥さんに買物を頼まれて街へ出た主人公が、異星人と 名乗る浮浪者が困っていると、音楽学校の生徒(男)に呼び止められる。自称異 星人を説得しているうちに、時空転移装置のスイッチを押してしまい、ふたり はいきなり砂漠へ飛ばされる。そこは「キンザザ」という惑星で、二人はなん とか地球へ帰ろうとするのだが・・・、といったかんじでしょうか。  で、感想ですが、凄いですね。見事にSFしてる。それもまさにセンスオブ ワンダーの正統派SF。  初めのうちは『ストーカー』に近いかなと思って観ていたのですが(ただし 重苦しくなく、むしろ軽過ぎる)、もっと深い世界でした。確かに無理な所は 多少目につきますが、ひと、いやふた昔ぐらい前のSF漫画の世界。(藤子( F)不二雄が近いのかな?)きっとまじめに作ったんだろうな。  鼻につける鈴。挨拶(クー!)。言葉(クー)。重力に逆らうへんな乗り物。 変な武器。変な踊り。階級差別、マッチ、プラスチックのおかゆ(崩壊前のソ ヴィエト!)。車輪付きバスタブ。お墓(その人が吐いた最後の息がお墓=風 船の中に入ってる、ロマンチックな設定!)。植物にされる人間。そして、話 したいけど話せないどんでんがえし(これがすべて正統派SF的)。まさにS F的小道具に満ちあふれるセンスオブワンダーだと(私は)思いました。  こういう話しって本当にはまれますよね。なんか、観れば観るほど奥が深そ う。人に勧めて大勢で話すと面白いタイプの映画ですね。(『ツインピークス 』タイプ)誰かに勧めなくては・・・。  というわけで、KANAME(CXE04355)でした。この映画を(結果的に)紹介して 下さったJさん、Mさんありがとう。OFFに出たかいがありました。 P.S.まだなにかいい足りないことがあるような気がする。なにかありましたら、 フォローして下さい。クー!(人前では恥ずかしくてできない。通信って便利!) <その2> (95/09/07記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  本当におもしろかった。ここのフォーラムのオフで教えてもらい、 その足でビデオを借りに行った映画なのだが。  最初のうちは、その内容のあっけなさと唐突さにちょっと驚いてい た。しかしこの映画の構造がわかってきて、本当に冗談抜きでおもし ろかった。凄い映画だと思った。 クー。                               KANAME(CXE04355)

『ふたり』(1991)

(96/09/23記)  この映画は本当にひきつけられたかのような出会い方をしました。  最初に出会ったのはTV版と称し、ロードショーの始まる半年程前にNHK にて。 普段は観ない時間帯のTV欄の、このタイトルにひきつけられたのは、大林監 督の名前を発見したためかどうかはもう覚えていません。  ですが、この時には、面白かったけど、それで終わってしまった。そんな感 じでした。  そして次は、当時観ていたTBSの深夜番組『えびぞり巨匠天国』で中島朋 子がゲスト出演した際にアナウンスのあった試写会にて。  これも普段は気が動かない平日の試写会だったのですが・・・この日に限っ て応募してしまいました。  そしてそこで・・・この映画に恋してしまいました。 姉の死後、季節を通じてどんどん成長していく実加。そしてその妹を見守るこ としかできない千津子。  原作の赤川次郎の小説も素晴らしいですが、それ以上に実加が心に焼き付い てしまいました。  そして後日、別の大林作品(ただしTVドラマ)でこのふたりが(別の役で すけど)本当に幸せそうな顔をして出ているのを観て、思わず涙してしまいま した。 焼き付いた映画は、私の心を離さず、ロードショー公開時には5回も足を運ぶ ことになったのでした。 ..以降2020/09/21追記 『ふたり』(1991) (2020/09/21 at Blu-ray Disc) もしかしたら20年近くぶりの鑑賞になるのか? 最後はレーザーディスクだったけれど、完成披露試写会か何かに当たって観て、それから ロードショー公開時には毎週観に行っていて、それ以前にはNHKバージョンも リアルタイムで観ていて、小説もハードカバーで買って、主題歌CDシングルも 買ってというとても思い入れ深い作品。 昔観た時はほぼ大林宣彦作品だなあと思って観ていたが、特に締めなんかは間違いなく 赤川次郎だよなあという事を強く再認識させてくれる。 あ、だからEDはふたりだったのか。久石譲を代役としてみれば2人の共同作業と 見ることもできるか。 冷静に観てみるとキャラクター達の感情を引っ張り回す事象の連続は間違いなく 赤川次郎のものなのだけれど、それを大林宣彦フィルターで観ている感じが強いか。 大林宣彦のアプローチで見ているという言い方が良いのかな。少なくとも他の 大林作品と比べて予想以上に原作を大事にしていたんだなと思った。 情に振り過ぎる部分は大林寄りだが、それほど多くはない。 あと、やはり少なくともこの劇場版の方はブルーレイで観るべきではなかったかな。 それは少なくとも昔の大林作品全般に見られるテレビ的な合成がやたら目について しまったりとか。 そこは、やはりフィルムで…という意味ではもはや見る機会はないのかもしれない。 そういう意味では特典として付いていたメイキングも見るべきではなかったかな。 たしか当時もメイキングはあったような気がしたが2001年に制作されたそれは たぶん撮影当時の大林宣彦とは違う大林宣彦だったように思う。言ってる事は 当人らしいのだけれど、より思い詰めた感じになってしまっているのが観ていて辛かった。 そんな若い歳に撮った作品ではないのに今観ると若いなあと思えてしまうのは こちらの視点がどんどん離れていったからだろうか。

『普通じゃない』"A Life Less Ordinary"(1997)

