『ヴァチカンのエクソシスト』"The Pope's Exorcist" (2023)

(2024/02/24記) (2024/02/24 Amazon prime) 内容的には原題直訳の方が良かったなあ。 立場的には直属な分、意味がズレてしまうので。 私の誤読かも知れないけれど。 単独で成り立つ作品ではあったけれど、エピソード的には始まりの物語。 シリーズものにも 出来そうだが、実在の人物であるが故にどこまでできるか。 という視点で観るとこの題材というセレクトもまた面白い。 という観賞後の楽しみがある事も含めて面白かった。

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』"The Batman" (2022)

2024/01/29記 (2024/01/29 Amazon prime) リドラーにペンギン、キャットウーマンにそして。 このタイトルでありながら、けして最初の物語ではない理由はそういう事か。 それでいてこの先へと続く物語。 このリドラーはノーラン版のジョーカーと同じようなポジションなんだな。 誰でもない誰か。 今で描いていながら、今までの中では一番本物に近いバットマンだったような気が する。人に一番近い存在。オーバーテクノロジーの無い世界。 それはある意味どこまでできるかの今がそこに近づいているから。 警官をここまで悪と描いた果ての扉の向こう側は良かったな。 目を見て誰かを理解した人間は2人、もしくは3人。リドラーは知った上でだから その意味では2人かな。

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』"Batman v Superman: Dawn of Justice" (2016)

2019/09/23記 (2019/09/23 at Movie Plus録画) たぶんアレはNGワードにされたのだろうと思うけれどそれでも酷い邦題だなと いう所は置いといて。 前作マンオブスティールに引き続いてのバットマンかと思わせるような世界観に そのバットマンも登場。 詰まる所はまた誰が為にという所でグルグル回って、それでも前に進まなくてはと いう事に落ち着くのだけれど、それが近親憎悪に陥ってしまったが為にこのような事に。 レックスルーサーの使い方は良かったな。前作でもちらっと出ていたがようやく登場。 お約束の刑務所行きもちゃんとやってくれたし意外とリスペクト多いんだよな。 ロイスを抱き抱えてフワッと着地とかね。 やはりああいう状況になるとスパイディーみたいなポジションになってしまうんだな コウモリは。 という中で、既に話は聞いていて知ってはいたもののたしかに一番血が騒ぐのは ワンダーウーマンの存在だったよなあ。 そりゃ冒頭間もないところで緑色に光るものが条件反射的にクリプトナイトだと 理解されてしまうあたりでも血は騒いだが彼女に比べたら遠く及ばない。 なんて頼もしいんだ。 マーサとマーサが2人を救う所も良いよな。 そこには思い至らなかったのかレックスルーサーは。 あ、ブルースウェインの正体は知らなかったっけ。 けどワンダーウーマンには目をつけていたという。 話変わって、2人の中の人の初顔合わせは良かったな。見返すと実はもう1人ノーマークな 人間がフレームに入っているという。 さて、次はどうなるんだろうなあ。 知ってる限りでも赤マントの方は紆余曲折あったからなあ。どう絡めてくるんだか。

『劇場版 はいからさんが通る 後編 〜花の東京大ロマン〜』(2018)

2019/08/15記 (2019/08/15 at ファミリー劇場) 「主人公は死なず」を無事聞くことができた。 前編を観てこの後編を映画館で観るチャンスを逃した事を後悔していた作品。 やはり確かに前後編共に映画館で観たかったなあと思える作品でした。その願いはいずれどこかで。 この後編の良かった事の半分くらいは前編であそこまで描いてくれた事にあるな。 おかげでじっくり描いてもらえたからね。 それこそ先ほどの台詞もしっかりと。 もうただただ物語に身を委ねるだけでした。

『劇場版 はいからさんが通る 前編 〜紅緒、花の17歳〜』(2017)

2019/01/02記 『劇場版 はいからさんが通る 前編 〜紅緒、花の17歳〜』(2017) (2019/01/02 at BS11録画) この作品、正直に言って侮っていました。 TVアニメも実写映画もどちらもが良かったが故に今回はどうかなと。 キャストは申し分ないけれど前後編にまで分けてどうなんだろうかと。 原作はチラチラと途中は何度か読んでいるのだけれど通しではまだ。 TVアニメはコミカルな部分と恋愛要素のコントラストがテンポよくまとまっていて 面白かった。 実写映画は王道のアイドルムービーとしての恋愛映画としてよくまとまっていました。 最近のものに特に多い原作寄りのものにするのかなとも思いましたが尺としては 劇場版前後編でも短すぎるのでこれもないだろうし。 原作ちゃんと読んでいない人間がいうのも何な話ではあるのですが。 こんな感じで観る前からぐちゃぐちゃではあったのですが、これは見事に やられました。 冒頭のくだりはテンポよいというか少々慌て気味に話が進み、そんな中で当初何の 心配もしていなかった紅緒役の早見沙織がもしかしたらイメージと 違っていたか?なんて思ってしまいました。 が、ここからが上手かったなあ。 少尉とのエピソードの段になると実に丁寧に描かれ始めてそれがまた素敵なこと。 そうかこの手があったか。 少尉が途中退場になってからはまた少しだけ駆け足になって...と、そこでこの曲を 流されてしまっては敗北するしかないでしょう。 あと、少々駆け足になっていたところに引っかかりを感じていたのは同じように 感じたことがあるガンダムUCRe:0096と同じ古橋監督だったからかもしれません。 しかしホントその欠点を補って有り余る程の見事さにやられました。 紅緒も少尉も、そしてその周りを取り囲む人達も皆素敵なんだもの。紅緒も少尉も 見事に紅緒と少尉でした。 後編はもう劇場公開終わってるんだろうな。もっと早く見ておけばよかった。

『バトルシップ』"Battleship"(2012)

(2018/08/11記) 『バトルシップ』"Battleship"(2012)を鑑賞。 (2018/08/11 at ムービープラス録画) こんな人類は滅んでしまえと思わせる冒頭から、見事なレーダー作戦ゲームの再現と タイトル回収に至るのは本当に見事。 この状況に持っていくためにすべてが存在していたんだな。 そしてゲームを楽しむ為の必需品がチキンブリトーというオチまで含めて楽しませて いただきました。

『幕末太陽傳』(1957)

(2018/08/13記) 『幕末太陽傳』(1957)を鑑賞。 (2018/08/13 at NHK-BS録画) デジタル修復版は初見。 ここまでキレイになったのか。 さて、この物語の理は知っていれば知るほど奥の深いものになっていくのだろうなと 思えども、未だそのサワリ程度しか知らない事に悔しいと思う。 一方で、それでもその情報の塊さ加減に目も心も奪われる。 何気ない言葉の端々や行動に至るまで。 ポイントは二つ。 一つは部屋をあてがわれひとりになった時に初めて見せる表情。 二つ目はイザ立ち去る段に至って最後に受けた仕事の相手が何一つ佐平治の 口八丁手八丁が効かないところ。そこだけ嘘のように魔法が消える。 それでも彼はあらがい逃げ去っていく。 彼に未来はあるのだろうか。

『バイオレントサタデー』"Osterman Weekend"(1983)

(95/01/08記 at Niftyserve FMOVIE 4番会議室)  今日、TVで『バイオレントサタデー』をやっているのを観ました。観たの は、これで3度か4度目かです。私の好きな作品の一つです。  御存じの方も多いと思いますが、1983年のアメリカ映画で、ルトガーハ ウアー主演、バートランカスター、ジョンハート、デニスホッパーなんかも出 ています。ただし、ホッパーはあまり目立ってはいませんが。  原作はロバートラドラム、音楽はラロシフリン。そして、サムペキンパ監督 の遺作です。原題は"OSTERMAN WEEKEND"  内容は、ルトガーハウアー演じるTVキャスターが、CIAに、週末に会う 友人3人は実はKGBのスパイだという話を聞かされ、その3人のうち、誰が CIAに協力するかを見極めるように依頼されるのだが・・、という話です。 ペキンパお得意のアメリカ的な国家謀略付きのサスペンス物といった感じでし ょうか。  まず、改めて観て感じたのは、この頃からビデオのような小道具を効果的に 使いはじめたんだなあということ。オープニングはTV画面から始まり、エン ディングもTV画面(正確にはTV局のスタジオなのですが)で終わります。 こういう風に、始まりと終わりを関連付けるというのも、私は好きです。  そして、去年観た『サバイビングゲーム』(ルトガーハウアー主演(?)) と『トゥルーライズ』を観てどこかで引っ掛かっていた物がやっとわかりまし た。  まず『サバイビングゲーム』。似たような雰囲気の絵柄だったのですね。た だし、ハウアーは『サ・・』では悪役でしたが。それにしてもハウアーの老け たこと!悲しくなります。  そして、『トゥルーライズ』。オメガセクターというのが引っ掛かっていた のですが、『バ・・』で出てきたオメガ組織を連想していたようです。  実は、わざわざ『バイオレントサタデー』の感想を書き込んだのは、これが いいたかったからなのです。  そんなわけで、もうじきシネマライズ渋谷でやる『ガルシアの首』が楽しみ になったKANAME(CXE04355)でした。(『ガルシア』ももちろん何度も観てるよ。) ペキンパ万歳!!

