(2024/05/01記)
(2024/05/01 Movie Plus 2024放送版)
本作は元々1980年代後半にあったリチャードチェンバレン主演のテレビシリーズが
気に入っていたので初公開時から気にはなっていたのだが、ずっと観る機会を
得られなかった。
その最初を逃すとシリーズものはなかなか入る機会を得られず、逆に今回まとめて観る
チャンスができたのでようやく鑑賞の運びとなった。とは言っても全部観るかは
本作次第だけれど。
ちなみに最初に書いたテレビシリーズ、原題で覚えていたのでレンタルしたビデオの
題名も同じだと思っていたら違っていたっぽい。
原題、そのままダブルミーニングになっているのが好きなんだよねえ。
という訳でここまでは鑑賞前の口上。
さて、マットデイモンまで引っ張ってきた作品だし、続編まで作っているからもっと
エンタメ寄りにするのかと思っていたら思いの外造りとしては地味だったな。
それでいてちゃんとトレッドストーン作戦に信憑性を持たせる所に力を置いている。
と思ったらラドラム自身が製作に関わっていたのね。
この作品が何から影響を受けて何に影響を与えたかがわかってから観ているので
そういう意味での面白さもあった。
主役2人が既にリチャードチェンバレンとジャクリーンスミスで頭の中に入っているので
そういう意味での残念感があったことは否めない。
あと、既に物語の大筋を知った上で観ているというのも不利ではあったかな。
逃亡者のように、作品の性質上連続ドラマである事に面白さを見出せる部分も映画に
してしまうと死んでしまうというのもある。
そういう意味では期待し過ぎていたかな。
などと書いてはいるけれど前述のようにトレッドストーン作戦を裏打ちするような
細かい作りは好きなんだよねえ。
さて、続きを観ようか観るまいか。
(2022/05/21記)
(2022/05/21 at ザ・シネマ録画)
あらかじめ約束された未来を垣間見ながら始まる物語。
過去を見ながら最後を意識する男。
説明せずとも積み重ねられてきた数々の言い伝えを目の当たりにする。
あのシーンがまさかの描かれない伏線になるとはね。招かれざる場所に
入るとどうなるかを見せたのはこの時の為か。それでも彼女は来た。
あのシーンは本当に素晴らしい。
水中だけで描かれるクライマックス。
本質的に彼と彼が変らないことを周囲の人間との関係性で示す所とかその結末も
また伏線であり循環であるところもまた心が痛い。
その繰り返しを延々と続ける彼女。
『暴力脱獄』"Cool Hand Luke"(1967)
(2018/08/14記)
『暴力脱獄』"Cool Hand Luke"(1967)を鑑賞。
(2018/08/14 at ムービープラス録画)
ゆで卵は何度見ても傑作だな。
その前の舗装で加速してからのというところがまた良い。
それがあれだものな。
大盛りの所は今まで逆に捉えていた。信じられていたからこそだったのか。
だからこそルークでいられた部分もあったのか。
サングラスが外れた時の弱々しさがたぶん本来の彼なのだろうな。
故に彼の事を目で追い続けていたのだろう。
彼があまり喋らないのも実はそういう事なのかな。
対して、実は彼から打ち明けられていたにもかかわらず、すべては話さないドラグライン。
彼の場合無かったことにしているのだろうが。
『冒険者たち』"Les Aveturiers"(1967)
(95/08/03記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)
『冒険者たち』を映画館では初めて観てきました。(テアトル新宿にてレイト
ショー)
よかった。 あのレティシアの笑顔も、海の色も、沈んでいく潜水服も、要塞
島も、何度も何度も(TVやビデオで)見ているのに、よかった。(あたりまえと
言えばあたりまえなのですが。(^^))
ただ、ちょっとだけ悲しかったのは、開場後しばらくは私しか客がいなかっ
たこと。思わず映画館の人に「いつもこうなんですか?」と聞いてしまいまし
た。実際にはその後、多少客は来て、貸しきり状態だけは避けられましたが。
ほんと、今なら東京方面の方は、あの『冒険者たち』を客がまばらな映画館
でゆったりと観る事ができます。こんな幸せをみなさんも味わってみては?