(98/07/19記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『普通じゃない』を観てきました。(98/07/19 at 有楽町スバル座)  この映画を観に行ったのは、『トレスポ』も『シャロウグレイブ』も見損ねた ので、同監督のダニーボイルの作品を一度観てみたかったのと、新スターウォー ズで若きオビワンを演じるユワンマクレガーの出ている作品も、まだ一本も観て いなかった(笑)ということも、もちろんあるのですが、それよりも『ベストフ レンズウェディング』のキャメロンディアズが観たかったから。(笑)  そして、かなり前からこの映画のホームページは見つけていたので、ドンドン 延ばされる公開時期も、この映画の「観たさ」に拍車をかけていたのでした。 そんな出会い方をしているので、この映画は『普通じゃない』と言う邦題よりも、 "A Life Less Ordinary"という原題で頭に入っています。 (あと、ちなみにこのホームページは現在アクセスできないみたいです。)  その割には、観るのがロードショー公開終了ぎりぎりになってしまって、「観 たさ」のテンションが高いんだか低いんだかわからない、そういう状態での鑑賞 となりました。 (以降、この映画を観たイメージについて触れます。さらにはネタバレもありま すので一応改行)  さて、そんな状態で観た『普通じゃない』ですが、観終わって思ったのが、 「ホリーハンターってあんなに可愛かったのかー。(^^)」 どうも、ホリーハンターと言うと、『ピアノレッスン』や『クラッシュ』のイメ ージが強かったので、今回のオライリー役のホリーハンターはメチャメチャ可愛 かったです。雨の中、集音器構えながら、相棒のデルロイリンドー叩いたり、喜 んでぴょんぴょん跳ね上がったりとか、ピックアップトラック(だっけか?)に しがみついてのタフなシーン。そして、何かやるごとに、相棒に自慢げな顔をす るのがとっても可愛いんですよね。(^^) これは予想外でした。 もちろんキャメロンディアズも良かった。しかし、やっぱり脇で存在感(?)を 出していたほうが彼女は良かったかなとも今回は逆に思ってしまった。やはりヒ ロインって難しいのかな? で、話全体のほうですが、話自体は、ちょっと大味で、展開がいいかげんなとこ ろがやや目立ったかなぁと言う印象を受けました。キャラクターに感情移入もあ まりできない。ただし、そういうのって普通はとても気になって、映画自体も飽 きてしまうのですが、前述のオライリー=ホリーハンターを除いたとしても、部 分部分で「あ、ここは好き!」っていうところがいくつもあるんですよ。そうい うシーンの出てくるタイミングがとてもうまくて、乗ったり乗れなかったりが交 互に続いた揚句、最後に良い方に傾いたんじゃないかな?>この映画の印象。  あと、キャストについては本当に○でした。◎かな。主役2人と天使の二人も 良かったし、イアンホルム、ダンヘダヤも合っていたよなぁ。そして他のキャラ クタ達も良かったです。 「あ、ここは好き!」と思った中で一番印象に残っているのは、アメリカ人は切 り取らないであろうアメリカの風景です。そういう感受性の部分は少しだけマイ ケルウィンターボトムに近いかなって思いました。そういうところを軽く出して しまうのがダニーボイルで、不思議な気持ちにさせられるのがマイケルウィンタ ーボトムなんだろうなぁ。 やっぱりイギリス人の作った映画は侮れないです。(^^) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 98/07/19(日) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp CXE04355@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/     : http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/theaters/ :【日本全国シネコン巡り】 http://member.nifty.ne.jp/kaname/  : 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『ブックオブライフ』"Book Of Life"(1999)

(2000/04/02記 at @Nifty FMOVIE 2番会議室)  『ブックオブライフ』を観ました。(2000/03/25 at 渋谷アッ プリンクファクトリ)  前作、『ヘンリーフール』でカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した 同作品の監督でもあるハルハートリー。  そのハートリーが、次に用意した作品でもあり、現時点での同監 督の最新作でもある『ブックオブライフ』が、こんなにも早く観れ るとは思ってもみませんでした。  さらに、今回の主演は、ハートリー監督おなじみのマーティンド ノヴァンと、前作『ヘンリーフール』で、今までならドノヴァンが 演じていたであろう役柄から少しずれた役柄を演じたトーマスジェ イライアンとの初共演!!  しかも、キリストとサタンと言う役柄で、お互いがあいまみえる となれば、ファンとしては、興味が湧かないはずがありません!  今回は、DV(デジタルビデオ)での撮影と言うことと、TV用 に作られた作品であるということ、そして、63分という短めの物 であるということで、いつも監督が用意してくれる不思議な世界感 と不思議なキャラクタたちが、どこまで立ってくれるのかなという 点で、やや不安があるものの、待ちに待った新作ということで、足 を運ばせていただきました。  あと、このアップリンクファクトリも初めて足を運ぶところだっ たんだよなぁ。  マンションの一室に、スクリーンがあってビデオプロジェクタが あって飲み物のバーカウンタがあって、そして奥のほうに、フィル ムの映写機がある。そして点在するBOSEのスピーカ。  映画館と言うよりは、ティーチインなどに向いている場所であり、 本来ならばこの作品も、そういう形で観るとまた面白い作品ではあっ たのですが、何はともあれ観てきました。 (以降ネタバレあり) さて、まずは期待していたドノヴァン=キリストと、ライアン=サ タンの共演。  キリストは、父の命令により、災いの封印を解きにNYに降り立っ たのだが、人間に対するその行為そのものに苦悩。  サタンは、人々に悪魔の誘惑を与えつつも、その行為は、いつか それを打破してくれるものを求め続けている。  このふたりのキャラクタは、まるでこのふたりを共演させたいが ために作られたかのようで、とても面白かった。  本来なら、今までドノヴァンが演じてきたキャラクタ達は、もっ と怒りを内面に持っていたのではあるが、一方で、ある種のスマー トさ、要領の良さもあり、それがこのキャスティングでキリストの 方になったのであろう。  一方で、ライアンが演じてきた(とは言っても実際には『ヘンリー フール』のみであるが)キャラクタは、もう少し不器用さが目立っ たキャラであったが、自分の悪を必要悪と思いつつも、その行為を 自分が行わなければならない事に対する割り切れ無さみたいなもの を演じるにあたって、こちらのサタンと言うキャスティングへ至っ たのであろう。  ほんと、こういう部分のうまさにおいては、ハートリーは絶妙だ な。  それは、P.J.ハーヴェイをマリアと言うキャラクタで持って 来たことについても同様。いいわぁ、このキャラクタ。(^^)  そして今回は、実は今まであまり気に入っていなかった二階堂美 穂(ハートリーの奥さん)のキャラクタ、キャスティングに対して も良かったかなと思う。ヘンリーフールでも、やはり近いキャラク タではあったものの、それよりもさらにイノセントなキャラクタに してしまうと・・・何か合うなぁ。(それとも、だんだん自分が、 慣らされてしまったのか?(^^))  そして、他のキャラクタたちも、いつもよりインパクトは薄いも のの、デイブやら、ハルマゲドン法律事務所の受付の子やら、何か らしいひとたちばかりで「まる」でした。  そして、それらのキャラクタ達の放り込まれた世界について。 タイトルロールである「ブックオブライフ」(命の書)が、コイ ンロッカーの666番に納められているPOWERBOOKであったり、し かも、起動から封印の解き方まで、普通のマックであったりする 部分。(笑)  そして結果的には、『インディペンデンスデイ』に続いて、世界 を救ってしまうパワーブックってやはり良いわぁ。(笑)  他にもいろいろあったのだが、やはり一番受けていたのはその 部分か。(^^)  あとただ、ひとつだけ苦言を呈するとすれば、デジタルエフェ クトな映像にこだわりすぎた特に冒頭の部分。  どこがどう悪いのかといえば、「好みじゃない」としか言えな いのだが、やはり何かTV的な映像にこだわりすぎているように みえてしまったのが、残念と言えば残念でした。  (けれども、それでも好きなのですけれどね。(^^)) kaname(CXE04355)

『プライベートライアン』"Saving Private Ryan"(1998)