『バウンスkoGALS』(1997)

(97/11/14記)

『バウンド』"Bound"(1996)

(97/08/14記)  これは、このホームページからもリンクが張ってある、服部弘一郎さんが 「今年一番の作品」と強く薦められて観た作品。  そしてその言葉通り、ホントに面白い映画だった!  前半はやや辛い。説明的な部分が多いし、それが結構長い。ただ、それも すべて後半の小気味良いくらいの展開のため。たまに、「おっ」と思うシー ン(例えばトイレに広がる波紋とか)もあるのだが、ちょっと辛いかなと思 っていた。  それがどうだろう。それまで、「こいつはただのサブキャラクタ」と思っ ていた男、ジョーパントリアーノが突如として行動を起こすのだ。そこから 話がどんどん面白くなる。女ふたりにはめられて思っていた男が思わず反撃 にでる。それと同時に、映像もストップモーションを始めたり、(しかも音 まで伸びている。(笑))構図も冴えてくる。  そこからが、この女ふたりと男との戦いだ。この駆け引きも斬新ですごく 面白かった。そしてその最後も奇麗に決めてくれる。 本当に爽快な映画でした。 (以降2020/05/20追記) (2020/05/20 at シネフィルWOWOW録画) ロードショー公開当時以来の鑑賞。 自分だけは頭が良いと思っている奴らばかりでそれが皆が皆予想外の状況に陥り 追い詰められていく様というのは見ていて面白い。 そこに絵作りの上手さが加わるという幸せな時間よ。 まあ、今見ると意外に安易な表現をしているところもあるし、90年代思い切り 背負っている作品ではある。 後の作品となる『マトリックス』やさらにその後に繋がるものもあったり、若しくは 『マトリックス』でより顕在化した彼らの原点が何なのかを彷彿とさせるシーンもある。 そう考えるとこの作品が持っていたものが今の主流に繋がっているんだな。 そういう目でも以降の映画を見てみるのも面白いかもしれない。

『薄桜記』(1959)

(99/11/29記 at Niftyserve FMOVIE 2番会議室)  『薄桜記』を観ました。(99/11/23 at 銀座シネパトス2)  市川雷蔵の主演している作品って、好きなものが多く、なかで も眠狂四郎シリーズと、この『薄桜記』はとりわけ好きな作品で はあったのですが、実はスクリーンでは一度も観ていなくて、前 々から観たいと思っていました。  少し前に、恵比寿ガーデンシネマにて特集上映があった際にも、 特に観たかったこの作品が、平日のみの上映だったということも あって、観ることができずじまい。  しかしながら、それほど間をおかずに、このシネパトスでの上 映、しかも今度は祝日も挟んでという話を聞いて、今度こそと、 いてもたってもいられずに、これは絶対行かねばということで観 に行ってきました。 (以降、内容に触れます。)  一見善悪がはっきりしているような話の振りをして、実はキャ ラクタの皆が皆、何かしら負い目を感じるような事を持っていて いる、もしくは持っていくがばかりに、どんどん悪い事に繋がっ ていく。そして、その狂気の一端を市川雷蔵が担っている。  そのうえ、本当に綺麗で、それでいて無駄の無い場面場面の 作りこみ方の素晴らしさ。(まぁ道場できゃーのシーンは(^^) ですが。(^^;) 千春、典膳、安兵衛それぞれの思いの描き方も、本当にきっちり と描いてあるし、それ以上に殺陣のシーンの綺麗なこと!  特に橋のシーンと、クライマックスは、なんとも言えません。  暮れなずむ夕陽の背景とキャラクタの影との対比がとても綺 麗な橋の上の殺陣。  そして、雪の降る中、黙々と続けられる戦いを、黙々と俯瞰 で捉えられる映像と、その後に続くもの。  こうやって文章にすることさえ、とてももどかしく感じてし まうくらい、言葉にしようのないこの作品をスクリーンで観る 機会を持てて、本当に幸せでした。 kaname(CXE04355)

『博士の異常な愛情、もしくは 私はいかにして心配するのをやめて水爆を愛するようになったか』 "Dr.Strangelove,or How I Learned To Stopped Worried And Love The Bomb"(1963)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  まさにピーターセラーズの真骨頂! そしてキューブリックの作品の中で 一番好きな作品です。  どんどん加速する(というか地上に近くなる)爆撃機とその乗り組み員達の 緊張したクライマックス。一方では自分の事しか考えない輩が勝手にその後の 世界の話をしている。そして大佐と爆弾。総統!私は歩けます! もう何も言 うことはありません。 KANAME(CXE04355) (以降2017/09/04記) これもけっこう長いこと見ていなかったな。 (2017/09/02 at NHK BS 録画) 個人的には子供の頃からの不動のオールタイムベストのひとつ。 それは今でも変わらない。 物語はシンプル。そこに関わる人達の愚かさは今もまったく変わることなし。それを 淡々と描いていく。 コングのあれで終わったかと思いきや最後に残る演説がこの物語のすべてとなって しまうくらいにピーターセラーズを堪能できるのが好き。 キューブリックセラーズコンビの作品はどれも好きだがなかでもこの作品は別格だ。 もう少しやり過ぎるとピンクの豹になるギリギリが良い。あれはあれで良いのだが。 そしてやはり映画館でこそ観たくなる作品だよなと再認識。 音の付け方とかも欲しいものが最初からそこに用意されている。あれ?いつの間に 鼻唄歌っていたんじゃないかと錯覚するくらいに。

『バグズライフ』"A Bug's Life"(1998)

(99/04/04記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『バグズライフ』をようやく観ました。(99/04/03 at 池袋シネマサンシャ イン4番館)  『トイストーリー』と言うレベルの高いアプローチから新たな世界を切り開 いたピクサー社。  そのピクサーが第二弾として作った、この『バグズライフ』が、この分野を、 今後どのように導いて行くかが、この映画を観たかった理由でした。  いや、それよりも、聞こえてくる評判の、どれも高い事。これが一番のポイ ントかな?  まぁ、能書きはいろいろあれど、いざ劇場へ! (以降、内容に触れます。)  しかし、実際の所、観る前は、そんなに我の強くないキャラクタ達の集団に、 少々不安でした。  主役のフリックも、実際に動いているのを観るまでは、個性があるのかない のか、判らなかった。  そして、実際に観た結果も、やはりキャラクタ達は無表情なんです。その部 分は、どう感情移入していいのか判らなかった。  けど・・・でも・・・ それでも何故か面白い。 確かにキャラクタ個人個人は表情を持っていないか もしれないけれど、そこに描き出されている絵全体が、何か表情というべきも のを持っていて、言葉を伝えてくれる。  それは、一番判りやすい例で言えば集団で働く蟻達。もしくはバッタ達。個 体だと弱くても、集団になると個性を発揮すると言う不思議さは、まさにバグ 達そのものでしょう。 そういううまさを感じてしまいました。 〜〜〜〜〜〜 99/04/04(日) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 P.S.しかし、良くやった>NG集。(^^)