(2008/02/04記)
『包帯クラブ』を機内上映で途中まで観る事が出来ました。
(2008/01/31 at 機内上映)
目的は主役たちではなく、ちりとてな貫地谷しほり。(^^;
まぁ途中までなのだけれどとりあえずの感想。
最初のうちは「最近こういうものを素直に楽しめなくなってきた
よなぁ。」という状況に少々苦笑。(特に主役ふたり)
そういう部分は周辺キャラクタの説明エピソードでの笑わせ方に
まで及んでいて、ますます歳を感じてしまう。
堤節の一歩間違うとが、今回はちょっと悪い方に作用しているよ
うにも感じた。
けれども、何かそういうのも慣れてくるとそう悪くもないかなと
思えてきて、まぁ思っていたよりも柳楽優弥が役者していたのと、
同じく石原さとみだったのも良かったのか。
今回お目当ての貫地谷は、凄いわな。
…なんて思っているうちにランディング準備のため中断。
今度ちゃんと観よう。
(2003/02/02記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)
『ボウリングフォーコロンバイン』を観ました。(2003/01/29 at 恵比寿ガー
デンシネマ1)
ある意味、今最も注目を浴びている映画ということもあるので混雑を予想し
ていたものの、平日ということもあり19:00の回でも1時間前で整理番号140番
台でなんとか観ることが出来ました。(劇場キャパ300強)
ただし、後日、土曜日に『スコルピオンの恋まじない』を観るために、同劇
場に足を運んだところ、こちらの『ボウリング・・・』は、13時半頃の時点で
19:00以降の回以外すべて売り切れ。
劇場側も土日祝にはモーニングショーやレイトショーを急遽追加しているも
のの、とても対応できず、少なくとも2月いっぱいは上映を行う事が決まった
みたいです。
それだけでも、今、いかにこの話題に対しての関心が高いかが伺えるような
気がしました。
(以降内容に触れます。)
たしかに、この人の語り口の明確さは、観る者を惹きつけます。
そしてさらに、取材対象を「悪」とせずに、相手側の視点も残した表現をし
てくれる部分も、観ていて不快感を覚えず、心地よい。
ただし、この作品の中で最も素晴らしい部分と思えるのは、たぶん撮影当初
に取材側が予想していた着地点・・・銃社会が抱える問題・・・というところをあっ
さりと通り過ぎ、その先にみえてきたものを的確につかみ取り提示してきたこ
とにあるかなと思いました。
故に、全米ライフル協会の会長であるチャールトンヘストンを、その肩書き
上の対立線に持ってくる事でお互いを否定しあう事ではなしに、もっと根本的
なところに問題があるということをオチにして終わらせる事ができたのだと思
う。
ドキュメンタリー映画が陥りがちな所を飛び越していく潔さは、観ていて本当
に気持ちよかった。
これを提示する事がすべての解決に繋げるわけでもなし、これが本当の答えだ
ということもせず、観ている者に考えを与える事、それがこのタイプのドキュ
メンタリー映画に必要な事なんだなということを、改めて実感させてくれた作
品でした。
2003/02/02(日) kaname(CXE04355)
『ポーラX』"Pola X"(1999)
(99/11/10記 at Niftyserve FMOVIE 2番会議室)
『ポーラX』を観ました。(99/11/07 at 渋谷シネマライズ)
『ボーイミーツガール』『汚れた血』『ポンヌフの恋人』と続いた
アレックス三部作も終わり、いったいこれから何を描いていくんだろ
うというのが、まったく予想がつかなくなってしまったまま、しばら
く音沙汰のなくなってしまったレオスカラックス。
この、私の大好きな作家の久々の新作が、前作『ポンヌフ・・』
とはうって変わった静かな公開になってしまった事にも、やや気抜け
しつつ、劇場へと向かったのでした。
(以降、内容に触れます。)
出だしは、静かにうわべだけの世界が進んでいく。
情熱はどこにもない、ありきたりの世界。
それが、彼女が出現し、彼がその方向に向いてしまった
あたりから、語り口はますます不器用になり、言葉ではなく
空気の支配する世界になる。なんとも居心地の悪い、いや、
とても住み慣れた匂いのする世界に。
そこからは、なんとも久しぶりなカラックス調で世界が
進んでいく。私にとっても、すごく楽な世界。久々に、住み
なれた空間に戻ってきたかのような時間。
ギョームドパルデュ−の、その大きなからだが、世界に
対する居心地の悪さを、ある種、ドニラヴァンよりも明確
に伝えてくれる。
デビッドボーイはついに流れる事はなかったが、そこは、
紛れもなくカラックスが作りだしてきた世界だ。
あくまでも、こびることなく不器用なままで居て欲しい。
さて、それはおいといて、今年は実に、久しぶりの新作な
監督達との逢瀬に心休まり血湧き肉踊る事が多かった。
元旦に観たブライアンデパルマ(『スネークアイズ』)に
始まって、ジョージルーカス(『スターウォーズ/エピ
ソード1』)、塚本晋也(『双生児』)等など。
皆、久々なのに変わることのない人達。
あと、今年はハルハートリー(『ヘンリーフール』)や
大島渚(『御法度』)との逢瀬も残っている。
楽しみ楽しみ。
しかし、こういうものって続くのだろうか?