(98/09/29記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『プライベートライアン』を観ました。(98/09/26 at 立川シネマシティ シ ティ2)  映画館で観る映画としてのクオリティのこだわりと、『史上最大の作戦』『フ ルメタルジャケット』に対するスピルバーグの回答のようなものが、ひしひしと 伝わってくる作品でした。今まで、「うまい」と思ったことはあっても、「好き だ」と思ったことは一度もなかったスピルバーグの作品で、初めて「好きだ」と 思った作品でした。  唯一、残念だったのは、映画を観る前に、その情報を取り入れすぎてしまった ことかな。 (と思っているので、これ以降は、これから観る人はまだ読まないで欲しいで す。)  とにかく、冒頭数十分の「血のオマハ」と呼ばれている、ノルマンディ上陸作 戦中最大の激戦区、オマハビーチでの戦闘は、「今まで体験したことのないもの」 でした。ましてや、これを観たのが日本でも数少ないTHXシアターでしたから、 映像も音もより鮮明に。弾着と血しぶきと累々と築かれる死体の山と、その中で 生き残った人たちの行動というものを、ただただ見せつけれられていました。 『史上最大の作戦』で観たオマハビーチは、ただ「作戦」と「結果」というよう な印象だったのが、ここでは、『スターシップトルーパーズ』よりも無謀で、意 味のないことにしか見えない。  そして、そういうものを見せつけられてから見せられるこの物語も、結局は答 えの無い話。  そんな中で、印象に残っているのは、胸にゆっくりと刺さっていくナイフ。 「おい、やめろ、やめろ」と言っていく声がゆっくりと静かになっていくところ。 そしてその外で、何もできないでいる兵士。  それにしても、冒頭の「老人の目〜トムハンクスの目」は、意図は判らないで もないけれど、ちょっとズルいなと思いました。 〜〜〜〜〜 98/09/28(月) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『プライベートライアン』(その2)"Saving Private Ryan"(1998)

(98/10/18記 at Niftyserve FYOUGA 14番特設会議室)  『プライベートライアン』をまた観てきました。(98/10/10 at WMC新百合 ヶ丘) 初見の感想は、2番会議室に書いたので、今度はこちらで、2度目の感想を書い てみたいと思います。 まず、今回観たメインの目的は、前回立川シネマシティのTHXシアターで観て きたので、今度は普通の映画館としてはレベルの高い音響設備を持つ、ワーナー マイカルシネマズの新百合ヶ丘では、この映画がどのような印象になるのか?と 言う興味のため。  そして、一方で、純粋に、「もう一度観たい!」と言う欲求も抑えられなかっ たので、前回鑑賞から1週間も経たないうちの再鑑賞となったのでした。  さて、まずはメインの目的のほう。  簡単に書くと、立川シネマシティでは「戦場の中にいるかのような」感じを受 けていた部分が、このWMC新百合ヶ丘では、「戦場をうまく再現したアトラク ションの中にいるかのような」感じでした。 決して、今回の場所が悪いというわけではないのでしょうけれど、この映画にか かると、「やはりTHXは素晴らしい」と言う話になってしまうようです。ここ までTHXの底力を見せられたのは、『スターウォーズ《特別編》』三部作以来 か?  続いて、純粋に観たかったと言う欲求のほう。 (こちらのほうはネタバレになります。)  2回めということもあって、かなり冷静に観ることができました。  まず、最初に観た時に大きな勘違いをしていたことに気づきました。 オープニングの戦没者墓地からD−DAYにシーンが移る際に、年老いた人の顔 がトムハンクスの顔にモーフィングしたかのように受けとめてしまっていました。 そして、それがエンディングにもあったので、ちょっとずるいなと思ってしまっ た。全然勘違いでしたね。(笑)  おかげで、さらに続く血のオマハのシーンすべてをトムハンクスの主観で受け とめてしまっていました。  今回観てみたら、意外とトムハンクスの主観ショットは少ない。どちらかと言 えば、Operation Of Saving Private Ryanの参加者たち(アパム除く)のオマハ ビーチでの状態を映し出していたのですね。  上陸用舟艇での軍曹やジャクソンの様子、上陸後のウェイドやライベンなどの 行動などなど。まぁ、もちろんメインはトムハンクスに違いは無いのですが。  そして、ウェイドとジャクソンの顔が実はごっちゃになっていたことにも気づ きました。なんとなく顔の雰囲気が似ていないこともないような。 まぁ、そんなかんじでしたので、レーダー基地のドイツ兵が後になって出てくる ことなど初回には全く気づいていなかったのでした。(^^;  それにしても印象に残っているのは、ライアン二等兵が、カメラに寄ってきて 「わからない」と言って、またカメラから離れていくシーンと、メリッシュが 「これでユダヤパンを切ろう」と言っていたSSのナイフでじわじわ死んでいく ところ。  そして、逆に初回観た際には結構感情移入して観ていたアパムは、今回は普通 の奴にみえた。  これは意外でした。 〜〜〜〜〜 98/10/17(土) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『プライベート・ライアン』"SAVING PRIVATE RYAN"(1998)

http://productionnoteofkanames.blogspot.com/2010/09/savi-ng-private-ryan-1998.html (2010/09/28記) 『プライベート・ライアン』を久々に観ました。(2010/09/26 at 渋谷TSUTAYAシアター シアター1) この日は、このTHX認定スクリーンである渋谷TSUTAYAシアター、シアター1の最終上映日。 2006年1月28日にQ-AXシネマ1として当初からTHXの認定を受けオープンしたこのスクリーンをなんとか滑り込み で体験する事が出来ました。 『プライベート・ライアン』。しかもまさかの爆音上映。 いやホント、このハコのスペックを堪能させていただきました。 上映中の暗闇さ加減といい、映写室・スクリーン・座席との関係といい、ハコの大きさと相まって実に心地良かったし、 爆音にも関わらず(ハコに似合わない音量何度も体験している身としては)ここまで歪み無く鳴る気持ち良さ! これまた初体験のTHXトレーラーパレードから始まった『プライベート・ライアン』ですが、冒頭けっこうな量の傷に経た 年月を感じさせられたものの、そんな感慨に浸る間もなく血のオマハへと突入。 しかも爆音。 何かもう本当に凄かった。 もう12年も前の作品だよな? 目を背けたくなるほどの生々しい血みどろさ加減と途切れる事の無い地獄。 このTHX認定スクリーンでの爆音って形態こそ、この作品の本質を伝えられるんじゃないかと思った。 それほどまでに鮮明で、からだに響いてきた。 で、その地獄な序章を終えて始まる物語には、初見及び2回目に観た時には感じなかった事を感じた。 過去には感じなかった若さがそこにあることを。(もしくはあったことを。) 例えば、トム・ハンクス演じる中隊長の迷いや決断は普通に思えた。 けど、今観るとそのトム・ハンクスをむしろ若いと感じるんだよな。 当時のスピルバーグとの歳の差と今の歳の差によるもの? もしくは当時の自分の歳と今の歳による歳の差? 正直いって今まではここまで「当時」と「今」の差というものを感じる事は無かった。 けれど、今回それをある意味思い知らされた。しかもこの作品で。 それを「今」観ても鮮明に見せてくれたのはこのハコの力。 この場に居合わせる事が出来て良かったよ。 フィルムは年を取らないんだと強く思った瞬間でした。 そして、唐突な邂逅(ここで邂逅がある事をすっかり忘れていた)から物語はクライマックスへ進み始める。 そして、実は当時衝撃を受けた冒頭の15分よりも凄まじい戦闘が始まる。 冒頭とは比べ物にならないほどの低音の暴力。 いや本当に凄まじかった。 けど今回一番気に入った所はさらにこの先。 ミラーが爆風で耳をやられてそれまでの音の嵐が一転静かになる。 初見は立川のシティ2だったからこのあと耳が復活するまでの間もかなりいろいろな音が入り乱れていたのは覚えている。 ただ今回、全体の音量が上がっているせいかかなりはっきりと聴こえる。 ただし…が付いて何か逆相のような変な感じ。 あれ?ホントに何か耳が不思議な感じになったのが面白かった。 というか、もしかしてこの作品のサウンドデザインって、この音量を想定してたのか?ってくらいなハマり具合。 そういうところでも、この作品をこういう環境で聴かせるということに対するセンスの良さを感じました。 いや、本当に良かった。 これを二度と感じることが出来ないであろう事が残念でなりません。 ただし、次の回を観るには腰も限界に来ていたので本当の意味での最終回は観ることが出来ませんでした。 二度観るにはちと疲れ果ててもいたし。 話変わって今回の上映、意外なくらい若い子たち、せいぜい20代前半くらいの子たちが多くてびっくりしました。けっこう 初見の子も多かったみたい。 ううむこれは私が最近映画館に足を運んでないからなのかこの作品この劇場に対する興味からなのか。 こういう微笑ましい状況で観る事が出来たのも今回とても良かったです。