『パシフィック・リム』"Pacific Rim"(2013)

(2013/12/28記) 『パシフィック・リム』を観ました。(2013/12/18 at 機内上映) だいたいの雰囲気と、杉田智和が主人公の声を当てていること、菊地凛子と子役の子が 出ていることぐらいしか予備知識はなし。 いやあ、また馬鹿なもの作ったなあと思っていたが、まさかここまでとは思わなかった。 状況設定など必要な説明は最小限に留めて、後はもうひたすら戦っていたなあ。これでこそ 怪獣映画。 しかも細かい愛がいろいろと。 イエーガーやら壁やらはどうしても進撃の巨人を思い出してしまうことは置いておくに しても、怪獣上陸とか細かいキーとなる部分で伊福部サウンドっぽいものを使ってみたり、 海は常に嵐渦巻いていたり、多対多の戦い方の作法とか、何でも説明するマッド サイエンティストとか、良いよねえ。 しかしやっとこういうものが日本国内以外のマーケットでもありになってきたのは嬉しいな。 そして、予備知識なしのサプライズという点で言えば、たまたまこの機内上映を観たのが 香港行きだったことかな。 いやまさか目的地があんなことになっていようとは。(笑) 1985(だったかな?)ゴジラをマリオンで見たとか、そういった類の同期は好きです。

『バタフライキス』"Butterfly Kiss"(1995)

(98/05/16記)  予告で観た、アマンダプラマーの声、ビデオで撮られたサスキアリーブスの 映像。 そして、それ以上に惹かれたのが、監督:マイケル・ウィンターボトムの作品 だと言うこと。  アマンダプラマーの声は、あの『パルプフィクション』のオープニングの カフェレストラン強盗を思い出させる。全体から受けるイメージも、それと 同じ。彼女の父親クリストファープラマーと、より雰囲気が近くなってきた ような気もする。  ビデオで撮られたサスキアリーブスの映像。この映像が本編で、オープニン グシーンに流れた時、それだけでこの映画を好きになってしまった。引き込ま れてしまった。この映画が、愛情溢れる映画だと判ったから。  そして、マイケル・ウィンターボトム。 『日陰のふたり』しか観ていないのだが、この映画だけで、この人に囚われて しまった。語り口は地味なのだが、時折見せるなんとも言いがたい映像と、独 特のリズムで、他とは何か違うものを見せてくれる。それがとても心地好い。  そして、その印象は、この『バタフライキス』を観たことで、さらに確信と なった。

『ハッシュ!』(2001)

(2002/05/07記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『ハッシュ!』を観ました。(2002/05/03 at 渋谷シネクイント)  予告編がかかってからずいぶんと経ったようなこの映画、ようや く公開ということで、観てきました。 この橋口監督の前作、『渚のシンドバッド』は、興味があったもの の見逃していた作品で、しかも、個人的にも好きなタイプの作品か なと思っていたという経緯もあり、楽しみにしていました。 (以降内容に触れます。)  個人的には、観ていてとてもユニークに感じてしまった映画でし た。 ときどき、「やりたい事は全体の流れから分かるのだけど、ちょっ と違和感を覚えてしまうシーン」が何度か出てきて、一方ですごく 同調するシーンもあり、観ている自分を、「冷静な自分」と「感情 的な自分」に振ってくる。 たとえば、たぶん主張したい事があってそれを高橋和也と田辺誠一 に言わせているシーンがいくつかあるのだけれど、そこは、そうい う台詞に走るよりも、本来は別の行動を取るのが普通なのではない か、もしくはふたりの属性の一般的に思われがちな部分を妙に意識 しすぎているのではないかと思えてしまったりとか、その他にも、 逆にストレートに出してもそんなに反発は覚えないのに、妙に曖昧 に表現したがっているように思えてしまう部分があったりとか。 (たとえば、田辺誠一の実家がどこなのかとか。) さらには、ひとつのクライマックスとなる、全員揃うシーンでも、 たしかにやりたい事は分かるし、それは共感を持てるのだけれど、 もっと踏み込めばいいのに、途中で終わらせてしまったような印象 を受けてしまいました。ただし、そこで踏み込んでしまうとその後 がまた変わってくるし、それを、全体のためと思うべきなのだろう なぁとも思ってしまうし。 ただ、これらの部分は、「駄目だなぁ」というよりは、むしろ「もっ たいないなぁ」と言う部分と「しょうがないのかなぁ。」という部 分であり、むしろ、それは気に入っているからこそ思ってしまう部 分。惜しいなぁと思いつつも、意図は分かるので、妙にジレンマを 持ってしまうんですよね。  全体的に完璧な輪を求めるために、部分的な暴走を押し止めた。 これをどう受け取るかが、この映画を、受け入れるのか、拒絶する のか、もしくは一緒にジレンマに陥るかの分かれ目なのかもしれま せん。  あと、これは蛇足になってしまうのですが、もし、実は真の意図 が、正解を目の前に提示することではなく、その違和感を持たせる 事によって、そのことを意識させたがっているのであれば、それは 見事に監督の術中にはまってしまったのであろうなぁ。たぶんそこ にパーフェクトな答えがあるのなら、記憶には残らなかったかもし れないのだから。  という見方も出来るかもしれませんね。 kaname(CXE04355)

『パッチアダムス』"Patch Adams"(1998)

(99/05/04記 at Niftyserve FMOVIE 2番会議室)  『パッチアダムス』を観ました。(99/04/23 at AMCなかま16 スク リーン1)  割とイメージが固まりつつある傾向のロビンウィリアムス。ただ、一方で、 他に置き換えの効かない人ではあるのですが、この作品にも、今まで彼の 出た映画と、同じ雰囲気を感じがある。  故に、観るか観ないかは迷ったのですが、結局観る事にしました。 (以降ネタバレあり)  予告では、少々押しつけがましさが見えていて、それが観る前の不安の ひとつだったのですが、実際に観るとそれが不思議な程感じられなくて・ ・・。 などとひねくれた見方をせずに、これは素直に観た方が楽しめるかなと 思い始めたので、素直に映画の中に身を委ねる事にしました。  実際の話に近いものにしようとしているために、逆にややエピソードの 見せ方に消化しきってない部分(悪く言えば自己満足の為だけに入れたよ うな部分)も見受けられましたが、それはそれ、現実ってそんなものです から。  もしかしたら、その割り切りが、観る上でのわだかまりを無くしてくれ たのかもしれませんね。 kaname(CXE04355)

『バットマンリターンズ』"Batman Returns"(1992)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  大好きなティムバートンの映画の中でも一番好きなのはこれです。この救い ようのないキャラクター達、ペンギン、キャットウーマン、そしてバット マン。なんともいいようのない世界が好きです。 KANAME(CXE04355)

『バットマンフォーエバー』"Batman forever"(1995)

(95/06/25記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室) 『バットマンフォーエバー』を観てきました。個人的な好みとしては、『リタ ーンズ』の異形の苦しみ的な部分がとても好きだったのですが、この『フォー エバー』は、すっきりしたエンターテイメントとして、別の方向で楽しめるよ い映画でした。  私としては、マイケルキートン=ブルースウェインの影を引きずっているヴ ァルキルマーがちょっと気になったのですが、  トミーリージョーンズとジムキャリーがとてもはまっていて良かったです。 ジムキャリーは期待通りでしたし、トミーリーも『NBK』の所長に次ぐイン パクトの強さでした。  ニコールキッドマンについては、前半と後半で何故か雰囲気が変わってしま い、ちょっと不可解だったのですが、前半のニコールはとっても好みだった。 (^^)  一連のアメコミヒーロー物の映画化からは、いままではちょっと離れた位置 にいた『バットマン』シリーズでしたが、これは本流に戻った楽しさを味合わ せてくれました。ジョエルシュマッカーってやっぱり職人さんですね。 KANAME(CXE04355)

『バットマン&ロビン -MR.フリーズの逆襲-』"Batman & Robin"(1997)