kaname(CXE04355)
(97/05/11記)
交通事故に会って以来、自分を呼ぶ女の子の夢ばかり見るようになった高
校生昭雄はある日その女の子を電車の中から見かけた。それがきっかけで自
分達が住む世界と似て異なる世界に入り込んでしまう。その世界では昭雄は
死んでいて、自分を呼んでいた女の子理沙はその死んだ昭雄の恋人だった。
そして・・・。
10年以上も前に、当時買ったばかりのレーザーディスクプレイヤーで観
る中古のLDソフトを探していた私は、「少年ドラマシリーズ THE MOVIE」
とサブタイトルのついたこのソフトに偶然出会い、その時買った何枚かのソ
フトの内の一枚に入ることになった。
その昔NHKで放映されていた「少年ドラマシリーズ」の雰囲気をそのま
ま継承したこの映画は、とてもストレートな表現・ストーリーにも関わらず、
私をその世界に引き寄せてしまった。命を懸けた想いが、星空のむこうの国
から死んだ人を引き寄せてしまうと言うこの話から、観てしばらくは抜け出
せなくなってしまった程に。
それから何年も経ち、何回か見直しているのだが、そのたびにやはりこの
世界に引き寄せられてしまう。そしてラストシーンでは込み上げてくる涙を
抑えきれなくなる。
この映画を観て、有森也実扮する理沙が私の理想の彼女像にしばらくなっ
た。ふわふわとしてはかなげにも関わらず、強い想いを持つこの少女、目の
大きなこの少女がしばらくは私のアイドルだった。
(95/05/03記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)
『星に想いを』を観ました。肩ひじ張らずにこういう映画もいいですねえ。
素直に楽しめたし、なかなかにロマンチックだし。
まず、時代の雰囲気と、話の内容がマッチしてるのがいいと思う。古き良き
時代といった感じで、ほほえましかった。
そして、ティムロビンスは、人のいい好青年していたし、メグライアンは天
才物理学者の姪の数学者から、アルバートアインシュタインの姪の女の子へと
変わっていったし、ウォルターマッソーはなかなかにアインシュタインしてる。
(結構雰囲気が似てた。)
あとは、年寄り4人衆のチームプレイがなかなかに楽しかった。
何か、よかったなあと思わせる映画だと思いました。
ほんと、メグライアンが最近こういう役ばっかとか、いろいろ言訳を付けて
観に行かないよりは、観て、「こういう映画もたまにはいいなあ」とか思って
もいいんじゃないかな?
以上、連休は1日1本ペースで映画が観られて幸せ、のKaname(CXE04355)でし
た。
(2002/08/15記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)
『ぼのぼの クモモの木のこと』を観ました。(2002/08/11 at 新
宿武蔵野館2)
原作は、たまに雑誌の中でみかける程度。しかしそれもだいぶ昔
の話。いまだに連載は続いていたのですね。
その絵の持つ雰囲気と、発せられる言葉。そしてその言葉が持つ
「間」というものを味わえるのが、この原作の魅力だなと思ってい
ました。
(以降、映画から受けた印象に触れます。)
今回のキャラクタたちのふわふわのCGは、例えていえば、雑誌
の巻頭カラーを飾る作品になった連載物の雰囲気。
それがまた、元々の作品の中の、絵本的な側面を強調してくれてい
ました。
絵本というものは、そのひとつひとつの絵の中に、言葉がぽつり。
しかしながら、その言葉を補う情報が、画面いっぱいに繰り広げら
れていて、それをじっくりと、もしくは繰り返し見ることで、状況
を理解し、さらにそこから想像の幅を広げていける媒体。
それが、言葉の「間」からいろいろなものを想像させていく「ぼの
ぼの」という作品と、見事にマッチしていました。
画面に大写しになったぼのぼのは、例えそこからの場面転換に時間
がかかったにしても、飽きさせない魅力を持っていて、それは何故
だろうと考えると、あのふわふわでふさふさの毛並みがひとつの要
素として成立していたんじゃないかなということを感じました。
それを考えると、最後の木の実は、「隠された場所にひっそりと」
ではなく、「画面いっぱいの」という形になったのも納得できるか
な。
kaname(CXE04355)
『ボルケーノ』"Volcano"(1997)
(97/11/08記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)