『フライボーイズ』"Flyboys"(2006)

(2008/02/04記) というわけで出張先のテレビで途中から観た『フライボーイズ』 (しかも中文字幕) 複葉機による空中戦の楽しさ・奇麗さを今の技術で見事に表現して くれていた作品でした。 ことドッグファイトに関する限り単葉機より複葉機だよなぁなどと 思っている私などにとってみればまさに待っていた作品。 ある意味疾走ではなく浮遊の楽しさを味わえるんだよなぁ複葉機の 場合は。 最後それは飛行機乗りとして有りかと思うようなところはあったも のの、逆に話全体のトーンからしてみればこれはありなのでそこが 悩みどころか。 まぁWWIではお約束な機銃のジャムあり、戦闘機乗り同士の顔見せ もあり、ちょっとやそっとの機銃掃射じゃ落ちないとかお約束もふ んだんに使われているのもいいよな。 ラブロマンスの混ぜ方もまさにこの時代の王道。 これも今度ちゃんと観てみようっと。

『ブラック・スキャンダル』"Black Mass"(2015)

(2016/01/30記) 『ブラック・スキャンダル』"Black Mass"(2015)を観ました。 (2016/01/30 at 機内上映) 最近公開時期に疎いので、一応ネタバレ改行しておきます。                                                                                                                                                                                                                                               とこれくらいで大丈夫かな。 ああ、やはりジョニーデップはこういう役の方が落ち着くなあ。 そして、これはたぶん誰に、そして何に肩入れするかで見方が変わりそうでまた面白い。 私としてはコノリーくんが一人でひっかき回して周りを巻き込むようなことさえ なければと強く思いながら観ていたな。 対してあのふたりの対極にいる兄弟はホントに似たもの同士。 同じ信念の元で生きていて、それを何よりもお互いがそれを判っているところが 痺れるわな。 それを、何故自分の協力者として彼らがいるかという根本的なところを判らないまま 周りを巻き込んでいるようにみえたのが、自然で、お互いが過度ではなく、ただ 淡々と描いていたのが良かった。 おまえその覚悟もなしに何故そんな形で介入したのかと。 ただそれでも、自分の尺度に押し込めず、最後まで裏切らなかったことに対しては、 というよりはむしろ自分に責があることを判った上で。 自己矛盾の解決方法を誤らなかったものだけが生き残ったのかな。 たぶん彼は、その前に対話して、正しい答えをした者だけは手を下さなかったのかな。 彼にとっての嘘をつかなかったものだけを。

『フラッド』"Hard Rain"(1997)

(98/09/06記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室) 『フラッド』を観ました。(98/09/05 at 池袋シネマサンシャイン5番館) この映画、日本で公開されるまで、結構日にちがあったにも関らず、原題がかな り早い時期から”FLOOD”から”HARD RAIN”になっていたのに、 邦題は『フラッド』のまま。邦題変えちゃってもいいんじゃないかなと思ってい たら、この作品、配給の東宝東和自身も制作に絡んでるんですね。というわけで、 納得。  しかし、公開まで待たされましたよね。 (以降ネタバレあり)  さて、本編。 いきなり話が始まってる(というか洪水の起こりそうな状況になっている)のは、 少々面食らいました。ただ、すぐに話に入り込んじゃったので、それほど違和感 は続かなかったかな。  で、その割には、一見普通に話が進んでいってしまうんですが、やはり面白く なったのは三つ巴化してからですね。ランディクエイドは凄い適役でした。そし て、そうなるとモーガンフリーマンも活きてくる。もう、こういう展開は大好き です!!  あと、気に入っているのは、細かい疑問(たとえば何故途中で止まってしまっ た輸送車の場所に来れるのか?)とかをちゃんと納得させてくれたし、なにげな く出てくるショットだった像が、ちゃんと伏線張ってあったりとか、好きだなぁ。 (^^) 〜〜〜〜〜 98/09/06(日) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 P.S.その1  しかし、一日に5本はしごするのはさすがに疲れました。(笑) P.S.その2  そのうえ、どこの映画館に行っても、各々の場所でオフらしき集団が。(not FYOUGA)(笑)最近は電車の中で女の子が「感想」「書き込み」「ログ」なんて 会話をしてるのも聞いたりしてるし、なんだかなぁ。(笑)

『劇場版BLOOD-C The Last Dark』(2012)

(2013/10/16記) 『劇場版BLOOD-C The Last Dark』(2012)を観ました。 (2013/10/15 at WOWOW録画) テレビアニメを引き継いでの続編ながらテイストはある意味違うし登場人物の連続性は薄いし で単発で観ても問題ない内容。 もっとも、世界観は説明なしだし小夜と文人の間に何があったのかもヒントすら与えられない 状況なのだが。 そして無論細かい伏線は多い。 ネタ晴らししてしまえば珈琲は催眠導入にずっと使われてきたものだし、それがあの面子と 打ち解けたというアイコンであると同時に小夜が今でも変わらない事を示し、肉親という絆を 最後のキーワードとして小夜を精神的に追いつめていく文人も変わらない。 さらに強いていえばテレビアニメでもこの劇場版でも文人の目的とそれに対する小夜の感情も まったく変わらないんだよな。 そうだなあ。テレビアニメから変わったものと言えば訳の判らない、意味の判らないものへの 恐怖感はなくなったかな。 ほとんどコメディぎりぎりまで持って行った恐怖はこの作品には必要なかったか。 むしろ地に足の着いた日常に近いことがこの作品における恐怖の対象との対比というのが 揺らいでいないのが良いのかも。 一本の復讐譚として楽しませていただきました。

『フランケンシュタイン』"Frankenstein"(1994)