(97/08/05記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『バットマン&ロビン −MR.フリーズの逆襲−』を観ました。 (8/3 六甲MOVIX Screen5)  まず、噂には聞いていたのですが、ここの映画館は凄く良いです。次の日に 観に行った映画館が明るすぎるように感じて、しばらく目を慣らすのに苦労し たくらい、きちんと暗くなるし、(その上ドアはスクリーンに直接光が差しこ まないようにラビリンス構造をきちんと取っているし)、客席側はしっかりと 勾配がとられているうえに、椅子はしっかりと頭の上までカバーしてくれる椅 子。座席間隔も広いし、言うことないです。そして、Audince of Listening、 THXでもあるので、音に関してもほぼ言うこと無し。こういう映画館でも、 他と同じ料金、もしくは各種の割引がつくともっと安い価格で観れるのは、近 い人がはっきり言って羨ましい限りです。 と、さて本題  この映画で、ようやく本来の『バットマン』に戻ったかなと言うのが最初の 印象でしょうか。今まではティムバートンの色が濃すぎて、映画としては言う ことないくらい面白いのだけれど、昔からのイメージのバットマンとはちょっ と違う作品でした。  しかし、今回のこれは、本来のアメコミヒーロー『バットマン』にしっかり と戻っていましたね。 (以降ネタバレ)  バットマン、ロビン、バットガールやMr.フリーズ、ポイズンアイビーなど のキャラクタ達も、よりコミカライズされ、またゴッサムシティそのものも、 より高層化が進んで、幻想都市になっていましたね。アクションもより荒唐無 稽化が進んで、飛ぶわ飛ぶわ。その分乗り物のスピード感はまったくなくなっ ていて、それはちょっと苦しかったか。他の要素を極力排除してしまっている ので、その場面場面の繋ぎのための展開は結構苦しいものがありましたけれど、 そこに目をつぶれば、まあ面白かったです。  噂ほどシュワルツネガーは目立っていなかったし、ユマサーマンのキャラク タは遊んでいるしでなかなか良かったんじゃないかな。  それにしても、この時期に『リターンズ』のTV放映をするのは、「いじめ」 以外の何者でもないと思うのだが>TV朝日系列 (同じ日に観てしまったのでほとんど『バットマン&ロビン』の方の印象がな くなってしまったじゃないか。(笑)) kaname(CXE04355)

『バットマン ビギンズ』"Batman Begins"(2005)

(2008/08/09記) 出張へと向かう飛行機の中、『バットマン ビギンズ』を観ました。 (2008/07/29 at 機内上映) 今回は日本の飛行機だったので日本語字幕付き上映の鑑賞。 ティムバートン版『バットマン』が好きなだけに、受け入れられるかどうかと思ったら、 そんなことは杞憂でした。 まったく違うもの…というよりはティムバートン版のほうがある意味特殊だったのだなと いう再確認と共にまさにマーベルコミックスなバットマンになってました。(まぁさらに いえば「ダークナイト」な、ではあるか) しかも、ティムバートン版とは別の意味で冒頭からエンディングまでダレなし。 行動原理がティムバートン的なものではなく、ひたすらな信念。まぁこちらのほうが正統 派ではあるわな。 しかしこれだけの混沌な世界観を構築したうえで作られれば続編が期待されるのは当然だ ろうな。 ただ、その当然をどうやらさらなる高みに持ち上げてしまったような評判の高さの『ダー クナイト』が楽しみです。 (さらにIMAX版を観るためには、たぶん年末の109シネマズ川崎のスクリーン改修を待た なければならないのが辛いけれど。)

『ダークナイト』"The Dark Knight"(2008)

[2008/08/17記] (2008/08/16 at 新宿ピカデリー スクリーン1) 『ダークナイト』"Dark Knight"(2008)を観ました。 (2008/08/16 at 新宿ピカデリー スクリーン1) 新ピカの感想はまぁ後回しにして…、 (以降ネタバレ?あり) すげぇなこれは。 少なくとも映画館で観ないと伝わらないほどの映像の情報量の洪水の中でさ らに数々の音の仕掛けが加わり、キャラクタの感情の起伏や状況、伏線など がこれでもかとばかりに襲ってくる。 バートン版が言ってみれば感性的な部分に訴えかけてきていたのに対し、 本作はさらなる情報量によりリアルなシチュエーションで訴えかけてくる。 それがほぼノンストップだもの。 やはりそういう時代が来たのかというのもあるが、もうホントここまで良 くやったよとしかいいようがない。 しかしながら本作はバートン版バットマンと同じく、アメリカで爆発的な ヒットを放っても日本ではそれほどのものにはならないという図式に陥る のだろうなぁ。 それは、前者と同じく作品世界が故。(例えそのテイストが変わっても) それでもやはりこの作品の価値は変わらない。 ********** [2020/08/03記] (2020/08/03 at ザ・シネマ録画) グランドシネマサンシャインで観たかったなあと思いつつ。 その後のノーランの作品を観た後で観るとやはり近しい考え方のシーン、例えば 名もないキャラクター達の行動とか各々の決断の違いとかそういった部分で ずんと来るシーンが好きなんだなと改めて思う。 あと、デントに「何故俺だけが愛する者を失った」と言われるシーン。 流れの中で引っ張らないのが好きだ。 デントがデントでブルースがブルース足るところ。

『バトルロワイアル』(2000)

(2000/12/28記 at @nifty FMOVIE 12番会議室)  『バトルロワイアル』を観ました。(2000/12/24 at 新宿アカデミー)  原作から気にはなっていた作品なのですが、この映画化話でどんどん気に なってしまい、さらには東京国際での噂まで入ってきてますます観たくなり、 で、いよいよ公開まで指折り数えられるという時期になって待ちきれず、つ いに原作を先に買ってしまいさらに観たくなり・・・という模範的なお客様 状態(笑)にはなったものの、今度は、かなりの混雑状態という噂を聞いて・ ・・オールナイトで観てきました。  しかし午前0時50分の回だというのに、400人クラスの映画館に7割 くらいの入り。さらに、前の回(午後10時50分の回)はもっと混んでい たみたいだし、次の回(午前2時50分の回)も結構人が入ってきてたし、 かなりの入りのようですね。 (以降、原作と映画の内容に触れます。)  で、まずは原作の方から。 最初のうちは、ある種過多な説明に、かなりまだるっこしさを感じたものの、 それが、話が転がりだしてからは有効に作用して、かなりの量の主要登場人物 の数とエピソードにも関わらず、滞ることなく読み進めました。  で、確かにこれだけの情報量を持てば面白い作品にはなるだろうけれど、こ れだけの情報量を2時間足らずの映画に、どうまとめるんだろう?  と思っていたら、映画のほうは映画のほうでうまいですねぇ。(^^) 『高い城の男』のような歴史改編小説(という言い方でいいんでしたっけ?) などという、頭の中で受け入れるのに結構時間がかかる物語の背景を、ばっさ り切り捨てて、今の状況から容易に想像できる近未来の設定に変え、さらには エピソードの再構成で、核になっている登場人物やオーソドックスなエピソー ドはしっかりと描いて、後はばっさりとしかし最低限ひとりワンカット。  で、見事に深作欣ニ的B級世界に仕上がっていました。(B級って言っても 悪い意味では当然ない。(^^;)  あと、原作よりも心なしか男どものほうが女の子たちより弱さを見せるのも また深作さん的か。(^^)  そして、その描かれた世界、中学生たちの行動って、30代も後半が見えて きた私などにとっては、「昔はこういう奴いたよなぁ」という行動パターン。 ある意味リアルなリアクション。  この本質的な部分が変わらない限りは、例え一見理解できない世代のように 思えてしまっても、きっと理解の余地は残されているのだろうなぁ・・・など と余計な事も考えてしまいました。(というほど自分が年とったとも思っては いないのだが。(^^;)  で、続いてはキャラクタたち。 教師のキャラクタを、原作ではある種世渡り上手な坂持金髪に変えて、現実に 適応できない部分を影として持つキタノに変えてしまったのは、大成功だと思 う。そして、確かにこれはビートたけしにしかできないわな。この部分は原作 読んだ時点では想像できませんでした。  続いて不安だったのが安藤政信。 原作から受けたイメージと彼とは、およそかけ離れていたのですが、これも、 ちょっと設定が変わっただけでクリア。『スペーストラベラーズ』等にでてい る彼を観ていてすっかり忘れていたのですが、『キッズリターン』の彼って、 本質的な部分に、何かああいうところも持っていたなぁというのを、観終わっ た後に思い出しました。  そして、その他の登場人物たち、杉村や三村などの主要キャラクタも、一部 設定や雰囲気は違ってはいたものの、観たいものを見せてもらいましたという 形で満足。主役二人は、こういう群像劇の宿命で、見事に受動態で目立っては いかなったものの、主役としての役どころを押さえているように感じました。 kaname(CXE04355)