『ボルケーノ』を観ました。(at 渋東シネタワー1)
久々に観た、こてこてのハリウッド映画と言った感じ。もう話の
展開として、これ以外はない! って感じが大好きです。流れ出る
マグマと人間との戦いと言う構図は、最近なくなってしまったハリ
ウッド映画のテイストをすっかり思い出させてくれました。
考える間を与えずに、次々と繰り出されていく展開。やっぱりこ
れが欲しいんですよねえ。
(以降、少しネタバレあり)
もう、あのKレールで溶岩を堰きとめる所なんて、「かっこいい!」
の一言でしょう。それから、地下鉄のパートの、背負っている人を放り
投げて、自分が溶けていくシーンの凄かったこと。(少し『T2』を
思い出したりもしましたが。(^^))
そしてディザスタームービーのクライマックスはやはり爆発の後、荒
れ果てた風景のなかから平然と姿をあらわす主人公ですよね。と、ここ
まで観て「やったあ!」と思っていたら、子供に「みんな同じ顔に見え
る。」なんて言わせてしまう。もう、これで、この映画がホントに大好
きになっちゃいました。
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かなめ(CXE04355)
URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/
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(2000/09/24記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)
『ホワイトアウト』を観ました。(2000/09/20 at 池袋HUMAXシネマズ4
シネマ1)
これは、『踊る大捜査線 THE MOVIE』でノリに乗った織田裕二の次の作
品と言うことで、その彼の勢いがそのままこの作品でも生きているんないか
という期待を元に、まさに勢いで観に行っちゃいました。
(以降、内容に触れます。)
そして、その「勢い」ってやっぱり大切なんだなということを深く噛みし
めた次第。
最初のうちは、結構突っ込みどころはあるなぁとか思って観ていたのだけ
れど(例・なんでサンドイッチ作ってるんじゃいとか)、気がついたら、見
事にはまっていました。(^^)
テンポもいいし、ひとつひとつのアイデアや、その関係も、ホントいい。
話の転換点も明確についていて、ここでテンポを落としたら、一気にクライ
マックスだよって教えてくれて、そこからは約束を裏切らない。変な形でテ
ンポを落とさない。
面白いと言われている原作を、これは見事に消化してるんだなぁと思った
ら、実は原作者が脚本にも絡んでいるとのこと。きっと、自分の小説の、読
み手にとっての勘どころをしっかり把握してるんだなと思いました。
それをもっとも痛切に感じたのが、この話の大枠の構造。
仲間を結果的に死なせてしまう羽目になった過去を、最初は、コンパスを仲
間の恋人に渡すことで、精算するという形になるのかなと思っていたら、そ
れはフロッグで、実は「彼の防寒具」を着た彼の彼女を助けに行く事で、精
算させたという二重構造は見事だし、さらには(実は話の冒頭ではもしかし
たらと思っていたものの)、その仲間を死を持って助けだした二人の遭難者
に対して、実は助ける意味があったのかという感情を被せるくだりのバラン
スが、本当に見事でした。
そして、ここまで完成度の高いものを、壊すことなく見事に演じた織田裕
二も見事。今、確実に勢いがあることを証明してくれました。
kaname(CXE04355)
(2013/12/28記)
"WHITE HOUSE DOWN"(2013)を観ました。 (2013/12/28 at機内上映)
さて帰りの飛行機は何を観ようかと思っていたのだけれど、この作品のタイトルを観て即決。
吹き替えも字幕も無いけれど、たぶん問題ないだろう。エメやんだし 。
と思っていたらホントに問題なかった。
アメリカ人よりもハリウッドエンターテイメントを判っているローランド・エメリッヒ、
さすがです。(笑)
いやあもう作品の入り方といい、もう完璧だねえ。
こうじゃなきゃなあというものをバシッと見せてくれる姿、ホント惚れ惚れします。
もうアイコン的なキャラクターの使い方といい、予想を寸分違わぬ伏線といい、何故皆これを
やらないのかといいたいくらいきっちりやってくれます。
いやこれこそ皆で突っ込みながら観たい作品だ!