(at Niftyserve FMOVIE 3番会議室) (注)ネタバレあります!! その1 (95/03/08記)  『フランケンシュタイン』を観ました。どちらかと言うと、色物的な題材と して(怖がらせ、気持悪がらせるためだけの物として)今まで思い込んでいた ため、あまりこの手の作品は観ていなかったのですが、またまたhさんの熱弁 に興味をそそられ、つい観てしまいました。(まあ、hさんの論点はもっと上 の次元にありましたけど。)  結果としては、(原作うんぬんの話は、まだ読んでいないので別として)と てもよかった。とても映画らしい映画であったし、映画館で観るタイプの映画 でした。泣かせてくれますし。きっちりとしたテーマを持った物語というもの は、やはり良いですね。  子供の頃は、怪談とか恐怖映画の類は、ただ単に人を怖がらせたり、脅かし たりするためだけのものと思っていました。根が怖がりの私はそういう理由で 、この手のものを色物と決めつけ、避けていました。映画が趣味と言いだすよ うになってからもどちらかというとそういう視点で見てましたし、本当にそう いう類の映画もあるので気をいれて見るようなことは、あまりしませんでした。  その中で唯一の例外が『蝿男の恐怖』でした。観た後の感覚は、ちょうど今 と同じある種のショックを覚えたような状態でした。とはいえ、唯一の例外で あったため、(あと、その後もこの手の映画はあまり観ていないというのもあ るのですが)この『フランケンシュタイン』は、久々にその状態を思い出させ てくれました。  なにか、まわりくどい言い方になってしまいましたが、私のような変な思い 込みを持つ人に勧めたいタイプの映画です。 (ここから先は出来れば見てない人は読まない方が良いと思います。)  まず、hさんご執心の MARY SHELLY'S ですが、(もう、皆さんにつつかれ て嫌になっているかもしれませんが(笑))オープニングのナレーションと、 あの文字をを観て、お怒りになる理由を納得してしまいました。あそこまで、 MARY SHELLYをひきだされて、それで原作のイメージを損なっているとしたら、 ごもっともだと思います。私も(何度も発言しているので知っているかもしれ ませんが)、ものすごく思い入れの深い小説があって、その小説が映画化され ているという経験を持つ者なので気持はすぐわかりました。(と思います。)  と、これだけ、名前を連発しているのにコメントリンクからは外しました。 レスという形を取りたくなかったもので。すいません。  そして、ここから先は、私自身の感想になります。  多少、強引な展開(例えば、ウィリアムがクリーチャーに会ってから、ジャ スティンが絞首刑にかけられるまでの間に、観客への経過の説明を省いている 所とか。もっともその後で説明はなされているのだが。)があったのがちょっ と観ていていらいらしたのですが、映画のテンポとしては一連の場面を間延び させることなく見せていた所が、とても気に入りました。ただし、いらいらな しに同じテンポで観る事ができれば、もっとよかったのですが。  あと、クリーチャーが復讐を誓う過程がちょっと弱いような気がしました。 ここもあとで本人(クリーチャー)が「自分の中にあるとても残忍な部分を抑 えきれない」というような発言をしているので、なんとなくはわかるのですが 、それでもなにか釈然としなかった。  同様の理由でクリーチャーがウィリアムを殺す理由というのもなにか納得出 来ない部分が残りました。  こういった所を、芝居臭くするような方法をとらずに説明しようとしている 姿勢はとてもよかったのですが、あともうひとつ、何かが欲しいなあと感じま した。  自分の妻を再生する際に(いくら心臓を持っていかれたからとはいえ)首か ら上だけしか使わないというのも、「顔と頭さえ同じならいいのかよ!」とい った感じで好感は持てなかった。使える所は全て使えと思いました。  あとは全て気に入りました。再生されて、徐々に自分を取り戻し、死を選ん でしまうエリザベスとか、クリーチャーとビクターの邂逅からのお互いの考え 、気持の変遷、子供の気持を知りながら、子をしかり続けるジャスティンの母 親とか、生命の再生にとりつかれ実験を行うが、その直後に自分のやったこと の愚かさを悟る所とか、母親との談笑の直後にその母親が産気づいてしまいに は死にいたるところとか。数え上げると全部ストーリーを語ってしまいそうで す。  人の手によって造られた生命に対して、お前は誰だと問う。もしくは自分は 誰かと問いかける。忌み嫌われる存在としてのクリーチャーよりも、生命に対 する問いとしてのクリーチャーに対して思い入れを抱いてしまいました。(う まく説明できない。)  以上、思い入れが先行しすぎて、うまく文章にならなかったKANAME(CXE04355) でした。 P.S.また、続きを書くかもしれません。 その2 (95/03/10記)  hさん、こんにちは。結局及びだてしたような形になってしまい、もうしわ けなく思っています。(けど、嬉しいです。) (引用部につき削除)  いわれてみればそうですね。けれども、hさんの「怒りの訴え」は、「こん なものは観るな!」の方向ではなく別の所にありましたから、映画そのものに は愛情を持っているようにも思えましたし・・・。やはり、私にはhさんがこ の映画を観るように勧められているような気がしますけれども(笑)。  そして、あの感想の続きを書こうとも思ったのですが、あの作品のストーリ ー全部をおさらいしてしまいそうなので、やめました(笑)。続きを書けそう だなんて発言してしまい、ちょっと恥ずかしいです。  と、いうわけでレスもらってにこにこ顔のKANAME(CXE04355)でした。 P.S.  あと、私も『蝿男の恐怖』は吹き替え版の方が好きです。

『映画 プリキュアオールスターズDX』(2009)

(2012/03/14記) 今年初めて観る映画ということになるのかな? 『映画プリキュアオールスターズDX』を観ました。(2012/3/13 at MXTV) いやぁ見事なまでに東映アニメーションしてたなあ。本当に涙が出るくらい。 話としては「フレッシュプリキュア!」の序盤のころなのかな? 3人がダンスコンテストに出るために横浜に来たところで未知の敵と遭遇。 そこに、同じように敵と遭遇した他のプリキュアたちが合流して共通の敵を倒すというだけと 言ってしまえばそれだけの話なのだが、逆にそれだけシンプルな話にしたことで、総勢14人の プリキュア全てが啖呵を切り、変身し、戦い、最後必殺技を繰り出すという過程だけを堪能 できるという王道。 しかもそれがテレビな動きではなく劇場アニメーションならではの動きやカット割りで堪能 できるわ、当然各プリキュアたちが合流して共闘に至るシーンは主題歌で入るわ、さらには それぞれテレビ放映当時のスタッフが付いてるからイメージが損なわれることもない。 音楽担当もプリキュア5までとフレッシュからとで変わっているのだけれどちゃんと楽曲使い 分けているわで本当に細部に至るまでぬかりがない。 本当に躍動するアニメーションを堪能。 そして、これが一番大切な事だけれど映画館に来た子たちが皆話に参加できる作りになっている ところがうまいなと思うと同時によくやったと言いたくなるところでした。 これは子供たちの為の作品だと思ったし、まあもしこれをそれ以外の人たちが楽しむんだったら 隔離されるべきだな。(笑) 楽しみたくなる気持ちは良くわかるし実際に凄くそう思った。 当時「プリキュア絶叫上映会」的な話が聞こえてきた理由がよ〜く判った。 で、ええと私はフレッシュプリキュア以降しか知らないに等しいのだけれどまったく問題なかった です。 知ってればより楽しめただろうけれど知らなくてもちゃんと皆名乗りを挙げてくれるもの。 というわけで物語はDX2に続く(らしい) 楽しかった!