『バトルロワイアル<特別編>』(2000)

(2001/05/21記 at @nifty FMOVIE 12番会議室)  『バトルロワイアル<特別編>』を観ました。(2001/05/19 at 池袋シネマ サンシャイン5番館) 既に元々の作品は観ているので、今回特別編でどの程度変わったのかを知りた かったのと、やはり、この作品が好きだというのの2つの理由。 たぶんもう空いているだろうしなぁというのもありました。 (以降、内容に触れます。)  まぁ今回どこが増えただのなんだのを追求するつもりはありませんが、バス ケの試合のシーンは、映画の構造そのものは崩してしまったものの、良かった なと思いました。まぁ、ずるいとも言う。(^^) 素直に、バスケシーンのある 人の表情に泣かされてしまいました。 最初に公開された版で気に入ってくれた人に対する、ささやかな贈り物という レベルで観ておいた方が良いかもしれない。 他の、エピソードとして端折られすぎてしまった子たちの、少しだけ扱いが良 くなった部分は、やはりこちらの方が良いかな。  あと、前も良かったなと思っていたところは今回も良かった。灯台の部分は 小説も映画も好きだし、三村の部分も同様。  悪い意味で、ベタな作りのものが無くなっている今にあって深作さんの表現 方法は好きだな。ある種対極的な存在になっているビートたけしは、演者とし ても異質な存在で、それを大人と子供の間の異質感として置きたかったのかな というのが、小説の中では二重の悪意として存在していたベストキャラクタの ひとりであった坂持金髪をあえて降ろしてまで使った理由なんじゃないかと、 ふと思ってしまいました。 kaname(CXE04355)

『バトルロワイアルII 鎮魂歌』(2003)

(2003/07/12記 at @nifty FMOVIE 14番会議室)  『バトルロワイアルII 鎮魂歌』を観ました。(2003/07/12 at T・ジョイ 大泉)  かの『バトルロワイアル』の続編であるという以上に、深作欣二監督の最後 の作品ということ、そしてさらにはあの予告編を見せられたこと! それがまた、奇しくも監督が亡くなられたその日に、たまたま観に行くことに なった映画の前にいきなり見せられたのが、この作品に強く惹かれてしまった 理由だろうなぁ。 (以降、内容に触れます。)  まずはその予告編! 「この親父、まだこんなに毒を持っていたのか!」と言わんばかりで、「深作 組」のロゴと共に凄く心に残る事になったのでした。 この時期にこれをやれるとはさすがと深作としかいいようがない! ・・・なんて思っていたら、本編はそれどころではなかった! ほぼ名指しで彼の国に喧嘩を売り(しかも、当初彼の国の大統領役として大根 役者タランティーノが演説をするという話もあったが『キル・ビル』のスケ ジュールの遅れで流れてしまったとか)しかも、その喧嘩の売り方が、彼の国 の映画『プライベートライアン』そのままを子供たちにやらせてしまうという 皮肉。(『アルマゲドン』も入っているか。(^^;) 唯一、七原と青井が何故また?なところのみが、ちょっと納得のいかないとこ ろではあったが、そこを除けば、まさに「渾身の力作!」の名に相応しい作品 だったように思いました。 ここら辺に関しては、同じく最後の監督作品と銘打って撮られた篠田監督の 『スパイ・ゾルゲ』もやはり同じようにやりたいことすべてをそこに注ぎ込ん だという印象を受けたものの、やはり取り上げた題材(というよりは元々の作 家性の違い)のせいもあってインパクトはこちらのほうが遥かに大きかった。 本当に、やりたかったことをここに注ぎ込んだように思えました。 で、他の作品の話が出たのでついでに話すと、同じ「エヴァンゲリオン」に影 響を受けた前作(&今作)を持ち、さらに、同じ9.11に、制作の動機にまで関 わる影響を大きく受けているものの、その方向性が大きく違う『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』が同時期に公開というのもまた皮肉ではあるかもしれない。 まぁ原因が同じであれば結果は違えど表出してくる時期が同じになってしまう のは可能性低いことではないかな。 あ、監督の体型もやや似てるかな。(欣二ではなく健太のほうと本広監督ね。) 皮肉といえば、東映の聖地を切り拓いて作ったT・ジョイ大泉のロビーが、 (『BRII』だけではなく)この2作品のポスターで赤く染まっているというの もまた皮肉かもしれない。 と、ここで少しキャストとキャラクタについても書いておこう。 意外なほど良かったのは前田愛。重心の低さが、銃を構えたりさらに走ったり する上で凄くキレイでした。細身で長身のスナイパー役の加藤夏希よりも存在 感があって良かった。そういえば、無口で憎しみを内に秘めた役は、過去に 『ガメラ3』でもやっていたなぁ。 竹内力は、キャラクタそのものが前作のキタノと被るような部分が多く、 さらには演出が下手なせいもあって、インパクトとして前作に劣っていたのは 少し残念。 千葉真一は、もっと出て活躍して欲しかったなぁ。伝説のテロリストという事 に説得力を持てる程のシーンがなかったのがやや残念でした。 三田佳子をああいう役に持ってきたのは、彼女の現実に対する皮肉もみえて、 良いキャスティングだなぁと思った。 津川雅彦は、これはもうはまっていたな。(^^) ここにタランティーノが 絡んでくれれば・・・。 で、最後、藤原竜也と前田亜季ですが、前者は常に悩んでいるような部分とア クションシーンとそのどちらでも映えていたように思うし、後者は、シンボ リックな役割を、前作よりも成長した姿でみせてくれたように思います。 しかしまぁ(実際にはそのほとんどを演出することもかなわぬままとなってし まったものの)本当に最後まで悪い親父だったな>深作欣二 最後まで「らしかったな」と思いました。 kaname(CXE04355)

『花とアリス』(2004)

(2007/02/10記) 『花とアリス』を観ました。(2007/02/10 at 録画) 残酷で、そして優しい。 何気ないが故に彼女たちにとってより残酷な出来事の起こる世界で、ふたりが 真っ白なキャンパスを見つけた時、花とアリスそれぞれの思いを、そのキャン バスに描いていく。 最初は『三月のライオン』かと思いきや、実は『Love Letter』でした。 『三月のライオン』になるには、彼女たちはまだ幼すぎた。 そして『彼女』ではなく『彼女たち』であったが故に、各々の着地点がああ いうものになったのかもしれない。 そして、この着地点の心地よい甘さ加減が、また『Love Letter』だったりする のだな。 というよりは、キャラクタの配置や役割、そしてイベントに至るまで、本当に 『Love Letter』だったと思う。 ただし、これはセルフリメイクやオマージュ、パクリなどではなく、いって みれば初期の北野作品と同様、まるで習作をつづけていくかのようなもの。 何年かのち、また繰り返し繰り返しこうやって習作を続けていって欲しい。 そして、その習作に触れる事こそ私にとって至福の時間である。 と、ここで終わらせればいいものの、さらにこの作品自身をもっと語りたい 自分がいるのでもう少し。 まず、もう次の作品に出会う事のできなくなってしまった篠田昇撮影監督には 本当に感謝したい。 この作品においては御自身による撮影はワンカットしか行われなかったらしい のであるが、それでもこの作品は篠田さんのもの。 あの数々の甘美な時間を与えてくださった事に、本当に感謝したい。 花とアリスを、けっしてきれいには撮らず、魅力的に撮ってくれた事に感謝 したい。 で、当然岩井俊二監督だな。 WEB版の頃からあった漫画家ネタが、見事に結実していました。あのロゴは まさにテヅカ! そして極めつけは「ジャングル大帝」! 一瞬まさかと思ったが、本当に見事でした。 そして、鈴木杏と蒼井優。 少しづつ傷つきながらも自分たちの世界を生きていく花とアリスを見事に演じ きってくれました。 偶然が生んだ真っ白なキャンバスにそれぞれの想い(人)を投影しぶつける ふたり。 ふたりの行動の結実するクライマックスのそのどちらも感涙ものでした。 まさに、至福の時間でした。