『映画 プリキュアオールスターズDX2』(2010)

(2012/03/14記) 昨日の1作目に続いて『映画プリキュアオールスターズDX2』を観ました。(2012/3/14 at MXTV) やはり2作目。なかなか難しいな。 まだ始まって間もない頃のハートキャッチプリキュアのブロッサムとマリンに加えてフレッシュ プリキュア組で後半合流のパッションの3人が前回の14人に合流し、計17人の大所帯。 なりたてのハートキャッチとラスボスまで倒した他15人とではレベル差がありすぎるので逆に ふたりの主観をベースに「プリキュアたちに助けられながら」話を進行していく観客ポジションに 落としたのは良かったと思ったのだけれど、結果二人があまり活躍できなかったり関わるのが 1チームづつだったりでちょっと寂しくなったかな。 あと、話が前回より複雑になったのと人数が増えたので変身バンクが一部省略されたり前回ほど 主題歌の効果的な使い方ができていなかったりが残念でした。 1作目とかぶるからいろいろ変化球にしてしまったのがちょっとなあといったところか。 あとは今回の舞台が横浜という実在の場所(基本各プリキュア毎に街並みやら世界観が違うので 逆に新鮮だった)のに対し、今回は思い切りファンタジーな突っ込みどころ満載な場所にして しまったのがけっこう気がそがれる原因にもなったか。 けど子供たちとってはそんなこと関係ないんだろうなあ。 ミラクルライトの使いどころはちゃんと考えてあるし、何よりも画面を躍動する17人。 走り回って飛び回ってアニメーションであることの喜びに満ちあふれている。 そしてまあさきほど挙げた主題歌の話も、実はエンディングが歴代主題歌メドレーでそれを バックに各プリキュアたちが踊りまくるというもの。 エンディングはテレビでも踊っているのだけれどオープニングでこれをやるとはね。 個人的にはエンディングだけで満足だったよ。 さて、明日はDX3。 はたしてどういう方向に持って行こうとしているのか?

『映画 プリキュアオールスターズDX3』(2011)

(2012/03/16記) 続いて3部作の最終話となった『映画プリキュアオールスターズDX3』を観ました。(2012/3/15 at MXTV) はたして3作目は! 今回はハートキャッチの後半合流な二人とスイートの初期メンバー二人を加えて21人のさらなる 大所帯。 この人数をどうするかと思ったが、さすがにまたシンプルな構造に戻したな。 今回は序盤にまとめて大変身大会。 クライマックスに大必殺技大会。 中盤は各プリキュアを役割ごとにシャッフルしてのマルチイベント同時進行。 そして中盤からクライマックスまでの繋ぎに各妖精たちとの別れの予感がブーストしてくると いううまい作り。 シャッフルは、熱血リーダータイプチームと頭脳派サブリーダー(ひとり除く)チーム、そして チートキャラチームの3チームに分かれての集団戦。 リーダーサブリーダーたちは割とお互いのパートナーを意識しての戦いであったけれど、チート キャラチームはさすがマイペース。 舞台がすごろくということもあっておまえら楽しんでいただろうという感じで他ふたつに対して 良いアクセントになっていた。 なんといってもムーンライトがいるから強いわな。 リーダーチームは、私達は負けない! サブリーダーチームは、きっとりーだーたちがいたら私達は負けない!と言っていたと思うと いって立ち上がる熱い展開だったのにね。(笑) あと妖精チームもお笑い担当だったがこれはいつものことか。(笑) で、妖精たちとの別れは予想通りの形に落ち着き世界は元通りに。 細かいことは気にしない。 ハッピーエンドへと至ったのでした。

『映画 ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』(2010)

(2013/01/03記) 『映画 ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』(2010)を観ました。 (2013/01/03 at BSアニマックス) しかしまぁ東映アニメーションは映画となると本当に映画=アニメーションであることを毎度毎度みせつけて くれるよなぁ。 この作品も冒頭から動くことの喜びに満ち溢れているよ。 私はそれだけを観れていれば満足してしまいたいくらいだ。 そして、ああ、今回はちゃんとつぼみが主役してる。 さらに、えりかやいつき、ゆりにもちゃんと必要な場所がある。 ルー・ガルー、オリヴィエに必要な物を彼女たちは持っているということでTV版の今までがちゃんと生きている。 見ていれば、この話がTVのほうのどこらへんの話なのかも判るようになっているしね。 それでいて、そんなことは関係なしにひとつの作品としてもちゃんと成り立っている。 一人ひとりの紹介を省くこともないし、かといって説明過多にもなっていないしね。 とてもバランスが良い。 本来であればこの話、(自己投影してしまうという意味で)ゆりさんが一番反応してもおかしくなかったの だけれど、決してそこに陥ることなく話を進めていったことは凄いと思う。自家中毒に陥っていないという 意味でね。 見る人が見ればわかるけれどそこはそれ以上触れないというところに。 まぁプリキュアパレスの後だからというのもあるのか。 そういう意味でテレビのほうとの連携もばっちりだ。 連携度合いで言えばつぼみの台詞、チェンジの意味合いもプリキュアパレス以降でないとここに結びつかないの だけれど。 そしてまぁ今回はおとなしかったえりかだけれど、彼女だけ表情が切り替わり回数が多いあたり地味に 愛されているなぁ。一瞬だけ違う表情が入って「ああ、判った」とばかりに次の表情に切り替わるあたり彼女の キャラクターがとても生かされている。 今回は特におとなしくしていたんだものこれくらいはあってもいいよね。 いつきはといえば、日本にいる時と違って終始女の子の格好で居られて、好きなものを素直に好きといえる 環境にいることが嬉しくてたまらないんだろうなというのがちゃんと出ている。(妄想) 何というかこういうのっていいよね。 ああ、そういえば初見でも判るという話をしたが唯一分からないであろうと思ったのはコッペ様くらいか。 EDでも何気なく一番美味しいところに出てきたけど、あれは誰?だろうな。 まぁ他の妖精たちも一切自己紹介は無しだっったか。 プリキュアライト(だっけか?)はどこで使うかと思ったらそこでか。 そしてパリが花の都に…というあたりは上手いよなぁ。 しかしまぁパリの人たち、デザトリアンが出てきても、日本人の女の子が派手にプリキュアに変身しても、妖精 たちが普通に会話していても無関心に自分たちの生活をしているあたり、さすがだな。(笑)

『映画「プリキュアオールスターズ New Stage みらいのともだち」』(2012)

(2013/08/25記) 映画「プリキュアオールスターズ New Stage みらいのともだち」を鑑賞。 (2013/08/25 at テレビ朝日) オールスターズを一段落させて新たに始まったニューステージはどうなるかと思ったら、 整理して原点回帰したか。 キュアメタル化してからの面々のみ(声付きで)出演にして、その代わりにまた全員の変身 バンクと技披露を復活させたのは良い判断だと思う。 後はもうひたすら走るか戦うか。 タイトルロールから対フュージョン戦でもうカメラグルグル廻しながらのスイート以前の プリキュア勢総動員のバトルから始まったり、さらにその先の走ったり戦ったりするシーンで たまに「あれ?」と思うキャラをチラチラ出してきたり。 ミラクルライトの使い方も良かったな。 もうひたすら疾走感溢れるシーンに仕上がっていました。 で、もうひとつの核となる能登キュア…じゃなくてキュアエコーパート。 妖精やアイテムを介さずに変身するのは初めてじゃないかな? まあ強いて言えば周りがプリキュアだらけの状態ではあったが。 けど話がシンプルなせいか意外と違和感なかったな。 違和感と言えばやはり多少キャラデザインというか簡単作画が目立つシーンが多かったかな。 逆に違和感無いのが相変わらずの一人だけ後ろ走りのエリカとか、マリンとか。(笑) 戻って違和感絡みでいうとエンディングでのノリノリなムーンライトに笑った。 いいなあ。 さあてNS2はどうなったんだろうな。 いつか見れるのを楽しみにしていよう。

『ブルーサンダー』"Blue Thunder"(1983)

(2007/02/04記) 『ブルーサンダー』を観ました。(2007/02/03 at テレビ朝日) 実は通しで観たのは初めて。 何故か後半のみとか途中とかで、ちゃんと出会える機会のなかった 作品でした。(まぁ今回も決してちゃんとした形ではないけれど。) しかし、この雰囲気は懐かしいなぁ。音楽とかデザインとか。 そしてやはりジョン・バダムは渋い。 特に深夜枠のテレビでの鑑賞だったせいもあって、余分な贅肉も 無く、シンプルなトピックをじっくり淡々と描いています。 その丹念さとシンプルさが生み出すリズムが、クライマックスで 開花してくれるのだな。 さらっとプロットだけ聞くと派手なものになりそうなものを 味わい深いものにしてくれる。 これぞ職人の味という作品でした。

『ブルースブラザース2000』"Blues Brothers 2000"(1997)

(98/05/30記 at FYOUGA 2番会議室) 『ブルースブラザース2000』を観ました。(98/05/30 at 新宿ピカデリー1)  いやぁ、ずーっと期待していたんですよね。音楽の方の顔ぶれの豪華さも、 半端じゃないし、それだけでもじゅうぶん過ぎるくらい楽しめそうだから、 どうあっても外れることはないなと思って観に行ったのですが。  いやぁ、今回まずは、映画の待ち時間が凄く楽しかった。ロビーで待ってる と、中から音楽が聞こえてくるのが嬉しくて嬉しくてしょうがない。これが普 通の映画なら、内容を予測できたりしちゃうこともあるんだけれど、このブル ースブラザースに関しては、そんな心配する必要なし。自然とからだが揺れて ました。そしてこれは席に着いての休憩時間も同じ。私は、基本的にリズム感 が欠落しているんで、人前で踊るようなことはないのですが、そんな事は気に せず、ずーっと揺れていました。(^^)  さて、期待の本編。 何も心配する必要はなかった。最近ずーーーーっとこういう事ができなくて、 ストレス溜まっていたんだろう!>ジョンランディス&ダンエイクロイド(^^) そりゃ、ジョンベルーシは既にいないし、今回はキャリーフィッシャーも出て こないけれど、それはちょっと寂しいことだけれど、やってる事は昔と同じま まじゃん。(^^) それが観たかったんだ! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『ブレアウィッチプロジェクト』"The Blair witch Project"(1999)

(99/12/15記 at FMOVIE 2番会議室)  『ブレアウィッチプロジェクト』を観ました。(99/12/10 at 銀座 ヤマハホール 試写会)  全米公開後の評判の伝わり方が特殊だった事と、その評判の中で キーになっているのが、作品のオフィシャルサイトであるというこ と(日本語版サイトはhttp://www.bwp-jp.com/)、そして、そのサ イトの出来が、作品を観たいと言う意欲を十分にそそってくれるも のだったということで、以前からかなり期待していました。  その作品がようやく観れるということで、普段はあまり足を運ば ない試写会にも関わらず観に行ったのでした。  (以降、内容に触れるので、ご注意ください。)  前半は、ドキュメンタリーを取ると言うことで、後半部分を想像に まかせるために必要な、最低限の情報のみ。  中盤は、途切れ途切れのフィルムから想像される、彼ら3人のいら だちから恐怖への移行。  そして、後半は、目の前で起こっているさらに未消化な情報(闇 の中の音・ぶれた映像)の断片を、前半でインプットされた情報を 元に、ひたすら、想像するしかない世界。  情報が徐々に少なくなっていく事で、映像に無い部分を想像させて いくうまさというものが、一番容易に想像できる「恐怖」という感情 に絞ることで、さらにうまみを増して行き・・・。  見えないものを見せる事において、闇の中、もしくは遠くから聞こ える「音」が、とにかく効果的。  そして、ピントの合っていない、もしくは手ぶれのひどい映像も、 目の前に起こっている事を、想像で補わなければならないということ で、これも効果的。  3人という登場人物の数も定番とはいえ大当たり。中盤の疑心暗鬼 な部分は元より、後半の、「未来の想像」においても、かなり有効に 作用している。 これはもう、ホントにアイデアの勝利と言うしかないのかなぁ。 想像で見せていくと言うことで、観た後の残り方もけっこうしつこい ものがあるし。  ただし、こういう形で見せるための必要悪である、てぶれのひどい ハンディカムの画面をスクリーン上に写されたものを、ひたすら観る という行為は、私にはけっこうきつくて、「恐怖」以前に「気分が悪 く」なってしまったため、ある意味かえって冷静に観てしまう事にな ったのでした。 ちゃんと観られていたら、けっこうはまっていたのかもしれないけれ ど。(^^) kaname(CXE04355)

『ブレイド』"Blade"(1998)

(99/06/02記 at FMOVIE 2番会議室)  『ブレイド』を観ました。(99/06/02 at 有楽町ニュー東宝シネマ)  この映画は、たぶんこの手のアクションをさせたら、たぶん一番はまるんじゃ ないかというウェズリースナイプスが主演しているというのも興味があったけれ ど、それよりも、去年観たツイハーク監督の『ブレード/刀』とタイトルが類似 しているというのも、興味をそそられる理由ではありました。あとは、そうやっ て興味をそそられた後に、しっかり全米ボックスオフィスに出てきたというのも さらに興味が増した理由にはなるかな。  それにしても、最近は、本当に情報の流通が良くなったなぁと改めて感じてい ます。(TVをまったく観なくなったのに、持っている情報はそれを遥かに凌ぐ 量だからなぁ>今の通信の世界) (以降、内容に触れます。)  まず、ウェズリースナイプス。もう期待どおりに活躍してくれました。肉体対 肉体の殺陣も、飛び道具もしくは刃物を使った殺陣も、その体格も含めて本当に 様になる人だなぁ。  あと、クリスクリストファーソンも、いまやそういう使われ方が似合う役者に なってしまったのかぁ。その昔のビリーザキッドや、あの『天国の門』なんかが 完全に過去のものになってしまったのは少しだけ寂しい気がします。  そして、話自体も割と好きな話ではありました。ただし、せっかくの影を持っ た部分が、どのエピソードも割と軽く描かれすぎていて、それは、ウェルメイド な作品と言う意味では良かったのですが、後味まで少々あっさりしすぎてしまっ たような気がします。  そういう所は、最初に書いた『ブレード/刀』が、話としては、やや破綻しな がらも、テンポ良く、さらに執念というテンションを常に持続させてくれていて 比較してしまうと、やや、落ちてしまうかな。  まぁ、それでも、割ときっちりと楽しめる映画ではありました。 あと、ヴァンパイアたちの後処理が、予算の都合でか、あまり多くなかったのが 少々寂しかったかな。まぁ、敵側の一部が、ヴァンパイア信仰者たちだと言う説 明はあったのだけれど。 かなめ(CXE04355)