『HANA-BI』(1997)

(98/02/07記 at FJMOVIE 4番会議室)  『HANA-BI』を観ました。(98/02/07 at 銀座テアトル西友)  本来はもっと早く観ようとも思っていたのですが、事前に入って くる情報があまりにも多すぎて・・・一度頭をクリアにしてからの 鑑賞。まあ、これだけの話題作になってしまった以上、しょうがな いと言えばしょうがないのか?  と、そんな事はおいといて、映画館に行ってまずびっくりしたの が、今までとは手のひらを返したような客層の違い。あの、『ソナ チネ』や『みんなやってるか〜?』はもちろん、『キッズリターン』 でもこんなに年齢層の幅広い客層でいっぱいではなかったので、そ れがとても嬉しかった。『その男狂暴につき』の頃を思い出すと、 本当にここまで北野武監督の映画をいろいろな人が観ているのを見る ことができるとは思ってもいませんでした。ベネツィアの金獅子は こんなにも効果があるものかとあらためて感心しました。  そんな訳で、土曜日の朝一番の回は、約30分前に劇場に着いた 時点で客の入りは40%、しかし程なくテアトル西友お約束の座布 団が出るまでの入りになりました。 (以降ネタバレあり)  良かった〜。『キッズリターン』ではなくなってしまった丁寧でスト レートな表現と緊張感、そして「時間の再構成=未来の予測」が復活し ていたし、さらに、それを負のエネルギー以外の方向に向けて成功して いる。『ソナチネ』では決してなかった和みが・・・とこんな話はやめ ます。(笑)  好きな絵は病院に飾られていた天使達の絵、あの天使達の優しげな 視線がとても好きです。  そして一番好きなシーンは、「鐘」のシーンです。もう、あれは 本当に嬉しくて悲しくて泣きました。  本当に、「こんな映画を作ってくれてありがとう。」そう言いたく なるような映画でした。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『バブルへGO! タイムマシンはドラム式』(2007)

(2007/02/25記) 『バブルへGO! タイムマシンはドラム式』を観ました。 (2007/02/25 at 新宿バルト9 シアター5) まずオープンしたばかりの新宿バルト9。 詳細は後日として今回鑑賞したシアター5はまぁ標準的な Tジョイのスクリーンに近かったかな。狭さ加減がなんとなく パラスを彷彿とさせるのは思い込み過ぎか。(傾斜はあそこ までじゃないけれどね。) で、本編。 まぁわりと楽しめたかな。ホイチョイ独特の小物に対する こだわりとかはあいかわらずくどすぎずうまくまとまって いたし、過去の世界は意外なほど違和感なくいつのまにか それが当たり前の世界になっていました。 知っている時代なだけに一歩間違うと危なかったのだけれど 知っている人たちが作ったのでこういううまさは今も健在。 ただし、広末涼子演じる田中真弓の口調を真似ていえば 「CGひど!」 いくらお金のかけ方が違うとはいってもちょっとは反省 して欲しいレベルでした。 少なくとも全体の画質の荒さでごまかすのだけはなんとか してよの世界。 特殊メイクとかセットとかはよかったのになぁ。 まぁ映画が終わり、外に出ると現在の新宿の夜。 実際にはバブルも無縁で映画ばかり観ていた昔を ほんの少し思い出しながら帰途についたのでした。

『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』"The Mummy"(1999)

(99/06/20記 at Niftyserve FMOVIE 2番会議室)  『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』を観ました。(99/06/19 at 渋谷渋東 シネタワー1)  私がこの作品を観たかったのは、監督が、去年の私の私的ベストワン映画、 『ザ・グリード』のスティーブンソマーズ監督であった事、加えて後の情報で、 同じく音楽が、『ザ・グリード』に引き続いてのジェリーゴールドスミス(!) だと言うことが判って、これはますます楽しみに。  さらには、意外や意外、先行レイトの評判も良いし、何か、こんなに期待し てもいいのかと言う状態での鑑賞と相なりました。 (以降内容に触れます。)  その昔、映画が純粋に娯楽であった頃に多く作られた連続冒険活劇。 時は流れて映画がいろいろな物を背負込み過ぎたために衰退の傾向を見せはじ めた時に現われた監督達、スティーブンスピルバーグやジョージルーカスなど が求めたものは、この、古き良き時代の映画の再現でした。その後も、多くの 作品・監督の手によって作られた、その時代の映画の再現、たとえば『インディ ペンデンスデイ』にしても『カットスロートアイランド』など、最初にあげた ふたりも含めて、余計なうまさもあったり、過剰な思い入れがあったり、思想 の注入があったり、あるいはまったくの勘違いもあったりして、また、それは 違うテイストのものと化していました。  それが、この映画では、そういう妙な気負いや思い入れが全くなく、伏線も はっきりとした判りやすい展開やキャラクター、無駄な理屈付けによるテンポ 殺しのまったくない軽快なテンポ、笑いとアクションに絶妙なミックス度合と 言う形に加えて、今の技術をやはり気負いなく駆使されていて、ホント、単純 に楽しめる事ができる作品となっていました。  ただ、映画としての完成度は、『ザ・グリード』よりも上がっていたものの、 有無を言わせぬ展開度合に関しては、『ザ・グリード』の方が上か。  なーーんて事を思いながらも、実際には、 「ブレンダンフレイザーがマイケルパレ系に撮られている。(笑)」とか 「レイチェルワイズが、また二の腕の太さを発揮している。(笑)」とか 「首の強さはポイントだった。」とか 「各キャラクタが皆、登場時に自分のキャラクタをすべて披露しているのって いいなぁ。」とか 「ケビンJオコナーがまたおいしいとこ取り!(笑)」とか 「やはりやりたかったか、『アルゴ・・』の再現」とか 「困った時には、やはり【威嚇】が基本だよね。」とか 「銃は2丁拳銃使い捨てが基本。」とか 「飛行機飛ばしたい為に出てきたキャラクタまできっちり描いてる所が好き」とか 「お約束もすべて外さないところが好き」とか 「伏線外しもたまにはいいよね。」とか 「黙ってきっちり仕事をする奴がいるのも基本?」とか 「これだけの話なのに、悪の野望を持った奴がひとりもいないのもいいなぁ。」とか  まぁ、挙げるときりがないのでここら辺にしときますけど、久々に単純に楽 しめた作品でした。  あ、そうそう、やっぱりこの手の映画はジェリーゴールドスミスが基本です よね。(^^) かなめ(CXE04355)

『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』"The Mummy Returns"(2001)