『ブレード/刀』"The Blade"(1995)

(97/02/01記 at FYOUGA 2番会議室)  『ブレード/刀』を観ました。(98/01/31 at 新宿ジョイシネマ3) これ、ツイハークがハリウッドで『ダブルチーム』撮る前に、撮った 作品なのらしいのですが・・・、  わぁ、やっぱりツイハークはこういう映画の方が良いですねぇ! 『ダブルチーム』も好きなんですが、この、「おい、この展開は強 引すぎるぞ!」と突っ込みたくなるような展開。あとからあとから 続くアクション! しかもその緊迫度合、スピード感は、決して、 銃や爆発物じゃ得られないようなもので、あらためて「やっぱり ツイハークは良いわぁ。」と惚れなおしてしまいました。  しかし、ハリウッドでは、こういう物は撮れないのだろうなあ。 ちょっと残念。(思い付くぐらいでは、『ゴーストハンターズ』くら いしかないぞ。(笑)) と、言うわけで、「今年は何故か映画館で知り合いとバッタリ」が 多いかなめでした。(^^) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『ブレードランナー』"Bladerunner"(1982)

(95/09/07記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  人に「おもしろい映画だった」と言われると「絶対に観に行くもの か」と思っていた時期があって、その時にロードショーおよびリバイ バル公開されてしまったのがこの『ブレードランナー』なんですよね。 後にLDプレイヤーを買ったときに一緒に買ったのがこのソフトでし た。そして、  感動しました。際限なく続く夜の場面。雑多な人ごみは『ソイレン トグリーン』を思い出させ、人間かそれとも人間ではないかはどこで 区別をつけるのだろう。感情・記憶のある人造物は本当にそういうも のを持つのかという手塚治虫的なテーマ、そしてもちろん、あのリド リースコットの映像とバンゲリスの音楽!!  そしてルトガーハウアーの凄いこと!! "TIME ・・・ TO DIE・・・." ちなみに私は不安を残す完全版のラストも、いきなりの明るい映像で 終わる最初の方もどちらも好きです。                               KANAME(CXE04355)

『ブレードランナー(最終版)』"Bladerunner:The Director's Cut"(1991)

(97/04/18記 at Niftyserve FYOUGA 4番会議室)  『ブレードランナー』(最終版)を久しぶりに観ました。 実は先日ここの5番会議室でも話の出ていた「メイキングオブ『ブレードラン ナー』」を読んで、「近々観なくちゃなあ。」と思っていたので、今日ビデオ を引っ張り出して来て、観たわけです。  この本には映画の構想から完成までの道のり、そのシーンを撮った時に監督 は、俳優は何を考えていたかとか、予算の都合上撮れなかったシーンやそれを 編集でどのように変えていったか、と言うことが書かれていて、何故このシー ンはこうだったのか等が事細かに判る、非常に面白い本でした。  そして今回はこの本を読んだ後、あらためて観てどう感じ方が変るだろうか と言う興味もありました。  やはり最初は、「ハリソンフォード若いなあ。」とか「この場でデッカード ではなくハリソンフォードは何を考えていたのか。」なんて、書いてあった事 を思い出しながら観ていました。  けど、けど・・・ やっぱりそれがどういう経緯で今自分の観ている『ブレードランナー』になっ たにしろ、所詮そんな事は関係ない話。 リドリースコットの映像美とディテールの細かさに酔い、ヴァンゲリスのかの 有名な音楽に酔いながら素晴らしい時間を過ごす事が出来ました。 しかし、この記憶もロイバティほどの短い時間でではないにしろ、いつか、涙 のように雨のように消えてしまうんですね。それまでは、きっとまた、何度で も何度でもこの映画を観る事でしょう。 kaname(CXE04355) (97/04/18記)

『プレタポルテ』"Pret a porter"(1994)

(95/06/03記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室) (おもいきりネタバレです。(^^)) 『プレタポルテ』を観たのですが・・・、ううう、やっぱりいいなあ、アルト マンは。  話の展開としては、もう読めてしまうのですが、それでも顔ぶれがすごくて 、もうそれだけで満腹してしまいました。まさか、ミシェルブランまで出てい たとは。  それにしても、あのオープニング! 何が起こっているのかわかった時には 、もう笑いを噛み殺すのに必死でした!  いきなり、ロシア語が出てきたと思ったら、マルチェロマストロヤンニが登 場して、・・・、もう、それからはソフィアローレンと・・・ねぇ。 もう、大笑いでしたよ。まったく。(^^)  あとは、ジュリアロバーツにアルコールがからむと・・・だし、最初は嫌が ってるように見えたティムロビンスが・・・だし、キムベイシンガーはおばか に徹してるしねえ。(笑)  それにしても、あのクライマックスシーン! ある程度予想できる展開だったので、どうまとまるのだろうと思っていました が、(というか、前日に非常に親切な方がRTでネタバラシをしてくれたので すが(怒)) それにもかかわらず、心地よくまとまってましたねえ。 もう、さすがロバートアルトマン! としかいいようがない!! 大満足の作品でした。 KANAME(CXE04355)

『ブレックファストクラブ』"The Breakfast Club"(1985)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  もう、モリィリングウォルド、大好きです。なかでもジョンヒューズとの 三部作のなかで、これが一番好き!! アリーシーディも変な子から髪を 上げてあらびっくりって感じもアンソニーマイケルホールのいつものパターン もやっぱりいいなあ。                           KANAME(CXE04355)

『ブロークンシティ』"Broken City"(2013)

(2013/11/13記) 『ブロークンシティ』を観ました。(2013/11/13 at 機内上映) マークウォルバーグ祭り2本目はこの『ブロークンシティ』。 強姦殺人犯を射殺し、正当防衛判決直前に目撃者が名乗り出たものの、辞職を条件に無罪 放免となった元警察官のマークウォルバーグ。(役名忘れた) 7年後私立探偵となっていた彼は当時の市長で再選の座を争う最中のラッセルクロウから、 ある依頼を受ける。 最初からある程度見えているものももちろんあるが、見せ方が上手いよな。 その事件の現場でありさらには今回の話の中心でもある場所の効果的な使い方といい、 当時と切れていないマークを巡る人たちの人物配置といい、結構好きだな。 特に彼女とのとあることがきっかけで禁酒を破るあたり。 その前のあからさまなエクスキューズである市長夫人との会話を臆することなくすぐに 伏線として使ってしまうあたりも好きだ。 あからさまなやり方に対して、ノーガードでトドメの一撃、最初から用意されていたものを 効果的に出してくるラッセルクロウも、そこに対してどう動くかマークウォルバーグという あたりも大好きだ。 実はそのシーンで着陸したために最後まで観れるかドキドキものだったというのもあった かもしれないが。 (実はエンドロールを最後まで観れませんでした) ケーティ、いいよね。(^^)