(2001/06/10記 at @nifty FMOVIE 2番会議室)  『ハムナプトラ2』を観ました。(2001/06/09 at 池袋HUMAXシネマズ4 CINEMA1)  『ザ・グリード』の監督・脚本たるスティーブンソマーズの『ハムナプ トラ』シリーズ第2弾。今回も前作に引き続きの監督・脚本ということで、 期待していたら、先行して公開されたアメリカでの評判がまた良くって、 「ヨシ!」と気合を入れて見てきました。 音楽が前述2作のジェリーゴールドスミスからアランシルヴェストリに変 わっている事がやや不安だったものの、それこそ、このビッグバジェット で今度こそ『ザ・グリード』並のソマーズタッチを炸裂されてた日には、 感涙ものだなぁなんて思いながら。 (以降、内容に触れます。というよりは、ほぼ内容のすべてをバラしてい ます。(笑))  まずはオープニングの肉弾戦。いやぁ地平の果てまでの軍勢っていいよ なぁ、なんて思っていたら、この後もこういうシーンを何度もみせてくれ る。(笑) もうこれだけでサービス精神旺盛です。しかも、これでもかとばかりの敵 味方入り乱れての肉弾戦を演じるザ・ロックの素晴らしい事。これはクラ イマックスも期待だな。  そして、続いての髪型のシルエットで判る主人公(笑)の登場シーン。こ れもベタベタの定番ながら、きっとこれから延々と続くであろうお約束の シーンの予兆としても、もう最高の部類。  そして、あの両親にして…のふたりの息子もパートキャラクタとしてで はなくほぼ全編に主要登場人物として登場。キャラクタとしては子供だけ れど、扱いは他の大人達と同等というのも○。いきなり御挨拶で前作の本 棚ネタを披露だもの。(笑)  さらには、レイチェルワイズを始めとする他の主要キャラクタもさらに パワーアップして健在。続編ものの強みとして、説明的な部分はさらに省 略され、あとは活躍するのみ。(^^) それにしても、たくましい二の腕を今回も見せてくれます。>レイチェル ワイズ さあて、こんなペースで書いていたら、いつまでたっても終わらないので 先に進みます。 続いて悪役登場。今回の悪役は大英博物館の館長。(笑) キャラクタとし ては弱かったものの、その肩書きは二重丸だな。そして、一緒にいるのが なんとアナスクナムンそっくりの女性。そういう人間がいるのなら前作で ちゃんと出てこいよと思うのもつかの間、「これはソマーズ監督の作品」 ということで無事クリア。(笑) さらには、前作で葬ったはずのイムホテップがあっさり復活。そして復活 させた訳は、そのイムホテップよりさらに昔に呪われて封印されたスコー ピオンキングを復活させた上で、このイムホテップと戦わせて世界を征服 できる軍隊を持つという野望のため。この設定というか思いつきは凄いと 思った。これだけで負けたという感じ。 この時点で、ほぼ両手を挙げて降参しているのに対して、途中から話がさ らに加速度を上げてくる。前作の最後に持ちかえった財宝で大金持ちにな った(笑)主人公たちの住む場所がロンドン。となれば舞台は夜。そして、 2階建てバスとロンドンブリッジは外せないでしょう。さらには、そこで 「もしかしたら起こるんじゃないか」というシチュエーションを外すよう なソマーズ監督ではありません。(笑) さらには、2階建てバスの1階と 2階でそれぞれ殺陣があるところなんざぁいいよなぁ。(ちなみにパンフ を読むとこれをやりたいがために2階建てバスを使ったらしいので、さら に「やるな」という感じ。) さらに話はどんどん続く。舞台はエジプトへ移動。 前回に続いて複葉機登場かと思いきや今度は飛行船。しかも操縦士は主人 公の昔訳ありの相棒。ホントに冒険活劇というものは何かということを心 得ているなぁ。そして、空撮のまた綺麗なこと。そして、飛行船は世の常 として落ちます。(笑) 気球が裂けたので修復不可能。 と、さらに途中も書きたいのだけれどこの際飛ばしてアムシェアのオアシ スに到着。さて目的のピラミッドまであともう少し…と思ったら、ここで やりたかったのはなんと『ロストワールド』。(笑) しかも容赦なし。(笑) 果たして、ソマーズ監督は『ジュラシックパーク3』の監督候補だったの を降ろされたのだろうか降りたのだろうか?(まぁ3の監督として2のセ ルフパロディと見られるよりは、こういう作品でぱくったほうが面白いか ら…というような理由で降りたとしても、この人ならおかしくないかも。 (笑))  さらには橋のエピソードに大爆笑。(私はああいうシチュエーションが 大好き。)しばらく笑っていました。(笑) そして、冒険活劇の世の常として、タイムリミットぎりぎりで目的地に到 着。と、ここでなんとレイチェルワイズがあっさり殺され…、いやぁそん な事で心配してはいけません。(笑) なんだかんだでスコーピオンキング登場…登場…え。(笑) なにか別のものを少しでも期待した私がバカでした。(笑) こんな状況ではいくらあのイムホテップでも弱気になるでしょう。(笑) アナスクナムンがああいう態度をとってもしょうがありません。(笑) みんな、あのスコーピオンキングのせいかもしれない。(笑) しかも、館長は画面の遠くのほうでちっちゃく殺されてるし、それ以前か らしつこく出てきた財宝の棒は、きちんとしっかり取り扱い説明書があっ たりするし、たしかに、ここからはSAPPORO BEERなのかもしれません。 などと呆然しながらも実はエピソード1そのままのクライマックス。(笑) 地平線を埋め尽くす軍勢は、絶えることがありません。(笑) レイチェルワイズも強いです。 けど、それでいて前作の焼きなおしな相手の倒し方も…この際、○です。(笑) そして、これでもうダメだと思った瞬間、かつての相棒は、ミレニアム ファルコンを駆るハンソロのように現れてくれます。(決して、ここで 「どうやって?」と思ってはいけません。) そして、さらなる財宝を手に入れた主人公たちは、きっと3で、さらな る大金持ちになっている事でしょう。(笑) あ、そうそう、前振りで一応書いておいた音楽は、やはり少し日和って いたような気がします。やはりジェリーゴールドスミス御大による、さ らにベタベタな音楽が欲しかったような気はする。 そして、ソマーズタッチは、まだ全開にはほど遠かったかな。やはりお 金がありすぎると、あまりベタで泥臭い事は出来ないのでしょうか?  しかしなぁ、こうなると、今回の『ハムナプトラ2』で稼いだお金で ぜひとも『ザ・グリード2』を作って欲しいなぁ。今なら、きっとあの 島も完全再現可能だ。(笑)(そして、きっとそれはジュラパ3の100 %パクリでいて、面白さ倍増の作品になることと思います。) ああ、何かそういう夢のような企画が実現しないものか。 kaname(CXE04355)

『パリ、テキサス』"Paris,Texas"(1983)

(95/11/08記 at Niftyserve FMOVIE 15番会議室)  砂漠を歩くハリーディーンスタントン。あくまでも無口で、それは人生の すべてを捨ててしまったから。  そして赤い服をきてマジックミラーの向こうにいるナスターシャキンスキー。 彼女の奔放さに惹かれてしまったがために。  言葉がもう出ません。                            KANAME(CXE04355)

『(ハル)』(1995)

(98/08/23記)  こんばんは、元映画フォーラムのかなめです。(^^) ようやく、と言っていいのだろうな、『(ハル)』を観てきました。 (98/08/22 at 調布パルコキネマ)  しかし、鑑賞中にここまで恥ずかしくなった映画というのは、これが初めて かな。ある種、あまりにも身近すぎて。(^^)  そしてきっとこの映画が公開された当時に観ていれば、それはもっと恥ずか しかっただろうな、なんて思っていました。 特にメールのやり取りは「あ、メールでそんな言い方しちゃ。」とか、・・・ まぁいろいろ。 しかし、こういう世界をあの時期に、しかもかなり正確に再現しているのは、 なかなか凄いよな。  通信だけで話をしている人のとの距離感とか、一方での淡々とした生活の部 分。そして初めて会う時の感覚というのは、ほぼ、そのまま出ているように感 じました。  そして、この不思議なコミュニケーションをしている時に、陥る錯覚にまで ちゃんと手を入れているのが余計にリアルで。 まぁ、映画を観ながらそんなことを考えていたのですが、観終わってからは、 知恵熱が出そうなくらいに、今までのことをいろいろと思い出して、感慨に ふけっていました。 しばらくは、そんな状態が続きそう。

『遥かな時代の階段を』(1995)

(95/04/23記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室)  『遥かな時代の階段を』を観てきました。私にとっては、祝!林海象復活と いう感じで、とても気にいってしまいました。  そして、自分が好きなタイプの映画は、メジャーな作品ではなく、もともと こういうタイプの小品だということを、この映画は思い出させてくれました。  3番会議室は、結構マイナーな作品も多く紹介されているのに、なぜ、最近 こういうタイプの映画を観てなかったのだろうと、考えました。  結論は、あっさり出ました。最近この会議室を読むのを、単におろそかにし ていただけでした。(^^;  また、ここに専念できるような環境にしなければ、何のためにこのフォーラ ムにいるのかがわからなくなってしまう・・・。(あ、話がそれてる。)  と、話がそれたので元にもどします。  私は林海象の最近の作品に、今まで物足りさなを感じてました。あの『夢み るように眠りたい』のような雰囲気と力が、なにか感じられないように思って いました。  『アジアンビート』も『我が人生最悪の時』もなにかが違うと感じてました。  それが、この映画をみてなにか納得できたような気がします。題材なのです ね。と、感じました。  映画の内容としても、『我が人生・・』の時のように、無国籍風を狙うより は、今回のように戦後の混乱期的な雰囲気の方が林海象がいきいきしている様 に感じたので。  あと、この映画は、濱マイクシリーズでありながら、長瀬正敏は今回は話の 筋をまとめるためだけの役で、実際は岡田英二と鰐淵晴子の映画のように感じ ました。  それにしても色っぽかったですねえ。鰐淵晴子は。 岡田英二も渋かったし。 完全に他の役者は圧倒されてたように思います。  以上、指を怪我して満足にキーボードが打てないKaname(CXE04355)でした。 (3針も縫ってしまった・・・。)

『パルプフィクション』"Pulp Fiction"(1994)

(94/10/08記 at Niftyserve FMOVIE 3番会議室) 『パルプフイクション』観てきました。噂に違わぬ映画でした。  何といっても、人がいっぱいいる映画館の中で、あまり周りの人が笑わない ような所で、思い切り笑って...、最後にはひきつり笑いまでしたのは、『トゥルー ロマンス』以来! あれはすごく気持いい! (少し優越感もあるしね。)  かと言って外した所で笑っているとは決して思っていない。なぜみんな、思 い切り笑わないのだろう。あんなに笑える映画なのに...。これは『トゥルー..』の 時も感じた事だ。あの時は渋谷、今日は有楽町だった。うーん、わからない。  けど、ずっと笑い続けていた訳ではなくて、笑っていたのはある一部だけ。 あいも変わらず、言葉と映像と音楽の洪水の中で2時間半フルに楽しめる映画 でした。  ここでひとつ。三本の連作で、三大映画祭を征する所だった『トリコロール』と、 ("BLEU"も"BLANC"も面白かった。"ROUGE"が早くみたい)、1本の映画にに三作 詰め込んだ『パルプ...』。どちらも、前評判が高く、脚本=監督で、さらにそ の監督の作った(今の所)最高傑作(という噂)、さらにその三つの話が微妙に絡 み合い 最後の最後に「そうだったのか。」と思わせるタイプの映画。(と『トリ コロール』もそうなると聞いている。) この2つの映画がカンヌで"PALME D'OR"を競い合ったというのが、なにかとて も嬉しい。 これを機に、多くの映画作家がこういったタイプの(決してミス コピーではない)映画を創作してくれると私個人としては嬉しいなと思ってい る。そしてもちろん、これを遥かに凌駕してしまう未知の映画を望んでいるの は当然のことだが。

『パルプフィクション』(その2)"Pulp Fiction"(1994)

(98/04/11記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  久々に『パルプフィクション』をスクリーンで観ました。(98/04/10 at 渋谷パンテオン)  さすがに、当時は「時代そのもの」だったせいか、今観ると、懐かしいなあ と言う感覚の部分が多い(『レザボア・・』の方はそういうのがない)けれど も、それでも、フィルムで観るほうが良いなあと改めて感じました。  懐かしいなと感じてしまうのは、トラボルタとサミュエルLジャクソンが、 今やほぼ出ずっぱりの状態であるのに対して、最初に観た当時は凄く新鮮に 見えていたところが一番大きいだろうなと思います。他のパートは、そんな に古くは感じられない。  それに対して、やはりユマサーマンはこの時が一番好きだな。そして、その ユマと組んでいる時のトラボルタは良い! あのデートのシークエンスは全部 が全部今でも好きだもの。家に戻ってきてトラボルタがトイレに行っている間 のユマは本当に「ここはやっぱりスクリーンで観た方が全然良いよなぁ!」と 思っちゃうし、エリックストルツの家に運ばれてからの「ガバッ」は何度観て も良い。最後の「笑えないギャグ」も大好き。そして当然のように、ふたりの ダンスシークエンスは、「やっぱり良いよなぁトラボルタ」としか言えないも の。  まぁ、当然のように、「クリストファーウォーケンの溜めの演技」や、「日 本刀を振りかざすブルースウィリス」、そしてオープニングの"I love you, honey bunny!"のティムロス、アマンダプラマー、そしてラストシークエンス なんかは、これも何度観ても良いです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かなめ(CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『ハンコック』"Hancock"(2008)

(2008/11/18 at 機内上映)   (2008/11/18記) 『ハンコック』を観ました。 (2008/11/18 at 機内上映) ホント、アメコミものの映画化作品はどうしてしまったんだろうかと思わんばかりの 充実ぶり。 これもまたすげーなとしかいいようがない。 こう来たかと。 さらに、わたしゃあれでああなるかと思っちゃいましたよ。 うむ。

『ヴァンパイア/最期の聖戦』"John Carpenter's Vampire"(1998)

(99/01/31記 at Niftyserve FYOUGA 2番会議室)  『ヴァンパイア/最後の聖戦』を観てきました。(99/01/30 at WMC新百 合ヶ丘 スクリーン5)  去年の正月にアメリカで公開されると噂を聞いたのが一昨年の秋ごろだった かな?  その後、アメリカでの公開じたいも伸びてしまっていつ観れるんだと不安だっ たのですが、まぁなんとか公開してくれてまずは嬉しかったです。  そして、今回期待していたのは、ジョンカーペンター監督の映画にジェーム スウッズが主役!! これってもう期待するなって言うほうが無理でしょう>プログラムピクチュア 度爆発なカーペンター映画、渋さ爆発なジェームスウッズを。(^^)  そして、それに見事に答えてくれたのがとても嬉しかったです。(^^) ジェームスウッズ、まさにはまり過ぎ!! (以降、ネタバレあり)  もう、のっけからサングラスかけたジェームスウッズのアップ出しまくりだっ たし、その他にも、俺はこいつが撮りたいんだーとばかりに撮られていたし、 もうそれだけで大満足でした。しかし、お決まりの台詞はさすがにちょっと浮 いていたような気もしました。  そして、ダニエルボールドウィンも良かったし、シェリルリーも良かった! ダニエルボールドウィンは少し前に『愛のトリートメント』を観たら出ていた んで、まぁ印象若干重なりそうかなとも思ったけれど、わぁ、いいわぁ。  中盤は、「もしかしたら最後には」と思ったのだけれど、マシンガン使って 傷口を焼いた所で、やっとその真意が判って、そこからの、またいい事!!  シェリルリーもだいぶ年取ったなぁとは思ったけれど、こういう役は合って ましたねぇ。  あと、やっぱり何ともいえないのがこの音楽!! おお、相変わらず打ちこ んでるなぁと感動しちゃいました。やはりジョンカーペンターの映画はジョン カーペンターじゃないと。  ホント、実を言えば、『ゼイリブ』は今一つ乗り切れなかったし、『マウス オブマッドネス』は、好きだけれど、それよりもカーペンターチックな作品、 『ニューヨーク1997』とか『遊星からの物体X』などが好きな私にとって みれば、この映画は大満足です。(他にも、『ゴーストハンターズ』や『スター マン』なんかが好きだけれど、この映画とはまた趣が違うから。)  というわけで、これからもどんどんこういう映画ばっかり作って欲しいです> ジョンカーペンター様 〜〜〜〜〜〜 99/01/31(日) 〜〜〜〜〜〜 かなめ (CXE04355) mailto: takashi.miyamoto@nifty.ne.jp     kaname@a2.mbn.or.jp URL http://plaza2.mbn.or.jp/~kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/ http://member.nifty.ne.jp/kaname/cinecom/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